目の前を黒猫が横切ると不吉なことが起きるとアメリカの迷信では言われてる。ネコは非常に頭が良いという面がありながら、犬と比較するとなかなか用心深く人になつかないので嫌いな人も多い。猫と言えば、三味線。亡くなった母親も叔母も三味線を弾いていたので時折皮が破れたり、3本継ぎの棹の部分の修理をするときに付いて行って修理の作業を見ていた記憶がある。叔母は義太夫と長唄が好きなので太棹と細棹を、母親は小唄、端唄が中心なので中竿を持っていた。普通、お稽古で使うのは犬の皮の三味線で、舞台とか、お披露目の時は猫の皮の三味線を使う。音で言えば猫は柔らかく、犬は硬いと思えば良い。保管が悪いと皮はヒビが入りやぶれてしまう。総張替えは高価なので一部分の補修で済ます場合もあるが、専門家だけあって修理はうまい。子供の時に一度だけ迷い込んできた三毛猫を飼った思い出がある。当時、三毛猫の雄は貴重品で、漁師が小船で漁に出るときに、三毛猫を乗せていれば天候の急変をネコの仕草で教えてくれるという事で重宝された。三毛猫の雄はほとんどいないので高かったということも言われていたが、その少ない理由はわからない。三毛猫と言えば、赤川二郎の作品三毛猫ホ-ムズのシリ-ズの名前が最初に思いつく。単行本で40冊近く発行されているが、多分20冊以上は読んだ。作品の中に出てくる飼い主で独身の片山義太郎刑事 、美人の妹の晴美と、彼女に憧れている食べる事が趣味の目黒署の石津刑事の組み合わせで、毎回事件が進行していく。事件解決のヒントは常にホ-ムズの仕草である。犯人には常に一定の距離しか近づかず、それ以外に人にはなつくという動作の描写で、大体流れがわかってくる。肩のこらない小説である。