書の歴史を臨書する

古今の名磧を臨書、最近は米フツ。
時折、気の向くままに漢詩や詩、俳句などを勝手気侭に書いております。

莱子侯刻石(AD16)

2006-05-17 08:35:12 | Weblog
古隷から八分に移行する過渡期のものだが、
素朴な力強い筆勢の中に奥深い雅かな味合いを見る。
この時期の書の中で、私が一番好きな刻石である。
この時期の篆書と隷書の中間的な書体を「古隷」とも「草篆」とも呼ぶ。

帛書.・戦国縦横家書

2006-05-15 09:14:55 | Weblog
2000年前の女性の屍体の発見で世を震撼せしめた「馬王堆」からは、
多くの副葬品が発掘されたが、
文字の歴史上、極めて貴重なのが帛書と竹簡である。
後年、紙が発明されるまで、
文書や書簡は、
絹に文字を書く帛書や、
竹や木を削った札に書く竹簡、木簡が普通であった


睡虎地秦簡

2006-05-14 10:14:48 | Weblog

秦代の竹簡「睡虎地秦簡(雲夢秦簡とも言われる)」
の文字は若干の篆意の残るものの、
明らかに隷書体であり、
小篆が正書体であった秦代に於いても、
行政文書などの実用書には隷書体が用いられていたことが判る。

楚帛書

2006-05-13 07:25:44 | Weblog

戦国時代中期の絹に書かれた肉筆書。
前載の竹簡と似通っており、
当時の楚地方で流行した筆法であろう。

近世に入り、長沙、敦煌、楼蘭等で発掘された木簡、竹簡、帛書によって、
我々は、古典の肉筆にこの目で触れることが出来、
古典の運筆、筆勢を観賞することが出来るのだ。