goo blog サービス終了のお知らせ 

ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 モンテディオ山形vsギラヴァンツ北九州

2021-12-09 16:12:17 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山形の記事はこちら(38節・岡山戦、0-1)
※前回の北九州の記事はこちら(39節・山口戦、1-0)

息継ぎをする暇も無く、降格圏が確定して最終節を迎えてしまった北九州。
持てる限りの戦力で守備を固めに掛かったものの、結果は出る事無く。
J3の結果を考慮しなくても、残留の可能性は針の穴程(勝利かつ19位・相模原が敗戦、それに加えて9点もの得失点差を追い付く)という状況で、どんなサッカーを見せるのか。

嫌でも攻撃的にいかなけらばならない故、センターバックに村松・ボランチに針谷がスタメンに返り咲き。
本来の最終ラインから繋ぐサッカーを基調とし、大量点を狙いにいく姿勢を採った小林伸二監督。
前半2分にスローインからラフなロングパスを入れ、こぼれ球を拾った前からがドリブルからミドルシュート。
GK藤嶋のセーブで防がれるも、僅かな可能性を広げにいく選手達。

しかし相手は上位の山形と一筋縄ではいかず、こうなると思い出すのが、2019年の最終節・柏vs京都
昇格の可能性を残して首位・柏に挑んだ京都でしたが、攻撃サッカーを貫いた結果、マンパワーを活かした柏のカウンターを止める術に乏しく。
おまけにDFが次々と負傷交代する不運にも見舞われ、後半は全くのザル守備となってしまい失点を重ね。
それでも勝利への得点を目指して攻め続けた結果、終わってみれば13-1・FWのオルンガが8得点という記録的な大敗となってしまいました。
奇跡を起こさんとしたチームに対し、齎されたものは非情な現実という血も涙も無かった試合。
果たして前掛かりになるこの日の北九州も、そんな鉄槌に押しつぶされやしないかと一抹の不安を覚えての視聴でした。

9分に最終ラインで繋いだのちGK田中が左サイドへフィードを通し、受けた福森がワンツー・ドリブルで前進してエリア内へパス。
前川が中央からシュートするも山形・半田のブロックに阻まれるという具合に、好機は作るもののゴールに辿り着けない北九州。
村松・針谷が加わったものの、立ち上がりはオーソドックスな2CB・ドイスボランチによるボックス型でのビルドアップ。
そこそこ機能させてはいたものの、次第に山形のプレッシングが襲い掛かります。
14分に敵陣左サイドで岡﨑がパスカットし、中央への縦パスを受けた中原がシュート。(GK田中ダイブしてキャッチ)

それを受けてか、立ち上がり15分を過ぎた辺りから、ボランチの西村が降りて本来の「丁の字型」でのビルドアップの形を採った北九州。
20分にはその形から前進し、新垣がエリア内でシュートを放つ(ブロック)好機が生まれたものの、徐々に山形に押し込まれる展開を強いられます。

基調である細かなパスワークに、ヴィニシウス・アラウージョのポストプレイを加えて巧みに前進する山形。
そしてあの日の柏・オルンガの如く、ヴィニシウスの個の力が以降炸裂する事となります。
26分、敵陣で南のパスカットから山田康太→山田拓巳へと渡り、山田拓から送られたエリア内へのスルーパスにヴィニシウスが走り込み。
完全に抜け出し、GK田中の飛び出しも間に合わずに放たれたシュートがゴール内へと転がり。
北九州の気勢を削ぐ山形の先制ゴールが生まれ、同時に飲水タイムが取られます。

ブレイク明け、一層得点が必須となった北九州でしたが、主導権は山形のものに。
29分、ここも敵陣左サイドで岡﨑のパスカットから素早く攻撃、縦パスを受けた山田康がスルーパス。
走り込んだ加藤からのクロスが低いボールでニアサイドを突き、バウントした所に合わせたのはヴィニシウス。
綺麗に右サイドネットに突き刺し、あっという間に2得点を挙げます。

北九州は33分に山形・南の反則(警告)によるフリーキックから、キッカー高橋の右手前からのクロスに西村が合わせボレーシュート(枠外)を放ったのが唯一の好機となり。
後は山形の一方的な展開で前半が推移し、37分には山田康のペナルティアークからのシュート(GK田中セーブ)、41分にはミスからヴィニシウスがエリア内からシュート(ゴール右へ外れる)と攻め立てます。
「13-1」への下地が出来上がったかのような展開でしたが、追加点は生まれぬまま前半を終え。

ハーフタイムに両チーム動き、山形は前半44分にGK藤嶋が足を負傷し、何とかプレーを続けたもののここで交代の措置が採られる事に。(ビクトルと交代)
一方の北九州、河野・狩土名→生駒・富山へと2枚替え、何とか反撃体制を作りに動いたベンチ。
前節からスタメンに復帰した狩土名ですが、とりたてて成長した風には見えず。
浮き球のパスを収められないシーンが続発するなど機能不全に陥っていた感があり、早速メスを入れられました。

代わって入った富山は、キックオフ直後の後半1分、村松のロングボールに合わせてから空中戦に持ち込んだのち自身で落とし。
拾った前川がシュート(枠外)と、早速好機を演出します。
ゴールキックからのショートパスでの前進も、降りて来てのポストプレイで絡みを見せる富山。

そして微かな希望の光が差し込んだのは7分。
左サイドで富山がポストプレイで絡んだのちに西村がサイドチェンジ、右サイドから針谷がエリア内へミドルパスを入れると、上がってきた富山が収めにいき。
後ろ向きでトラップした所を山形・山﨑に倒されクリアされましたが、主審の笛が鳴り反則・PKというジャッジに。
これに山﨑が不満を露わにして異議で警告を受けるという具合に、富山は後ろ向きなため倒れなくてもシュートに持ち込めるか怪しいシーンでしたが、ガッツリと押して倒してしまった以上言い訳は利かず。
得点の可能性大というPKを貰いましたが、キッカー富山のゴール右へのシュートを、GKビクトルがナイスセーブ。(しかもキャッチング)
北九州が富山投入ならば、山形も(アクシデント絡みでしたが)ビクトル投入が大当たりといったシーンになりました。

PK失敗にもめげず、尚も押し込む北九州。
しかし12分、止めを刺されたのは自陣での(GK田中の)パスミスでした。
これを拾ったヴィニシウスが、GK田中の跳び出しを受けてすかさず右へシュート。
ゴールポストを直撃するも、右サイドで中原が拾ってクロスを入れると、北九州・針谷のクリアミスでこぼれた所にヴィニシウスが反応してシュート。
シュート失敗をすぐさま取り返したヴィニシウス、これでハットトリック達成となり、山形がリードを広げました。

もはや総員突撃するしかない北九州。
山形は15分にそんな北九州のプレスにも屈せず、最終ラインでいなしたのち瀧澤のロングパスをヴィニシウスが収めて攻撃を展開、中原のシュートに繋げます。(ブロック)
そして直後の16分、逆に山形が敵陣深めで半田がプレスを掛けてこぼし、山田康が右からダイレクトでクロス。
これに合わせたのはやはりと言うべきかヴィニシウスで、足から跳び込んでのボレーで合わせ、GK田中のセーブも及ばずにこの日4点目をゲット。
同時にお役御免となり(林と交代)、手を叩いて観衆にアピールしつつピッチを出るヴィニシウス。

北九州もこのタイミングで2枚替え、前川・針谷→椿・六平へと交代。
さらに直後にプレーが途切れると、福森→永田へ交代し、全ての交代カードを使いきった小林監督。
高橋を(4-2-3-1の)トップ下へと移し、左サイドハーフに椿・右SHに新垣を置く布陣となりました。
20分には投入直後の椿の前進から、永田からのリターンを受けた椿がミドルシュートを狙いましたが惜しくもゴール右へと外れ。

25分に飲水タイムが挟まれた後は、ようやく北九州が望んでいたであろう、攻撃権を独占する展開が訪れます。
既に勝利の芽は限りなく薄く、残されたJ2の時間でどれだけ意地を見せられるかという状況でしたが、未来のためにも諦めるのは厳禁。
32分には新垣が右ハーフレーンからミドルシュート、GKビクトルにセーブされての左コーナーキックから、富山がヘディングシュートを放つもこれもGKビクトルがセーブ。
相手GKの好守も高い壁となりますが、それでも歩みを止めてはいけない。

そして34分、敵陣で高橋のパスカットからショートカウンター、すかさずエリア内へ送られたミドルパスを富山が収め。
切り返しから放たれた富山のシュートがゴールネットに突き刺さり、ついに1点を挙げた北九州。

一方防戦を強いられていた山形、主導権を取り戻すべく36分に2枚替え。
岡﨑・中原→國分・マルティノスへと交代すると、直後の37分には右からのマルティノスのクロスから、跳ね返りを山田康がミドルシュート(枠外)と押し返します。
40分には攻撃の中心であった山田康が足を攣らせて続行不可能となり、樺山が代わって投入。
それでも流れは変わる事無く、北九州の意地を跳ね返すかの如く好機を作っていきます。

そして43分、敵陣右サイドで半田のボールカットから、マルティノスがエリア内へスルーパスを通し。
受けた林がGKと一対一となり、ループシュートでGK田中の上を抜いてゴールゲット。
最後はこの日何度も見せた、敵陣でのボール奪取からの攻撃での5点目となりました。

5-1というスコアで迎えたアディショナルタイム。
最終盤に北九州が押し込み、何度もCKを得る流れを掴んだものの、2点目に辿り着く事は無く。
そして迎えたくなかった、試合終了の瞬間が訪れる事となりました。
正直PK失敗が無くても苦しかったでしょうが、訪れた希望の光は確実に自陣に灯さなければ、モチベーションを保つのも難しく。

2年でJ3に逆戻りとなった北九州、シーズン終了後は小林監督の退任も決定。(フロント業に専念)
J3全体サッカーのレベルが急上昇しているのもあり、再度の這い上がりに向けては相当な厳しさが予想されますが果たして。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 東京ヴェルディvsSC相模原

2021-12-08 16:15:24 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回のヴェルディの記事はこちら(41節・秋田戦、4-1)
※前回の相模原の記事はこちら(40節・愛媛戦、2-1)

最終節まで残留の可能性を残した、J2初年度の相模原。
現状は降格圏ですが勝利さえすれば無条件で残留と、シチュエーション的にも悪くなく。

しかし相手は、ここ最終盤に来て大量得点での勝利を重ねている好調のヴェルディ。
不動のスタメンであった松橋(ヴェルディからのレンタル選手)が出れずと、メンバーを弄る必要性も生まれてしまい。
結局シャドーには前節に戦線復帰したベテラン・藤本と、20試合ぶりのスタメンとなる中山が入りました。

ボール保持に長けたヴェルディが攻撃権を支配する、という予想の通りに、試合が始まると立ち上がりからヴェルディのペースに。
前半1分に早くも好機を掴み、梶川から左サイドへのパスを経て新井がドリブルで切り裂く展開に持ち込むと、戻しを受けた森田がミドルシュート。(ブロックに当たりゴール右へ外れる)

いきなりファーストシュートを浴びた相模原ですが、劣勢の状況でも自力残留のためには最低1点は取らなければならない。
そのため反撃を試みるも、ヴェルディのプレッシングの前にビルドアップの形を中々作れず。
バックパスからのロングフィードでひっくり返そうとしますが、6分にはGK三浦のロングフィードに走り込んだ平松がオフサイドを取られるなど、徒労に終わってしまいます。
そしてヴェルディのボール保持がさらに激烈に。

前節観た際は、サイドバックの上がりを抑制する、何ともヴェルディらしくないビルドアップの形が目立ち。
この日の印象もそれは変わらず、典型的な4-3-3らしい、「前線に運ばれて初めてウイングのサポートに上がる」という立ち回りを両サイド(右=深澤・左=福村)ともに見せていました。
いかにも途中就任の堀孝史監督らしい、バランスとリスク管理を重視する形となっており。
それでもウイングを軸としたサイド攻撃の厚みは、この日の相模原のような3バックのチームにとっては厄介で、両ウイングバック(右=石田・左=夛田)が1人で2人を見なければならない状況が多発。
ヴェルディのパスワークに翻弄され、とても残留への1点を取りにいく姿勢を見せる余裕は無くなっていました。

必死で守る相模原でしたが、ついに決壊したのが17分。
小池の右奥からのクロスがブロックされて右コーナーキックになり、キッカー福村のクロスをGK三浦がパンチングでクリア、尚もボールを繋ぎ再度福村からクロスが上がるもこれも三浦がかき出し。
跳ね返し続ける意地を見せたものの、尚も深澤が拾ったヴェルディ、パスを受けた新井が右ハーフレーンからドリブルシュート。
対角線の軌道で豪快に左サイドネットを揺らす、ディフェンス側にとってはどうしようもないシュートとなり、とうとうヴェルディが先制しました。
その後もヴェルディのペースが続いたまま、23分に飲水タイムが取られます。

キツい試合を強いられた相模原ですが、それでも攻めなければならず。
以降はようやく最終ラインから繋ぐ意識へと傾倒し、パスワークで前進。
川上が3バックの左へと降りるのを基本としつつ、藤本が降りて出口を作らんとする立ち回りで、ヴェルディのプレスを何とかいなす形を作ります。
しかし28分に自陣でのミスからヴェルディが決定機、奪った梶川がエリア内左へ進入し、奥まで切り込んでクロス。
ファーサイドで収めた小池がシュートしますが、枠を大きく外して命拾い。

攻勢に出る相模原と、その隙を突くヴェルディという具合に試合様相は変形し。
35分のヴェルディ、ンドカ・ボニフェイスが持ち上がるうちに左SBの福村が前線に上がり、ウイングの新井を囮にしつつンドカがそこへスルーパス。
福村のクロスはブロックされるも、前掛かりになる相手の意識を逆手に取る攻めを見せ始めます。

そんな不利な状況でも、2点取らないといけない相模原。
37分にはスローインから左サイド奥で形を作り、川上がクロス気味にゴールを狙うボールを蹴りましたが、GK柴崎がキャッチ。
42分には川上のパスカットから、左へミドルパスを出した藤本が、夛田の持ち上がりからのリターンを中央で合わせシュート。
しかし枠を捉えられず、時間は刻一刻と進んでいきます。

前半も終了間際となり、迎えた45分。
フリーキックからの二次攻撃で、後方から川上がロングパスを送ると、川﨑の落としがエリア内へ。
これを鎌田が足を延ばして合わせ、ループシュートをゴール内に入れましたが、その寸前でオフサイドの笛が鳴りノーゴール。
やっとゴールネットを揺らしたものの、得点には辿り着けなかった相模原。
結局1-0のまま後半を迎える事となります。

今季途中から指揮を執る事となった、相模原・高木琢也監督。
過去2クラブでJ1昇格を齎している(横浜FC・長崎)という具合に実績は十分で、様々なクラブで監督を務めており。
しかし唯一、満足な結果を残せなかったのが、この日の対戦相手であるヴェルディ時代でしょうか。
2009年に就任したものの、当時のヴェルディは日本テレビのスポンサー撤退(シーズン終了後)もあるなど、深刻な経営難に苛まれていた時期。
戦力が中々揃わず、高木氏自身も選手起用に悩み、シーズン途中で解任の憂き目に遭ってしまいました。

月日は流れ、今季シーズン途中からの就任と、開幕1試合で前監督が解任された横浜FC時代を除けば初めてといえる体験。
苦闘の末最終節まで辿り着きましたが、残留を阻まんとするのがヴェルディというのが何とも皮肉であり。
果たして2度までもヴェルディに苦汁をなめさせられてしまうのか、運命の後半戦。

迎えるに辺り、藤本・中山→安藤・児玉へと2枚替えを敢行した高木監督。
開始前の懸念材料であった2シャドーを一気に交代し、勝負を賭けて来ました。

その意図通りに、開始から相模原が押し込む展開が描かれ。
後半2分敵陣で夛田のボール奪取から左サイドで攻撃、児玉のスルーパスから夛田→安藤と渡り、安藤がエリア内左からマイナスのクロス。
中央で収めた石田がシュートし、ヴェルディ・山本のブロックに阻まれるも、こぼれ球を詰めた平松がゴールネットを揺らし。
同点か、と思われましたが、またもオフサイドを告げる笛に阻まれてしまいます。
2度もノーゴールとなってしまい、落胆しても無理は無いでしょうが、それでもめげずに攻める相模原。
9分にはヴェルディ・新井が、相模原のFKを妨害して警告を受ける等、その圧力による相手のプレッシャーは相当なものに見えました。

尚もヴェルディゴールに迫る相模原、12分はロングボールの跳ね返りを拾った川上から左へ展開、夛田のドリブルを経て中央で受けた児玉がミドルシュート。
GK柴崎がセーブして左CKとなり、キッカー安藤のニアへのクロスを鎌田が合わせヘディングシュート、しかし枠を捉えられず。
そして13分に両チーム選手交代を敢行し、相模原は平松→兒玉へと交代。(安藤がシャドー→FWへシフト)
一方のヴェルディは新井→山下へと交代します。

前節のように小池が左へ回るのかと思いきや、そのまま山下が左WGに。
疑問が残ったものの、その形から最高の結果が生まれる事となります。
16分、左サイドで福村のロングパスを佐藤凌我が合わせると、上空へ上がったボールを山下がエリア内へと落とし。
この中央へのボールに佐藤凌が走り込んでシュートを放ち、相模原に絶望感を与えるゴールが齎され。
相模原サイドは、山下がオフサイドという事を主張するも当然判定は覆らず、攻守両面でオフサイドを巡る判定に阻害される事となってしまいました。

流石に意気消沈ぶりは隠せない相模原。
19分にCKから鎌田がシュートを放った(ゴール右へ外れる)以降は、再度ヴェルディに攻撃権を握られる展開を強いられます。
前半は上がりを自重していた両SBが度々攻撃に絡むなど、降格の恐怖に呑み込まれる寸前の相手を尻目に跳梁するヴェルディ。

25分に飲水タイムが挟まれ、今季最後の第4クォーターを迎え。
相模原は鎌田→梅井へと交代し、梅井をFWで起用。
4-4-2のフォーメーションに移行し、最後の望みを賭けます。
一方のヴェルディも2枚替え(小池・馬場→杉本・富澤)、前年相模原でプレーし、かつ契約満了で退団が決まっている富澤を起用するという情緒的な采配。

そして迎えた32分、その富澤のロングパスからヴェルディが好機を作り、拾った杉本の左サイドでのキープを経て山本がエリア内へスルーパス。
走り込んだ梶川のシュートはGK三浦がセーブするも尚も連撃を浴びせるヴェルディ、拾った深澤がシュート、ブロックの後クリアされたボールをさらに福村が拾いシュート。
これがあろう事かヴェルディ・梶川に当たって跳ね返り、予想外の事に相模原ディフェンスも対応できず、ノーマークでの深澤のシュートがネットに突き刺さり。
相模原サイドは再びオフサイドをアピールするも実らず(これはリプレイでも明らかにオンサイド)、決定的な3点目となりました。
(直後にヴェルディは深澤・梶川→若狭・加藤に交代)

最早降格圏からの浮上の芽は殆ど無く、残されたJ2での時間で何を示すかという岐路に立たされた相模原。
最後の力を振り絞って攻勢に持ち込み、中盤からのFK・梅井のロングスローによる放り込みで、何とか1点を狙いにいきます。
42分には左サイドからのFK、キッカー川上は変化を付けてエリア内左へのスルーパスを選択し、安藤が走り込むもクロスは上げられず。

しかしアディショナルタイムには攻め疲れからか、再度ヴェルディに主導権が移り。
自陣で回された末に、若狭のミドルシュート(枠外)・佐藤凌のエリア内からのシュート(枠外)を受ける展開を強いられます。

そして試合終了ならびに、相模原の降格圏を確定させる笛が鳴り響き。
後はJ3の上位次第、という状況に追い込まれた相模原。
しかし頼みの宮崎はよりによって既に全日程を消化しており、今節は勝ち点を積み上げるのは物理的に不可能。
熊本と岩手がそれぞれ勝利・引き分けで勝ち点を積み上げ、ともに昇格圏に滑り込んで昇格を確定させました。
それは同時に相模原の降格決定の合図であり、1年でJ3に舞い戻る事となり。

それでもJ2を戦う中で、相模原にそれまで希薄であった秩序を齎した高木監督のチーム。
果たして引き留めて来季を迎える事が出来るか、オフの出だしから重大なミッションを強いられそうです。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 大宮アルディージャvsザスパクサツ群馬

2021-12-07 16:07:52 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の大宮の記事はこちら(41節・町田戦、0-0)
※前回の群馬の記事はこちら(40節・新潟戦、0-0)

最終節に組まれた、残留争い同士の直接対決。
とはいっても、ともに降格ラインから上という立場であり、19位のクラブ(相模原)の勝ち点積み上げが無い限りは負けても大丈夫な状況ですが。
有利なのは順位が上の群馬の方で、引き分けでも残留確定な立場。

大宮が左サイドハーフ(左ウイング?)を小野→奥抜へと入れ替えたのみ(それも小野の負傷という要素が絡む)で、後はともに前節から不動となったスタメン。
不利な立場の大宮が押し込むという予想通りの入りとなり、長いパスを効果的に使い好機を演出。
前半4分に右サイドのスローインから、河田のクロスをファーサイドで翁長がボレーで合わせにいきましたが、これはミート出来ず枠外に。
続く6分、翁長のロングパスのセカンドボールを拾い、左サイドでパスを繋いで組み立てたのち翁長がクロス。
中央で黒川が頭で合わせるも流れ、ファーで河田がボレーシュート。(枠外)
ファーサイドでボレーシュートという形を連続して作った大宮。

しかし落とし穴はすぐそこに待っており、続く7分。
西村の右→左へのサイドチェンジのパスが短くなり、田中がカットして群馬がカウンター気味に攻撃。
エリア手前で中央へ切り返して左へパスを出す田中、それをエリア内で受けた加藤が対峙する大宮・馬渡の股を抜くシュート。
丁度馬渡がブラインドとなったためGK南は弾ききれず、ゴールネットに突き刺さり。
ファーストチャンスを綺麗にモノにした群馬、先制に成功します。

いきなり窮地に立たされてしまった大宮。
プレッシャーに脅かされる展開を避けるように、以降はロングパスを控えめにして、石川が降りて3人の最終ラインによる組み立てを重視。
その方針転換がたたったのか、群馬に攻撃機会を支配される時間がしばらく続きます。

しかし15分、群馬のパスミスを拾って反撃を仕掛ける大宮。
中央→右→中央→左へとサイドを振り、左サイドでのパスワークの形を作ったのち、再度右へとサイドを振って馬渡がドリブルからクロス。
この低いボールに黒川が頭で跳び込んで合わせ、ジャストミートは出来ずもGK清水が何とかセーブする形となり、跳ね返りを目の前で菊地が詰めてネットに突き刺し。
群馬同様、相手の流れがミスで途切れた所を見逃さない同点ゴールとなりました。

以降は大宮がボールを握るも、前述の基本形からゆったりとしたビルドアップを駆使し、好機はあまり生まれずという展開に。
ミスから先制を許したという事もあり、相手に攻撃させない事を第一に考えていたでしょうか。
19分に奥抜がファウルスローを犯すといった小さなミスもありましたが、穴を作らず試合を進めていく大宮。

そんな中で右サイドからのフリーキックを得たのが24分で、一旦は途切れるも敵陣で石川がパスカットして尚も攻撃。
さらに途切れて今度は右サイドのスローインから、再び馬渡が低いクロスを入れるシーンとなり、ニアサイドで菊地が跳び込むも僅かに合わず。
以上が24分台の攻撃で、基本はスローペースながら、刹那的に押し込んで何度も仕掛けるといった立ち回りだったでしょうか。
ともかくそんな流れが生まれつつ、25分に飲水タイムが挟まれます。

ブレイク明けも暫く好機が生まれない等、大宮のゲームコントロールぶりが顕著な流れ。
31分に石川の縦パスを受けた奥抜が左サイドを前進ののちスルーパス、受けた翁長が左コーナーキックを獲得。
キッカー河面のクロスが流れた所を、エリア内右で拾った翁長がシュートするも右サイドネット外側。
ここからまた暫く停滞が続きますが、群馬サイドも中々攻勢に出れず。
大宮ペースは不変という印象を残しつつ、迎えた35分でした。
最終ラインの繋ぎから、またも右サイドで馬渡がクロスを入れる展開に持ち込み、今度は近距離(エリア内右)で菊地が受け。
そして彼の戻しに三門が後方から走り込み、放たれたシュートが豪快にゴール右へと突き刺さり。
キャプテン三門の胸すく勝ち越しゴールが生まれ、リードを奪った大宮。

前半のうちに逆転されてしまった群馬。
以降は主に左サイドからの攻撃を見せ、サイドバックとSHの関係性を重視して前進を図るも、思うようにやらせてもらえず。
終盤を迎え、細貝のキープに対して大宮・三門が後ろからチャージしてしまい反則となると、三門に警告が突き出され。
特に重い反則には見えず、大宮サイドから不満の声が漏れる事となりましたが、これを機に以降群馬が押し込む流れを得ます。
アディショナルタイム、GK清水のロングフィードに青木が跳び、合わせられずに流れた所を拾った田中がエリア内右へ進入。
しかし切り返しを図るもシュート体勢を作れず、クリアされてしまいモノに出来ません。
結局2-1のまま前半を終え、ゴールシーンの1本のみに終わった群馬のシュート。

共に交代無く迎えた後半、群馬が同点に追い付かんと攻勢を掛ける展開に。
後半1分の最初の攻撃でCKを得たのを皮切りに、以降スローインから好機を作ります。
3分、右から投げ入れた岩上が田中の返しをダイレクトでクロス、走り込んだ加藤が合わせにいくもミート出来ず。
5分には左から小島雅也のロングスロー、クリアされたボールを岩上が拾い、ミドルシュートを放ちましたが枠を捉えられず。

大宮は前半からより一層消極的な試合運びとなり、ロングパスが巧く繋がれば……という立ち回りで攻撃権を得れず。
もしかすると相模原の試合状況(前半終了時で0-1)を頭に入れていたかのかもしれませんが、最初の攻撃機会は12分という遅さとなり。
西村のロングパスが黒川に収まり、左へ展開したのち翁長からクロス。
クリアボールを馬渡がダイレクトでシュートしましたが、ゴール右へと外れ。
その直後に群馬は大前がプレー続行不能となってしまい、交代を余儀なくされます。(進と交代、加藤がFWへシフト)
前節の負傷を抱えたまま強行的に出場していた大前、残留へ並々ならぬ思いがあったと思われますが、ここで無念の交代。

今までは加藤・小島雅の左サイドでの攻撃を重視していた群馬ですが、加藤のポジションチェンジの影響か、その後右サイドから仕掛けるシーンが目立ち。
15分にはその形から平尾がクロス、青木がフリックするもクリアされ、加藤の繋ぎを経て再度平尾からクロスが上がり。
これを交代出場の進がヘディングシュートに持っていきましたが、GK南が正面でキャッチ。

長らく守勢となっていた大宮でしたが、17分に河面右へロングパス→黒川受けて手前からクロス→ファーで河田(クリアされる)と、ロングボールでの組み立てでCKをゲット。
この左CK、キッカー河面のクロスをニアで菊地がフリックし、ファーに流れた所を翁長がシュートしますがブロックに阻まれます。
22分には群馬がチャンスを迎え、再び右サイドで平尾がドリブルからクロスを入れると、中央で進がスライディングで合わせシュート。
しかしGK南がキャッチと、双方フィニッシュに辿り着く乱戦模様に。

その直後の大宮の攻撃でした。
GK南のスローを受けた河面がロングパスを送ると、群馬・渡辺のマークを振り切って収めた河田がエリア内へ進入する絶好機に。
群馬ディフェンスが整わないうちに河田がシュートを放つと、GK清水の伸ばす手も届かずゴール上へと突き刺さり。
乱戦を制するのは個の力、と言わんばかりのゴールとなり、2点差へと突き放した大宮。
直後に飲水タイムが採られ、いよいよ残留への扉が露わとなりました。

何とか反撃したい群馬、既に相模原も勝利は絶望的な状況(後半20分で0-2)でしたが、自力で残留を決めるに越した事は無い。
27分にCKを得て、そこからスローインを挟んでの二次攻撃。
左から岩上のクロスが上がり、ファーサイドで畑尾が折り返して右へこぼれたボールを青木がバイシクルで再度折り返し。
中央で進がこれまたバイシクル気味に合わせるも、放たれたシュートは枠の上へと外れ。
大宮の激しいディフェンスを掻い潜りつつフィニッシュに辿り着くも、結果は得る事が出来ません。
直後に大宮は奥抜が足を攣らせてしまい、それを受けて30分に奥抜→佐相へと交代します。

32分に群馬が左サイドを突破、小島雅がクロスを入れる形となるも大宮・馬渡がブロック。
これがゴールキックと判定された事で、この辺りから審判に対する不満が露わになり始めます。
それは大宮サイドも同じだったようで(前半の三門への警告のシーン然り)、34分には以前から盛んに異議を唱えていた大宮・河田がとうとう警告を受け。

度々スローインが大宮ボールになる度に、群馬・平尾が不満げな表情をするのも悪目立ちしていました。
その平尾は35分、西村のラフなロングパスをクリアミスしてしまい、拾った佐相がエリア内に進入してシュート(GK清水セーブ)とピンチを招いてしまい。
メンタルの乱れも露呈し、反撃の機運を得る事が出来ない群馬。(群馬は37分に田中→白石へと交代、進が左SH→右SHへシフト)

終盤を迎えた41分、大宮は2度目の交代カードを切り。
菊地・河田→中野・河本へと2枚替えを敢行し、5バックシステム(3-4-2-1)へとシフトします。
この試合がラストゲームである河本を中央CBへと置く、花道を作りつつ逃げ切り体制へ。

群馬が攻撃機会をロクに得られずという状況の中、43分に大宮がFKを得ると、ロングボールを河本に送り込むという粋な振る舞いを2度見せる攻撃。(シュートには繋がらず)
情緒的な雰囲気も生まれつつあったNACK5スタジアム、とうとう試合はATに突入します。

そのATの最中に最後の交代カードを使う大宮、黒川・石川→イバ・小島幹敏へと2枚替え。
投入されたイバが左サイドをドリブルで持ち上がり好機を作ると、彼のスルーパスに走り込んだ小島幹がクロス、ファーに流れた所に中野がスライディングで合わせ。(枠外)
交代選手勢揃いといったチャンスも生み出しました。

そして試合終了の時を迎え、3-1で勝利した大宮が自力で残留を決める運びとなり。(16位)
一方の群馬も、相模原の敗戦(0-3)を受けて18位でフィニッシュし、残留が決定。

拮抗した順位の両クラブでしたが、クラブの資本力の差を考えれば、大宮はどうしてこんな下に居るのかという疑問は当然のものであり。
圧倒的なポテンシャルをチーム力に還元出来ず、という問題ですが、そのポテンシャルも危機迫る状況となっているようで。
大宮の明日はどっちだ、とは言い過ぎでしょうが、これを境にフロントの意識転換が求められる事となりそうです。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 京都サンガFCvsツエーゲン金沢

2021-12-06 18:25:55 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の京都の記事はこちら(40節・岡山戦、0-0)
※前回の金沢の記事はこちら(38節・琉球戦、1-2)

降格ライン間際の戦いを最後まで強いられる破目となった金沢。
特にリーグ序盤は上位に居た時期もあり、苦しみに慣れていないといった感じで成績は停滞の一途を辿っていきました。
後半戦は僅か3勝のみという有様で、37節・愛媛戦(2-1)では大谷が2ゴール。
そして前節・山形戦(2-1)の劇的勝利では瀬沼が2ゴールと、1人の選手のマルチ得点に救われた感があり。

迎えたこの日の最終節、降格の可能性を未だ抱えており。
相手は2位の京都と、2016年の最終節(札幌戦)を彷彿とさせる状況。
あの時は札幌側が昇格・優勝が懸かっていたという要素もあり、試合終盤は談合ともいえるような内容で、スコアレスドローにより勝ち点1を確保。
札幌は優勝を決め、金沢は自動降格回避→入れ替え戦で勝利して残留、とともにwin-winとなりました。
しかし今回は京都が既に昇格を決めているため、交渉に使えるカード(?)も無く、己の力で決めなければならない状況です。
他のライバルクラブの動向も気になる中、少なくとも序盤からリードを奪われる展開だけは避けたい所でしょう。

前節は完全に相手(山形)にボールを支配されながらも、最後の所でやらせない守備を貫いたのが奏功したという内容だった金沢。
右サイドハーフに力安を起用したのが最大の変化でしたが、この日もそれを継続。
ヒーローの瀬沼はスーパーサブに留め置き、やはり守備的な入りを見せました。
最初に好機を得た(前半1分)ものの、この時もセンターバック・庄司朋乃也が一気にエリア内へロングパスを通そうとしたもの。(嶋田・力安が走り込むも繋がらず)
京都サイドにボールを握らせ、それに対抗して構える体勢を築きます。
こういう展開になると、対戦相手はボールポゼッションに嫌でも傾倒せざるを得ず、実際前節の山形の支配率は70%越え。
それにも拘らず敗戦と術中にハマった結果となりましたが、果たしてこの日の京都はどうか。

6分に右コーナーキックを得た京都、キッカー松田天馬クロス→ニアで長井フリックで上空で上がったボールをGK後藤がかき出すも、福岡が拾って二次攻撃。
荻原がドリブルで左サイドを切り裂いてクロスを入れ、ピーター・ウタカがヘディングシュートを放つもGK後藤がキャッチ。
これで堰を切ったようにフィニッシュに持ち込むシーンが続き、10分には武田のミドルシュート。(枠外)
11分には再度荻原のドリブル、今度は中央へ向かっての前進から繋ぎ、左に開いたウタカがクロス。
逆サイドへ流れて今度は右で繋ぎ、一旦は奪われるも金沢・庄司朋の蹴り出しを白井康介がブロックし、こぼれ球をエリア内へ福岡が落とし。
荻原のフリックを経てウタカが中央からシュート(GK後藤キャッチ)と、長い攻撃をシュートで終わります。
ボールを持たされる状況でも、攻めあぐみを見せない京都。

この日も脅威となっていたのは荻原の突破力で、対峙する金沢・力安は悪戦苦闘を重ねるも、16分にはドリブルを止めるなど次第に慣れを示し。
しかしそうなると逆の右サイドで攻めたり、逆に右ウイング・曽根田が左でプレーして好機を作ったりと、多彩な攻撃を絡めて来るのが京都。
プレッシングからのショートカウンターも頻発し、敵陣でのボール奪取から18分に武田がミドルシュート(ゴール左へ外れる)、23分には曽根田がエリア内右からシュート。(枠外)
金沢は何度かカウンター気味の攻撃を試みるも、シュートを放てないまま飲水タイムを迎えます。(23分)

ブレイク明けの26分、逆に敵陣深めで松田陸がボールカットに成功した金沢、細かくパスを回したのち松田陸のクロスに繋げ。(シュートまではいけず)
ここからにわかに金沢の流れとなり、左からの長峰のロングスローを廣井が収め、ディフェンスに遭うもCKに持ち込み。
続いての左CK、キッカー藤村のクロスを中央で庄司が合わせるも、浮いてしまい枠外に。

初シュートを放った金沢でしたが、同時にターンチェンジとなり再度受ける展開に。
京都の左サイドアタックを松田陸が反則で止めるシーンが目立ったこの時間帯、35分にはその反則によるフリーキックから、さらにCKへと移行。
ここからセットプレーも多く交えての攻勢となった京都、39分の左CKでキッカー松田天はサインプレーを選択、グラウンダーでエリア内遠目中央へクロスを入れ。
シュートにいったのは荻原でしたがミートせずにこぼれ、そのボールを拾った長井からのシュートはGK後藤がキャッチ。
奇襲にも惑わされず凌いだ金沢、その直後に右サイドで丹羽が京都・麻田に反則を受けると、クイックリスタートで素早くエリア内右を突く攻撃。
一旦戻すも、再度エリア内に出されたパスを力安がシュート(ブロック)と、こちらも奇襲で応戦します。

攻撃権は圧倒的に支配していた京都ですが、昇格目前まで迫った後の、無得点が続く流れを跳ね除けられずといった内容。
その後も多彩な攻撃で金沢を押し込んでいくもシュートを放てず、スコアレスのまま前半終了となりました。

メンバーはそのままで迎えた後半も、最初の攻撃は金沢。(後半1分、シュートには持ち込めず)
この日は前半から2トップの一角の嶋田が様々な場所に降り、何とか攻撃の橋頭堡にならんとしていましたが、中々実りません。
金沢がもどかしさを覚えるなか後半最初の好機を掴んだ京都(3分)、空中戦を経て右サイドで受けた曽根田がそのままドリブルでエリア内右を突き、一旦はこぼされるも武田のパスを経てシュート。
GK後藤がセーブし、中央でウタカが詰めにいくも間に合わず後藤に抑えられ、惜しくも先制ならず。

後半も京都の流れが続くのを予感させたものの、5分の金沢の攻撃。
左サイドから中央→右へと渡り、嶋田がエリア内へ送った浮き球に松田陸が走り込み。
合わせるもミート出来ず枠外となりましたが、勢い余って前に出たGK清水と交錯し、足を削られてしまった清水はその場に倒れ込み。(反則は無し)
危ぶまれたものの、治療を受けつつ2分程で起き上がった清水、患部にテーピングを巻いて気合でピッチに立ち続けます。

11分の金沢はクリアボールを力安が拾って右サイドで攻撃、力安は松田陸とのワンツーを経てクロス、クリアされたこぼれ球をエリア内右で松田陸がシュートにいき。
再度訪れたシュートチャンスでしたが、ここも大きく枠を外してしまいモノに出来なかった松田陸。
ワンチャンスを確実に……という流れを中々得られず。

先に京都サイドが動き13分、曽根田・武田・福岡→三沢・イスマイラ・庄司悦大へと3枚替え。
ウタカが左WGへと回り、松田天・川﨑インサイドハーフという形を採ります。(庄司悦がボランチ・三沢は右WG・イスマイラがセンターフォワード)

その直後の14分、右サイド手前から庄司悦の速いクロスを三沢がフリック気味でのヘディングシュート。(枠外)
交代効果で流れを取り戻した京都、続く15分には左CKからキッカー庄司悦はニアにクロス、ウタカのフリックを経て中央でイスマイラが合わせ。
ゴールネットを揺らして観衆が沸いたものの、イスマイラは右腕で合わせた所謂「神の手ゴール」を犯したという事で、ハンドを採られてノーゴール・イスマイラに警告となってしまいました。

左サイドへと働き場を移したウタカの影響か、荻原がそれに呼応して一層上がり目となり。
ウタカが開く分インサイドでプレーしたりと幅を見せた荻原。
しかし逆に、その上がりを金沢に突かれるシーンも目立つようになります。
24分にボールカットからカウンターに繋げる金沢、右サイドで力安がスルーパスを送り、受けた丹羽が持ち運びエリア内へ進入。
ここで決めれば……というシーンでしたが、放たれた丹羽のシュートは大きく左へ逸れてタッチを割ってしまい。
しかし直後の25分、京都のズレたパスを庄司朋がダイレクトで中央へ縦パス、力安のポストプレイを経て嶋田がミドルシュート。
GK清水がセーブした所を力安が詰めてエリア内でシュート、清水の逆を突いたものの、京都・長井のブロックに阻まれてしまいます。
全てをひっくり返すゴールは奪えなかった金沢。

飲水タイム(25分)ののち、金沢は平松・嶋田→大谷・瀬沼へと2枚替え。
瀬沼投入で前節のような流れを作りたかった所でしたが、橋頭堡の嶋田が下がった影響は大きく。
再び攻勢に出る京都、29分にはエリア内右で切り込む白井康が金沢・藤村に倒されるという際どいシーンも。(反則無し)
32分に松田天→李忠成へと交代(三沢がIHへ)し、あくまで金沢に勝ち点を譲る気は無く1点を奪う姿勢を見せます。

それでも金沢の必死のディフェンスを前に、何か起爆剤が欲しいという状況を強いられ。
36分、イスマイラ狙いのロングパスのこぼれを拾ったウタカが前進からエリア内へスルーパス、カットされるも川﨑が浮き球を落とし。
そしてペナルティアークで受けたウタカがシュート(ブロック)と、閉塞感をウタカの能力で打ち破らんとする京都。
しかしゴールは生まれる事無く時間が進んでいき、終盤を迎えます。

金沢サイドはバランスを崩したくないという意識からか、2度目の交代はかなり引っ張り。
一方の京都は42分に最後の交代カードを使用。(荻原→荒木)
43分にウタカが左サイドでボールキープ、金沢のアタックを巧にかわして前進する姿で場内を沸かせ、得点へのムードを高めつつ尚も攻撃。
44分に右ハーフレーンから、長井のエリア内への浮き球のパスに李が合わせヘディングシュート。(枠外)
45分にウタカの左からのクロスを、中央ややニア寄りでイスマイラが合わせヘディングシュート。(ゴール左へ外れる)
FWの選手もシュートを見せ始めましたが、どうしてもゴールに辿り着けないままアディショナルタイムへと突入します。(金沢は44分に丹羽→杉浦恭平へと交代)

クロスを何度も入れるものの、シュートを放てないATの京都。
それを尻目に金沢が攻撃権を得て、ロングボールのこぼれから繋ぎ、瀬沼がPアークからシュートしたもののブロックに阻まれ。
金沢が最後にフィニッシュシーンを作ったものの、結局双方スコアレスのまま、試合終了の笛を聴く瞬間が。
引き分けで勝ち点1に留まった金沢ですが、19位の相模原の敗戦により、無事に残留に辿り着きました。

最後は3試合連続スコアレスドローと、攻撃面に不安を残しての幕切れとなった京都。
しかし既に昇格への道は不変であり、この日の前に既に契約満了により退団決定となっていたヨルディ・バイス(この試合はベンチ外)然り、来季に向けての編成は既にスタートが切られており。
J2の中ではかなりの資本力を持っていた京都だけに、大きく顔ぶれを変える事も不可能では無いでしょうが、基本形の維持を壊さないような補強が望まれる所です。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第41節 FC町田ゼルビアvs大宮アルディージャ

2021-12-03 16:40:49 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の町田の記事はこちら(35節・栃木戦、0-0)
※前回の大宮の記事はこちら(35節・北九州戦、3-1)

36節からの3連敗を含む、5戦未勝利という現状の大宮。
急転直下で再度降格ラインに脅かされる事態となっていました。流石は元J1のラインコントローラー
前節(水戸戦・1-3)は緩むディフェンス面を引き締めようとしたのか、既に今季限りでの引退を発表している河本をスタメン起用したものの、結果は出ずに終わり。
この日は河面をセンターバックに起用し、その河面がコーナーキックのキッカーを務めるなど苦しさが滲み出る試合になりました。

残留争いを強いられるクラブらしく、肉弾戦上等という意識を押し出している霜田正浩監督就任以降の大宮。
しかし急場凌ぎでは、既にそんな意識を下地としている町田相手にはやはり苦しく。

町田ペースの入りで試合がスタートし、大宮は町田のプレッシングの前に全く好機を作れずに推移します。
いきなり耐える時間を強いられましたが、町田サイドも、吉尾が顔面にボールを受けて倒れ込むなど無傷では済まず。(1分程で起き上がりピッチ外→復帰)

10分程が経過し迎えた大宮最初の攻撃(前半11分)、石川ロングパス→河田胸で落とす→黒川ダイレクトでシュート(ゴール左へ外れる)と、いきなりフィニッシュに持ち込む事に成功。
その後も13分に菊地がエリア内左からシュート(ブロック)、19分にCKから菊地がヘディングシュート(ゴール上へ外れる)と、少ないチャンスでシュートに結び付け。
町田ペースの中、好機を確実に生かしフィニッシュで上回るという計画が垣間見えました。

しかし今季の町田は、プレッシング・球際の強さだけに留まらないチームへと進化を遂げており。
長短織り交ぜ、ダイレクトプレイも巧みに行うパスワークに翻弄され続ける大宮。
前に出てそれを遮断しようとするも、一歩・半歩の立ち遅れが目立ち、繋がれて危機を招くシーンが頻発します。
シュート数では上回るもそれ以外は……という流れのまま、飲水タイムを迎えます。(24分)

肉弾戦を挑むチームが、チェックが立ち遅れると、何が起こるかは明白。
28分、町田・中島が縦パスを受けにいった所チャージを受け、倒れた所に大宮・河面の脚が入ってしまい痛むシーンが。
中島は無事に起き上がったものの、直後の30分には逆に中島が河面の頭部に脚を入れてしまい反則となり、ナチュラルな報復(当然偶然でしょうが)のようなシーンに思わず苦笑いしてしまいました。

それはともかく、第2クォーターは攻撃権を支配していた町田が、その羽を広げるかのようにフィニッシュに辿り着く攻撃を目立たせます。
36分、右サイドでの吉尾のパスカットから、エリア内で受けた中島のマイナスのクロスを安井が合わせシュート。
ループの軌道を描いたものの、惜しくもゴール左へと外れ。
直後の同じく36分、またも右サイドで奥山のパスカットから、平戸がエリア内を突いて中央からシュート(ブロック)とショートカウンターを仕掛け続けます。
38分には中島が再び河面に倒され、反則による直接フリーキック。
左ハーフレーン・エリアからやや手前という位置で、平戸が直接シュートを放ち、外から曲げてきたもののゴール右へと外れ。

パスワークに翻弄され、かつ自らのパスは奪われるという八方塞がり状態を強いられる大宮。
ゴールキックも短く繋ぐ事が多いスタイルな以上、何とか一本主体的な攻撃を展開して落ち着きたい所。
それが実ったのが44分、ここも短いゴールキックから、河面のロングパスを受けた河田から右サイドで攻撃。
菊地のポストワークも交え、馬渡がクロスを入れる展開にまで持ち込むと、ニアサイドに入れられた低いクロスに小野が頭から跳び込み。
放ったヘディングシュートは枠を捉えられずも、後半へ期待感を持ち込むには十分……と思われましたが、このプレーで小野が肩を痛める事態となってしまいます。
一旦は復帰したものの、ハーフタイムで交代の措置が採られる事に。
その後、町田・奥山が大宮・翁長を倒した(アドバンテージで流れる)事で警告を受けるなど、肉弾戦の様相が色濃く表れつつ前半を終えます。

大宮が小野→奥抜へと交代した一方で、町田も動いてきたHT。
安井・中島→太田・ドゥドゥへと2枚替えを敢行。
この日は平戸が左サイドハーフで出場したため、セカンドトップを務めていた安井。
太田が左SHに入った事で、平戸が本来のセカンドトップに回り後半を迎えました。
最近は勝利する際は「点の取り合い上等」な展開が目立つ町田。
特に前節・山形戦(5-3)は後半に一挙5点を挙げる逆転勝利となり、この日もベンチに控える攻撃の駒をふんだんに利用して挑んだ後半。

その効果は早速表れ、後半1分に佐野のロングパスにドゥドゥが走り込み、大宮サイドがクリアしきれずに拾ったドゥドゥから受けた太田が左からクロス気味にシュート。(GK南キャッチ)
続く2分には右サイドから平戸が左へとスルーパス、走り込んだ太田からクロスが上がり、クリアボールを高江がエリア内へ送り込んだ所をドゥドゥが合わせ。
ドゥドゥはゴールと逆向きながらボールは枠に向かいましたが、ポストを直撃してしまい先制ならず。
尚も攻め立てる町田、平戸のエリア手前からのシュート(2分・枠外)、CKからの二次攻撃で吉尾のエリア手前からのシュート(5分・GK南キャッチ)とフィニッシュ地獄を浴びせます。

何とか窮地を脱した大宮、8分には中盤からのFKで、キッカー馬渡が直接シュートを狙い。(ゴール左へ外れる)
その後も18分に中盤で拾った河田がロングシュートを狙う(ゴール右へ外れる)など、押され気味の状況故に遠目から撃つ姿勢で流れを引き戻したいという思惑が見え隠れしていました。

前半同様にクオリティ溢れる攻撃を展開する町田に対し、大宮は交代で入った奥抜の推進力を交えて応戦。
攻撃機会では互角に持ち込んでいったものの、20分に町田の決定機が。
左サイドで三鬼の縦パスを平戸がダイレクトで前へ送り、そのボールをさらに太田がダイレクトで中央へ。
そして受けたドゥドゥがエリア内に進入する絶好機となりましたが、放たれたシュートはゴール上へ外れてしまいます。
冷や汗をかく事となった大宮。

その後23分に平戸が大宮・西村に反則を受け、再び直接FKのチャンス。
今度は右ハーフレーン・エリアからやや手前という、前半の場面とは逆の位置からで、キッカーも平戸とは逆足の吉尾。
しかし放たれたシュートは壁を直撃、頭部でブロックした大宮・菊地が痛んだ所で後半の飲水タイムとなります。

明ける際に菊地が退いた(山田と交代)大宮、馬渡が右SHに回って山田が右サイドバックへ。
この日は3トップというよりは、両翼を若干下げて中盤を厚めにした4-2-3-1の布陣を採っていた大宮。

町田は攻め疲れかここから後手に回ってしまい、大宮ペースの流れとなり。
それを手繰り寄せたのが奥抜で、彼を軸として左サイドで攻撃。
34分には三門のミドルパスを受けた奥抜がそのまま前進、町田・深津の股を抜いてのカットインでエリア内に入り、中央まで流れた末にシュート。
しかしGK福井のセーブに阻まれてCKに。
直後の左CK、キッカー河面のクロスを直接GK福井が抑えたものの、あろう事かこれをファンブル。
すかさず河田が詰めにいくも、再度福井に抑えられてモノに出来ません。

一転して防戦となった町田、当然の如く流れを変える交代カードを切りに掛かり。
36分に吉尾・平戸→岡田・鄭大世(チョンテセ)へと2枚替えを敢行すると、目論見は当たり再度町田ペースの展開となります。
右サイドから鄭のポストプレイを交えつつ前進、ドゥドゥも右へ開いてのプレーが目立ち、その分太田をターゲットとしてのクロス攻勢を仕掛け。
圧力を取り戻したものの、それでも先制点には辿り着けない町田。
42分には大宮・山田が町田・深津との競り合いで、頭部を痛めてしまい倒れ。(1分程で起き上がりピッチ外→復帰)
このブレイク以降、流れを失った感がありました。(大宮は39分に黒川→中野に交代)

そしてアディショナルタイムへ突入という所で大宮が好機を掴み、再び左サイドでの攻撃で、翁長のスルーパスを奥で受けた奥抜がカットイン。
エリア内からマイナスのクロスを入れると、逆サイドから走り込んだ馬渡がニアで合わせたものの、惜しくも枠を捉えられず。

再び大宮に流れが傾きかけた、という所で双方選手交代。
町田は三鬼→水本、大宮は河田→佐相。
この交代で大きく動いたのは町田で、深津・高橋・水本の3バックとなる3-4-2-1へとシフトしました。(岡田が左ウイングバックに回る)

しかし双方フィニッシュに辿り着く事はこれ以降無く。
大宮はセットプレーからボールを握り、放り込み体勢へと持ち込んだものの、好機を作れないまま試合終了の笛が鳴り。
スコアレスドローで勝ち点1を得たものの、当然物足りない大宮。

残留か降格か、という審判は最終節まで持ち越された大宮ですが、それはまだ幸せな方でしょう。
9クラブを巻き込んだ残留争い、今節まで残留も降格も確定していませんでしたが、今節終了の結果ようやく大きく傾き。
松本と愛媛が残念ながら降格決定、栃木と山口が目出度く残留決定。
北九州も降格圏確定で、残留の可能性は限りなく低いという状況となりました。
残りのクラブの中では得失点差で最も有利なのが大宮で、そのアドバンテージを活かしたい所ですが、最終節の相手は群馬。
最後の最後で行われる直接対決が、どんな結果を齎すでしょうか。