ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 アルビレックス新潟vsFC町田ゼルビア

2021-12-15 16:04:23 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の新潟の記事はこちら(40節・群馬戦、0-0)
※前回の町田の記事はこちら(41節・大宮戦、0-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(14節、町田 2-1 新潟)

序盤は最も勢いが良かった新潟も、この試合に勝てば5位が確定、という立場で最終節を迎え。
攻撃サッカーを唱えた割には、31節以降複数得点試合は1度のみ(39節・愛媛戦、2-0)と、尻すぼみ感が否めない戦績を描いている近況です。

アルベルト・プッチ・オルトネダ監督はそんな衰退機運を振り払おうとしたのか、田中の今季限りでの引退を受け、ホーム最終戦という場で大体的な送り出しをする事に。(あるいはアルベルト氏自身が出ていく立場なので、選手にも最大限の敬意を払わんとしたのか)
田中をスタメン1トップで起用(本来1トップの鈴木は左サイドハーフ)、さらに試合前のインタビューで「前半途中での交代」を明言。
放送席曰く、海外サッカーで良く見られる儀式との事であり、Jリーグで通例の「後半も時間が押し迫っての途中出場」とは一線を成した敬意を払った振る舞いを見せました。

試合の方はというと、ファーストシュートは町田で前半4分。
ドゥドゥの右への展開を受けた吉尾がカットインを仕掛け、エリア内右へ進入してシュート。(ブロック)
先制攻撃を仕掛ける良い流れを得た町田、以降は新潟のビルドアップに対し、果敢かつ組織的なプレッシングで対抗姿勢を見せます。

GK阿部を前へ出し、数的有利の状況を作ってボールを運ばんとする新潟。
それでも、中盤(主にボランチ)へのパスコースを切りながらプレスを掛ける町田に対して難儀し、サイドに叩けばサイドバックまで果敢に前に出て進路を阻みに来る姿勢を見せられ。

そんな状況の中、田中は1トップらしく、ポストワークで縦パスを受ける姿勢で前進を助けに掛かります。
全盛期はスピードストライカーであった田中ですが、技巧を交えるなど変節を果たさなければ、この年齢まで戦うのは至難の業という思考が見て取れました。
10分には高木のドリブルからのパスを中央で受け、すかさず左へ叩いたものの、受けに入った田上があろう事か転倒してしまい繋がらず。
13分には再び高木のパスを受けた田中、エリア内へ切り込む姿勢を見せたもののシュートは撃てずと、トップ下の高木との関係性も目立ちました。

町田は次第にプレッシングがかわされる事が多くなってきましたが、それを踏まえつつビルドアップによる主体的な攻撃も混ぜ始め。
18分最終ラインから左へ展開ののち高江が逆の右へロングパス、サイドを振っての攻撃からクロス攻勢。
右から吉尾のクロス、左から三鬼のクロスが防がれたのち、左から平戸の3度目のクロスが入ると中央で吉尾がヘディングシュート。
GK阿部がセーブして右にこぼれたボールを尚も奥山が折り返し、ドゥドゥが合わせシュートしましたが、右ゴールポストを直撃して先制ならず。
24分には敵陣右サイドでボールカットした吉尾、そのままドゥドゥのスルーパスを受けた所を新潟・舞行龍ジェームズに倒されて反則。
この右サイドからのフリーキックで、キッカー吉尾はクロスをクリアされたのち自身で拾い、エリア内右へカットインを仕掛けてマイナスのクロス。
これをニアでドゥドゥが合わせるもふかしてしまい、同時に飲水タイムへ突入します。

ブレイクが終わり、目安と見られる30分が近付いてきた所で、新潟サイドは三戸を投入する準備に掛かり。
徐々にその瞬間が迫ってくる中、その30分に三度ドゥドゥが、奥山のカットインからのマイナスのクロスに合わせシュートするもまたもふかして枠外に。
そしてその直後に、田中の今シーズン並びに選手生活が終わりを告げる交代となり。
すると両チーム総出(ベンチメンバー・スタッフも含む)で花道を作り、ピッチを去る田中を送り出すという粋な計らいが行われ、スタンドからも大喝采(拍手のみですが)が送られました。

こうして無事に田中引退試合の演出をやりきった新潟(鈴木がFWへシフトし、三戸が左SH)でしたが、以降町田の攻勢が始まり。
新潟にとっては「田中の送り出しに力を使い尽くした」と揶揄されかねない展開を強いられます。

39分には一旦攻撃が途切れた後、敵陣深め右サイドで奥山がボール奪取、エリア内へこぼれたボールを拾った吉尾がそのままシュート。
GK阿部がセーブしてコーナーキックに逃れたものの、その右CK、キッカー吉尾は変化を付けグラウンダーでエリア手前へ。
これを高江がダイレクトで斜めの縦パスをエリア内へ入れると、佐野がコースを変えるように合わせ、ニアサイドを破ってゴールに突き刺さるボール。

綺麗な形で先制した後も、町田はペースを掴んだまま離さず。
再開直後の41分にも、右サイドで吉尾のスルーパスから、走り込んだドゥドゥの中央へのパスを受けた安井がエリア手前からシュート(右サイドネット外)とフィニッシュに繋げ。
以降も何度もドゥドゥが裏を突く攻撃を敢行するのに対し、新潟は好機を作る事すらままならず。
結局アディショナルタイムにCKを一本得たのみで推移し、町田1点リードのまま前半を終えます。

試合を締め直したい新潟、ハーフタイムに1枚交代。
田上→堀米へと代え、キャプテン・堀米の投入でそれを果たさんとしたでしょうか。

その効果の通り、後半開始から押し込む新潟。
前半のうちに投入された三戸とともに左サイドを打開のカギとし、後半3分には左サイドをドリブルで前進する三戸、切り返してのカットインから自らシュートにいったもののディフェンスに遭い撃てず。
5分には三戸の左への展開から堀米がダイレクトでクロス、ファーサイドに上がったボールをロメロ・フランクが折り返し。(GK福井キャッチ)
ゴールに近付くシーンが増えてきたものの、フィニッシュに辿り着くには後一歩といった所。

一方の町田は6分GK福井のフィードからの攻撃、佐野のフリックを受けた安井が裏へと浮き球を送り、走り込んで受けたドゥドゥがドリブル。
そしてエリア内を突いてシュートを放ちましたが、並走した新潟・舞行龍がブロックで防ぎ。
後半もファーストシュートを放ち、町田ペースになる予感をはらませたものの、以降も新潟が主導権を握ります。

序盤からハイペースなサッカーを見せていた町田でしたが、それによりプレッシングも弱まりが目立っており、労せずしてボールを支配する新潟。
新潟自身も、前半に比べて選手間の距離を広く取るビルドアップで、町田のプレッシングをかわす姿勢を取り始め。
9分には左サイドの堀米から、斜めの縦パス→ポストプレイの連続でサイドを変えると、右サイドで藤原がドリブルでエリア内右を突き。(奥に切り込んでクロスにいくもブロックされる)
この好機を活かしたい所でしたが、今度は町田のゴール前の守りを崩すのに難儀するシーンが目立つ事となり。
サイドから前進してクロスを上げにいってもブロックに阻まれる等、町田ディフェンスの粘りの前に決定機を作れず。
一難去ってまた一難とはこの事で、相変わらずフィニッシュに辿り着く事は出来ません。

町田は前線のパワーダウンが否めず、偶発的にしか好機を作れない時間が長く続きましたが、迎えた23分。
最終ラインからボランチ経由で左サイドへ展開、高江のエリア内への縦パスをドゥドゥがヒールでポストプレイ、そのまま安井との細かい繋ぎ(ディフェンスに遭うも繋がる)を経て抜け出すドゥドゥ。
前進するGK阿部をループシュートでかわしてゴールゲット、劣勢の最中に貴重な追加点を齎したドゥドゥ。
これでお役御免となり(鄭大世(チョンテセ)と交代・同時に吉尾→太田へと交代)、パワー補填のための交代を図った町田。

一方新潟も同等のタイミングで、ロメロ・高→谷口・島田へと2枚替え。
ペースは掴むもののどうシュートまで繋げるか、という状態で、谷口のチャンスエリアでのプレーに期待が掛かります。(三戸が右SHへシフトし、谷口が左SHに入る)
それでも流れは変わらぬまま、27分に町田・安井が新潟・高木との交錯で痛んだタイミングで飲水タイムに。(安井は無事に復帰)

谷口が入った事で、鈴木は右サイド寄りの意識でチャンスメイクに徹するのかな……と考えていましたが、以降は鈴木の方がフィニッシュに辿り着き。
31分、右サイドからのFKで、島田の低いクロスをニアサイドで合わせた鈴木。(枠外)
久々のシュートとなった新潟、その後も最終ラインからドリブルでの前進も交えて押し込み。
37分には千葉の縦パスから、三戸・福田・島田が中央で細かく繋いだのち、受けた鈴木が右へと流れシュート。
しかしGK福井のセーブに遭いゴールならず。

微かに良い流れを得た新潟、38分に高木→高澤へと交代し、4-4-2へと移行。(鈴木・高澤の2トップ)
更なる攻勢を掛けようとしたものの、高木が退いた影響かペースを失ってしまい。
町田の前線の守備に嵌ってしまうシーンが再度膨れ上がる事となります。
41分に平戸・安井→平河・長谷川アーリアジャスールへと2枚替え、さらに前線の運動量を補填しに掛かった町田。
43分には佐野のボールカットから高江がスルーパスを通して好機、クロスがクリアされた所を拾った高江がエリア内に進入してシュート。(ブロック)
44分にも太田のボール奪取から、長谷川アーリアがすかさずロングシュートを放つ(GK阿部セーブ)など、細かく繋ぐ新潟とは対照的な攻撃でシュートを重ねていき。

そしてATへと突入し、新潟の反撃の機運は一向に高まらぬまま終了間際を迎え。
最後に藤原のボールカットから好機を迎えた新潟、左ハーフレーンで三戸が前進し、カットインの姿勢からシュート体勢を作り。
しかし描かれたシーンは、プレスバックに入った太田のために、三戸・太田両者が交錯して倒れ込むなか試合終了の笛が鳴り響くという惨劇となってしまい。
0-2で試合終了となり、町田のダブル達成となった今季のこのカード。

かくしてシーズン終了となった新潟、新たな舵を切るに辺り、新監督にはコーチだった松橋力蔵氏に内定
アルベルト体制のサッカーの継続と、その課題の改善という観点からしては妥当な内部昇格でしょうが、初の監督業故その実力は未知数であり。
来季も昇格争いに絡むチーム力を維持する事は出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 ファジアーノ岡山vsジェフユナイテッド千葉

2021-12-14 13:46:33 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(40節・京都戦、0-0)
※前回の千葉の記事はこちら(31節・群馬戦、1-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(13節、千葉 4-2 岡山)

ともに無敗を12戦続けているチーム同士の対戦と、昇格も降格も無関係なカードながら、最後を締めるに相応しいマッチングとなりました。
J.League Data Siteの出場記録で並べられた結果でも、黒い丸が全く見られないのは壮観であり。岡山 千葉 

そんな好成績を齎した、岡山・有馬賢二監督は既に今季限りでの退任が発表されている状態です。
2017~2018年オフの大幅な選手入れ替えから1年経った所での就任、チームに安定感を齎した末に1年目にいきなり昇格争いに絡むも、それで期待値が高まってしまった感もあり。
故障者続出に悩まされる中、辛抱を重ねて今季後半で強豪に引けを取らないチームへと持ち上げてきました。
しかしここで監督交代となる事で、再度やり直しになってしまう懸念が拭えずのオフを迎える事となり。
既に上門の個人昇格の噂で持ち切りとなるなど再編成は避けられず、果たして来季は現在の上昇機運を持ち越せるかどうか。

開始直後の前半1分、スローインからの流れでボールを収めたミッチェル・デュークが右からカットイン、中央まで流れた所で千葉・田口に倒され反則、早々に直接フリーキックを得ます。
中央右寄り・エリアからやや手前という好位置で、これをキッカー石毛が直接シュートを放つと、壁を掠めてゴール右へ外れるボールとなり。
好試合の予感をはらむゲームが、直接FKでの幕開けとなった事が全ての元凶だったでしょうか。
尚、続く右CKでもキッカー宮崎智クロス→ニアで河野フリック→中央で安部ボレーシュート(枠外)とフィニッシュに繋げた岡山。

上々の入りを見せた岡山がそのままペースを掴む試合展開となりますが、目立ったのが、千葉ディフェンスの削りを受けて岡山選手が倒れ込むシーン。
7分に上門がチャンミンギュに、9分に石毛が高橋に倒されるなど、目下反則ポイントで断トツトップをひた走る千葉らしい振る舞いに苦笑せざるを得ないという絵図になります。

一方の千葉も、12分に櫻川ソロモンのドリブルが岡山・パウリーニョにスライディングで倒されて反則、直接FKの好機を得ます。
ほぼ中央からですがエリアからかなり遠目という位置ながら、キッカー田口は直接シュートを放ち、ワンバウンドしてゴール左を襲うもGK梅田がセーブ。
ともに直接FKで見せ場を作った立ち上がり。

攻撃機会を多く作り流れを手繰り寄せていた岡山ですが、25分の攻撃。
右サイドで河野のスルーパスにデュークが走り込んで受け、カットインでエリア内を突くもチャンミンギュの伸ばした足に止められてこぼれ。(反則無し・これは妥当)
石毛がそれを拾おうとし、千葉・高橋のクリアをブロックする形になるも勢い余って高橋に削られてしまい。
さらにこぼれ球を拾いにいったパウリーニョが千葉・サウダーニャに倒されてしまうという、3連続で相手のチャージで倒れる流れが描かれる事となりました。
激しく削られた石毛が立ち上がれないまま、前半の飲水タイムに入る措置が取られ。
不安視されたものの、無事に以降もプレーを続けた石毛。

ピッチサイドから有馬監督が主審にクレームを付けるシーンも見られるなど、不穏な空気が流れ始める岡山。
第2クォーターは流れが見事に変わり千葉ペースとなり、千葉の姿勢に対抗せんとしたのも拙かったのか、岡山サイドの反則も顕著になり始めます。
そしてそのFKから好機を作る千葉、39分には左サイドからのFK、田口のクロスからのこぼれ球をチャンミンギュがボレーシュート。(ブロック)

そして前半終了間際に先制点に繋げた千葉ですがここもFKからで、44分に右サイドでのパスワークを経て、ボールキープするサウダーニャが岡山・安部に倒されて反則。
そして右サイド・エリアからやや手前でのFKとなり、キッカー田口の中央へのクロスをチャンミンギュが合わせにいき、左へこぼれた所に末吉が走り込んでシュート。
岡山・徳元のブロックでコースが変わったのもありゴールに突き刺さり、FKだらけの試合展開をモノにした千葉。

アディショナルタイムを迎え、スローインから好機を作り同点を狙う岡山。
左からのスローインを石毛が直接ヘッドでエリア内へ送り、その跳ね返りを自らシュートにいった石毛。(千葉・小林がブロック)
度重なる相手のチャージにも屈しない姿勢を見せましたが、ゴールは奪えないまま前半終了を迎えます。

共に交代無く後半開始を迎え、千葉が今季から取り組んでいる、最終ラインからの繋ぎによる攻撃で岡山ディフェンスを翻弄しに掛かり。
後半2分右サイド奥でスルーパスを受けたサウダーニャから、細かく繋いで中央で受けた田口が前進する所を岡山・白井に倒され反則。(白井に警告)
中央右寄り・エリアからやや手前という、前半早々の岡山と似た位置からのFKで、キッカー田口は当然の如く直接狙い。
ゴール左を襲ったボールをGK梅田がセーブしますが、こぼれ球をさらに(高橋が?)シュートと蜂の巣状態に持ち込む千葉。
これをゴール寸前で岡山・徳元がブロック、跳ね返りが櫻川に当たってゴールに向かうも、またも徳元がかき出し。
しかし櫻川が今度はキッチリ反応したヘディングで押し込み、ゴールネットを揺らして2点目に辿り着き。
またもFKからと、この日を象徴するゴールとなりました。

すっかり良い流れを失ってしまった岡山。
相手の反則まがいのプレーに冷静さを失ったという展開で、このまま終わるのは余りにも格好が悪く。
8分に早くも動き、徳元→イヨンジェへと交代します。(上門がFW→左サイドハーフに回る)
千葉の、田口を中心としたクオリティ高いパスワークでの攻撃を掻い潜り、何とか反撃体制を作りにいきます。
17分には宮崎智彦をスライディングで倒してしまった福満が反則・警告を受け、再び千葉の反則が膨らみ岡山ペースとなる、という予感をはらませ。

しかしその矢先の18分、千葉のカウンターが炸裂します。
右サイドで福満の縦パスを収めた櫻川がボールキープ、彼から受けたサウダーニャがドリブルで前進し、そのまま中央方面へと流れてミドルシュートが放たれ。
GK梅田がセーブするも、エリア内左へこぼれたボールに末吉が走り込み中央へ横パスを出し、見木が合わせてネットに突き刺し。
ポストワークの櫻川・推進力のサウダーニャという、ストロングポイントがしっかり噛み合った末の追加点となりました。

ホームでの最終戦であり、何とか反撃したい岡山。
直後に宮崎智・パウリーニョ→木村・濱田へと交代、今季の定番である、濱田を中央センターバックとする3-4-2-1へとシフト。
イヨンジェとデュークが共存する中で、1トップにはイヨンジェの方が入り、流れを変えようとします。
しかし22分には再び千葉・サウダーニャが、3点目の場面と似た位置からダイレクトでシュートを放つ(枠外)など、変わらぬまま飲水タイムが挟まれます。

第4クォーターで3点差と、既に大勢が付いたともいえる状況。
千葉サイドも交代カードを切っていき、27分に末吉・サウダーニャ→安田・船山へと交代。
岡山の反撃に対し、フィニッシュシーンを作らせずいなしていき、36分には福満→米倉へと交代。
契約満了での退団が決まっている安田、サブからも外れる事が多くなってきた米倉を投入と、最終戦らしい雰囲気を醸し出し。

そんな千葉の隙を突かんと、39分に放たれた上門のミドルシュート(GK新井章)を切欠に、最後の反撃を試みる岡山。
41分にはGK梅田のフィードを左サイドでデュークが収めて前進、エリア内左へのスルーパスに走り込んだ木村から低いクロスが入ると、ファーサイドで走り込んだ河野が合わせますが枠を捉えられず。

0-3から動かないまま43分には双方選手交代、千葉が小林・見木→檀崎・矢田へと交代。
一方の岡山はGK梅田・河野→GK椎名・廣木へ交代と、GK交代も絡めての2枚替え。
椎名は13年間在籍した末の契約満了での退団、リーグ戦では7年ぶりの出場と、花道のような流れでピッチに立ちました。

千葉は小林が退いた事で、3-3-2-2(3-1-4-2)のような形へ移行。
この守備緩めのようなシフトが拙かったのか、岡山の攻勢が激しくなりATを迎える事となります。
そして左サイドのスローインから、クリアボールをヘッドで前へと運び、拾った石毛からのパスを受けたイヨンジェが中央へと流れシュート。
豪快にゴールネットを揺らし、1点を返した岡山。

その後も千葉を押し込み、最後のCKではGK椎名も前線に上がっての攻撃、キッカー石毛は中央にクロス。
椎名も跳ぶ中、その後ろで合わせた安部の叩きつけたヘディングシュートがボールを襲うも、バウンドしてゴールバーに当たってしまい。
その跳ね返りが椎名の方へ向かうも、倒れていたため収められず、GK新井章が抑えた所で試合終了の笛が鳴り。
無敗の流れのままシーズンを終えたのは千葉となりました。

勝利で締めくくった千葉ですが、本当の大団円はJリーグアウォーズ。
ぶっちぎりの反則ポイント(69でワースト、次点の京都は37)で終えた報いは、千葉以外の21チーム全てにフェアプレー賞が与えられるという結末となりました。
激しいデュエル・フィジカルコンタクトというのは、ストーミングスタイルの栃木や秋田の十八番ですが、それとは別な「足を刈る」というような反則が顕著だった千葉。
この日もそんな印象は拭えずの試合で、相手のペースを乱すという副産物は付いたものの、それがチーム成績好調の要因であるならばどう褒めて良いのか解らず。
尹晶煥(ユンジョンファン)監督の続投が決まっている来季、果たしてその針は何処へ振れていくでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 栃木SCvsFC琉球

2021-12-13 18:16:27 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(39節・長崎戦、0-3)
※前回の琉球の記事はこちら(38節・金沢戦、2-1)

今季途中で監督交代となった琉球、以降成績的には7戦で1敗のみ(2勝4分)と持ち直し。
一方志半ばでクラブを去る事となった樋口靖洋前監督は、去り際に「監督業は3年が賞味期限」という旨のコメントをしたとの事。
それが波紋を呼んだかどうかは定かで無いですが、リーグも終焉を迎えるに辺り、今季限りで退任となる3年目の監督が各クラブ目立つようになりました。
岡山・有馬賢二監督や甲府・伊藤彰監督に続き、栃木も田坂和昭監督の退任が発表される運びに。

田坂氏最後の試合となったこの日の試合、放送席でも「栃木のスタイルを定着させた田坂監督」と盛んに語られる事となりましたが、今の「ストーミング」スタイルに行き着いたのは偶然の産物かもしれないという見方もあり。(というか自分がそうです)
2019年の厳しい残留争いの果てに、FWにヘニキ(現山口)を置くという常人離れの発想を生み出し、それにより徹底した肉弾戦・ロングボールへの傾倒という現在のサッカーの礎が築かれた末のJ2残留。
これが「田坂氏のサッカー=ストーミング」という概念を定着させ、現在に至っている訳であり。そもそも解説・播戸竜二氏は栃木のJ2復帰年を1年間違えている風でしたが

過去に一度経営難に陥り、それまで優良な助っ人選手を集めてJ2中位をキープしていたのが、緊縮財政を余儀なくされたのが栃木というクラブ。
この日の試合中にも何度も「もっと攻撃的に」という声が放送席では上がっていましたが、それが出来るクオリティのある選手を集められれば苦労はしない、という側面抜きには語れず。
理想と現実の挟間に難儀する中で、何とかJ2に生き残り続けている栃木の存在は立派なサッカークラブの姿でもあります。
もちろん「ストーミング」スタイルを貫くに辺っての犠牲も決して少なくなく、この日のベンチに上田・面矢・菊池といった、ベンチ外が続いていた選手が揃って入った辺りがその贖罪にも感じられ。(菊池は前節から復帰・出場)
既に前節で残留を決めた栃木、様々な感情が渦巻く最終戦をホームで迎える事となりました。

立ち上がりは琉球がボールを支配して押し込むという、「琉球がボールを持つ」「栃木がボールを持たせる」のどちらともいえるような流れが描かれます。
GK田口がエリア外へと位置取る最終ラインの形からのビルドアップから、ミドルパスを前線へ繋いで好機を作らんとしますが、シュートまでは辿り着けず。

すると前半9分にGKオビ・パウエル・オビンナのロングフィードから好機を掴む栃木、矢野→山本とヘディングで前へと繋ぎ、エリア内右から有馬がクロス。
ニアサイドで植田が合わせにいき、こぼれた所を矢野がシュート。(枠外)
13分にもクリアボールを拾ったのち右サイドで繋ぎ、黒﨑の低いクロスをニアサイドで植田が合わせる(ブロック)など、栃木らしい攻撃でフィニッシュを重ね。

平常運転を見せる栃木ですが、如何せんボール運びはアバウトなためペースを握れるかどうかは運に左右されやすく。
一方しっかりと繋ぐスタイルの琉球も、最終ラインを2枚にしたり3枚にしたりと変化を加えますが、栃木の前線のプレスを中々かわせず。
共に攻撃機会を作れずに時間が進む事も多く、その後は20分の琉球のコーナーキック攻勢ぐらいが見せ場(2本目で跳ね返りを茂木がボレーシュートにいくもミート出来ず)となり、24分に飲水タイムが挟まれます。

明けた後も概ね同様の流れで、30分に琉球は右サイドで縦パス攻勢で前進、清武のクロスが流れるも逆サイドで沼田がダイレクトで折り返し。
これを清武が合わせにいくも撃てずと、中々フィニッシュに辿り着けない琉球。
一方の栃木もアバウトな攻撃は相変わらずで、フリーキックは自陣からでもGKオビンナを活かしての放り込みを選択と、その姿勢にブレは無く。
37分にはこぼれ球を乾がラフに前方に送り、矢野が合わせにいったこぼれ球を植田が拾い、エリア手前からシュートするもゴール右へと外れ。

琉球は栃木の球際の激しさにも苦労し、目立つのはチャージを受けた選手が倒れ込むシーン、といった状況。
しかし43分にGK田口のロングフィードから、池田を越えたボールを拾った清武がミドルシュート(枠外)と初シュートに辿り着き。
すると44分、縦パスを受けにいった清武が栃木・小野寺にスライディングで倒される(小野寺に警告)、栃木にとっては球際の強さが仇となったFKの好機。
かなり手前からという位置でキッカー清武の放り込みから、2度の跳ね返しを経て福井がボレーシュートにいくも、これがエリア内の金井に収まってしまい金井がキープするも撃てず。
終盤は栃木をインスパイヤしたかのような琉球の攻撃シーンが見られましたが、結局0-0のまま前半を終えます。

共にハーフタイムで交代は無く、始まった後半は栃木が左サイドでロングスローを入れる体勢に。
しかし溝渕がフェイントで近いスローに変え、受けた佐藤がクロスを入れる(GK田口が直接キャッチ)など、あの手この手を見せ始めます。

後半も栃木のプレッシングに苦しむ琉球、6分には自陣からのスローインをダイレクトパスの連続で前へと運び。(清武の右からのクロスがブロックされCKに)
しかしその最中に富所が栃木・佐藤のアフターチャージを受けて倒れ込むという具合に、多少の痛みを堪えながらの攻撃を余儀なくされる展開となります。

その主たる要因である栃木のサッカーですが、時には自身にも牙を向く諸刃の剣となり。
12分に右サイド奥からのスローインを繋ぎ、矢野のクロスを頭で合わせにいった植田。
しかし琉球・福井との競り合いで頭部同士接触してしまい、両者倒れ込む事態が発生。
福井は無事に起き上がるも、植田はここで交代の運びとなりピッチを退く事となりました。(大島と交代・同時に山本→畑へと交代)

このシーンで大分時間が進み迎えた19分、栃木がロングスローから好機。
左から溝渕が投げ入れ、跳ね返されるもここからクロス攻勢を掛ける栃木、畑が左サイドから2本目のクロス。
中央で柳が胸トラップすると、佐藤が落とした所を受けて左足を振り抜き。
ゴールネットに突き刺さる、セットプレーの柳の面目躍如というようなゴールを決めました。
トラップしたボールを自ら収めたくなるであろう場面でしたが、あえて佐藤に任せたのが大きかったでしょうか。

その後も守備での出足の良さから好機を作る栃木、22分にこぼれ球に反応した黒﨑がすかさず縦パス。
受けた矢野からの戻しを畑がロングパスで裏を突き、走り込んだ黒﨑が前へ出たGK田口をかわすも、トラップが大きくゴールラインを割りモノに出来ず。

このままペースを掴み続けるかに見えましたが、ブレイク寸前で落とし穴に嵌ってしまいます。
24分の琉球の攻撃、最終ラインでの繋ぎから右に開いた風間宏希がロングパス、栃木がクリアしきれなかったボールを池田が拾って継続。
風間兄弟を加えてのパスワークから、茂木とのパス交換で中央へと流れる姿勢からヒールパスする池田、それを受けた風間宏矢がエリア内右を突いてクロス。
そしてファーサイドで清武が頭で合わせて仕上げ、細かいパスワークを綺麗に同点弾に結び付けました。
同時に飲水タイムが採られ、1-1の同点で第4クォーターを迎える事に。

文字通りに息を吹き返した琉球、28分には岡﨑のロングパスを沼田が落とし、エリア内左で受けた茂木が前進して奥からシュート。
GKオビンナにセーブされるも左CKとなり、キッカー清武のクロスの跳ね返りをサイド茂木がシュート(ゴール上へ外れる)と、前半あれだけフィニッシュに辿り着けなかったのが嘘のようにシュートを放ち続けます。
その流れに乗るかのように、29分に1トップとして赤嶺が投入されます。(茂木と交代、清武がFW→トップ下へシフト、池田がトップ下→左サイドハーフへシフト)

そして30分、ここも右サイドでパスを繋ぐ琉球、金井が風間宏矢とのワンツーからエリア内右でクロス。
クリアされて右CKとなり、キッカー清武の中央へのクロスを沼田が合わせにいくもエリア内右へとこぼれ、すかさず反応した福井から折り返し。
これが選手に当たるも中央へと流れ、赤嶺が放ったシュートがネットに突き刺さり。
投入されて僅か2分で勝ち越しゴールを齎した赤嶺を中心に、逆転を果たした琉球の歓喜の輪が生まれました。

一転して追う立場となってしまった栃木。
33分に菊池と上田を(有馬・小野寺と交代)、41分に面矢を投入(溝渕と交代)、久々に(菊池は除く)ピッチで観る事となります。
そして41分に流れの中で柳が前線に上がり、左サイドからの佐藤のクロスが流れた所を拾った柳、そのままカットインしてエリア内右からシュート。(枠外)
以降パワープレイの様相で前線へと残り、面矢がセンターバック・大島が左サイドバックに回る体制へシフト。
一方の琉球も43分に風間宏矢→鳥養(既に引退発表済)、45分に清武→上原慎也と残っていた交代枠を使い、アディショナルタイムへ。

琉球を押し込んだのちのロングスローと、栃木らしさ全開といった攻勢を掛ける栃木、面矢が投げ入れたロングスローは実に4度に昇り。
しかしシュートを放てないまま最後のスローインとなり、ここは短いスローを面矢が受けて左からクロスと変化を付け。
これが実ったか、右から黒﨑の2度目のクロスの跳ね返りを佐藤がダイレクトでシュートと繋がるも、枠を捉えられず。
そして同時に試合終了の笛が鳴り、1-2で勝利に辿り着いた琉球。
殊勲の赤嶺はシーズン終了後に引退が発表されたとあり、最後にゴールという結果を残してピッチを去る事となりました。

一方、田坂氏のラストゲームは残念ながら敗戦という結果に終わった栃木。
この特異ともいえたサッカーを引き継ぐのは並大抵の事では無く、誰が監督の座に就き、どんなサッカーをする腹積もりなのか。
そしてそれがクラブに生き残りを齎す選択となるのか、興味津々なオフとなる事でしょう。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 愛媛FCvsレノファ山口FC

2021-12-12 18:47:05 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(40節・相模原戦、1-2)
※前回の山口の記事はこちら(41節・甲府戦、0-1)

残留争いに明け暮れた両クラブも、来季の道筋が既に決定。
山口がJ2残留を確定させた一方で、愛媛はJ3降格が決定と、明暗がくっきり分かれた状態で最終節でぶつかり合う事となりました。

試合が始まり、いきなりの前半1分に愛媛が好機、前田の裏への蹴り出しを直接エリア内で収めた近藤がシュート。
ブロックされて左コーナーキックを得ると、キッカー川村クロス→ニアで西岡フリックでエリア内へ流れたボールを、再び近藤がシュートにいき。
これはミートせずこぼれるも、自身で拾い直してもう一度シュートしましたがGK吉満がキャッチ。
2分足らずで3本シュートを見せた近藤。(1本は未遂ですが)
その後山口がCKを得るも、そこから愛媛のカウンターが発動する(シュートには繋がらず)など、文字通りの「負けても失うものは無い」戦いを見せる愛媛。

しかし今季常時といってもいいほど、降格圏に居座り続ける事を強いられた愛媛。
この日も一度その意気込みがいなされると、後は山口のサッカーに耐えざるを得ないシーンが目立ち。
山口は持ち前のプレッシングで愛媛の攻撃機会を奪うと、10分以降はボールポゼッションを高めた主体的な攻撃で押し込んでいきます。
16分には橋本の左サイドでのボール奪取から中央に渡り、石川がエリア内右へスルーパスを送ると、走り込んだ高井がシュート。(愛媛・茂木がブロック)

それでもホーム最終戦という立場上、これ以上脆弱さを見せる訳にはいかない愛媛。
24分には山口のプレッシングを受けつつも何とかボールキープし、西岡のロングパスを受けた近藤がエリア内に進入してシュート。(ブロックに当たったのちGK吉満セーブ)
シュート数では山口を上回り、何とか威厳(?)を保ちつつ、飲水タイムを挟んで第2クォーターへ。

その立ち上がりも、28分と29分に立て続けに大ベテラン・山瀬がシュートを放つ(ともにブロックに阻まれる)など、愛媛のゴールへの執念が表れます。
しかし再び山口のサッカーが襲い掛かる、という具合に同じ流れとなり。

流れを手繰り寄せたのは佐藤謙介のフィードで、33分に自陣で反則を受けると、素早いリスタートでロングパスを供給する佐藤謙。
これが左サイドで高井に渡り、カットインでエリア内を突く攻撃。(シュートまではいけず)
直後の34分にも、佐藤謙の裏へのミドルパスに大槻が走り込む(GK岡本が抑える)シーンを作り、迎えた35分。
山口の最終ラインからの繋ぎに対し、これまでとは打って変わって果敢にプレスにいった愛媛。
中盤で高井から奪いかけたものの、こぼれ球に対しすかさず佐藤謙がスルーパスを送ると、完全フリーで受けた橋本がドリブルで持ち込んでGKと一対一に。
落ち着いてシュートをゴールへと突き刺した橋本、特別指定としての最後の試合でプロ初ゴールを挙げました。
逆にこれまで中々プレッシングを掛けられずボールを握られていた愛媛、このタイミングで前に出ていった結果は、裏を完全に取られて失点という最悪なものとなってしまい。

その後もショートパスを繋いだのちの、佐藤謙のキラーパスというパターンで好機を重ねていく山口。
41分にはGK吉満から繋ぎ、愛媛のプレッシングを受けつつも、今度はもう片方のボランチである田中渉が裏へロングパス。
左サイドで受けた橋本から、エリア内左へのスルーパスに走り込んだ池上からマイナスのクロスが入り、中央で受けた高井がシュート。
しかし愛媛・高木のブロックで追加点はならず。

何とかやり返したい愛媛は、45分に左サイドで高木がスルーパスを送り、走り込んで受けた近藤がエリア内へと持ち込んでシュート。
しかしGK吉満にセーブされ、劣勢を跳ね返すゴールは生まれず、そのまま前半を終えます。

シュート数では愛媛が上回るも、同じ下位同士の対決とは思えない程、そのサッカーの差がハッキリとしていた試合内容。
同じ3-4-2-1のミラーマッチながら、ビルドアップではミシャ式への変形を織り交ぜつつ、ボランチの展開力が冴え渡り。
守備では果敢なプレッシングで、最後尾から組み立てようとする相手の出鼻を挫くなど、遅まきながら山口の理想のサッカーが色濃く描かれたものでした。

正直リーグ終盤にして監督交代が行われた時には、「ひょっとして降格か……」とも思ってしまったものですが、受け継いだ名塚義弘監督が実に良くチームを建て直し。
前監督(渡邊晋氏)のサッカーを潰さずに巧く昇華させ……と、理想的な引継ぎを果たしたチームの姿がこの日のニンジニアスタジアムにあった、とは言い過ぎでしょうか。
これならば来シーズンへの続投がはや発表されるのも納得でありますが、シーズンオフが挟まれてもこれを維持出来るかどうか。今季の松本みたいな例もありますし

ビハインドの愛媛がハーフタイムに動き、右ウイングバックを交代。(岩井→忽那)
主導権の握り合いを経て、最初に好機を掴んだのは愛媛(後半3分、エリア内に持ち込むも高木が楠本に倒される・反則無し)と前半同様の入りとなり。
7分にはGK岡本のフィードを受けた川村が右へ展開、忽那のドリブルを挟んでリターンを受けた川村がエリア手前からシュートを放ちますが、ゴール右へと外れ。
既に広島からレンタルで来て3年目の川村、今季はすっかり主力として奮闘。
後にレンタルバックが決定する運びとなりますが、この降格圏での戦いがJ1で通用する精神力を身に付けさせる事となるでしょうか。

愛媛の反撃を予感させたものの、一度それが剥がされると……と、以降前半のリプレイを疑いたくなる流れに。
8分に山口がカウンターで好機を作り、シュートには繋がらずも、これがペースも文字通りひっくり返る起爆剤となります。
11分には最終ラインでのパスワークを経て、戻しをGK吉満が左サイドへロングパス、これに橋本が抜け出して受けるという前半の再現シーンに。(シュートまではいけず)
16分には敵陣で田中渉がボール奪取し、佐藤謙とのパス交換を経て池上へパスを通し、池上がドリブルからシュートを放つもGK岡本がキャッチ。

約10分間攻撃を受けっぱなしとなっていた愛媛は、高木が山口・石川に反則を受けてフリーキックを得たタイミングで、吉田→唐山へと交代。
同時に山口も大槻→梅木へ交代と、同じタイミングで1トップ同士交代というベンチワークがぶつかり。

その後FKからの放り込みで愛媛が押し込むシーンが続くも、22分に敵陣深めで梅木がボール奪取した山口が決定機。
高井がエリア内へとカットインしてマイナスのクロスを送り、中央に走り込む佐藤謙が絶好のシュートチャンスを迎え。
しかし佐藤謙が合わせたボールは右へ逸れ、タッチを割るシュートとはいえないキックとなってしまいました。

23分に飲水タイムが挟まれ、危機を逃れた格好となった愛媛は、明ける際に高木・前田→内田・森谷へと2枚替え。
何とかホームで希望を与える1点をもぎ取りにいったものの、以降も山口ペースは変わらず。
スルーパスをエリア内へ送り続けるシーンを経て、30分には中央で縦パス→ポストプレイの連係での前進から梅木がミドルシュート(GK岡本キャッチ)と、相変わらず攻め立てる山口。(29分に高井→島屋に交代)

ペースをひっくり返したい愛媛は31分。
右サイドでのパスでの前進を経て、受けた忽那がカットインの姿勢から中央へ縦パスを送ると、森谷がスルーした先で受けたのは近藤。
良い意味で裏切りとなったこのプレーで近藤が抜け出し、GK吉満の前進を見てエリア手前からゴール右へシュート。
ゴールネットを揺らし、同点に追い付いた愛媛。

尚も西岡→榎本へと交代し、逆転を狙いにいく体制に。
4-2-3-1へとシフトし、近藤が右サイドハーフ・川村がトップ下・榎本が左SHという2列目の攻勢となります。
35分には唐山が山口・佐藤謙に反則を受けてのFK、内田の放り込みがクリアされた所を山瀬がシュート、ブロックされるも尚も繋ぎ。
内田がミドルシュート、ブロックされたボールをさらに繋いだのち榎本がシュート(ブロック)と連撃を浴びせるも勝ち越しはならず。

一方の山口も、40分に佐藤謙・田中渉→佐藤健太郎・岸田へと2枚替え。
この日のサッカーを支えていたドイスボランチも、流石に疲労は隠せず交代の運びとなりました。(池上がボランチに回り、岸田がシャドーに入る)
ここからは山口がフィニッシュで上回りを見せ、42分にはCKからのこぼれを橋本がミドルシュート。(ゴール上へ外れる)
45分には眞鍋の右からのクロスに梅木が合わせヘディングシュート(枠外)、アディショナルタイムには再度橋本がミドルシュート(GK岡本キャッチ)とシュートを打ち続けるもモノに出来ず。

勝ち越し点はどちらが奪うか、というATでしたが、ここから双方とも攻撃が雑になり。
ロングボールの蹴り合いで時計が進んでいく事に。
得点したいという前掛かりな気持ち故の粗雑ぶりでしょうが、愛媛はそんなシーンから相模原戦での敗戦を招いてしまっただけに、傍らから観ていて何とも言えない気分となり。
するとAT終盤に山口の攻撃ターンへと移る、あの試合の悪夢再び……という流れが生まれましたが、島屋のクロスを受けた岸田が収められずといったシーンもあり命拾い。

結局1-1のまま試合終了となり、双方勝ち点1を分け合う結果に。
愛媛はこの勝ち点1で20位に順位を上げたものの大勢に影響は無く、来季はJ3への戦いへと赴く事となります。
「原点回帰」を謳った今季でしたが、結局衰運を止められる事は無く。
来季は憚らずも今治と同カテゴリとなるだけに、比較されるのは避けられない状況の中、どんな戦いを見せるでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 松本山雅FCvsV・ファーレン長崎

2021-12-10 18:33:26 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の松本の記事はこちら(33節・栃木戦、0-1)
※前回の長崎の記事はこちら(39節・栃木戦、3-0)

10試合未勝利と、負のサイクルから抜け出す事が出来ず仕舞いとなった松本。
ここ4試合では3引き分けと善戦するも、最下位である以上とうていそれだけでは足りず、前節終了をもって降格確定と相成ってしまいました。

その要因としては概ねこの記事の内容に納得です(特に2度目の栃木戦の下り)が、個人的には選手の大幅入れ替えがここまで大きなマイナス要因になった事に愕然としており。
やはり大幅な転換は重大な影響を与えかねないものだと、開幕前にこんな事を書いていた自分自身の認識の甘さにも反省したい気持ちで一杯ですが、兎にも角にも来季はJ3へ戦いの場を移す事を強いられる松本。
そんな茨の道を締めくくるかのように、ホーム最終戦が組まれた最終節。

3-4-1-2のフォーメーションを多用している名波浩監督以降のスタメンですが、この試合で観たようにプレッシングに甘さが目立つのが今季の松本。
そうなると故障者続出で最終ラインが脆弱な5-3-2のブロックでは守り切れない……という試合が多くあったので、個人的には素直に3-4-2-1にした方が良いのではと思ったものですが。(試合中の微調整でも、3-3-2-2へのシフトが多い)

FW・ルカオやボランチ・安東、センターバック・橋内といった、故障に苦しめられた選手が復帰して迎えた最終戦。
また後半戦は全く起用されていなかったFW・横山が久々のスタメンに名を連ね。
前半2分の最初のチャンスで、佐藤が果敢にミドルシュートを放っていく(GK富澤キャッチ)など、背負っていた重荷を下ろすかのように積極性を見せる松本。
7分には左サイドのスローインから、横山の落としを受けた安藤がグラウンダーでサイドを変え、受けた宮部がエリア内右に進入してシュート。(ゴール左へ外れる)

一方の長崎はカイオ・セザールが欠場し、キャプテンマークは毎熊が付けるという、31節・山口戦(3-1)以来の光景が。
松本の攻勢にも慌てず、普段通りのディフェンスで跳ね返しつつ、長短を織り交ぜた攻撃でゲームを支配せんとします。
カイオ不在により本職のボランチに戻った加藤大が上下動してボールを引き出しつつ、好機を演出していくのが印象的でした。

立ち上がりは一進一退といった展開でしたが、次第に松本の空回りが目立ち。
17分に右サイドから安東のクロスが上がり、ニアサイドでルカオが落として中央で横山がシュートチャンスを迎えましたが、ミート出来ずに終わります。
来年以降の星として期待される横山ですが、裏抜け以外のプレーでは若さ故の甘さが露呈してしまう、というのは前半戦とさして印象は変わらず。
それでも22分にセットプレーでチャンスを迎える松本、左サイドからのフリーキックでキッカー・セルジーニョのクロスを、中央ややファー寄りで野々村が合わせヘディングシュート。
しかし右ゴールポストを直撃してしまい決められずとなり、若手がフィニッシュに絡むも結果を残せなかった第1クォーターの松本。(23分に居飲水タイム)

昇格はならなかったものの、上位(4位)に居座る力を発揮したい長崎。
ブレイクが明けると、左サイドバック・加藤聖のフィードが冴え渡り始めます。

26分、その加藤聖のロングパスを受けた都倉から植中→ウェリントン・ハットと渡り、ハットがエリア内へスルーパスを送るもブロックされ。
しかし直後に再度、自陣での加藤大のボール奪取で攻撃権を得た長崎、加藤聖の裏へのロングパスが都倉に渡る黄金連係。
左サイドで松本・橋内との対峙からグラウンダーでクロスを入れた都倉、ニアサイドに走り込んだ植中が合わせ、「ゴールへのパス」の如きシュートで先制点を齎します。
これで2桁得点の10点目に乗せた植中。

以降も加藤聖を軸に攻撃を作る長崎は33分に決定機。
自陣左サイドでのスローインから、返しを受けた加藤聖が斜めの縦パス、左ハーフレーンで受けた加藤大がすかさず裏へスルーパス。
抜け出した植中がエリア内でGKと一対一という絶好のシーンとなりましたが、放たれたシュートはGK圍がセーブして2点目はならず。

こうして見せ続けた裏狙いの攻撃は、他の起点でも有効となり。
36分には鍬先のロングパスを都倉が走り込んで受け、エリア内右へ進入してシュート、しかしこれもGK圍のセーブに阻まれます。
続く39分には、ハットの右→左のサイドチェンジを加藤聖が受けると、米田に託したのち前へと走り込む加藤聖。
そしてリターンを受けて左ハーフレーンからシュート(松本・常田がブロック)と、フィニッシュにも顔を出し、松本ディフェンスを混乱させます。

何とか地元で意地を見せたい松本、終了間際の45分に再度横山に好機が訪れ。
長崎のコーナーキックからのカウンターで、セルジーニョのスルーパスを受けて左ハーフレーンをドリブルで突き進む横山。
そしてエリア内左へと進入しますが、シュートは撃ち切れずディフェンスに遭いモノに出来ません。(放送席では横パスを選択したとの事)
結局0-1のまま前半を終え、この日も好機を掴めなかった横山、ハーフタイムで榎本に交代となってしまいました。

そんな訳で、どちらかというと後ろ向きな交代に見えた松本。
その姿勢を突くように早々の後半1分にボールキープする松本・佐藤に対して植中がプレスバックして奪取、鍬先のスルーパスを受けた都倉が持ち運び、エリア手前左からエリア内へと短いスルーパスを送り。
走り込んだ米田からのクロスが上がり、ファーサイドでハットがヘディングシュートを放つと、GK圍のセーブも及ばずボールはゴール内へ。
最初の好機をキッチリとモノにした長崎、0-2とリードを広げました。

何とか反撃したい松本。
6分に長崎・加藤聖に対して榎本がアフターチャージしてしまい、警告を受けたものの、起点となっていた加藤聖を抑える姿勢が功を奏したでしょうか。

以降ボールを握り、最終ラインから繋ぐ事で好機を作る松本。
迎えた10分常田の左→右へのサイドチェンジから、右サイドで人数を掛けてパスワーク、一旦はスルーパスが遮断されるもセルジーニョが拾ってクロス。
ファーサイドに上がったボールを大外で外山が折り返し、榎本が頭から跳び込んで合わせにいき、こぼれた所を宮部が押し込み。
人数を掛けた攻撃で1点を返し、反撃の狼煙を上げます。

同時に佐藤・安東→稲福・河合へと2枚替え、名波監督の十八番である3-3-2-2(3-1-4-2)へのシフトを敢行した松本。
これがプロ初出場となったユース上がりの稲福、しかも1アンカーという重責を担う事となります。

尚もペースを維持して長崎を押し込んでいく松本、14分・15分と立て続けにセルジーニョがシュートを放ち。(前者・後者共にブロックに阻まれる)
その傍らで、15分にルカオが長崎・加藤聖にオフェンスファールを犯すと、両軍激高して(特にセルジーニョが)ヒートアップしてしまうシーンも見られます。
逆転に向けてテンションも高まりを見せる松本と、それを受ける格好となった長崎。
しかし20分には長崎・鍬先が、松本・河合のスライディングをまともに受け(反則無し)、痛んでしまい続行不可能となる餌食になってしまいます。
鍬先が担架で運ばれ長崎が10人になっている最中、今度は松本・ルカオが長崎・江川のチャージを受けて倒れ込んでしまうなど、テンションの高さが別方向へと向かってしまっていたこの時間帯。(ルカオは無事に復帰)

そんなタイミングで取られた飲水タイムは最高(?)のブレイクとなり、明ける際に鍬先と併せて2枚替えを敢行した長崎。(鍬先・加藤聖→磯村・澤田、米田が左サイドハーフ→左SBへシフト)
以降はどちらともいえない流れになり、松本は31分に橋内→田中パウロ淳一へと交代。(野々村が中央CB・宮部が右CBへ回り、パウロが右ウイングバック)

起点となる加藤聖が退いたものの、32分には江川のロングパスを都倉が収め、敵陣でサッカーを展開する長崎。
最後は米田のミドルパスを都倉がエリア内へと落とし、走り込んだ植中がシュートするも惜しくもオフサイドを取られ。
長崎ペースの匂いが漂うものの、34分には植中が足を攣らせてしまう再度のアクシデントに見舞われ。
ここで植中に代え、今季限りの引退を表明している玉田を投入した長崎ベンチ。

未だ若年ながらも、アンカーとして攻撃を組み立てる松本・稲福。
35分にはその稲福が最終ラインで展開したのち、左サイドで受けてクロスを上げると、中央でルカオがヘディングシュート。(GK富澤セーブ)
一方の長崎、38分に玉田のパスを受けたハットがエリア内へスルーパス、走り込んだ加藤大のクロスがこぼれた所に玉田が反応して反転シュート。(ブロック)
松本は稲福の成長、長崎は玉田の花道と、情緒的な雰囲気を醸し出してきた試合終盤。

40分に松本が決定機を逃し(河合の縦パスをエリア内で受けた榎本がシュート・GK富澤が足でセーブ)、アディショナルに入った後は、玉田の最後の雄姿が存分に発揮され。
CK攻勢に入った長崎、キッカーを玉田が務め、1本目は左からのクロスを都倉が合わせヘディングシュート。(GK圍セーブ)
2本目は右から同じくクロスが入り、バウンドしたボールがファーへ流れ、毎熊が跳び込んで頭で合わせ。(枠外)

その後も好機が訪れる長崎、玉田がパスを散らして組み立てたのち、右からハットクロス→都倉ポストプレイを経て再度玉田の下へ。
そしてシュートを放った玉田ですが、枠を捉えられずと名残惜しいシーンとなりました。

その間にも松本は反撃を試みましたが、そんな送り出しの雰囲気には勝てず。
1-2のまま試合終了となり、未勝利が11戦に伸びた末にシーズンを終える事となってしまいました。

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