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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 ヴァンフォーレ甲府vs水戸ホーリーホック

2021-12-16 16:07:21 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(41節・山口戦、1-0)
※前回の水戸の記事はこちら(39節・磐田戦、1-3)

3年に渡って昇格争いを繰り広げた甲府ですが、今季も後一歩の所で昇格は果たせず。
僅かな可能性を掴むべく連勝を続けていましたが、負けない京都の前に夢破れる事となってしまいました。

最終節を迎える前に、そんな戦いの指揮を執っていた伊藤彰監督の退任が決定。
昇格の夢は先輩的存在の渋谷洋樹氏に託す……と、これだけを見ればドラマティックな展開でありますが、来季J1に昇格する磐田の監督に就任という噂が流れている伊藤彰氏。
J1クラブを率いる魅力には勝てなかったという事でしょうが、社員選手からのスタートであった現役時代の伊藤彰氏、その成り上がり精神は指導者になっても健在だったようで。
過去(2017年)に斜陽の大宮を率いた事はありますが、残留争いに明け暮れた挙句に最後まで戦えなかったとあり、自身の色を出してJ1を彩る事は出来るでしょうか。

昇格はならなかったとはいえ目下4連勝中の甲府ですが、前節は明らかに相手(山口)に内容で上回られ、ウノゼロでの辛勝といった試合。
望まずながらも昇格争いのプレッシャーから解放された事で、ホーム最終戦のサポーターの前でどんな戦いを見せるのか。

前半2分、攻撃が途切れてのトランジションの末に野津田がボール奪取して再度攻撃、拾った長谷川が左サイドからカットインしてシュート。
GK牡川にセーブされ、尚も繋がったボールを中央遠目から新井がシュートしましたが、これもGK牡川がキャッチ。
ペース配分重視の立ち上がりが主体といった甲府のイメージでしたが、積極的な入りを見せたこの日。

しかし3分に右サイドバック・黒石が前に出てパスカットするなど、ハイプレスで甲府の流れを断ち切りにかかる水戸。
甲府サイドは攻撃同様に積極的な姿勢を見せようにも、1トップにウィリアン・リラを起用している以上ハイプレスは掛けられず。
そんな甲府の苦難が表れるように、8分の水戸は中里の裏へのロングパス一本で、一気に安藤がエリア内右からシュート(ブロック)という好機を作り。
その後同じく8分に中山仁斗がミドルシュート(GK河田キャッチ)、9分に中央から安藤がシュート(ブロック)と、短い周期でフィニッシュに繋げていきます。

水戸のプレッシングを受ける立場になり、いつものような新井が一列前に出るビルドアップの体勢は取らず、3枚の最終ラインから繋ぐ甲府。
15分、右サイドへの展開から中央へと渡ったのち、メンデスが左ハーフレーンを前進してスルーパス。
走り込んだ須貝がマイナスのクロスを入れると、長谷川のスルーを経て荒木が中央でシュート、しかし水戸・大崎がブロックで防ぎ。
16分には右サイドでのスローインを素早くスペースに送り、奥で受けたリラがカットインでエリア内へ。
クロスがブロックされ、こぼれ球を拾った長谷川がシュートを放ちましたがGK牡川のセーブに阻まれ。
水戸の圧力にも屈せず好機を作り続ける甲府。
逆にピンチが続いた水戸、甲府のコーナーキックの際の競り合いで中里が顔面を負傷する事態となり、そのまま交代を余儀なくされてしまいました。(木村と交代・21分)

アクシデントに見舞われた水戸ですが、22分に中盤でのパスカットから、木村のミドルシュートがブロックに当たってCKに。
ここから3本続くCK攻勢(キッカーは左右とも大崎)となり、1本目で二次攻撃からエリア内右を突いた鈴木からのクロスを、ファーサイドで黒石が合わせボレーシュート。(甲府・山田陸がブロック)
3本目ではクロスのこぼれ球を直接新里がシュート(枠外)と攻め立てるもモノに出来ず、直後に飲水タイムが挟まれます。

水戸がプレスを嵌める事で攻撃リズムを掴んでいる印象で、対する甲府がペースを得るにはどうするか。
30分にプレッシングを受けつつも右サイドでパスを繋ぎ、GK河田から逆の左へフィードして脱出。
収めた須貝から中央→右へと(長谷川のドリブルを挟み)サイドを変え、荒木からのクロスを中央でリラが合わせヘディングシュート。
ゴール右へ外れるも、プレスをいなして好機を作った事で好循環が生まれ、続く32分。
再び最終ラインからのパスワークで前進し、中村のパスを須貝が入れ替わってエリア内へ進入し、そのままシュートを放つもGK牡川がセーブ。
水戸サイドは33分に長谷川のドリブルを三國スティビアエブスが反則で止めて警告を貰うなど、一度守勢に回ると苦戦は否めず。

その後立ち上がりのようにロングパスでひっくり返さんとする水戸ですが、有効打とはならず。
主に甲府のペースで進むも、水戸を圧倒するような仕掛けは出来ず。
結局スコアレスのままと、この段階では点の取り合いになる事が想像も出来ないという展開で前半を終えました。

前年リーグ最多得点を記録した水戸ですが、今季は得点・失点ともにやや落ち着きを見せ、現在は得点56・失点47。
しかし最近4戦(2勝1敗1分)で得点8・失点7と乱戦気味で、リーグ閉幕を迎えるに辺り、再び戦闘集団の血が騒ぎ出したのでしょうか。

シーズン前にンドカ・ボニフェイスが、シーズン中に住吉ジェラニレショーンが移籍と、最終ラインを整えるのに四苦八苦する要因が絡み。
そして前回観た際には守備崩壊を受けて前半途中でタビナス・ジェファーソンが交代され、以降起用されずと、頭を悩ませてる風が見て取れます。
ハーフの選手が牛耳っていた最終ライン(+ブラウンノア賢信)も、三國が最後の砦といった感じでセンターバックを務めている現状。
そんなディフェンスラインの脆弱さを、プレッシングで隠しているようなこの日の内容であり、後半に破綻するのはある意味必然だったのかもしれません。

既に前半でアクシデントで交代枠を使用していた水戸、ハーフタイムにさらに動いて安藤→伊藤涼太郎へと交代。
伊藤涼をトップ下気味に配置し、4-4-1-1ないしは4-2-3-1へとマイナーチェンジして後半に臨みました。

前半同様、積極的にプレッシングを掛ける水戸。
その姿勢が早々に実る事となり、後半2分に一旦攻撃が途切れるも新里が敵陣でカットしてそのまま上がり、拾った松崎からのスルーパスに走り込んでエリア内右からマイナスのクロス。
ニアサイドで伊藤涼が合わせると、見事に左サイドネットに突き刺して先制点を挙げました。

水戸は貫いた姿勢が結果に結び付く快感を得たでしょうか。
甲府サイドは4分にリラがエリア内で受けて反転シュートを放つ(ゴール右へ外れる)も、それ以外では水戸のプレッシングに悪戦苦闘。
5分には須貝のパスミスが中央エリア手前へと転がってしまい、水戸・中山仁が拾わんとする所を、前に出たGK河田が辛うじてクリア。

前半のように、最終ラインからの攻撃でペースを握る事が不可能な状況に陥った甲府。
しかし9分、敵陣左サイドで野津田がカットして攻撃機会を得ると、山田陸が細かな前進を経てリラへとパス。
リラが溜めている間に走り込む山田陸、リターンをエリア内で受けてそのままシュートを放ち、同点のゴールを齎します。
水戸と同様、敵陣でのボールカットから得点に結び付けた甲府。

これで落ち着きを得たかに見えた甲府ですが、水戸・松崎の突破力が襲い掛かり、たまらずメンデスが引っ掛けてしまい反則。(10分)
その後のフリーキックはフィニッシュに繋がらずも、これで色を失った感があり、水戸が攻撃権を得る展開に。

甲府は14分に須貝→関口へと交代(荒木が右ウイングバック→左WBへシフト)し、流れを変えに掛かったものの、その直後の15分。
左サイドで水戸・大崎のスルーパスをメンデスがカットするも、GKへのバックパスがエリア内でカットされる事態を招いてしまい。
奪った松崎に対しGK河田が何とかこぼすも伊藤涼に拾われ、中央の中山仁へと横パスを出されて万事休す。
中山仁のシュートがゴール右へと突き刺さり、パスミスの流れを改善出来ぬまま失点してしまった甲府。

しかし守り切る能力に欠ける節がある現状の水戸だけに、まずは落ち着いて攻撃権を得たい甲府。
迎えた18分、左サイドでメンデスの縦パスを受けて溜めを作った長谷川、その後野津田の裏へのミドルパスに走り込んでチャンスメイク。
受けた長谷川からさらにエリア内へスルーパスが出され、走り込んだ荒木のマイナスのクロスにリラが合わせてシュート。
ゴールネットを揺らし、攻撃権を奪うまでも無くすかさず追い付く事に成功した甲府。

その後22分に水戸が伊藤涼のシュート(GK河田キャッチ)、24分に甲府が中村のヘディングシュート(GK牡川セーブ)と、お互いにゴールを脅かし。
26分に飲水タイムが挟まれ、明ける際に共に選手交代。
水戸は中山仁・奥田→藤尾・金久保へ、甲府は野津田・リラ→鳥海・三平へと交代し、今季最後の第4クォーターへと突入しました。

水戸のプレッシングが甘くなってきた影響か、サイドでスルーパスを多用して揺さぶる甲府。
31分のエリア内での長谷川のシュート(ブロック)に続き、32分も長いポゼッションで好機を作り、鳥海がエリア内右奥からクロス。
ここもフィニッシュにいった長谷川ですが、ボレーシュートは空振りに終わり、尚も繋ぐもボールはエリア内右へとこぼれ。
このボールが、拾いにいった山田陸に対し、シュートにいった鳥海の脚が入ってしまい倒れ込むという珍事を招いてしまいます。

幸い山田陸は無事で、以降もペースを継続する甲府。
次第に劣勢を強いられる水戸ですが、突破口となったのはやはりこの男のドリブルでした。
37分右サイドで黒石からパスを受けた松崎、そのまま中央方向へとドリブルで突き進み、エリア内へとスルーパス。
走り込んだ伊藤涼のシュートがゴールネットを揺らし、三度の勝ち越しとなった水戸。
立役者の松崎は直後に交代となり、タビナス・ジェファーソンが投入され、3-4-2-1のフォーメーションへと移行します。

5バックシステムと、物理的な守備固めの体制を作りに掛かった水戸・秋葉忠宏監督。
再度リードを奪われたのもあり、焦りが見える甲府。
41分にまたも自陣でミスを犯した所を突かれ、金久保のスルーパスに抜け出した藤尾が、エリア内でGKと一対一を迎えます。
追加点かと思われたシーンでしたが、藤尾のゴール右へのシュートはGK河田がファインセーブし、敗北確定は免れ。
反撃機運を高めるべく、大ベテラン・山本を投入して(山田陸と交代、同時に長谷川→宮崎へと交代・44分)最終局面を迎えます。
水戸が1トップ2シャドーへとシフトした以上、最終ラインは3枚も必要無くなり、新井・山本のドイスボランチへと変形しての攻撃を見せる甲府。

しかし勝負を分けたのは、そうした形とは無縁のセットプレー。
2度のCKが防がれ、アディショナルタイムに突入した所で今度は左から荒木がロングスロー、ニアサイドでメンデスが合わせにいくもこぼれ。
拾って左サイドで繋いでいる間にポジションを移すメンデス、荒木のクロスが上がると、ファーサイドで跳んで打点の高いヘディングシュートを放ち。
水戸サイドはポジションチェンジしていたメンデスに対し目を切っていたのか、どうしようも無くシュートがゴール左へと突き刺さり。
流石はセットプレーのメンデスの存在感、といった同点ゴールとなりました。

尚も攻勢が続く甲府に対し、水戸は完全な守勢で攻撃機会を得れず。
再びのCK攻勢を迎えてその2本目、右からキッカー荒木のクロスが入ると、三平がヘディングシュートを放ったもののGK牡川のセーブに阻まれ。
ホームの観衆の前で、惜しい所まで詰め寄ったものの勝ち越し点は生まれず。
試合終了の笛が鳴り響き、後半だけで3点ずつを取り合った死闘は引き分けで幕を閉じました。

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