※前回の大宮の記事はこちら(41節・町田戦、0-0)
※前回の群馬の記事はこちら(40節・新潟戦、0-0)
最終節に組まれた、残留争い同士の直接対決。
とはいっても、ともに降格ラインから上という立場であり、19位のクラブ(相模原)の勝ち点積み上げが無い限りは負けても大丈夫な状況ですが。
有利なのは順位が上の群馬の方で、引き分けでも残留確定な立場。
大宮が左サイドハーフ(左ウイング?)を小野→奥抜へと入れ替えたのみ(それも小野の負傷という要素が絡む)で、後はともに前節から不動となったスタメン。
不利な立場の大宮が押し込むという予想通りの入りとなり、長いパスを効果的に使い好機を演出。
前半4分に右サイドのスローインから、河田のクロスをファーサイドで翁長がボレーで合わせにいきましたが、これはミート出来ず枠外に。
続く6分、翁長のロングパスのセカンドボールを拾い、左サイドでパスを繋いで組み立てたのち翁長がクロス。
中央で黒川が頭で合わせるも流れ、ファーで河田がボレーシュート。(枠外)
ファーサイドでボレーシュートという形を連続して作った大宮。
しかし落とし穴はすぐそこに待っており、続く7分。
西村の右→左へのサイドチェンジのパスが短くなり、田中がカットして群馬がカウンター気味に攻撃。
エリア手前で中央へ切り返して左へパスを出す田中、それをエリア内で受けた加藤が対峙する大宮・馬渡の股を抜くシュート。
丁度馬渡がブラインドとなったためGK南は弾ききれず、ゴールネットに突き刺さり。
ファーストチャンスを綺麗にモノにした群馬、先制に成功します。
いきなり窮地に立たされてしまった大宮。
プレッシャーに脅かされる展開を避けるように、以降はロングパスを控えめにして、石川が降りて3人の最終ラインによる組み立てを重視。
その方針転換がたたったのか、群馬に攻撃機会を支配される時間がしばらく続きます。
しかし15分、群馬のパスミスを拾って反撃を仕掛ける大宮。
中央→右→中央→左へとサイドを振り、左サイドでのパスワークの形を作ったのち、再度右へとサイドを振って馬渡がドリブルからクロス。
この低いボールに黒川が頭で跳び込んで合わせ、ジャストミートは出来ずもGK清水が何とかセーブする形となり、跳ね返りを目の前で菊地が詰めてネットに突き刺し。
群馬同様、相手の流れがミスで途切れた所を見逃さない同点ゴールとなりました。
以降は大宮がボールを握るも、前述の基本形からゆったりとしたビルドアップを駆使し、好機はあまり生まれずという展開に。
ミスから先制を許したという事もあり、相手に攻撃させない事を第一に考えていたでしょうか。
19分に奥抜がファウルスローを犯すといった小さなミスもありましたが、穴を作らず試合を進めていく大宮。
そんな中で右サイドからのフリーキックを得たのが24分で、一旦は途切れるも敵陣で石川がパスカットして尚も攻撃。
さらに途切れて今度は右サイドのスローインから、再び馬渡が低いクロスを入れるシーンとなり、ニアサイドで菊地が跳び込むも僅かに合わず。
以上が24分台の攻撃で、基本はスローペースながら、刹那的に押し込んで何度も仕掛けるといった立ち回りだったでしょうか。
ともかくそんな流れが生まれつつ、25分に飲水タイムが挟まれます。
ブレイク明けも暫く好機が生まれない等、大宮のゲームコントロールぶりが顕著な流れ。
31分に石川の縦パスを受けた奥抜が左サイドを前進ののちスルーパス、受けた翁長が左コーナーキックを獲得。
キッカー河面のクロスが流れた所を、エリア内右で拾った翁長がシュートするも右サイドネット外側。
ここからまた暫く停滞が続きますが、群馬サイドも中々攻勢に出れず。
大宮ペースは不変という印象を残しつつ、迎えた35分でした。
最終ラインの繋ぎから、またも右サイドで馬渡がクロスを入れる展開に持ち込み、今度は近距離(エリア内右)で菊地が受け。
そして彼の戻しに三門が後方から走り込み、放たれたシュートが豪快にゴール右へと突き刺さり。
キャプテン三門の胸すく勝ち越しゴールが生まれ、リードを奪った大宮。
前半のうちに逆転されてしまった群馬。
以降は主に左サイドからの攻撃を見せ、サイドバックとSHの関係性を重視して前進を図るも、思うようにやらせてもらえず。
終盤を迎え、細貝のキープに対して大宮・三門が後ろからチャージしてしまい反則となると、三門に警告が突き出され。
特に重い反則には見えず、大宮サイドから不満の声が漏れる事となりましたが、これを機に以降群馬が押し込む流れを得ます。
アディショナルタイム、GK清水のロングフィードに青木が跳び、合わせられずに流れた所を拾った田中がエリア内右へ進入。
しかし切り返しを図るもシュート体勢を作れず、クリアされてしまいモノに出来ません。
結局2-1のまま前半を終え、ゴールシーンの1本のみに終わった群馬のシュート。
共に交代無く迎えた後半、群馬が同点に追い付かんと攻勢を掛ける展開に。
後半1分の最初の攻撃でCKを得たのを皮切りに、以降スローインから好機を作ります。
3分、右から投げ入れた岩上が田中の返しをダイレクトでクロス、走り込んだ加藤が合わせにいくもミート出来ず。
5分には左から小島雅也のロングスロー、クリアされたボールを岩上が拾い、ミドルシュートを放ちましたが枠を捉えられず。
大宮は前半からより一層消極的な試合運びとなり、ロングパスが巧く繋がれば……という立ち回りで攻撃権を得れず。
もしかすると相模原の試合状況(前半終了時で0-1)を頭に入れていたかのかもしれませんが、最初の攻撃機会は12分という遅さとなり。
西村のロングパスが黒川に収まり、左へ展開したのち翁長からクロス。
クリアボールを馬渡がダイレクトでシュートしましたが、ゴール右へと外れ。
その直後に群馬は大前がプレー続行不能となってしまい、交代を余儀なくされます。(進と交代、加藤がFWへシフト)
前節の負傷を抱えたまま強行的に出場していた大前、残留へ並々ならぬ思いがあったと思われますが、ここで無念の交代。
今までは加藤・小島雅の左サイドでの攻撃を重視していた群馬ですが、加藤のポジションチェンジの影響か、その後右サイドから仕掛けるシーンが目立ち。
15分にはその形から平尾がクロス、青木がフリックするもクリアされ、加藤の繋ぎを経て再度平尾からクロスが上がり。
これを交代出場の進がヘディングシュートに持っていきましたが、GK南が正面でキャッチ。
長らく守勢となっていた大宮でしたが、17分に河面右へロングパス→黒川受けて手前からクロス→ファーで河田(クリアされる)と、ロングボールでの組み立てでCKをゲット。
この左CK、キッカー河面のクロスをニアで菊地がフリックし、ファーに流れた所を翁長がシュートしますがブロックに阻まれます。
22分には群馬がチャンスを迎え、再び右サイドで平尾がドリブルからクロスを入れると、中央で進がスライディングで合わせシュート。
しかしGK南がキャッチと、双方フィニッシュに辿り着く乱戦模様に。
その直後の大宮の攻撃でした。
GK南のスローを受けた河面がロングパスを送ると、群馬・渡辺のマークを振り切って収めた河田がエリア内へ進入する絶好機に。
群馬ディフェンスが整わないうちに河田がシュートを放つと、GK清水の伸ばす手も届かずゴール上へと突き刺さり。
乱戦を制するのは個の力、と言わんばかりのゴールとなり、2点差へと突き放した大宮。
直後に飲水タイムが採られ、いよいよ残留への扉が露わとなりました。
何とか反撃したい群馬、既に相模原も勝利は絶望的な状況(後半20分で0-2)でしたが、自力で残留を決めるに越した事は無い。
27分にCKを得て、そこからスローインを挟んでの二次攻撃。
左から岩上のクロスが上がり、ファーサイドで畑尾が折り返して右へこぼれたボールを青木がバイシクルで再度折り返し。
中央で進がこれまたバイシクル気味に合わせるも、放たれたシュートは枠の上へと外れ。
大宮の激しいディフェンスを掻い潜りつつフィニッシュに辿り着くも、結果は得る事が出来ません。
直後に大宮は奥抜が足を攣らせてしまい、それを受けて30分に奥抜→佐相へと交代します。
32分に群馬が左サイドを突破、小島雅がクロスを入れる形となるも大宮・馬渡がブロック。
これがゴールキックと判定された事で、この辺りから審判に対する不満が露わになり始めます。
それは大宮サイドも同じだったようで(前半の三門への警告のシーン然り)、34分には以前から盛んに異議を唱えていた大宮・河田がとうとう警告を受け。
度々スローインが大宮ボールになる度に、群馬・平尾が不満げな表情をするのも悪目立ちしていました。
その平尾は35分、西村のラフなロングパスをクリアミスしてしまい、拾った佐相がエリア内に進入してシュート(GK清水セーブ)とピンチを招いてしまい。
メンタルの乱れも露呈し、反撃の機運を得る事が出来ない群馬。(群馬は37分に田中→白石へと交代、進が左SH→右SHへシフト)
終盤を迎えた41分、大宮は2度目の交代カードを切り。
菊地・河田→中野・河本へと2枚替えを敢行し、5バックシステム(3-4-2-1)へとシフトします。
この試合がラストゲームである河本を中央CBへと置く、花道を作りつつ逃げ切り体制へ。
群馬が攻撃機会をロクに得られずという状況の中、43分に大宮がFKを得ると、ロングボールを河本に送り込むという粋な振る舞いを2度見せる攻撃。(シュートには繋がらず)
情緒的な雰囲気も生まれつつあったNACK5スタジアム、とうとう試合はATに突入します。
そのATの最中に最後の交代カードを使う大宮、黒川・石川→イバ・小島幹敏へと2枚替え。
投入されたイバが左サイドをドリブルで持ち上がり好機を作ると、彼のスルーパスに走り込んだ小島幹がクロス、ファーに流れた所に中野がスライディングで合わせ。(枠外)
交代選手勢揃いといったチャンスも生み出しました。
そして試合終了の時を迎え、3-1で勝利した大宮が自力で残留を決める運びとなり。(16位)
一方の群馬も、相模原の敗戦(0-3)を受けて18位でフィニッシュし、残留が決定。
拮抗した順位の両クラブでしたが、クラブの資本力の差を考えれば、大宮はどうしてこんな下に居るのかという疑問は当然のものであり。
圧倒的なポテンシャルをチーム力に還元出来ず、という問題ですが、そのポテンシャルも危機迫る状況となっているようで。
大宮の明日はどっちだ、とは言い過ぎでしょうが、これを境にフロントの意識転換が求められる事となりそうです。
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