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DAZN観戦 2020年J2リーグ第35節 栃木SCvs水戸ホーリーホック

2020-11-24 16:19:19 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の栃木の記事はこちら(32節・京都戦)
※前回の水戸の記事はこちら(28節・山形戦)

群馬のJ2昇格により、今季再び行われる並びとなっている北関東ダービー。
現状は、水戸が群馬相手にダブルを達成(両試合とも3-1)してイニシアティブを握っているように見えますが、栃木には前半戦敗戦(1-2)しており目下2勝1敗。
この日はその栃木との対戦であり、栃木は2勝しているうえまだ群馬戦を1つ残しているので、制覇するには是が非でも勝たなければならない一戦です。

リーグトップを争う得点力を誇る反面失点数も多く、大勝したかと思えば大敗もするという相変わらずの出入りの激しい成績を描いており、連勝も2連勝が1度きり。
1000分以上出場している選手(この時点で34試合消化)が18人にも昇るなど、ハッキリとした選手を試しながら・成長させながらというシーズンを送っている水戸。
その選手起用に目を向けてみると、前半戦飛躍の兆しを見せた松崎がやや伸び悩み加減で、その反面深堀がラッキーボーイ的に得点を量産しています。(8試合で5得点)
彼のような1000分未満の選手も決してモチベーションが切れていないなど、まさに競争主義。
この日は外山が出場停止となったものの、この下地で穴を感じさせないような戦いが出来るかがカギとなりそうです。

試合が始まると、いつもなら立ち上がりから持ち味を発揮しペースを握る栃木ですが、この日は逆となります。
ボールを支配しつつ、セカンドボールを拾って厚い攻撃を仕掛ける水戸。

すると早々に結果に結び付きます。
前半3分、平野の遠目からのシュートがGK川田にセーブされて得た右コーナーキック。
キッカー山口のクロスが中央に入り、住吉ジェラニレショーンが合わせる所にGK川田が跳び出すも、エリア内右へとこぼれたボールに奥田が詰めてシュート。
膝に当たってのシュートという不格好なものながら、GK不在のゴールへとボールは吸い込まれ、水戸が早くも先制に成功します。

リードを得ても、主導権を握り攻勢を続ける水戸。
2トップの一角である山口が、フリーマン的に様々な所に位置取りボールを引き出す動きを見せ、そしてそれを有効に使っていく攻撃。
長短のパスやサイドチェンジも織り交ぜつつ、栃木守備陣を揺さぶっていきます。

そんな水戸の攻撃に手を焼いていた栃木ですが、20分頃から反撃体勢に。
左サイドでこぼれ球を森俊貴が繋ぎ、受けた明本がドリブルでエリア内左へと入り、シュート気味にクロスを入れた(GK牡川キャッチ)のを狼煙とします。
すると22分にCKからの二次攻撃、GK川田のロングフィードからの好機。
これを左サイドで黒崎が大きいトラップで奥へと抜け、エリア内への森俊へパスを出し、森俊はエリア内左を抉ってクロス。
これがブロックに入った住吉の手に当たり、ハンドを誘発し反則・PKを獲得します。
蹴るのはチームトップスコアラーである明本(といってもDFの柳と同数……)、豪快に右上へと蹴り込んでゴール。
早い段階で同点に追い付いた栃木。

それと同時に挟まれた飲水タイム。
その直後こそ、水戸がセットプレー(左サイドからのフリーキック)からの二次攻撃でンドカ・ボニフェイスのヘディングシュートが生まれました(枠外)が、これを境に一転して栃木のペースとなっていきます。

「ストーミング」の威力がようやく発揮され、前線でのプレスが利き始めた事で水戸から主導権を奪うのに成功したのが要因でしょう。
しかし中々シュートまでは持っていけず。
逆に31分に水戸のカウンターが炸裂、クリアボールを拾った中山がドリブルで疾走、GKと一対一に。
エリアに入るかどうかという所でシュートを放ちますが、ここはGK川田がナイスセーブで失点の危機を防ぎます。

ペースを握るも決定機は迎えられない栃木と、依然得点チャンスを得ながらもペースを失いつつあった水戸。
両者とも見通しが暗いという状況で、34分に水戸にアクシデントが。
左サイドバックの岸田が、ディフェンスに入った所で足を捻らせ、長らく倒れ込む事態が発生してしまいます。
一旦は意地を見せてピッチに復帰したものの、38分に再度倒れ込み限界に。
細川との交代を余儀なくされてしまいました。
暗雲立ち込める展開に、その間の36分には栃木・榊が浮き球を受けようとした所に、水戸・平野に後ろからアフターで倒されて反則。
するとヒートアップし騒然となるなど、ムードの悪さが顕著に現れてしまう事となりました。(平野に警告)

本職はセンターバックである細川をSBに入れる(左SBに前嶋が回り、細川は右SB)という起用を強いられた水戸。
しかし前半の残り時間は再びペースを掴み、42分には再びカウンターで好機。
奥田の右サイドでのドリブルからクロスが上がり、クリアされたボールをダイレクトで山口がシュートするも、ゴール左へと外れてしまいます。
アディショナルタイムに突入後も攻撃権を支配しましたが、結局勝ち越しはならず、1-1で前半終了。

水戸・秋葉忠宏監督の「どんなに不格好でも、とにかく勝つ」というコメントが印象的であった試合前。
それほどの執念を燃やす要因となっている、久々の開催となった北関東ダービー。
2015年に栃木がJ3に降格して一時休戦となり、復帰したと思ったら今度は入れ替わりで群馬がJ3に落ちる(2017年)という具合に、大きくインターバルが開いてしまう事となりました。

水戸・栃木・群馬いずれもJ2設立後にJリーグに参入したクラブであり、その頃既にこの地方は、屈指の強豪・鹿島のサポーター層の支配が進んでいた事もあり苦戦気味。
栃木は参入直後こそ昇格争いに加わったりと善戦しますが、2013年の経営問題発覚で苦しくなり、人件費削減を余儀なくされて弱体化。
結局群馬とともに、J3との往復が現実的危機となる立ち位置となってしまいます。
そんな中20年以上もJ2の座を守ってきた水戸も、前年に初めて本格的な昇格争いに加わった事実が示す通り、長らく低空飛行を余儀なくされてきたクラブ。

秋葉監督の言う「不格好な戦い」を貫いているのが、現在の栃木でしょう。
J2という下位カテゴリ内でも、ボールポゼッションを下地とするクラブが膨れ上がっている現状で、それとは真逆のサッカーを堂々と繰り広げているその姿。
そんなクラブに勝利し、北関東ダービーを制覇する事で得られる物は、発展途上である水戸の現状には代えがたいものとなりそうな気がします。

ハーフタイムで栃木・榊→矢野への交代を経て後半に突入し、最初に攻撃権を得たのは水戸。
後半2分にロングボールを中山が収めにいくもこぼれ、山口が左サイドへと繋いでからパスワーク。
そして山口のスルーパスを前嶋が奥で受け、マイナスのクロスを入れると、受けた山口が斜め45度ぐらいからのシュート。(GK川田キャッチ)
続く3分にも平野がミドルシュートを放つ(枠外)など、上々の滑り出しを見せていきます。

しかしそれも束の間、以降は栃木が徐々に押し込んでいく展開に。
5分には左CKから、キッカー明本のクロスを中央で柳がヘディングシュート。(ゴール上に外れる)
9分にもロングスローが跳ね返されてからの二次攻撃、左サイドで森俊がドリブルからクロスを入れ、DFに当たって方向が変わるも矢野が落としたボールを明本がシュート。(GK牡川キャッチ)
押され気味の水戸、その後しばらくはボールを握って攻撃を仕掛けますが、得られたのは再びの平野の枠外ミドルシュートだけ。(14分)

栃木の術中にハマるのも時間の問題、そんな空気が感じられた通りに、15分以降は一方的な栃木ペースを描きます。
とにかく前線でのボールカットが冴え渡り、水戸は全くビルドアップが成り立たないという状況に陥る危機。
しかし一方の栃木も、その好機をシュートまで結び付けられずという悩みの種を生んでしまいます。

飲水タイムを挟み(22分)交代も考えられる時間帯ですが、水戸はポジションを入れ替えるという手段を取ります。
FWの山口がハッキリとした左SHへとシフトし、山田が右SHへ。
奥田がFWないしはトップ下気味に位置取りを変えてきました。
それが早速奏功したのが25分、平野のロングパスを受けた山口から、前嶋が奥で受けてカットインからシュート気味にクロス。
跳ね返された後も山口が再度同じようなクロスを入れ、中山が中央で合わせにいくもGK川田がセーブ。

流れを引き戻さんとする栃木、直後に山本→大島へと交代。(26分)
27分には柳が敵陣でパスカットしそのままドリブルで持ち込み、エリア手前からシュート。(GK牡川キャッチ)
直後に水戸の2枚替え(中山・山田→深堀・森勇人)が敢行されても、尚も攻勢に。
30分には右サイドで黒崎のロングパスを、エリア手前で大島がダイレクトで中央へと送り、そのまま明本がボレーシュート。
流れるような攻撃でしたが枠を捉えられません。

好機を逸していると、自然と水戸に流れが移ります。
そして失点シーンもそれを象徴するかのようで、33分の水戸の攻撃、右→中央→左と繋ぐパスワークを経て山口がエリア内左へと進入。
そして放たれたシュートはGK川田の正面でしたが、詰めに来た深堀を気にしたのか、あろう事か後逸してしまいボールはゴールの中へ。
終盤に差し掛かろうとする中、大きな勝ち越し点となります。

35分に佐藤→西谷へと交代する栃木。
嫌でも攻めなければならない展開となり、その通りに再び押し込み。
36分には敵陣右サイドで大島がボール奪取、黒﨑を挟んで森俊がエリア手前からシュートしますが、ボールはゴール右へと外れ。
折角の勝ち越し点をフイにしかねないボールロストに、水戸・秋葉監督の怒号も目立つ事となりました。
尚も攻勢を掛ける栃木、39分には岩間・瀬川→エスクデロ競飛王・平岡へ交代。
ポジションも大幅に弄ったようで、明本がボランチ・黒﨑が左SBへとシフト。

しかし明本ボランチで守備を緩めてしまった(この試合で目立っていました)のが仇となったか、直後に水戸が反撃。
CKを得た41分、キッカー山口のクロスを住吉が落としンドカが繋ぎ、ゴール至近距離で前嶋が受けるとそのままシュート。
決定的な3点目が水戸に入ります。

2点差を付けられてしまった栃木。
AT直線に、前半戦ジョーカー的役割を担っていた柳を前線に上げるパワープレイ体制へ移行。
何とかゴールをこじ開けようとしますが、結局それを果たす事は無く。
FKから、クリアボールをエスクデロが拾ってシュートを放ち、GK牡川にセーブされたのが最も惜しかった場面でしょうか。

結局3-1で水戸が勝利を果たし、3勝1敗で先んじてダービーを終える事となりました。
得失点差も考慮するならば+5の水戸は断然有利で、栃木は群馬戦(39節)を5点差で勝たなければ追い付けない状況となりましたが、果たして栄冠はどちらに微笑むのか。


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