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DAZN観戦 2020年J2リーグ第36節 モンテディオ山形vsツエーゲン金沢

2020-11-26 17:01:30 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の山形の記事はこちら(31節・新潟戦)
※前回の金沢の記事はこちら(30節・北九州戦)

ともに要となるボランチがスタメンから外れての一戦。
山形は、これまで全試合にスタメン出場を果たしていた中村駿が、この日はベンチ外。
ベテランの本田が復帰してきたのもあり、休ませるという選択肢を採る事が出来たと前向きに考えての措置でしょう。(故障で無ければ)
前年と違い、プレースキッカーはヴィニシウス・アラウージョに委任しているという要素もあり。
そんなこんなで、この日は岡崎・小松のドイスボランチで、本田がベンチに控えてのスタートとなりました。

一方の金沢も、藤村がベンチスタートに留め置かれ。
こちらは4試合欠場試合(そのうちサスペンドが1試合)があり、その際の成績は2分2敗と、当たり前ですが落ち込みを見せています。
彼の相方である大橋も、今季は長期離脱期間を作ってしまい、中盤の底は不安定気味となっていた今季の金沢。
この日は大橋と、サイドハーフも出来る本塚の2人がスタメン。

ボランチにキーマンがしっかり構えているのがチームを安定させる条件の一つなのは、目下昇格圏内にいる徳島(岩尾)・福岡(前)を見ても明らかです。
その反面、彼らが不在の時は途端に不安定な戦いを余儀なくされるため、今季のような過密日程下でも中々休養を与えられない。
それで成績的に上手くいけば良かったのですが、中位に留まっている山形と金沢。
奇しくも休ませるタイミングが被っての対戦となり、勝ち点3を得る事で上位進出の足掛かりとするのはどちらか。

後方からパスを繋いで主体的に攻めたい山形と、相手の攻撃の芽を摘んで縦に速い攻撃を仕掛けたい金沢。
双方がぶつかった結果、先に好機を作ったのは金沢。
前半2分に長谷川のインターセプトから、加藤陸次樹のポストプレイを受けたホドルフォがドリブルからミドルシュートを放ちましたが、GK藤嶋がナイスセーブ。
いきなり前線からの守備を見せ付けた金沢ですが、以降は空回り気味に。
山形のセンターバック(野田・熊本)がボールを持つ所に、左サイドハーフのホドルフォが追って行くという振る舞いが際立っていた金沢のプレス。
当然左サイドが空く事となり、山形は右サイド(主に右サイドバックの山田)が楽にビルドアップの出口になる事が数多。
それでも、後方の選手が塞ぎに来た所を突き、逆の左サイドから攻撃するという攻撃が多かった山形。

その結果序盤から非常にオープンとなり、縦に速く攻める金沢と、楽にサイドを突破できる山形が交互にアタッキングサードまで攻め入る立ち上がりとなりました。
そして前半9分、山形は左サイドから松本・小松のドリブルを交えて前進し、コーナーキックをゲット。
このCKからのクロスがクリアされての二次攻撃、ここも左サイドでパスを織織り交ぜた末に、岡崎のクロスがファーサイドに。
松本が跳び込んで足で合わせ、逆のゴールサイド(右→左)へと向かうシュートで左隅を捉え、幸先良く先制点を獲得します。

先制された金沢ですが、12分に再びホドルフォがミドルシュートを放ちますが、これもGK藤嶋がセーブ。
果敢に前に向かうプレーで、前年在籍していた山形に対する思いを見せます。
一方の山形も、前年金沢に在籍していた左SH・加藤大樹が左サイドで跳梁。
ホドルフォの存在で不安定なサイドとは逆での攻撃が目立っていたのも、彼の存在があったからでしょう。

尚もオープンな展開が続いていましたが、山形もサイドに展開した後は、縦への攻撃を重視してそのスピードは速め。
そのため異なるタイプながらも、攻撃の波長が合っていたのがその要因だったでしょうか。
それでもリードされている金沢が、最終ラインでの繋ぎを余儀なくされているシーンが目立つなど、リズムに乗り切れないまま飲水タイムへ。

再開後も双方攻め上がりますが、フィニッシュの針は山形へと振れ始めます。
26分に小松のパスカットから、前川のドリブルを経てヴィニシウスがエリアすぐ手前からのシュート。(GK石井キャッチ)
29分には左サイドで縦に速い攻め、加藤大のスルーパスを受けたヴィニシウスがエリア内左角からシュート。(枠外)
32分のヴィニシウスのバイシクル空振りも挟み、36分には小松の縦パスをヴィニシウスがポストプレイの体勢へ前方へ送り、それを前川が拾ってシュート。
ゴールネットを揺らしたものの、オフサイドとなりノーゴール。

しかしその直後の37分に金沢が決定機。
最終ラインから左へと展開した後、渡邊泰基の縦パスを受けた杉浦恭平がゴール前へとスルーパス、走り込んだ加藤陸が受けてエリア内でGKと一対一に持ち込みます。
そしてGK藤嶋を左にかわしたものの、シュートは角度が厳しく左ゴールポストの外側を叩いてピッチ外へ。
同点チャンスを逃した金沢、以降も加藤陸がシュートを撃つ展開を続けた(以降前半終了まで3本)ものの、1-0のまま前半を終える事となります。

ハーフタイムで金沢サイドが選手交代を敢行し、島津→下川へと交代。
今季様々なポジションをこなす下川ですが、この日は右SHとなりました。

しかしキックオフ直後の後半1分でした。
金沢のクリアボールを松本が繋ぎ、左サイドで加藤大がドリブルからクロスを上げると、ニアサイドで渡邊凌磨がヘディングシュート。
ここも逆サイドへのコースのシュート(今度は左→右)を突き刺し、開始早々に追加点を奪った山形。

とうとう複数点差を付けられた金沢、以降はボールを持たされる展開が一層高まり、嫌でもパスを多く繋ぐ攻撃をせざるを得ない状況。
5分、作田から左へ展開しホドルフォと渡邊泰で前進、ホドルフォからクロスが上がるとニアサイドで加藤陸がフリック。
逆サイドの杉浦恭がゴール至近距離で拾う大チャンスとなりましたが、シュートは距離を詰めたGK藤嶋にセーブされモノに出来ず。

決定機を逃した代償は大きく、以降も後方からビルドアップしようとする金沢ですが、山形のプレスに引っ掛かるシーンの連続。
明らかに「出来ない事をしようとしている」風に映りましたが、その矢先の9分でした。
バックパスをGK石井が受けるも、トラップが大きくなってヴィニシウスに掻っ攫われる失態。
そしてエリア内でかわされ、無人のゴールにシュートが決まり3点目。

それでも攻撃機会を作っていく金沢に対し、山形守備陣もストレスを溜めていたのか。
10分に審判の判定(度々山形選手が倒されるも笛は吹かれず)に異議を唱えた野田が警告を受けてしまいます。

これに乗じて反撃の手を打ちたい金沢、11分に長谷川→高安へと交代。
続いて17分には加藤陸・杉浦恭→山根・藤村へと交代します。
FWを削ったため配置も変えるのを余儀なくされますが、出番となった藤村は意外にもボランチには入らず。
4-2-3-1へとフォーメーションを変え、そのトップ下へと位置取った藤村。(1トップは山根)

しかし必死の采配も空しく、19分の山形のCK。
キッカー・ヴィニシウスのクロスがファーサイドへと上がると、大外で熊本が金沢・作田の後方からヘディングシュート。
叩きつけたシュートがゴール右へと吸い込まれ、さらに点差を広げる4点目が入りました。

トップ下でのプレーとなった藤村ですが、やはり相手ディフェンスとの距離が近い分、持ち味が生きずという印象を受けました。
「司令塔=トップ下」のイメージが強かった時代は過去のもので、パスを出すべき人材は下がり目で無ければ、相手のプレスにあっさりと嵌ってしまう。
成績的に下降気味なチーム状況(過去10戦は2勝2分6敗)故、柳下正明監督も何か違いを付けたいと思っていたのでしょうが、この動きには疑問符でした。
いっその事長身を生かして2トップの一角に……というのは極論でしょうが。

その後もボールを持たされつつも、反撃を試みる金沢。
柳下監督は縦に速い攻撃が主流のサッカーを貫いていますが、過去のキャリアでは何度かポゼッションサッカーをチームに落とし込もうとしていました。(新潟監督時代が主)
しかし上手くいかず、結局元のサッカーに回帰という事を繰り返し。
この日無理矢理のビルドアップを強いられた金沢を観て、そんな昔日の事を思い出していました。
まあ札幌監督時代盛んに「アクションサッカー」を提唱していたので、理想と現実の挟間を経て落ち着いたようでありますが

一向に得点を奪えず、飲水タイム後は逆に山形にボールを握られ、時間が進んでいきます。
39分にようやく高い位置でボール奪取して好機、奪ってすぐに下川がペナルティアークからシュート、ブロックされたボールを藤村が拾ってシュート。
GK藤嶋がセーブしたボールが尚もエリア内左へ転がり、拾った山根からホドルフォに渡り、シュートを放つもこれもGK藤嶋がセーブ。
折角決定機に辿り着いても、最後の場面で藤嶋に立ちはだかられ得点出来ません。
一方肝を冷やした(といっても決められてもまだ大差なのですが)山形、直後に本田を投入(小松と交代)、試合を落ち着かせるような采配を採りました。

結局4-0のまま山形が勝利に辿り着き、金沢が16位に転落する一方で、7位に順位を上げるに至りました。
昇格は既に厳しい成績ですが、シーズン途中からサッカーを変えて以降の変貌ぶりは誰もが認める所であり、後は順位に結び付けて今季を締めくくれれば何よりでしょう。


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