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DAZN観戦 2020年J2リーグ第34節 V・ファーレン長崎vsFC琉球

2020-11-17 19:45:33 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(29節・大宮戦)
※前回の琉球の記事はこちら(29節・京都戦)

3チームに絞られつつある昇格争い。
その中の1クラブである長崎ですが、立ち位置は徳島・福岡の後塵を拝する3位。
何としても順位を上げなければ、という思いがパンドラの扉を開けてしまったのか。

第3の移籍期間も最終盤にして、マリノスに在籍するエジガル・ジュニオをレンタルながら獲得に踏み切ります。
とは言っても、前年にもJ1の鳥栖からビクトル・イバルボを獲得した「前科」があるので、昇格に向けた当然の動きではあるのですが。
完全移籍で今季も籍を置くイバルボですが故障がちでスーパーサブの域を出ず、稼働率も低目。
反対にエジガルは、イバルボ同様に故障が目立つ選手なのですが、万全の状態ならばしっかりスタメンで働ける選手。
しかし今季のマリノスは、それ以上にジュニオール・サントスが点取り屋として大活躍を見せており、立ち位置も微妙になりつつあった所でJ2へとやって来ました。

早速30節・水戸戦から戦力に加わったエジガル、J1でも上位を狙えるチームに在籍していた選手、J2でその力は圧倒的。
4試合で4ゴールと、あっという間にイバルボの得点数(3点)を上回り、それに合わせるようにチームも得点力が爆上げとなり4連勝を果たします。
まさに悪魔に手を染めたという感じの長崎ですが、果たしてこの日も勝って5連戦5連勝とはなるか。

エジガル獲得で得点力は上がったものの、それと入れ替わるかのようにサイドバックの亀川が故障離脱。(前回自分は軽症かも、と言ったもののそんな事は無かったようで)
その影響は甚大なのか、SBを絡めたサイド突破はあまり見られなくなり、2列目のMF3人のコンビネーションで攻め上がる場面がこの日は目立ちました。
5試合目という事で流石にエジガルへの警戒も厳しくなり、後方からロングパス・縦パスをエジガルに入れても、琉球のセンターバックである李栄直(リヨンジ)・福井の厳しいチェックで思うように繋げられず。

そんな長崎を尻目に、攻撃の形を作っていく琉球。
ポゼッションスタイルが基盤の琉球ですが、この日は序盤から縦に速い攻撃を見せていきます。
ハーフレーンを使った縦パス攻勢は前回良く観た光景ですが、それに加えてロングパスを多用したり、サイドにボールを送るとアーリークロスを何度も入れるなどといった振る舞い。

前半12分、李のパスを受けた右SB・田中(9番・11番が最終ラインに居る琉球の布陣も、最近は違和感無く)は手前から低いクロス。
これがエリア手前を突くボールとなり、阿部のポストプレイから河合の戻しを経て上里がミドルシュート。(ゴール上へと外れる)
この場面のような、いつものサッカーからの変化を付けつつ、ペースを握っていきます。

20分、下がり目で受けた小泉が裏へスルーパス、走り込んだ河合が受けてエリア内に入ってシュート。
これをGK高木和がセーブ、その後左サイドで阿部が拾って組み立て直し、小泉からの縦パスを受けた阿部がシュート。
しかしまたもGK高木和のセーブに阻まれます。
ここからコーナーキック攻勢となり長崎を押し込むものの、ゴールは割れず。
またCKでも、キッカーは上里・小泉・風間宏矢と一定させず(ショートコーナーで阿部が蹴った時もあった)、これも一種の変化に。

琉球ペースで進行したものの、飲水タイムを挟んだ28分の長崎の攻撃。
左サイドから秋野が中央へ縦パスを送り、エジガルのポストプレイを受けた氣田がエリア内に進入。
ディフェンスに遭ったこぼれ球をエジガルがシュートしゴールを襲いますが、GK田口がナイスセーブ。
これで目が覚めたのか、32分・35分にもシュートを狙う場面を見せたエジガル。(いずれもジャストミートせず)
37分にはフレイレの裏へのミドルパスを受けた江川が左サイド奥からクロスと、SBによるサイド攻撃がようやく見られ、ファーサイドで名倉がワントラップからシュート。(ブロック)

しかし終盤の42分、琉球は福井縦パス→阿部ポストプレイ→風間宏矢エリア内へスルーパス→河合走り込みと流れる攻撃を仕掛け、河合がエリア手前で長崎・鹿山に倒されて反則。(鹿山に警告)
これで得た直接フリーキック、絶好の位置で上里が直接狙うも、ゴール中央上部を襲ったボールはGK高木和がセーブ。
CKとなったのを切欠に、尚もセットプレー攻勢を仕掛ける琉球でしたが、結局0-0のまま折り返します。

負けられない長崎は、ハーフタイムで玉田→大竹へと交代。(名倉が右サイドハーフ→トップ下へ)
後半立ち上がり、ロングボールによる主導権争いののち、ペースを握ったのは長崎。
前半の終わり際から2列目の選手がエリア内に進入する攻撃を仕掛けるも、そこで対応されて結局シュートを撃てない場面が目立ちます。
そんな展開に痺れを切らしたのか、後半6分にはCBのフレイレが自らドリブルでエリア内まで進入します。
しかしここも李のディフェンスで倒され笛は吹かれずと、消化不良に終わり。
16分にようやく、大竹縦パス→エジガルポストプレイ→氣田ドリブルという良い形から、氣田がエリアライン上辺りでシュートを放つもGK田口のセーブに阻まれます。

上位相手に勝利する事で存在感を示すという思いでこの試合に臨んだ、琉球・樋口靖洋監督。
その通りに勝利のためならば、というような変化を自分達のサッカーに与えてきた前半。
相手の長崎も勝たなければならない状況で、勝利に向けての意地のぶつかり合い、両者一歩も譲らない展開を描いてきました。

しかし後半に入り明らかに押され気味となった琉球。
13分に風間宏矢のミドルシュートが生まれる(GK高木和セーブ)も、依然として苦しい状況の中でベンチが動き、更なる変化を与えていく事となります。

18分、3試合ぶりのスタメン(欠場の原因は不明)であった阿部を諦め、池田と交代。
ここからプレスが嵌るようになり、中盤でのボールカットから好機を作っていきます。
20分には田中のパスカットからボールを繋ぎ、河合がペナルティアーク内からシュート。(ブロック)
さらに直後のCKでは、この日初めて市丸がキッカーを務める変化も。
ここでは市丸のファーサイドへのクロスに沼田が合わせるも、ジャストミートせず。

急速にペースを失った長崎、溜まらず21分に2枚替え。
エジガルと名倉に代え、イバルボと澤田を交代。
試合後の手倉森誠監督の談で、「名倉は疲労を考慮して変えた」とあった通り、連戦の最終戦故疲労度もピークに。
最近の自慢となっていた得点力という要素もあり、ここまでで1点も取れなかったのは誤算だったのでは無いでしょうか。

琉球のターンが続く中、迎えた24分。
上里の縦パスから、左サイドへ展開された後もパスを繋ぎ、上里がクロス。
クリアされるも田中が拾って繋ぎ、小泉がエリア右角の位置で、池田とパス交換ののち池田を走らせるスルーパス。
池田がゴールライン際からマイナスのクロスを入れると、待ち受けていた河合がシュート。
見事にネットを揺らし、ついに均衡が破れたと同時に飲水タイムへ。

残り時間は20分弱と、守りに入るにはまだ早い段階で、尚も攻勢を続ける琉球。
2点目を狙わんと、ロングパス主体に長崎陣内を脅かしに行きます。
しかし得点が奪えずにいると、クールダウンに入ったのか、33分にはポゼッション重視のパスワークに落ち着きます。(一旦敵陣左サイドでボールを持つも、最終ラインまで戻す)

それに付け込み、ペースを奪い返し反撃の狼煙を上げる長崎。(34分に氣田→富樫へと交代・2トップにシフト?)
38分、カイオの縦パスから大竹がポストプレイで前へ送ると、イバルボを経て澤田がエリア内に突撃。
ここでも2列目の選手がエリア内に進入という形となりましたが、琉球・福井のディフェンスで倒されてシュートは撃てず、笛も鳴らず。
この場面で3度目という、エリア内で倒れるシーンとなった事で長崎サイドはヒートアップ、主審に抗議する選手達。

直後の40分、その怒りにも似た気持ちがプレーに表れる事に。
左右からクロスの応酬も中央には合わず、右サイドで鹿山から3度目のクロスが低く入ると、イバルボがトラップの後リフティング気味に収めます。
そして乱戦を経て、GKの目の前でイバルボがシュートを放つもGK田口がセーブ。
尚も詰めにいった結果、イバルボの振った足が田口の顔面に入ってしまい反則、好機を逃す結果となりました。
プレー後もイバルボは興奮気味(それ以上にフレイレもだったか?)で、冷静さを欠いていたのは明らかでしょう。(カードを貰わなかっただけマシか)

田口の治療の時を経て試合は再開、そのままアディショナルタイムへと突入すると、長崎は流れを失ったかのように琉球の攻撃ターンに。
そして風間宏希(上里と交代で出場・43分)の縦パスが池田に入ると、トラップしたボールがスライディングした長崎・フレイレの手に当たりハンド。
エリアすぐ手前でのFKとなってしまい、失点危機のみならず、時間も大幅に使われてしまう事となりました。
このFKは風間宏希が直接シュート、壁に当たって左CKとなり、琉球サイドは着実に時計の針を進めていきます。

その後、自陣でのカットから風間宏希が超ロングシュートを狙う場面もあったりと、踏んだり蹴ったりの長崎を尻目に悠々と逃げ切り。
試合終了の笛が鳴り響き、琉球がウノゼロで勝利を果たしました。

5連勝はならなかった長崎。
それでも4勝1敗は上々の成績といえるでしょうが、それもライバルと相対的に見れば物足りず。
福岡は3勝2敗(その前の5連戦は4勝1分)、徳島に至っては長崎が為しえなかった5戦全勝と、たとえ好調でも差を詰められなければ昇格は果たせないのは明白。
追う者と追われる者、今後辛さが現れるのは果たしてどちらになるでしょうか。


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