ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

2019YBCルヴァンカップ第5節 北海道コンサドーレ札幌vs横浜F・マリノス in札幌厚別公園競技場

2019-05-10 11:03:48 | サッカー観戦記

プレーオフステージ進出にリーチが掛かった札幌。
そんな状況も手伝ってこんな記事をupした自分ですが、それがものの見事にフラグになるとは試合前には想像もだにしていませんでした。申し訳ありません

まあそんな私事はともかく。

札幌のセカンドホームとして献身的に仕事をしている札幌厚別公園競技場
地下鉄の最寄り駅(大谷地駅)から徒歩で向かうには微妙に遠く、バスで向かうには微妙に近いという絶妙な位置にある点で印象に残りやすいと個人的には思います。(今思えば甲府はシャトルバス以外では無理だと思うほど甲府駅から遠かった)
もう少し駅周辺に賑わいがあればとも思いますが、年に数回しか開催しないとあっては仕方ない。

以前厚別に行ったのは昨年7月、札幌vs川崎の時でした。
この時はメインスタンドの指定席で、試合開始直前に入場した事もあり内部の構造・物販の場所などは何も覚えておらず。
ただスタジアム外に幾つか屋台があったというのは覚えています。ここら辺は甲府と同様ですね。

大谷地駅から徒歩でやってきて、早速発見したその屋台。
しかしこれが3件しかなく、貧弱な印象を受けました。
以前は確か5件ぐらいあったような……そうかルヴァン杯だからか。
そう納得しつつスタジアム内で食料を買う事に決め、行列に並ぶ事約10分。アウェイ側に近いバックスタンド席に陣取ります。
中でおにぎり2個を買って食してから、新さっぽろ駅側からの入口つまり自分が来たのとは反対側にメインの販売が集中していると知ったのはマッチデープログラムを見てからでした。
そして内部の物販も、メインスタンド側は結構充実していたとの事。南無三。
思えばこれがケチのつき始めでしたな。

メインスタンドの眺め。

今回はバッチリ試合前のコンサドールズショーを見れるかと思ったら、その前に「じんけんマッチデー」と釘打たれた一戦に従うかの如く、ドーレくんとともに「じんけん!思いやりサポーターフラッグ」を持って一周する彼女達の姿が。
まあ、確かに人権は大事なものですが、これから勝負の場と化す時にそんな思想的な催しは行うべきだったのでしょうかな……

 

それはともかく、試合前のショーの一面。とはいってもバックスタンドからであり全部後ろ向きですが。

GK練習、菅野キャッチングの図。菅野の髪の色は見分けつけるのに良いですな。(右は阿波加)
一方染髪で昨年目立っていた白井は、前日に黒髪に戻したらしく全く地味になっていました。
もっとも福森に菅にチャナティップといった主力組が髪を金ないしは白に染めるのを見ては、このまま染めていたら逆に目立たないと思っての事な可能性もありますが。

西日の影響でひたすら眩しかった試合前の札幌側のゴール裏
リーグ戦では無いので埋まり具合は半端でしたが、こうして観ると壮観ですな。

一方少数精鋭だったマリノスのサポーター集団。

名前の読み辛さに定評があるマリノスの監督。
前任のモンバエルツ氏も相当なものだったんで、一種の伝統なのか。かつてはアスカルゴルタ氏とかいたね

 

厚別独自(といっても北海道内では)の、細長い電光掲示板。
ロペスが飛び越えても安心だ。
※7/9追記-7月7日のリーグ戦で、札幌ドームでもこの細長い掲示板の存在を確認しました。申し訳ありません

カメラが見事に入ってしまっています。(※遠藤の名前は「渓太」です)
勝ち上がりに向け大事な予選終盤なため、双方ともレギュラー組のメンバーを組み入れたスタメン。 といっても出場したのは主に中盤から後ろ(DFやボランチ)のメンバーであり、守備を固めつつ攻撃の形はビルドアップをしっかりしてから。そんな思惑が窺えた試合前。
それにしてもこの電光掲示板、札幌ドームのより横幅が非常に短い。
おかげで登録名が長い助っ人選手はつぶれてしまい見づらいです。ルーカスが出て来たら大変だ。(※マリノスのシノヅカは日本生まれのハーフです、念のため)

 

他クラブからの新加入コンビ。(中野は仙台、岩崎は京都)
主にウイングバックの中野は、攻撃タイプのルーカスに対しバランサーとしての役割が主でしょうか。この日は4-4-2なため右サイドハーフに入りました。
五輪代表として期待される岩崎ですが、リーグ戦ではさしたる出番が無い今季。アピールは出来ているのか。2トップの一角でスタメン。

監督の紹介。(先月も撮ったもののピンボケていたので使わず)

リーグ戦では4月27日のマリノス戦で3-0で勝利と、完勝といってもいい結果だった札幌。
そのためこの日もいい勝負をするに違いないと思っていましたが……

この時の特徴は、徹底した各選手のマンマークでマリノスのビルドアップを封じ込め、マリノス側がそれに対応する前に複数得点を奪う事に成功したという印象。
また普段は3-4-2-1のフォーメーションが基本だったにも拘わらず、4-4-2にチェンジして相手のマーカーを整理するなど執念じみたマリノス対策も勝利の一因だったでしょう。
しかし今回はその立役者だった2トップ、ロペス・鈴木は居ません。(ロペスは故障で帰国中との事)

フォーメーションこそ当時と同じ4-4-2で挑んだ札幌ですが、FW経験が少ない早坂とまだ経験自体が浅い岩崎では強度が足りず、相手センターバックのチアゴ・マルチンスや畠中がパスを回すのを成す術も無い。また落ちてくる選手(扇原がメインだが、ティーラトン・山田が落ちる事も多々)へのチェックも甘い。
そうして悠々とパスサッカーを許しているかと思えば、ポジションチェンジを繰り返すマリノス中盤以前の選手への対応にも四苦八苦。
まあ一言で言えば、ほぼ完全にペースを握られていたという試合でしたね。

故障から復帰したマリノスの李忠成が、最前線でしっかり張っていたのも嫌らしかった。
ああなると他選手はポジション可変式なマリノス故スペースを突かれまくりで、サイド攻撃はかなり自由にやられてましたね。
李自身も後半14分、角度の少ない所から見事な2点目のゴールを決めました。

札幌の攻め手の多くは右サイド、中野が高い位置でボールキープした際に、この日DFで出場した白井が絡んだ場合。それでも中央にタレントがおらず、またマリノスの帰陣よりも早くエリア内に入る事が出来ず、クロスが上がっても何も起こらない場面ばかり。
可能性があったのはミドルシュートぐらいのものですが、何本か放たれたそれは枠外多し。
最も惜しかったのは前半40分の檀崎のミドル、これがマリノスGK・飯倉のセーブに阻まれ惜しくも得点ならず。(ここも中野の突破→カットインからでした)
前半最終盤の菅のロングシュートも、外れたとはいえ惜しかった。

ハーフタイム、バックスタンド側を闊歩するドーレくん。
この後自転車に乗り場内一周、その際にバックスタンド最前線で観客たちとふれ合っていました。

後半途中(2点差となった後)札幌はベンチに入れていたチャナティップ・ルーカスを投入し勝負に出ます。
しかしチャナティップは右FWだった岩崎と交代にも拘らず、左サイドに出張って勝負する場面が目立ちます。おかげで福森→菅→チャナティップと並ぶ白・金髪ラインが完成しただけだった
マリノス陣内をドリブルでかき回しますが、点差もある事で守りを固めた相手は崩しきれず。自身もシュートを撃てずに終わります。

終盤マリノスは椿・山谷に広島から移籍してきた和田と、若手と新戦力のお試し起用(?)が目立ちましたが、それでも前掛かりになっていた札幌ディフェンスはやられまくり。
結局後半だけで3回札幌ゴールネットは揺れ、最終スコアは0-4。綺麗にリーグ戦の借りは返されました。

アディショナルタイムに入った際撮影。(※椿の名前は「直起」です)
やっぱりルーカスの登録名長すぎ。

写真の通り、双方合わせてイエロー5枚。それも印象的なものが目立っていました。
開始1分で松原が貰えば、後半23分のキムミンテのものは3点目に繋がってしまった(FKからの攻めは一旦クリアするが、拾った檀崎が奪われ縦パス出されて決められる)。
そして最後は審判の判定への異議で扇原が貰って締め。
もっと言えば、この試合出場停止者が2人(ドゥシャン・仲川)とルヴァンではカード貰うのが目立っているマリノス。この日こそ大勝しましたが、今後は果たして大丈夫なのでしょうか。

湘南が長崎に勝った事も相成って、これで札幌は6節・湘南戦を負けてしまうと予選敗退してしまう状況に。
「突破はほぼ確定」なんてのたまっていた自分が恥ずかしくなりそうですが、そこら辺は切り替えて注目していきたいです。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第12節 横浜FCvs京都サンガFC

2019-05-08 12:27:09 | サッカー視聴記(2020年以前)

球技専用スタジアムとしてはかなりの古参であるニッパツ三ツ沢球技場。
連休中という事もあって、視聴者側からしばしば見えたバックスタンドはかなりの水色への染まり様でした。

そんな好環境のホームチームとしてサッカーをする横浜FCは、周知の通りかつて横浜フリューゲルス(以下横浜F)の消滅が切欠で産声を上げたクラブです。
駆け出し期(JFLに居た頃)には「Jリーグの蜘蛛の糸」と揶揄されるなど、「J所属クラブから漏れた選手の避難所」のような選手構成になっていたものです。
J1経験したのも遠い過去(2007年)になりつつある近年、昇格争いへの参戦もまずまず現実的で、プレーオフ参戦は2度。
昨年はあと一歩で入れ替え戦に勝ち進みという後半アディショナルタイム、まさかのGKのヘディングシュート(東京ヴェルディ・上福元)を切欠に勝ち越しゴールを奪われ敗退。
想定外の事象にも対処できなければJ1昇格ないしは定着するのは難しい、そんな天の声が垣間見えたかのようなシーンを演出してしまい迎えた今季。

この日は集客こそ6千人台後半と、普段の横浜FCからすると中々のレベルでありました(普段は3千人台もしばしば)。
しかしそれにしては相手の京都の応援の方が目立っていたように思えました。
まあDAZN視聴では、得てしてアウェイチームの応援の音声が目立つ事が多々あるのですが(特にJ2)。

それでも、今季のJ2では特異なサッカーが持ち味の京都をいなしつつ、試合序盤はペースを掴みます。
前半6分ペナルティエリア手前に入れたボールを戸島がポストプレイで繋ぎ、FWイバがシュート。
7分には左サイドから、松浦がエリア内に切れ込んでシュートとチャンスを作る横浜FC。

しかし先制点は京都に入ります。
12分、京都の10番・庄司が中盤でパスを展開すると、安藤が中に切れ込む素振りを見せて右サイドの石櫃へパス。
石櫃はやや溜めた後、ドリブルで上がらずそのままクロスを上げるとこれがニアサイドの絶妙な位置に、そしてそこに今季初スタメンの大野が頭で飛び込みます。
ヘディングは見事にボールを捉え、ネットに突き刺しました。

初めて起用した選手がものの見事に期待に応え、沸き立つ京都サイド。
その後は横浜FCも反撃しますが中々点は奪えず。
惜しかったシーンは18分、左サイドで戸島と松浦がボール奪取しレアンドロ・ドミンゲス(以下Rドミンゲス)へパス。Rドミンゲスはトラップしながら右に切れ込み、エリア手前右の位置から強烈なシュート。
京都GK・清水が何とかセーブします。

横浜FCの攻勢を凌いだ京都、前半30分辺りからは今季の持ち味であるショートパスでひたすら繋ぐサッカーを存分に発揮します。
しかもただ繋ぐだけでは無い、そんな場面が31分。
スローインから横浜FC陣内左奥でボールキープも、一旦クリアされます。
しかしこのボールをDF・本多が拾ってパス。これも相手のカットに遭うと、横浜・中山のキープに対し小屋松が詰めていきます。
中山をライン際に追い込んでからクリアさせると、このボールも本多が拾います。
そして今度は自らドリブルで攻め上がり、Rドミンゲスに奪われますが、三度京都がカット(福岡)。
このボールは一旦戻し、今度は右サイドで展開。仙頭・福岡・庄司・石櫃がパス交換。
最後は奪われて攻撃は終わりましたが、執念じみたまでのセカンドボールの拾いが象徴的だったワンシーンとなりました。

新星・大野が結果を出した京都。
一方の横浜FCも、斉藤光という新星を擁するチーム。(この日はベンチスタート)
今季の新人であり両サイドバックでスタメンの中山・袴田の存在があっても、大卒の両者に対して斉藤光は2年目ながらユース出身の17歳。
今をときめかせる(?)FC東京・久保とは同年代かつ友人同士で、最近の活躍で全国区でも注目を集めつつあります。

前半終了間際、相手のクリアボールを横浜FC・渡邊が拾いイバにパス。
イバは溜めたのちにエリア内に入ったRドミンゲスにラストパス、これを京都DF・石櫃が何とかさわるも、こぼれた先に居た戸島がシュート。
見事にゴールに突き刺さり、最高の時間に同点に追いついた横浜FC。
そして後半開始と同時に、満を持して斉藤光が投入されました(中山と交代)。

しかし交代の影響が現れるかどうかの後半2分でした。
京都の右サイドからのフリーキック、クロスボールを守備に入っていたイバがクリアしたものの、これが小さく仙頭がエリア内でキープする事態に。
仙頭は悠々左足を振り抜き、強烈なシュートが横浜FCGK・竹重の手を弾きゴールに突き刺さりました。

ここからの横浜FCは非常にリズムが悪く、追加点を奪われるまでのシュートは1本のみ。
2トップの一角だった戸島が下がり目でポジションを取りはじめ、4-2-3-1のようなシステムになっているのが目につきました。
中山を代えた事で右サイドバックに渡邊が入り、そのカバーをするためか。
しかし前線のターゲットがイバのみになり、前半ゴール前のプレイで目立っていた戸島はクロスの精度の悪さで悪目立ちするばかり(後半12分)。
左サイドハーフに入った斉藤光も中々存在感を示せず。

そんなリズムの悪さが失点に直結してしまったのが後半15分でした。
DFカルフィン・ヨン・アピンが京都MF・重廣からボールを奪われ、それをカバーしたDF田代も尚プレスを掛けてきた重廣に対しクリアミス。
GKと一対一の状況を作られ、悠々と決められてしまいました。

一方2点差をつけるとともに、今季初の3得点で勝利に近づいた京都。
その後は横浜FCの攻勢にゴールを固める場面が目立ちますが、後半38分には自陣でボールを持った斉藤光を5人で取り囲み、プレッシングでボールを奪取する一面も見られました。

パスの繋ぎ・セカンドボールの奪取・そして状況に応じたプレスとリトリート守備の使い分け。
これが本当に前年残留争いに巻き込まれたチームか、と目を疑いたくなる程チーム状態の良さが光る今季の京都。
今季から監督に就任している中田一三氏はJリーグの監督としては初のシーズン。
同じく新任のコーチである實好礼忠氏・佐藤一樹氏・富永康博氏と分業しながら、ここまで良くチームを立て直していると思います。

そんなコーチ陣のまとめ役な存在が62歳を数えるゲルト・エンゲルス氏です。
横浜F最後の監督としてあまりにも有名な彼。この日その魂を形式的ながら継いでいるチームと相対した心境は傍らからでは決して解りませんが、サポート相手である監督の中田氏もまた横浜F在籍の経験がある人物(中田氏が横浜F在籍の際はコーチだった)。
前年も神戸で元横浜F選手だった吉田孝行監督のサポートを解任まで務めるなど、かつての教え子を陰で支えるという図式が成り立ちつつある近年の彼の仕事。(吉田氏は今季途中神戸監督に再任、しかしもうエンゲルス氏は居ない……)

横浜F消滅の後は、天皇杯優勝の実績を買われてジェフ市原(現ジェフ千葉)の監督に就任するも結果を出せず途中解任。
翌年はかつての横浜F監督・加茂周氏が監督を務める京都のコーチに。ここに横浜F時代の関係が一時復活するも、加茂氏はシーズン途中で解任されて後任監督に。ここから2003年途中まで監督を務め、2002年にはシーズン通算5位(1st6位・2nd7位)という京都最高の成績を残した上に自身2度目の天皇杯優勝と実績を挙げます。
それでも最後は解任され、翌年は浦和のコーチに。ここでの実績(2006年リーグ優勝・2005年2006年天皇杯優勝・2007年ACL優勝)が彼の白眉であると一般的には思われがちですが、個人的には京都での監督時代が最も輝いていたと思います。
黒部・松井といった全国区の選手が前線で躍動する一方、守備的な選手の個人能力に欠けていた節が見られた当時の京都。
それを「無理にボール奪取せず、とにかく守備隊系に穴を作らない」という組織的守備の塊で凌いできた。(ここら辺自分は当時のサッカーを見ていないので完全伝聞です、悪しからず)
この日の後半の京都の守備は、まさにそんな姿の再現だったのでしょう。

試合に話を戻すと、その当時の京都の主力であった松井が、後半23分から横浜FCの選手としてピッチに現れました(松浦と交代)。
ここから斉藤光はポジションをトップ下に移し、Rドミンゲスが右、戸島が左と再びポジションを弄り京都ゴールをこじ開けんとします。

松井はボランチの位置でパスを供給、時には自身もサイドまで張り出してクロスを入れるなど奮闘しますがそこまででした。
前半良かった部分を後半変えてしまい敗れたという印象が残った横浜FC。
松井の目には今の京都の組織力はどう映っていたでしょうか。

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2019年YBCルヴァンカップ 今後の展望【4節終了時】・後編

2019-05-06 10:11:27 | 雑記

前編の続きです

・C大阪

新就任のロティーナ監督の下、リーグ戦では最適解を探している印象。1節でスタメンだった木本・片山・デサバトが、レギュラー定着したのかその後スタメンは無かったり、水沼や福満が完全にカップ戦要員になっていたり(水沼はリーグ戦10節でスタメン)と手探りな感が窺える。その割には松田がレギュラー組にも関わらず3・4節でスタメン出場していたりという面も見られるが。
FC東京同様このチームはJ3にも参加しているので、経験を積ませるという点では問題ないはず。
・神戸
バルサ化どころか、Jのお騒がせクラブと化してしまった感があるここまでの今季の戦い。三田・渡部・田中・郷家がすっかり補欠組になってしまっているのが悲しい(三田・郷家はリーグ戦10節でスタメン)。
小川・三原が4節は未出場(9節でスタメン)。代わって初瀬がスタメンに入るなど、監督交代を機にマイナーチェンジは敢行されている模様。しかしそれで4節は初黒星を喫しており、ここからリーグ戦に集中するのかどうか選択を余儀なくされているっぽい。だがまずは体制整備を第一に考えるべきだろう。
・名古屋
レギュラー組と補欠組がルヴァンでの出場成績でハッキリと別れており解りやすい。入れ替えも長谷川アーリアが昇格、赤崎が降格というぐらい。前田・金井・小林と、前年リーグ戦でバリバリ出ていた面子が補欠組に定着してしまっているのがもの悲しくもあるが(前田はリーグ戦9・10節でスタメン)。まあ前年のDF陣(+千葉)で組んでいる結果、4試合8失点と崩壊気味なので実力社会的には当然だろう。
若手で一押しの相馬。ルヴァンでフルに出場しつつ、リーグ戦でも途中出場で良いアクセントになっているのは、果てしないポテンシャルと周囲の期待を感じさせてくれる。
・大分
リーグ戦で旋風を巻き起こしている大分だが、こちらのチーム成績は平々凡々。意外に若手の少ないチーム構成なためか、オナイウ・後藤・星といった半レギュラーの調整に充てられている印象を受ける出場成績である。
そんな中、ユースからの新人である高畑がフル出場を続けているのが目立っている。
・G大阪
前年も前半レギュラー組総出場で話題をさらった(?)ガンバ、今年も2節に遠藤・倉田らレギュラーを総動員。流石にこれ以外では大胆な事はやっていないが、それでも1・2節に東口が、1~3節まで三浦が、3節に今野が出場している辺り、そして去年と監督が違うにも拘わらずという辺りが伝統という感じもする。(それ以前はACL出場が多いため詳細は不明)
このチームもセレッソ・FC東京同様J3の参加組。なおJ3で得点ランキングトップの食野亮は4節にフル出場・リーグ戦9節で途中出場(今季初出場)と大忙しである。
・磐田
リーグ戦で退場した大南が2節、ロドリゲスが4節に出場しているのが目を引く(しかもどちらも敗戦……)。大井はじめDFが高齢化しているだけに、退場・出場停止以外でリーグ戦フル出場している大南に期待をかけているのだろうが、それでリーグ戦で低迷しているのがなんとも(10節終了時で14位にアップ)。
川又・大久保はじめ攻撃陣もベテラン偏重の起用になっているだけに、何か起爆剤が欲しい。例えばルヴァンで得点という結果を出している中山をリーグ戦に出場させるとか(と思っていたら、10節で途中出場ながら今季初出場)。
・清水
離脱明けのエウシーニョが2節・ドウグラスが4節に調整出場した他、GK六反が2節に、北川が3節に、立田が4節にスタメン出場。その一方で得点を挙げている滝・楠神はじめ、ヘナト・六平らを積極的にリーグ戦に組み込んだりしており、競争意識の煽りか。静岡ダービー(2節)では滝のゴールで磐田を沈めたが、それ以外の試合は勝ちきれず。
生え抜き選手が多い一方で、20歳手前の選手を積極的に試合に出すという事は(滝・立田といった例外を除き)あまりしていない印象。長谷川健太氏(現FC東京監督)時代の「まずは体力作りから」という伝統は未だ残っているのだろうか。
・松本
積極的なレギュラー組への昇格が目立つ。田中隼・飯田・今井・中美・宮坂がその選手達で、いかにエドゥアルド・セルジーニョら助っ人外国人であっても降格に容赦が無い。
J1残留という目標を全員の力で勝ち取る、という意思がハッキリ見られるが、同じ昇格組の大分よりさらに若手選手の少なさが気になる所だ。特にユース組が皆無というのは珍しく、今後は下部組織の発展もJ1定着のためには必要となるだろう。

・プレーオフステージ以降の展望

前年のようなW杯中断期間が無いので、プレーオフステージはリーグ戦の真っ只中に行われる。具体的には6月19日・6月26日で、15~17節の間の水曜日2週であり16節を挟んでの2試合で争う。ホームアンドアウェイなのでその間の移動もキツそうだ。ちなみにこの時期にコパ・アメリカがあり、日本代表はそれに参加し戦う(リーグ戦は中断しないので全員海外組な可能性は高いが)。
メンバーをどれだけ落とすのか、またリーグ戦で低迷しているチームが勝ち上がった場合にハッキリと「全とっかえ」出来るのかどうか。勝ち上がりを目指すだけでは無い、長期戦を見据えた戦略も問われる。

これを勝ち上がった4チームは、ACL出場組を加えた4チームとでプライムステージを戦う。まず1回戦(準々決勝)は9月4日・9月8日の2試合で、プレーオフステージとは違って水曜→日曜という連戦だ。当然ホームアンドアウェイである。
リーグ戦25節と26節の間に行われる。26節と27節の間で2週間空くので、多少は無理がききそうだ(ただし天皇杯もある)。一方ACL出場組は仮にここまで勝ち残っている場合ここに試合があるので、9月は辛い過密日程になる事請け合いである。
準決勝は10月9日・10月13日の2試合。ここでも水曜→日曜という連戦の展開で、リーグ戦は2週間空き、28節と29節の間に開催。
そして決勝は1試合で決着をつける。開催は10月26日土曜日、リーグ戦29節と30節の間であり、もうミッドウィークで戦う必要は無い。ただしACLで勝ち残っていると、22・23日のどちらかに試合がある。ここまで来ると下手にメンバーを落とす事もできないであろう、非常に苦しい日程になる。

そんな事を踏まえつつ、今後の展望。

まず予選組であるが、札幌と仙台は予選突破はほぼ当確だと思われる。札幌は既にレギュラー組を多数起用しており、本腰までとはいかなくとも明確に勝ち上がりを期待している感が窺える。そして副産物としてリーグ戦の好調をも生み出している以上、今後もメンバーを落とすとは考えにくいため最も期待できるのでは無かろうか。果たしてクラブ初タイトルは今季のルヴァン杯となるのだろうか。
一方の仙台はJ1残留危機に陥っている(といってもまだ序盤でしかないが)以上リーグ戦最優先の方策になるだろうし、その後の突破にはあまり期待が持てない。だが去年のファイナリストの湘南・横浜FMいずれもリーグ戦では下位だった。今季の仙台も、レギュラーメンバーの入れ替えの多さで結果的にルヴァンでは活性化しているように思えるので、補欠組の奮起が今後も目立てば勝ち上がってくるかも。
札幌と同じような理由で横浜FM、FC東京、G大阪辺りも可能性は高い。特にFC東京は札幌同様、既にレギュラー組起用で結果が出始めているので期待大。前年のファイナリスト・横浜FM(準優勝)は予選突破はまだ不透明な状況なので何とも言えず。ただ勝ち上がってくるとレギュラー組を積極的に起用するのは十分ありえる。
G大阪も同様で現在D組1位だが、起用選手が点々としており誰を軸にしているのかが不透明で継続性に欠けるのではと思ったので推しづらい(まあ4節で倉田・アデミウソンの出場停止という要素はあったけど)。リーグ戦はやや不振という要素もあるし。前年同様、予選突破はするがベスト4には届かない辺りになると思う。
2017年の覇者でC組1位のセレッソも可能性は低くない。メンバーも割と流動的かつ揃っているので、このまま無理な選手起用をせずともプライムステージ進出は可能だろう。
神戸は(後先考えない補強の副産物で)控え組でもメンバーのレベルは高そうだが、まずは吉田孝行監督による体制整備を第一に考えるべきで、無理に勝ち上がりを狙うのは下策だろう。心情的には、ビッグクラブを目指す意気込みをまずは初タイトル獲得に向けるべきだとは思うが。
清水・名古屋は予選での勝ち上がり次第。清水はレギュラーと補欠にそれほど差は無さそうだが、ここにきて故障者が多くなってきてリーグ戦への戦力輩出が目立っているのが不安点。一方の名古屋は固定メンバーで戦っている故、彼らとレギュラー組の差は激しそう。果たして無理矢理勝ち上がる采配はしてくるだろうか。
磐田・鳥栖はまず選手構成の偏りを何とかしたい。磐田は中村・大久保に代表される「超ベテラン」が多い割には新戦力・若手有望株が少なく、鳥栖は若手不在なのかリーグ戦のレギュラー組も駆り出されている状況。よって勝ち上がりを考える余裕は無いはずである。
前年の甲府の再現(プライムステージまで勝ち残り)が期待されたJ2組だが、既に柏は厳しい状況。長崎もあと1勝が突破の最低条件。ただし勝ち上がると、J2リーグ戦の日程が水曜にずれ込むなどして厳しくなるのが悩ましい。
大体こんなところか。個人的には札幌を推すが、リーグ戦の勢いとは無関係に勝ち上がるチームも出て来るだろうし非常に読み辛い。

次にACL出場組の川崎・広島・浦和・鹿島。
この中では川崎が最もモチベーションを高くして挑んできそう。現在ACL予選は突破に黄信号が灯っており、かつリーグ戦は本来の調子を取り戻しつつあるからだ。まあACLの方はまだ分からないが、ここまで試合終了間際の失点で勝ち点を落とす試合が頻発しているのでそれが治らなければ勝ち抜けは無いと思われる。そしてその悔しさをカップ戦でぶつけてくると怖い存在となる。まあ選手層は厚いので、仮にACLで勝ち抜けていても疲労の面での不安はあまり無さそうだが。
逆に広島は勝ち抜け直前という所まで行っている。1戦目での大胆なターンオーバーで敗戦して散々非難された姿は既に無いが、逆にリーグ戦では停滞期が訪れているのが悩みの種か。ここら辺の匙加減は本当に難しい。
浦和は川崎同様敗退に足が掛かっている状態だが、過去にACL制覇2度という実績を持つなどこの大会に挑む姿勢はピカイチだと思っているので、川崎とは逆に敗退が決まるとその後のモチベーションに影響しそうである。現在リーグ戦・ACLいずれも試合内容が芳しくないのも不安要素。
昨年のACL覇者である鹿島、現在予選ではE組2位。正GKのクォンスンテが負傷したり、退場者を出しながら逆転勝利したり、その出場停止者の影響で敗戦したりとリーグ戦よりドラマティックな戦いを演じている。よって予想は難しいが、前年も一応準決勝まで残っているのでモチベーション低下という要素はあまり心配ないだろう。ただ選手層は川崎と比べるとかなり薄く、新戦力の台頭が待たれる。
そんな訳で一番手は川崎。次点で疲労が心配だが鹿島と推測。

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2019年YBCルヴァンカップ 今後の展望【4節終了時】・前編

2019-05-03 09:06:19 | 雑記

札幌が予選突破濃厚な展開になってきており自分の観戦も増えそうなんで、モチベーションを保つため自己満足のため書き上げてみます。

・各グループ4節までの順位
勝ち点で並んだ場合は、得失差よりまず直接対決での結果が優先されるそうです

【Aグループ】
1位 札幌   勝ち点8 得失差+6
2位 横浜FM  勝ち点5 得失差-1
2位 長崎   勝ち点5 得失差-2
4位 湘南   勝ち点3 得失差-3

札幌はあと1勝すれば予選突破は確定するし、2引き分けでもOK。1位確定を手繰り寄せるにはマリノス戦を最低1失点以内の引き分けに収めたい。
マリノスは札幌との直接対決を残しており、ここで勝てれば逆転1位も狙える。
長崎は札幌とは2戦して1分1敗なので1位は厳しいが、マリノス戦(6節)に勝てば2位突破には有利になる。
出遅れている湘南は2戦全勝できないと辛い。

【Bグループ】
1位 仙台   勝ち点10 得失差+4
2位 東京   勝ち点6 得失差+1
3位 鳥栖   勝ち点4 得失差-2
4位 柏    勝ち点3 得失差-3

リーグ戦では不振の仙台、ここではここまで飛び抜けておりあと引き分け1つで突破確定である。
2位東京もいい位置で、勝ち点10に乗せられればほぼ確定だろう。
その東京を追う鳥栖は苦しいが、直接対決(6節)で2点差以上で勝てれば何とか。
柏は自力での突破は最早困難。まあJ2での戦いが優先という事で……

【Cグループ】
1位 C大阪  勝ち点7 得失差+3
2位 神戸   勝ち点5 得失差+1
2位 名古屋  勝ち点5 得失差-2
4位 大分   勝ち点4 得失差-2

1位だがまだまだ安心はできないセレッソ。残りのカードは名古屋・大分、2位で並んだ時のためには大分に勝っておきたい。名古屋には1戦目3-0だったので、引き分けで十分か。
神戸は既にセレッソとは2戦しており負け越し。2位勝ち抜けで良しとすべきか
。現在勝ち点で並ぶ名古屋との直接対決(6節)には是が非でも勝ちたいが……
そのお相手の名古屋も、セレッソに勝ち越すには4-0以上の結果が必要なので状況はほぼ同じ。
一方大分は既に名古屋に負け越し、神戸にも現在0-2なので並ぶだけでは厳しい。現在2-1のセレッソを2位争いに巻き込みたい所だ。

【Dグループ】
1位 G大阪  勝ち点7 得失差+3
2位 磐田   勝ち点6 得失差-1
3位 清水   勝ち点5 得失差0
4位 松本   勝ち点4 得失差-2

綺麗に勝ち点1差で並んでいるこのグループ。首位にいるガンバ、残りのカードは松本と清水。次戦の清水とは最悪0-0で終えられればアウェーゴールの差で勝ち越し有利になる。
磐田は6節に静岡ダービーが控えている。果たしてそこが予選突破を賭けた戦いになるのだろうか。
そのダービー1戦目(2節)で勝っている清水。次節で磐田を上回り余裕をもって挑みたいが……
松本はとりあえず次を勝って可能性を残したい所だ。

・これまでの各チーム選手起用の雑感

・札幌
1・2節は補欠組で試合に臨むも、3・4節は半数ほどレギュラーメンバーを
起用。今思えば1・2節で何とか引き分けに持ち込めたのは勝ち点的に大きかったか。ただリーグ開幕戦だけで補欠組に回された挙句、2節で故障したジェイにとっては踏んだり蹴ったりだったろうが。
レギュラー組起用後の大爆発は周知の通り。岩崎・檀崎ら若手の相互機能ぶりや、自信を取り戻してのリーグ戦での復調ぶりと良い事だらけな結果に今の所はなっている。
・横浜FM
主に補欠組で試合に臨んでいるが、GKで飯倉→朴へのレギュラー交代があったり、ティーラトン・李忠成の故障があったりで結構流動的。そんな中ちょくちょくベンチに入れていたレギュラー組を途中交代させて勝ち点を取りに行っているが成果は出ていないのが辛いところ。しかも仲川は出場2試合とも警告を受け、5節は出場停止である。
そんな流れの中、4節でレギュラー組の天野・三好・畠中をスタメン起用して何とか初勝利。5節の札幌戦でも大幅なレギュラー起用はありそうだ。
・長崎
序盤(1・2節)と現状(3・4節)で結構レギュラー組の入れ替えが見られる。イサンミン・香川・磯村・大竹が昇格し、チェキュベック・イジョンホ・島田・翁長が降格。客観的に見ればこんな所だろうか。J2第7節での柏戦(0-3で敗戦)が入れ替えの契機になったと思われる。
J2からの参戦。J2はJ1のような中断期間も無く厳しい戦いであるため、特に強い予選突破願望は無いだろう。負けるよりは勝った方が良い……かどうかは少々疑問であるし。
・湘南
前年のルヴァン王者も今季は苦闘中。1節はフレイレ・梅崎の調整起用という側面も見られただけに、この試合(長崎戦)を落としたのは痛かったか。
そして3節札幌戦での大敗で厳しくなった予選突破、4節横浜FM戦ではレギュラー組の梅崎・杉岡・齊藤をスタメン、松田・山根・山崎を途中出場させたもののまた敗戦と流れを変えられていない。
・仙台
リーグ戦(16位)との成績の二面性が激しい今季。そのためか長沢・関口・大岩・石原直・シマオマテがレギュラー組から陥落し、永戸は一旦陥落もリーグ戦9節では復帰。吉尾・松下・常田・石原崇・ジャーメインが昇格と入れ替えも激しい。長沢が3得点を挙げ1位の原動力になっている反面、カップ戦の帝王と呼ばれないか不安にもなるが(前年もガンバで大活躍)。
椎橋が故障から復帰、4節でスタメン出場したのはリーグ戦に向けて好材料になるはず。
・FC東京
1・2節で敗戦。そのためレギュラー組から林・室屋(4節で故障し離脱……)・高萩・永井・森重・東をスタメン起用、ディエゴ・久保も途中出場させるなど3節以降は勝ちを取りにいき、その通りに勝って2位浮上。
若手抜擢という面では、大卒新人の渡辺がリーグ戦第9節でスタメン抜擢を受けた。だが他に目立っているのは岡崎ぐらいで、レギュラー組起用の煽りを受けている印象。ただこのチームは「FC東京U23」としてJ3にも参加しているので、若手が腐るという心配は無いだろう。
・鳥栖
仙台同様リーグ戦で絶不調(最下位)だが、選手起用の面での不可解さはこちらが断然上。レギュラー組の高橋祐・高橋秀・原・藤田・金崎といった面々がスタメン出場を重ねており、4節ではクエンカ・高橋義・三丸・原川も加えて実に8人がレギュラー組。リーグ戦の状況が火の車なだけに、こんな事をやっている場合ではないはずだが……リーグ戦では極度の得点力不足(9試合1点)であるが、ルヴァンでも4試合3点と物足りない。
若手抜擢の面でも物足りず、松岡ぐらいのものか。前年途中からの補強により選手層が歪になってしまっているのがそもそもの要因だろうし、これでは田川(現FC東京)のように有望な若手も出て行ってしまいそうで怖い。
・柏
長崎と同じくJ2からの参戦組。ただ、江坂のコンディション調整起用だったり、クリスティアーノを起用したりと完全な補欠組起用の場にはなっていない。しかしそれでも既に突破は絶望的な状況だが。
上島・宮本・中川・田中といった生え抜きの若手起用が目立ち、将来は彼らを軸にチームを作っていくのだろうか。ネルシーニョ監督は「育成と勝利を両立できる監督」らしいので、2010年の時同様チームを昇格させつつ、黄金期を築き上げるための起用を展開していると期待する。

後編に続きます

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