ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

2019年YBCルヴァンカップ 今後の展望【4節終了時】・後編

2019-05-06 10:11:27 | 雑記

前編の続きです

・C大阪

新就任のロティーナ監督の下、リーグ戦では最適解を探している印象。1節でスタメンだった木本・片山・デサバトが、レギュラー定着したのかその後スタメンは無かったり、水沼や福満が完全にカップ戦要員になっていたり(水沼はリーグ戦10節でスタメン)と手探りな感が窺える。その割には松田がレギュラー組にも関わらず3・4節でスタメン出場していたりという面も見られるが。
FC東京同様このチームはJ3にも参加しているので、経験を積ませるという点では問題ないはず。
・神戸
バルサ化どころか、Jのお騒がせクラブと化してしまった感があるここまでの今季の戦い。三田・渡部・田中・郷家がすっかり補欠組になってしまっているのが悲しい(三田・郷家はリーグ戦10節でスタメン)。
小川・三原が4節は未出場(9節でスタメン)。代わって初瀬がスタメンに入るなど、監督交代を機にマイナーチェンジは敢行されている模様。しかしそれで4節は初黒星を喫しており、ここからリーグ戦に集中するのかどうか選択を余儀なくされているっぽい。だがまずは体制整備を第一に考えるべきだろう。
・名古屋
レギュラー組と補欠組がルヴァンでの出場成績でハッキリと別れており解りやすい。入れ替えも長谷川アーリアが昇格、赤崎が降格というぐらい。前田・金井・小林と、前年リーグ戦でバリバリ出ていた面子が補欠組に定着してしまっているのがもの悲しくもあるが(前田はリーグ戦9・10節でスタメン)。まあ前年のDF陣(+千葉)で組んでいる結果、4試合8失点と崩壊気味なので実力社会的には当然だろう。
若手で一押しの相馬。ルヴァンでフルに出場しつつ、リーグ戦でも途中出場で良いアクセントになっているのは、果てしないポテンシャルと周囲の期待を感じさせてくれる。
・大分
リーグ戦で旋風を巻き起こしている大分だが、こちらのチーム成績は平々凡々。意外に若手の少ないチーム構成なためか、オナイウ・後藤・星といった半レギュラーの調整に充てられている印象を受ける出場成績である。
そんな中、ユースからの新人である高畑がフル出場を続けているのが目立っている。
・G大阪
前年も前半レギュラー組総出場で話題をさらった(?)ガンバ、今年も2節に遠藤・倉田らレギュラーを総動員。流石にこれ以外では大胆な事はやっていないが、それでも1・2節に東口が、1~3節まで三浦が、3節に今野が出場している辺り、そして去年と監督が違うにも拘わらずという辺りが伝統という感じもする。(それ以前はACL出場が多いため詳細は不明)
このチームもセレッソ・FC東京同様J3の参加組。なおJ3で得点ランキングトップの食野亮は4節にフル出場・リーグ戦9節で途中出場(今季初出場)と大忙しである。
・磐田
リーグ戦で退場した大南が2節、ロドリゲスが4節に出場しているのが目を引く(しかもどちらも敗戦……)。大井はじめDFが高齢化しているだけに、退場・出場停止以外でリーグ戦フル出場している大南に期待をかけているのだろうが、それでリーグ戦で低迷しているのがなんとも(10節終了時で14位にアップ)。
川又・大久保はじめ攻撃陣もベテラン偏重の起用になっているだけに、何か起爆剤が欲しい。例えばルヴァンで得点という結果を出している中山をリーグ戦に出場させるとか(と思っていたら、10節で途中出場ながら今季初出場)。
・清水
離脱明けのエウシーニョが2節・ドウグラスが4節に調整出場した他、GK六反が2節に、北川が3節に、立田が4節にスタメン出場。その一方で得点を挙げている滝・楠神はじめ、ヘナト・六平らを積極的にリーグ戦に組み込んだりしており、競争意識の煽りか。静岡ダービー(2節)では滝のゴールで磐田を沈めたが、それ以外の試合は勝ちきれず。
生え抜き選手が多い一方で、20歳手前の選手を積極的に試合に出すという事は(滝・立田といった例外を除き)あまりしていない印象。長谷川健太氏(現FC東京監督)時代の「まずは体力作りから」という伝統は未だ残っているのだろうか。
・松本
積極的なレギュラー組への昇格が目立つ。田中隼・飯田・今井・中美・宮坂がその選手達で、いかにエドゥアルド・セルジーニョら助っ人外国人であっても降格に容赦が無い。
J1残留という目標を全員の力で勝ち取る、という意思がハッキリ見られるが、同じ昇格組の大分よりさらに若手選手の少なさが気になる所だ。特にユース組が皆無というのは珍しく、今後は下部組織の発展もJ1定着のためには必要となるだろう。

・プレーオフステージ以降の展望

前年のようなW杯中断期間が無いので、プレーオフステージはリーグ戦の真っ只中に行われる。具体的には6月19日・6月26日で、15~17節の間の水曜日2週であり16節を挟んでの2試合で争う。ホームアンドアウェイなのでその間の移動もキツそうだ。ちなみにこの時期にコパ・アメリカがあり、日本代表はそれに参加し戦う(リーグ戦は中断しないので全員海外組な可能性は高いが)。
メンバーをどれだけ落とすのか、またリーグ戦で低迷しているチームが勝ち上がった場合にハッキリと「全とっかえ」出来るのかどうか。勝ち上がりを目指すだけでは無い、長期戦を見据えた戦略も問われる。

これを勝ち上がった4チームは、ACL出場組を加えた4チームとでプライムステージを戦う。まず1回戦(準々決勝)は9月4日・9月8日の2試合で、プレーオフステージとは違って水曜→日曜という連戦だ。当然ホームアンドアウェイである。
リーグ戦25節と26節の間に行われる。26節と27節の間で2週間空くので、多少は無理がききそうだ(ただし天皇杯もある)。一方ACL出場組は仮にここまで勝ち残っている場合ここに試合があるので、9月は辛い過密日程になる事請け合いである。
準決勝は10月9日・10月13日の2試合。ここでも水曜→日曜という連戦の展開で、リーグ戦は2週間空き、28節と29節の間に開催。
そして決勝は1試合で決着をつける。開催は10月26日土曜日、リーグ戦29節と30節の間であり、もうミッドウィークで戦う必要は無い。ただしACLで勝ち残っていると、22・23日のどちらかに試合がある。ここまで来ると下手にメンバーを落とす事もできないであろう、非常に苦しい日程になる。

そんな事を踏まえつつ、今後の展望。

まず予選組であるが、札幌と仙台は予選突破はほぼ当確だと思われる。札幌は既にレギュラー組を多数起用しており、本腰までとはいかなくとも明確に勝ち上がりを期待している感が窺える。そして副産物としてリーグ戦の好調をも生み出している以上、今後もメンバーを落とすとは考えにくいため最も期待できるのでは無かろうか。果たしてクラブ初タイトルは今季のルヴァン杯となるのだろうか。
一方の仙台はJ1残留危機に陥っている(といってもまだ序盤でしかないが)以上リーグ戦最優先の方策になるだろうし、その後の突破にはあまり期待が持てない。だが去年のファイナリストの湘南・横浜FMいずれもリーグ戦では下位だった。今季の仙台も、レギュラーメンバーの入れ替えの多さで結果的にルヴァンでは活性化しているように思えるので、補欠組の奮起が今後も目立てば勝ち上がってくるかも。
札幌と同じような理由で横浜FM、FC東京、G大阪辺りも可能性は高い。特にFC東京は札幌同様、既にレギュラー組起用で結果が出始めているので期待大。前年のファイナリスト・横浜FM(準優勝)は予選突破はまだ不透明な状況なので何とも言えず。ただ勝ち上がってくるとレギュラー組を積極的に起用するのは十分ありえる。
G大阪も同様で現在D組1位だが、起用選手が点々としており誰を軸にしているのかが不透明で継続性に欠けるのではと思ったので推しづらい(まあ4節で倉田・アデミウソンの出場停止という要素はあったけど)。リーグ戦はやや不振という要素もあるし。前年同様、予選突破はするがベスト4には届かない辺りになると思う。
2017年の覇者でC組1位のセレッソも可能性は低くない。メンバーも割と流動的かつ揃っているので、このまま無理な選手起用をせずともプライムステージ進出は可能だろう。
神戸は(後先考えない補強の副産物で)控え組でもメンバーのレベルは高そうだが、まずは吉田孝行監督による体制整備を第一に考えるべきで、無理に勝ち上がりを狙うのは下策だろう。心情的には、ビッグクラブを目指す意気込みをまずは初タイトル獲得に向けるべきだとは思うが。
清水・名古屋は予選での勝ち上がり次第。清水はレギュラーと補欠にそれほど差は無さそうだが、ここにきて故障者が多くなってきてリーグ戦への戦力輩出が目立っているのが不安点。一方の名古屋は固定メンバーで戦っている故、彼らとレギュラー組の差は激しそう。果たして無理矢理勝ち上がる采配はしてくるだろうか。
磐田・鳥栖はまず選手構成の偏りを何とかしたい。磐田は中村・大久保に代表される「超ベテラン」が多い割には新戦力・若手有望株が少なく、鳥栖は若手不在なのかリーグ戦のレギュラー組も駆り出されている状況。よって勝ち上がりを考える余裕は無いはずである。
前年の甲府の再現(プライムステージまで勝ち残り)が期待されたJ2組だが、既に柏は厳しい状況。長崎もあと1勝が突破の最低条件。ただし勝ち上がると、J2リーグ戦の日程が水曜にずれ込むなどして厳しくなるのが悩ましい。
大体こんなところか。個人的には札幌を推すが、リーグ戦の勢いとは無関係に勝ち上がるチームも出て来るだろうし非常に読み辛い。

次にACL出場組の川崎・広島・浦和・鹿島。
この中では川崎が最もモチベーションを高くして挑んできそう。現在ACL予選は突破に黄信号が灯っており、かつリーグ戦は本来の調子を取り戻しつつあるからだ。まあACLの方はまだ分からないが、ここまで試合終了間際の失点で勝ち点を落とす試合が頻発しているのでそれが治らなければ勝ち抜けは無いと思われる。そしてその悔しさをカップ戦でぶつけてくると怖い存在となる。まあ選手層は厚いので、仮にACLで勝ち抜けていても疲労の面での不安はあまり無さそうだが。
逆に広島は勝ち抜け直前という所まで行っている。1戦目での大胆なターンオーバーで敗戦して散々非難された姿は既に無いが、逆にリーグ戦では停滞期が訪れているのが悩みの種か。ここら辺の匙加減は本当に難しい。
浦和は川崎同様敗退に足が掛かっている状態だが、過去にACL制覇2度という実績を持つなどこの大会に挑む姿勢はピカイチだと思っているので、川崎とは逆に敗退が決まるとその後のモチベーションに影響しそうである。現在リーグ戦・ACLいずれも試合内容が芳しくないのも不安要素。
昨年のACL覇者である鹿島、現在予選ではE組2位。正GKのクォンスンテが負傷したり、退場者を出しながら逆転勝利したり、その出場停止者の影響で敗戦したりとリーグ戦よりドラマティックな戦いを演じている。よって予想は難しいが、前年も一応準決勝まで残っているのでモチベーション低下という要素はあまり心配ないだろう。ただ選手層は川崎と比べるとかなり薄く、新戦力の台頭が待たれる。
そんな訳で一番手は川崎。次点で疲労が心配だが鹿島と推測。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする