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DAZN観戦 2019年J2リーグ第15節 東京ヴェルディvsジェフユナイテッド千葉

2019-05-28 19:09:21 | サッカー視聴記(2020年以前)

オリジナル10同士の戦い。
ただしそれをJ2という場で公言するのは失礼に値しないかと不安になってしまう自分がここにいますが。(どうでもいい)

ヴェルディは2008年の降格以降、11年連続でJ2での戦いを余儀なくされています。
媒体であった日本テレビが撤退して以降は経営面でも苦しい戦いを余儀なくされいているかつての名門。
ここ2年はロティーナ監督の下昇格プレーオフに進出し、前年は入れ替え戦にまで勝ち上がるなど一定の成果を見せましたが、あと一歩で昇格は果たせず。

ヴェルディ自身は昇格出来ませんでしたが、この実績が目に留められてかロティーナ氏は退任→J1のセレッソ大阪監督に就任。まあ事実上の引き抜きでしょう。
この年はDFのレギュラー選手である畠中が、夏の移籍でJ1のマリノスに移ってしまうなど選手レベルでも引き抜きに遭いました。
こうしてJ2クラブの険しさを身をもって示す格好となったヴェルディ。
今季は新監督にギャリー・ジョン・ホワイト氏を迎え仕切り直すも、スタートで出遅れて14試合で勝ち点は20。

一方の千葉も、2009年に降格してから10年間J2で戦う破目となります。
プレーオフ制度が出来てから、4度もプレーオフ進出を果たしながら昇格には辿り着けず現在に至ります。

昇格チャンスを逸するシーズンが度重なったのが災いしたか、息切れするかのように前年は大きく低迷。(2018年・14位)
今季は4節終了時で監督交代(フアン・エスナイデル氏→江尻篤彦氏)と迷走しつつ、何とか戦いの土俵に復帰しているという現状。
14試合で勝ち点17と、上位争いからは大きく離されてしまいました。

それでも両クラブJ2定着を良しとせず、必死に抗う姿には心を揺さぶられるものがあります。
千葉は2017年、最終盤で調子を上げて7連勝でギリギリプレーオフ圏内(6位)に滑り込み。
特にリーグ最終戦の後半ロスタイムの勝ち越しゴールで進出を決めた姿は感涙ものでした。

その2017年、ヴェルディは5位進出もプレーオフは一回戦敗戦。(千葉も一回戦敗戦)
2018年もプレーオフ圏内のシビアな戦いで、6位で何とか進出を果たします。
最下位でのプレーオフながら、5位・大宮に勝利して3位・横浜FCとの一戦に進出。
引き分けならリーグ下位の方が敗退してしまうレギュレーションの中、奇跡ともいえるワンシーンが舞い降ります。

これ以上ないドラマで入れ替え戦に進出を決めたヴェルディ。
しかしその入れ替え戦、J1側の出場クラブ・ジュビロ磐田に対し全く歯が立たず敗退し、今年もJ2での戦いを余儀なくされています。

再びJ1の土を踏む事を夢見て……という両チームの戦い。
この日ヴェルディのセンターフォワード(以下CF)を務めるのはネマニャ・コイッチ。
一方の千葉のCFはクレーべと、双方新加入の助っ人と共通点が出来たスタメン。
両者ともシーズン当初は振るわずも、ここ3試合でコイッチは2得点、クレーべは3得点。
ようやくフィットしてきたという印象が成績から伺えます。

オープニングシュートは前半3分、クレーべでした。
エリア内から熊谷アンドリューが浮き球でパス、そのボールがクレーべの足元に渡ると右サイドの茶島にパス、その茶島から折り返しのパスを貰って右足でシュート。
これはGK上福元にキャッチされましたが、これが号砲となり以降千葉が試合のペースを掴みます。

そして前半11分、矢田のサイドチェンジのパスから左ウイングバック・為田が駆け上がります。
絶好のクロスが上がると、クレーべが頭で合わせてシュート。
ポストを直撃し跳ね返った所をシャドーの船山が詰め、ネットを揺らします。

13分にもクレーべが相手のクリアの跳ね返りをヘディングシュートするなど、先制した後も攻勢を強める千葉。
14分にはクレーべのポストプレイからボランチ・矢田がミドルシュート。
DFのブロック後もボールキープし、熊谷→為田と渡って左サイドからクロス、逆サイドに流れたボールを茶島がシュート。(GK上福元がセーブ)
その後はシュートこそ放たないものの、千葉が中盤を圧倒的に支配し、ヴェルディは好機さえ作れない時間帯に。

ヴェルディは前半8分にコイッチとのパス交換から小池がシュートを放った(DF増嶋がブロック)のを最後に、全くペースを掴めず。
そのためコイッチが試合から消え気味で、やっと前半31分にめぐってきた右サイドからの渡辺晧太の低いクロスには合わせられず仕舞。
その後は終了直前まで再び千葉ペースになり、33分には為田がファール気味の競り合いで渡辺からボールを奪い、そのまま上がりクレーべのパスを貰ってシュート。(枠外)
38分は再び為田が左サイドでボールを受け、カットインしてからシュートもGKの正面。

ようやくヴェルディに一矢報いるチャンスが訪れたのはアディショナルタイム。
スローインから井上→佐藤優平とボールが回り、佐藤優平が思い切ってミドルシュートもゴール左に外れます。
結局そのまま前半終了。

そして後半開始直後の1分、ヴェルディ陣内でコイッチがボールを拾おうとした所に矢田のスライディングを受けます。
これが反則となり、コイッチは足を痛めてしばらく動けず。
その後は後半3分にポストプレイでチャンスメイクに絡んだだけで、この日は最後まで踏んだり蹴ったりだったコイッチ。
後半10分にはレアンドロと交代でベンチに下がりました。

同じ位置(CF)に入ったレアンドロ。
こちらは2016年にJ1で得点王に輝く(当時神戸)など実績十分で、2017年の1年を棒に振る怪我と加齢が無ければ……という名選手。
今季も3節以降スタメンは皆無と稼働率は限られていますが、この日は存在感を発揮します。

後半15分、若狭のパスを落として井上にパス、ここからチャンスを作り河野がクロスを上げた所に飛び込んでヘディングシュート。(GK佐藤優也がキャッチ)
続く16分にも、近藤のパスを落としてから前線に走りリターンパスを受けます。(ここはキープできず)
ポジショニングが格段に良いのか、ポストプレイでのチャンスメイク率がコイッチの比ではなかったレアンドロ。
この実績十分のCFの存在でチームメイトも迷いが無くなったのか、積極的にボールを送るようになりました。

そして17分、敵陣で奈良輪がボールを奪ってそのまま左サイドからクロスを上げると、落下地点に入ったレアンドロが後方に落とします。
これを受けた河野がエリア内でシュート、左隅に見事に突き刺してヴェルディが同点に。

一方の千葉は後半22分、為田が船山と協力して左サイドを突破。
グラウンダーでクロスを上げると、中の矢田が合わせてシュート。
これは惜しくもゴールポストに直撃して得点はならず。

しかし好事魔多し、その1分後に矢田は足を攣らせてしまい途中交代。(山本が出場)
以降千葉がシュートを放つ事はアディショナルタイムまでありませんでした。
前半押し気味に展開していたのが影響したか、この後はヴェルディのペースで試合が展開。

千葉の高いラインを突こうと何度もスルーパスを送りますが、これは悉くオフサイドに。
31分には井上の裏へのロングフィードに渡辺が走り込みトラップ、あわや一対一という所で千葉・為田が追い付いて足を伸ばしてカット。

後半30分台は千葉が自陣でファールを与える場面が散発し、そのうち惜しかったのが37分。
佐藤優平が左サイドでのフリーキックでクロスを上げ、センターバックの近藤がヘディングシュート。
マークを上手く外して撃ったものの、シュートはゴール左に外れます。

その後は両チームとも攻めますが、クロスが防がれたり跳ね返されたりと決定機は作れず。
アディショナルタイムに突入し、千葉がやっとペースを握り返して山本・新井がミドルシュートを放つもいずれも大きく外れました。
結局1-1のまま試合は終わり引き分けに。

千葉の戦いは、監督が代わったとはいえハイライン・ハイプレスという基本形はあまり変わっていませんでした。
前節・岐阜戦で5-1で大勝したように爆発力も秘めますが、脆さも存在する諸刃の剣の戦い。
しかし監督が江尻氏に代わった事で守備力自体は安定し、チームとして引き締まった印象です。
ただしこの「引き締まり」が消耗を早めているのか、試合後半に失速するという新たな諸刃の剣を生み出してしまっている感は否めません。
13節・山形戦では後半に3失点で逆転負けと手痛い試合を演じており、これから夏場に入っていく中スタミナ面での不安はますます大きくなるでしょう。
シーズン途中からの指揮で中断期間も無い以上、選手の適切な入れ替えで乗り切っていく事が求められるであろう今後の江尻氏。
自身2度目の監督である今回、果たしてチームを浮上させる事は出来るでしょうか。

コメント
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