ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2021年J2リーグ第20節 FC町田ゼルビアvs愛媛FC

2021-06-29 16:13:27 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の町田の記事はこちら(14節・新潟戦、2-1)
※前回の愛媛の記事はこちら(14節・山形戦、0-1)

前節に北九州との「6ポイントマッチ」を制し(2-0)、とりあえず降格圏を抜け出した愛媛。
その要因はフォーメーション変更で、3バックへと変更して守備の安定が齎されたとの事でした。
それ以前の試合では3戦で10失点と崩壊していただけに、好材料を持ってこの日に挑む形。

しかしその試合の最中、J1鳥栖から育成型レンタルで補強してきた石井が、アクシデントでインアウトの形になってしまう誤算が発生。
16節以降未出場となっている唐山しかり、戦力増を図ったものの、何も齎されないという事になってしまったら今後の戦いは厳しくなりそうです。

試合開始の笛が鳴り、町田ペースで推移。
最終ラインが距離を取ってのビルドアップを軸に、相手の隙を見るやダイレクトパスをテンポ良く繋いでいく攻撃を展開。
その町田の攻めに対し、愛媛は耐える時間が多くなりがちとなり。
いざマイボールにしても、町田の守備プレッシャーに対して思うようにボールを運べずという、フォーメーション変更したてのチームにとって難敵として立ちはだかりました。

特にビルドアップに深刻な影響を及ぼしてしまっているようであり。
町田は最終ラインで繋いでいる際は構え、ドイスボランチ(山瀬・田中)へ出された所へプレスを掛けるというこの日の前線の守備でしたが、それだけで前進する事が難儀となっていた愛媛の攻撃。
結局最終ラインで繋ぐうちに、ウイングバックを前線に上げてそこにロングパスを送るという手法がメインになりかかっていました。
1つキーとなっていたのが、この日前野に代わって左センターバックに入っていた三原で、彼の持ち上がりや縦パスを経てサイドからのクロスに繋がるシーンが見られ。
マークされるボランチを飛ばしての攻撃が有効打となっていたのでしょうか。

攻撃面で苦労する愛媛を尻目に、好機を量産していく町田ですが、こちらもフィニッシュにまでは辿り着けず。
ダイレクトパスによる裏抜けを多用したものの、オフサイドを取られる等でフイに。
攻勢の一種の証となるセットプレーも多数得たものの、逆にそこから愛媛のカウンターを招くシーンが多々見られました。
特に前半21分の左サイドでのフリーキック、平戸はグラウンダーでの中央へのパスを選択するも、長谷川アーリアジャスールがポストプレイをミスして奪われたシーン。(その後の愛媛の攻撃はシュートまでいけず)
小難しい事をやろうとして危機を招くという、攻勢故の油断と取られるようなプレーが目に付きました。
23分には町田のCKから愛媛のカウンター、拾った藤本から左サイドでパスを交えて前進、三原が奥まで進みグラウンダーでクロス。
クリアされたボールを繋ぎ、内田がミドルシュートを放つもGK福井がセーブ。

次第に町田がペースを失い、中々プレーが切れずに推移したのち28分に遅めの飲水タイム。
町田にとってはこのブレイクが水を得た魚のようになったでしょうか。
再開後の31分、左サイドでパスを繋ぐも戻して中央→右へと展開すると、右サイドを駆け上がるのはCBの深津。
彼がクロスを上げるという珍しい攻撃パターンを作ると、クリアボールを繋いで高江がミドルシュート。(ブロック)
町田の持ち味である球際の強さも見られはじめ、愛媛サイドは激しいデュエルに苦しみ攻撃機会が作れず。
32分からの5分間で3度、愛媛選手が倒れ込み試合が止まるシーンが作られてしまいます。(いずれも反則無し)

再び町田ペースとなっていたのは明らかな状況の中、それを結果に繋げたのが41分。
高江のパスカットから平戸がボールを持ち、中央で細かいタッチでのドリブルから左へとスルーパス。
奥で受けた長谷川アーリアから、クロスは上げずに平戸→中島→吉尾とパスを繋いで中央へ展開すると、ペナルティアークから吉尾がシュート。
豪快にゴール左上に突き刺し、前半終わり際という時間帯で待望の先制点を挙げました。

以降の町田、パスを繋ぎ行き詰まったら戻して作り直しという、ポゼッションサッカーの定型ともいうべきスタイルも魅せつつ攻撃権を支配。
先制した事で自分達のペースを完全に定着させよう、という振る舞いだったでしょうか。
アディショナルタイムに入り、一向に押され気味の愛媛も最後の最後で反撃。
中央CBの浦田が自ら前進して縦パスを入れ、エリアすぐ手前で受けた近藤が反転シュート。
ブロックされたボールを再度近藤がシュート(枠外)と、無理矢理気味ながらも好機を作った所で前半終了となります。

後半を迎えるに辺り、町田は中島→ドゥドゥへと交代。
ドゥドゥの合流以降定番となっているこの交代、この日はハーフタイムという早い段階で敢行してきたランコ・ポポヴィッチ監督。

立ち上がりボールが落ち着かない展開を得て、やはりペースを掴んだのは町田。
後半5分、右サイドから三鬼が中央へ送り、長谷川アーリアのポストプレイを経て佐野が走り込んでミドルシュート。
ブロックされたボールを自ら拾った佐野、エリア内右に切り込んで尚もシュートを放ち、GK秋元が弾いてサイドネットとなりCKに。
その右CKで平戸はショートコーナー、高江から受けた吉尾が低いクロス。
これが直接ゴールに向かうボールで、合わせにいったドゥドゥが触れずスルーという形になると、愛媛サイドには止める術が無くゴール左へと突き刺さり。
変化を好む町田のセットプレーですが、この場面では最高の形を齎す事となりました。

尚も町田が押し込む様相に、たまらず愛媛サイドは動き。
9分に吉田・山瀬→忽那・森谷へと2枚替えを敢行し、反撃を試みます。

しかし展開は変わる事は無く、11分には吉尾のパスカットから左サイドに渡り組み立て、土居の対角線のスルーパスがエリア内右へ。
走り込んだ吉尾からマイナスのクロスが入り、中央で長谷川アーリアが合わせたものの、シュートはゴール上へと外れ。
決定機逸で流れが切れるかと思いきや、続く12分にもGK秋元のロングフィードから、左サイドで平戸がスルーパスを通してドゥドゥからマイナスのクロス。
受けにいった長谷川アーリア、今度はポストプレイを選択すると、受けた平戸がシュートを放ちゴールネットに突き刺します。
シュートコース付近に長谷川アーリアが流れていたためGK秋元は反応できずとなり、秋元はオフサイドのアピールをするも、覆る事は無く3点目が入った町田。

一気に突き放された愛媛、何とか反撃せんとするも、まるで攻撃の形を作れない状態に。
特にディフェンス陣の意気消沈ぶりが窺えたようで、ビルドアップは全く冴えず。
最終ライン3人は殆ど距離を取らず、中央付近に固まり始め。
そこにボランチの田中が降りる訳ですが、ボール保持の際4人が近い距離で固まっているというシーンが目立ち、異様な空間に映っていました。
パスコースを作るという動きから完全に相反しており、ロングボールを入れるにしても、互いに距離を取って何処から上げるかという体制を取った方が良いに決まっている。
一方町田ディフェンスは3点リードもありプレスに行かず、中を固めて何も起こさせないという体制を取っており。
崩す手立てが見つからずに、愛媛にとっては「何をしたら良いのか解らない」状態に陥っていたようであり、手詰まりの様相が伺えました。
前半の終わり際に見られた、最終ラインが多少無理をしてでもボールを運ぶ動きが無ければ、好機に繋げられないという事が如実に表れた格好に。

そんな状況の中、尚も攻める町田。
愛媛がプレスを掛けてくる状況も手伝って、裏狙いのパスが良く効くようになり。
17分には左サイドから平戸が中央へロングパス、走り込んだドゥドゥがエリア内へと落とし、走り込んだ長谷川アーリアがシュート。
GK秋元の股を抜いてゴールに突き刺すも、オフサイドとなりノーゴール。
18分に長谷川アーリア→太田へ交代(平戸が左サイドハーフ→セカンドトップへシフト)した後もそれは変わらず。
22分、右サイド寄りへと変形した最終ラインから深津→高江と渡り、高江が裏へロングパス。
走り込んだドゥドゥがエリア内右で受け、こぼれた所を吉尾がシュート。
またもゴールを奪った吉尾、これでハットトリックを達成し、翌日に迫った自身の誕生日を自ら祝う形となりました。

直後に飲水タイムが挟まれたものの、既に大勢が付いた試合の形。
以降の町田はテスト的な戦いにシフトしていたのか、GK福井が前に出てのビルドアップを見せたり、平戸が降りて来てビルドアップの出口のように振る舞うなど目新しい(と思われる)ものを披露。
30分に平戸・吉尾→鄭大世(チョンテセ)・奥山への交代を敢行すると、土居が右SHに回り。
さらに38分には佐野→奈良坂へと交代。
奈良坂は高卒新人という立場であり、これが2試合目の出場。
しかしパスミスなど、相手の好機を演出してしまうシーンが目立ち、まだこれからの選手という感は拭えず。

一方完全に苦しい状況の愛媛。
29分に藤本・近藤→西田・岩井へと交代し、何とか反撃の糸口を掴まんと藻掻きを見せます。
34分にはクリアボールが直接敵陣深めに入って西田が受け、茂木力也の右からのカットインを経て森谷のミドルシュート。(枠外)
41分には町田・奈良坂のパスミスを西田が拾い、岩井のミドルシュート(ブロック)とフィニッシュを見せる事は見せましたが、ゴールを脅かすには至らず。

町田は鄭が前線に入った事で、前掛かりの愛媛に対しロングボール一本で好機に結び付ける事も珍しくなく。
そしてそれが試合終盤に活きる事となります。
45分ロングボールを左サイドで鄭が収めると、中央に流れてから豪華にミドルシュートを放ち、ゴールバーを直撃しあわやという場面を作ります。

ATに突入後も、CKを得ても時間稼ぎは不要とばかりにクロスを入れるなど、尚も得点を狙う町田。
そして3分台に入ると、高江の縦パスを受けた鄭が中央でキープしエリア内へパス、受けた太田がシュート。
ゴールネットに突き刺す事5度目(オフサイドを含めると6度目)となり、最後の最後で夢スコアを完成させる事となりました。
これで10勝目を挙げ、5位に浮上となった町田。

良い所無く敗れてしまった愛媛、0-5での敗戦は今季2度目。
守備を考えての3バックへのシフトだったはずですが、その目論見が2試合目で崩されてしまったとあり、ダメージコントロールが問われる今後となりそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする