ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第18節 モンテディオ山形vsレノファ山口FC

2021-06-15 16:13:33 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山形の記事はこちら(14節・愛媛戦、1-0)
※前回の山口の記事はこちら(14節・相模原戦、1-0)

良い勝ち方をしたかと思えば、その流れを活かせず中々這い上がる事が出来ずにいる山口。
前回観た時が今季初の連勝時でしたが、そこからまた3戦未勝利と足踏みし、勝ち点は20。
そんな停滞感が漂う中、目下絶好調である山形との対戦となりました。

開幕当初は4バックでしたが、途中から3バックに切り替えての戦いを見せている山口・渡邉晋監督。
10番・池上がトップ下に入っての3-4-1-2が主流でしたが、この日は3-3-2-2と微調整。
しかも池上はFWでスタメンで、ボランチ3枚(佐藤謙介・田中・神垣)が並べられたような中盤の構成は、1アンカーに佐藤謙という形となりました。
こうした微調整は相手対策の側面とも取れるものの、この日の山口は果たしてそうだったのか。

試合が始まると、山形が山口のビルドアップを遮断して攻撃権を支配。
5分、山口のミドルパスをカットした中原がエリア内左へ進入、一旦跳ね返されるも尚も繋ぎエリア内右の國分の下へ。
國分はダイレクトでグラウンダーのクロスを入れ、中央で林が合わせシュート、GK関がセーブした所を山田拓巳が詰め。
ゴールに突き刺しますが、オフサイドの判定でノーゴールに。(林・山田拓のどちらが取られたかは不明、山田拓は完全にオフサイド)

山口の前線も山形の最終ラインに対し果敢にプレッシングを掛けますが、それが実らない場面も多く。
6分の山形はプレスを受け続けるも、左サイドで山田拓・山田康太・南が巧みなボール捌きでかわし(山田拓のロブとか南のヒールでのポストプレイとか)、山田康の右サイドへのフィードから逆に好機に繋げ。(シュートには持ち込めず)
プレッシングとビルドアップで流れをモノにしようという山口の理想は見えたものの、それを上回る技術でプランを台無しにさせるかのような山形の入り。

しかし13分に山口が最初の好機、それもプレッシングでボールを奪ってGKと一対一に持ち込むという願っても無いシーン。
左サイドでパスコースを封じられた山形、中央へと戻すも、パスコース選択に意識を取られる野田に対し梅木がアタックを掛けてボール奪取。
そしてDFがおらず、中央で前進してエリアライン際からシュートを放った梅木。
GK藤嶋の足下を抜くも、ボールは無情にもゴール右へと外れ、決定機逸となってしまいました。

これを機に山口は主体的な攻撃も巧くいくようになりましたが、山形の反撃に悩まされ。
15分にはクリアボールを南が拾い、そのまま中央をパスワークで突破。
林のダイレクトパスに抜け出した山田康がシュートし、ゴールネットを揺らしますがまたもオフサイドで、2度目のノーゴールに。
17分にはカウンターを受け、中原に自陣から一気にエリア内にまでドリブルを許しますが、左サイドに流れた所を何とか防ぎ。

3バックのシステムながら、守備時には5バックでは無く、左ウイングバックの澤井が上がり目に位置した4-4-2へと可変する体制を取っていたこの日の山口。
そのため右サイドを上がった川井の裏を取られるシーンが目立つ、といったアンバランスさを露呈させており、攻守ともにリズムを掴めず。
そんな流れのまま、24分に飲水タイムを迎えます。

ブレイク明け、山口は可変システムによる更なる弱点を突かれる事となり。
それはインサイドハーフの田中で、澤井が左に張り出す事で、守備時は右サイドハーフとしての振る舞いが求められたこの日。

山形はそれを利用しようと、27分には最終ラインからの繋ぎで、山田拓が中へ絞ると同時に左へ展開。
そして山口・田中が山田拓をケアした事で左サイドが空き、降りてきた山田康から縦パスが中原へと渡り、中原がドリブルからクロスを入れた攻撃。(シュートまでは行けず)
これで左サイドからの攻撃に迷いが無くなったと思われ、迎えた31分。

再び最終ラインでの山形の繋ぎに対し、先程のシーンが頭を過ったか、山口は佐藤謙が遮断しに前進するも奪えず左サイドの山田拓に。
そして山田康へと渡りドリブル、そこに山口は神垣が対峙するも、イレギュラーな守備を強いられた影響か中原→山田拓→山田康へとパスを許しエリア内左へ。
山田康からのグラウンダーのクロスが入ると、ニアサイドで林が合わせて仕上げ、ゴールネットを揺らします。
今度は取り消される事も無く、相手の特性を綺麗に利用した先制点となりました。

先制後も山形は、サイドを素早く揺さぶる攻撃を敢行して主導権を握り。
山口は可変システムの影響か、スライドも後れを取る場面が目立ち、依然として押され気味の展開を強いられます。

前半も終盤、ようやく山口はボールを握っての攻撃を展開。
41分にはGK関から右サイドへと展開するパスワークののち、裏へ走り込む川井に向けて佐藤謙がロングパス。
受けた川井は右奥からクロスを入れ、クリアされたボールを神垣がダイレクトでシュートしますがゴール左へと外れ。
好機を作り始めるものの、依然として川井を高目に上げての右サイドアタック偏重という感は拭えず。
逆に42分に、山形はそれを突くように左サイドで速攻、南のシュート(ループ気味もGK関キャッチ)に繋げるなどカウンターの脅威は健在。
結局1-0のまま、前半終了となりました。

攻勢を掛けたい山口、ハーフタイムに選手交代。
神垣→小松へと交代し、池上がFWから一列下がって小松・梅木の2トップへと位置も入れ替えます。

後半1分の山口、佐藤謙の右サイドへの展開から、池上が開いて受けて中央へと送り。
佐藤謙がダイレクトで縦パスを送ると、小松のポストプレイののち自らダイレクトでシュート。(枠外)
後半最初の好機をシュートに結び付け、反撃体制が功を奏すかに見えました。

しかし前半同様、山形は左サイド中心の攻撃が冴え渡り、山田拓・山田康の関係性を止める事は相変わらず難儀する山口。
8分山田拓が南とワンツーで前進、その後の山田康へのパスこそ遮断するも、中原に拾われて攻撃継続。
ドリブルから右へと展開し、國分がカットインからミドルシュートを放つも枠外に。
続く9分には逆の右サイドから、山﨑の縦パスを受けた半田から中央へ送られ、山田康が前進してシュートを放つもGK関がセーブ。
尚も右サイド奥で拾った國分から繋がり、エリア内右から山田康が右足でシュート、逆方向に巻いてゴール左を襲うもポストを直撃してゴールならず。

相変わらず山口ゴールを脅かす山形でしたが、その最中である3分にアクシデントが。
最後尾での繋ぎの中で、GK藤嶋が山口・梅木のアタックを受け、足を痛めて倒れ込んでしまいます。
その際は立ち上がりプレーを続けた藤嶋でしたが、13分に山口・梅木のシュートがブロックされこぼれた所を拾った際、再度倒れ込んでしまい続行不能となり。
ベンチで控えていたビクトルが投入される事となりました。

天皇杯2回戦では不覚を取った(ヴェルスパ大分戦・1-2)ものの、リーグ戦では好調な山形。
ピーター・クラモフスキー氏が監督に就任して以降、無敗でここまで来ており一気に上位を伺う位置まで躍り出ています。
当初は相手に押される試合が目立ったものの、日に日に内容も良化しており、この日の前半は一度ミスから決定機を招いてしまった以外はほぼ完璧な試合運び。
前年清水であれだけ苦労していたのは何だったのか、と言いたくなる程の、手腕を如何なく発揮しているクラモフスキー氏。まあ今季ロティーナ監督でも苦戦しているので清水というクラブ自体に欠陥がある気がしないでも無いですが

パスワークでの攻撃サッカーという方針は変わらずも、フォーメーションは無理に自信の理想を押し付けず。(この辺はシーズン途中からという要素もありますが)
既存の手駒の能力を結果に結び付け、リーグ序盤に低迷していたチームに対し「欠けていたもの」をプラスさせているかのような試合運びを展開しています。
そしてこの日は、選手交代という采配面でも力を発揮する事となりました。

GKがビクトルに代わって以降も、最終ラインからボールを繋ぐ攻撃を継続する山形。
21分に野田が右サイド裏へとロングパス、(コーナーキック後の流れで)右へ移っていた中原が受けてボールキープ、エリア内へと進入した所で短いスルーパス。
走り込んだ半田からグラウンダーでクロス、ニアサイドに林が走り込むという1点目と似たシーン(逆サイドですが)となるも、合わずにGK関がキャッチ。

ここで両チーム動き(22分)、山口は澤井・梅木→石川・高井へと2枚替え。
山形も林・中原→木戸・加藤へと2枚替えと、双方2人を交代。
そして迎えた24分。

GKビクトルの藤田への縦パスから右サイドで攻撃、その後の縦パス攻勢を山口は一旦は遮断するも、こぼれ球が繋がって山田康が一気に左サイド裏へとスルーパス。
受けたのは左SHに入っていた加藤で、ドリブルでエリア内左へと進入し、そのままシュート。
GK関のニアサイドを破ってゴールに突き刺し、貴重な追加点を齎します。
交代がピタリと嵌り、ムードも最高潮に達した所で飲水タイムへ。

2点差となり、残り時間を考えると攻めるしかない状況の山口。
29分にはこの日貫いていた右サイドアタックから、川井のクロスを小松がヘディングシュート(枠外)という攻撃。
しかしこの場面以外は、中央をパスワークで突破する攻撃を見せ、何とかこじ開けようとする姿勢を見せていました。
それを果たすべく、佐藤謙も積極的に縦パスを送るシーンが目立ちましたが、やはり厳しいものがあり。

32分に山口は楠本・田中→浮田・佐藤健太郎へと2枚替え、5枚のカードを使い切り。
この後4バックへと切り替え(池上がトップ下の4-2-3-1か)、W佐藤のドイスボランチがここに来て復活するも、時間が決定的に足りず。
38分に再び中央で佐藤謙が縦パス、こぼれた所を浮田が拾いシュートするもGKビクトルがキャッチ。

山形は堅守を見せるとともにカウンター気味に攻撃し、相手に攻撃をやり直させ時間を進めていきます。(39分に南・國分→岡﨑・ルリーニャへと交代)
終了間際となり、焦る山口を尻目に尚も攻め込み。
44分には中央で山田康が相手に倒されながらもキープして繋ぎ、木戸の右へのスルーパスを受けた半田からファーサイドへクロス、加藤のポストプレイを経て岡﨑がシュート。(枠外)
アディショナルタイムにはCK攻勢、それでもボールキープには入らず、二次攻撃で山田拓の左からのクロスで山﨑がヘディングシュート(オフサイド)とフィニッシュに繋げていき。

6分あったATも最終盤、ようやく山口が攻撃権を得て攻め上がるも、シュートは放てぬままタイムアップとなり。
2-0で山形が勝利し、序盤は全敗だったホームゲームもこれで4勝目。(1分4敗)
出遅れを挽回し、このまま一気に昇格争いの輪へと加わりにいきたい所でしょう。

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