ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第42節 徳島ヴォルティスvsレノファ山口FC

2019-11-28 17:07:00 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(40節・横浜FC戦)
※前回の山口の記事はこちら(40節・町田戦)

壁を超えた者の強さ。

40節で横浜FCとの直接対決で敗れ、残念ながら自動昇格とはならなかった徳島。
そして前節は、過去2年に渡る因縁の相手であるヴェルディとの戦い。

一昨年は、お互いプレーオフ圏内同士で最終節に直接対決。
引き分けならば両者進出が決まる、という試合で、後半終了間際に失点して敗戦した徳島(1-2)。
さらに8位に着けていた千葉がアディショナルタイムに勝ち越し・勝利したため、順位が入れ替わり無念の7位フィニッシュに。
前年はプレーオフに首の皮一枚、という所で38節で当たり、ここでも前年と同じスコアで敗戦(1-2)。
これでプレーオフ圏入りが完全消滅と、2度に渡って望みを絶たれた相手がヴェルディ。

結果は2-1で勝利と、見事にトラウマを克服。
この日を4位という好位置で迎える事が出来た今年の徳島、最終節の相手は山口。

既に昇格・降格共に可能性は無く、監督の霜田正浩氏も続投が決定している山口。
そんな熱量の少ない状態が災いしたか、前節は昇格を目指す山形相手に、2-0とリードしながら後半に3失点しての逆転負け。
前が2試合出場停止となったため、久々に楠本がセンターバックに起用されたものの、裏目に出たような結果となりました。
それを踏まえて……では無く、前々から引退を表明していた大ベテラン・坪井がスタメン出場、つまり引退試合という要素を考慮してこの日は3バックに。
おまけにドストンも15試合ぶりのスタメン、さらに新人・清永が左ウイングバックで今季初出場と、イレギュラーな布陣で挑む事に。

ポゼッションスタイルを洗練させつつある徳島に対し、同様にポゼッションスタイルと周囲に見られがちながら(この日の放送席もそう言っていました)、そのスタイルが今一つ定着されていない印象の山口。
それでも山口の前線からのプレスの意思は強く、徳島はいつもよりはビルドアップに難儀します。
ファーストシュートは山口で前半5分、GK吉満のロングフィードから右サイドで組み立て、石田のパスを受けた宮代がエリア手前からシュート。(GK梶川がキャッチ)

徳島も8分、最後列からボールを前進させて左サイドから攻撃、左ウイングバック・杉本のパスを河田がエリア内左で受ける絶好機。
切り返しから強襲のようにシュートを放った河田ですが、GK吉満が辛うじて弾きボールはゴール上へ。
早々に両チームの1トップがシュートを放った立ち上がり。

徳島はいつものように攻撃時はポジションを可変させ、左CBの内田裕斗を前に出したうえで、残りのCB2枚(ヨルディ・バイスと石井)+1で底を形成。
その+1に当たるのが岩尾でありGK梶川だったりするのですが、この日は前述のように山口のプレスにやや苦戦。
17分には珍しくパスミスも見られました。

それでも徐々に慣れてきたか、前半も半分を過ぎた辺りからはペースを支配。
内田裕が前線に上がる事で、主に左サイドがビルドアップの出口になり、そして内田裕自身のドリブル突破も脅威になっていました。
しかし34分の決定機はロングボールからで、その跳ね返しを河田が直接ミドルシュート。
距離があったもののボールはゴールバーを直撃し、惜しくも得点はなりません。

そして38分の徳島。
右サイドでのスローインからの攻撃で、岩尾が左にサイドチェンジし、そこから内田裕がドリブル。
彼のパスを受けた杉本のクロスは跳ね返されますが、拾った岩尾が縦パスを入れ、河田が収める好機。
そして河田は反転し、その反動でエリア内右に進入しつつシュート。
動きながらというシュートでしたがしっかりとインパクトされ、強烈にゴール上部に突き刺さり先制ゴール。

その後も主導権を握る徳島でしたが、44分の乱闘寸前のシーンを境に状況は一変。
山口・菊池のフィジカルの強さはどのチームの攻撃陣も手を焼いてきたと思われますが、野村とのゴールライン際での競り合いで逆に菊池が倒されると、あろう事か菊池は野村を突き飛ばす事態に。
身体だけでは無く、この気の強さで新人というのだから恐れ入ります。
これで冷静さを失ったのか、前半の残り時間は山口ペースになったうえ、野村・河田の2名が警告を受ける破目にもなりました。(上記のシーンとは別の場面、野村のは合わせ技だったのかもしれませんが)
アディショナルタイム、宮代シュートもブロックでコーナーキックに→コーナーからのクロスがクリア→こぼれ球を高がミドルシュートという山口攻勢の絵が描かれ、前半は終わります。

横浜FC戦で岸本が故障するという、最終盤に来てアクシデントに見舞われた徳島。
代役の右WBには恐らく藤田が入ると思われましたが、スタメンに選ばれたのは田向。
そしてボランチは小西に代えて鈴木徳真と、やや思い切った起用で残り2試合に挑んだリカルド・ロドリゲス監督。
それでも目に見えてパフォーマンスが落ちる、なんて事は無く。

終盤の戦いこそメンバー固定傾向な徳島ですが、開幕当初は試行錯誤の連続でした。
田向・鈴木徳は序盤こそスタメンが多かったものの後にレギュラー陥落、その他にも表原・清武・内田航平といったメンバーが、開幕スタメンに名を連ねたもののその後陥落しています。
終始スタメンだったのは岩尾とGK梶川ぐらいで、DFのリーダー格であるバイスも前半は故障離脱がありました。

そんな経験を経て迎えた終盤、いつの間にやら強固な軍団が築かれていたのでしょう。
度重なるレギュラー争いによる層の厚さで、少々メンバーが変わっても同じサッカーが出来る。
以前は岩尾が出場停止になった試合で大敗(26節・新潟戦)という失態を演じていましたが、今はそんな事態が起こっても、二の徹は踏まないであろう。
そんな事を予感させられます。

迎えた後半、いきなり試合が激しく動く事に。
スコア上でももちろんそうですが、それが山口の攻撃→徳島のカウンター(しかもGKとの一対一の完成)による展開の激しさという点でも衝撃的でした。
後半2分、山口は三幸が左サイドへロングパスを出し、走り込んでそれを収めた清永がエリア左脇からシュート。
これをGK梶川がキャッチし攻守交替、梶川のスローから杉本→野村と渡り、野村が裏へスルーパス。
抜け出した河田がGK吉満と一対一になり、河田は冷静にエリア内に入ってから、見事に吉濱の股を抜いてゴールゲット。

早々にカウンターパンチを浴びせた格好の徳島。
これを機に山口は佐藤健太郎をスタンバイさせ、さらに布陣変更も用意。
しかし落ち着かない山口サイド、5分には再びスルーパス(鈴木徳)に抜け出した河田に対し、菊池が反則気味にボール奪取する危うい場面が。
そしてドストン→佐藤健への交代直前の7分、内田裕がパスカットしてからドリブルで突き進み、カットインしたのち左にスルーパス。
抜け出した渡井が低いクロスを上げると、ファーサイドで田向がスライディングで合わせてゴール。
時間も早ければ攻撃も速いという追加点で、プレーオフ進出を盤石なものにします。

失点直後に佐藤健が入り、4バックへとシフトした山口。
さらに10分に宮代→高井に交代(山下がセンターフォワード(1トップ?)にシフト)と、矢継ぎ早にカードを使います。
その甲斐あってしばらくはペースを握りますが、シュートは2本のみ、しかも両方とも可能性が感じられないミドルシュートに終わります。
そして19分に石田→吉濱へと交代。(左サイドバック、清永は右SBへ)

しかし交代に伴うポジションチェンジが凶と出たか、以降は徳島ペースに。
後方でパスを回しつつ、急所へロングパスという攻撃で執拗に山口ディフェンスの裏を突きます。
惜しかったのは31分、野村が左サイドから中央へとスルーパス、これを渡井が受けてエリア内に進入。
そしてGKと一対一に近い状態でシュートを放ちますが、距離が近かったためかGK吉満が足で止めて4点目はならず。

その直後に野村が退いたためか(狩野が出場)、以降はペースダウンし守備を固めた徳島。
山口サイドを完全に「悪い時のポゼッションサッカー」状態に嵌らせ、殆どシュートを許さず。
アディショナルタイムに三幸がミドルシュートを放ったものの大きく外れ、反撃の糸口を掴ませる事無く試合終了となりました。

これで4位が確定し、プレーオフ第1ステージはホームで挑める事となった徳島。
前回昇格時(2013年)も4位でフィニッシュしているので、縁起の良いジンクスと出来るか。

コメント
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