ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第42節 ヴァンフォーレ甲府vsFC琉球

2019-11-27 17:00:12 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の甲府の記事はこちら(35節・金沢戦)
※前回の琉球の記事はこちら(41節・愛媛戦)

この最終盤に来て3連勝と勢いに乗り、プレーオフ圏内の6位で最終戦を迎えた甲府。
この日勝てば(京都がとんでもない点差で勝たない限りは実際とんでもない点差で負けたけど)OKという、判り易いミッションでのホームでの戦い。

対する琉球は勝ち点50を目標に掲げ、その数字にあと1と迫っている現状。
それでも明確に勝利を目指すのでは無く、「自分たちのサッカー」を貫いたうえでという、来期以降の継続性も考えての方針。
スタメンは前節と変わらず……では無く、出場停止明けの上門がトップ下で復帰(富所とチェンジ)。

前節は明らかな左サイド偏重の攻撃が見られた琉球(試合後のスタッツでは全体の59%だったそうな)で、これは右サイドバックのポジションが安定しないという事情から。
それでも逆転勝利出来たのは愛媛が緩々な雰囲気を作ってしまったから、というのが自分の結論でした。
目立った所が無かった金成純(キムソンスン)でしたが、この日もスタメンで出場。
しかしこの日は早々の前半1分、琉球最初の攻撃で右からクロスを上げた金。
これはあっさりクリアされ、しかも甲府・アラーノに拾われてのカウンターを受ける破目になってしまいます。(ピーター・ウタカとワンツーで前進→ドリブルで進んでからパス→ウタカエリア手前左からシュート・GK石井セーブ)
いきなりミソが付いてしまった右サイドからの攻撃ですが、その後は前節のような偏りは見られず、金もそこそこ前線でのプレーに絡んでいました。

甲府の第一波を何とか防いだ琉球、その後も前線のクオリティの高さに四苦八苦する場面が見られますが、それらを凌ぐと徐々にペースを握っていきます。
いつものようにセンターバック2枚(岡崎・福井)+ドイスボランチ(上里・風間宏希)を中心としてのビルドアップでボール支配。
ポゼッションを完全に掌握する琉球と、パスカットor跳ね返してのカウンターを狙う甲府という図式へとシフトしていく試合内容。
長くパスを回す琉球ですが、甲府の守りの固さにシュートを撃てず。
15分に再び甲府のカウンターが発動し、アラーノがドリブルで敵陣に切り込みウタカへとスルーパス、受けたウタカがシュートしてゴールに突き刺すもののこれはオフサイドに。

琉球の初シュートは18分、右サイドからの風間宏矢のクロスをニアサイドで上原がヘディングしたもの(ゴール左に外れる)でしたが、そもそもこの発端はカウンターから。
ウタカに対する反則気味のディフェンスで奪った後、河合が左サイドをドリブルで上がってからのチャンスでした。(その後エリア手前中央から戻されてのポゼッション)
ポゼッションサッカーが指標のチームであっても、カウンター攻撃を幾ばくか加えなければチャンスに持ち込む事は難しい。
甲府のような守備の固いチーム相手なら尚更で、この後嫌という程それを味わう事となる琉球。

22分、コーナーキックから福井がヘディングシュートを放った(ポスト直撃し外へ)琉球ですが、その後は甲府の守備を前に「ボールを持たされている」かのような状態に。
40分には福井のロングパスを上原が落とし、風間宏矢が走り込んでミドルシュート(枠外)という、これまた単純極まった攻撃でのシュート。
結局前半の琉球のシュートは4本に留まりましたが、リードを奪われた後半はさらに極端に減る事となります。

その甲府リードが生まれたのが、前半アディショナルタイム。
琉球のクリアを横谷が跳ね返し、曽根田がポストプレイ風にウタカに託すと、ウタカは左へパスを展開。
そして走り込んだアラーノがスルーし、フリーで走り込んだ内田がダイレクトでクロス。
中央でアラーノが走り込む手前で福井がクリアに入るも、飛び出したGK石井と交錯しこぼれ、ボールは曽根田の足元へ。
曽根田は悠々ボールを蹴り込みゴールイン、プレーオフ進出を手繰り寄せる先制点に。

今季最初から最後まで、シャドー2人の人選に悩み通しだったであろう甲府・伊藤彰監督。
最近は故障から復帰して以降、ジョーカーとして起用している金園の大活躍に救われているきらいがありますが、その金園の姿は伊藤氏の現役時代そのもの。
川崎時代、得点力を持ち味にスーパーサブとして起用され続けていた伊藤氏。(その後大宮・鳥栖・徳島でも活躍)
その辺りの経験が現在の起用に繋がっている節が見られます。

そのシャドーは、ここ5試合連続でアラーノ・曽根田のコンビで通し。
2人は守備にも積極的に顔に出し、チームに安定感を与えています。
ベンチには長期離脱から復帰したてのドゥドゥが控えていましたが、現状このコンビが最適解に思えて来ます。

良い形で前半を終えた甲府。
後半立ち上がりもその勢いを継続させ、後半1分に早速アラーノがヘディングシュート。(威力は無くGK石井キャッチ)
しかもDFのエデル・リマがドリブルで攻撃参加してのチャンスメイクでした。

反対に琉球は、反撃どころかビルドアップすらままならず。
甲府のプレスがキツくなり、思うようにパスを回せず時間を浪費していきます。
逆に甲府がボールを握り、琉球陣内でボール回しを行うシーンも目立つなど、1点リードを存分に生かした試合運びを見せます。

13分ようやく琉球が反撃、上里のパスを受けて中央をドリブルする風間宏矢に対し甲府・内田が反則。
これで得た直接フリーキック、距離はかなりあったものの上門が直接シュート。
ドライブ回転のかかったボールがゴール左を襲いますが、落ちるとともに僅かに左に曲がった分ゴールを外れ、甲府は命拾いします。

その後18分に風間宏矢→山田へと交代、4-2-3-1から4-4-2へと近い形にシフトし、上門が右サイドハーフに。
前線のポストプレイヤーを2人にする事で打開を図り、その通りに以降再びボールを握る時間を増やす琉球。
左右両サイドをくまなく使い、サイドチェンジを交えたりするものの、やはり甲府のブロックの外側で回すだけではチャンスは作れません。

逆に甲府は29分。
右サイドで湯澤が縦パスを送り、収めに入ったウタカが入れ替わりで抜け出し、エリア手前へとパス。
受けたアラーノは一旦こぼされますが拾い直し、その後佐藤和弘→曽根田と渡りエリア内で絶好機。
曽根田は切り返しから巧みにシュートを放ち、ゴール左隅へと突き刺します。
プレーオフを決定づけるかの如き追加点を奪いました。

その後も試合展開はほとんど変わらず、ボールは握る琉球が攻めあぐみ、甲府はじっくり守ってカウンターチャンスを得んとします。
そして甲府は36分、アラーノ→田中佑昌に交代。

最終節直前で、この田中佑とスタメンの横谷含め、4選手の契約満了に伴う退団が発表された甲府。(残りは佐藤洸一と小椋)
いずれも30歳代のベテランで、今季も一定以上の戦力になっていた4人なだけに、「チームの新陳代謝を図る」という意図がハッキリ表れています。
そんな4人を一遍に切ってチームは成り立つのかという来年への不安が過るものの(まあ補強はするのでしょうが)、このタイミングでの発表なのは、その要素をプレーオフ進出・勝ち抜きへの力として変える腹積もりか。
ここで勝たなければ……という火事場の馬鹿力を呼び起こそうとしているのか。

さて投入された田中佑、モチベーションを落としている節は全く見られず、シャドーの位置に入りチームに貢献。
43分には巧いボールコントロールで琉球・上里を剥がしてカウンターに繋げ、その後ウタカへスルーパス。(これは通らず)
内容面でも着実にプレーオフへの足固めを行う甲府。

結局後半琉球のシュートシーンは無く(アディショナルタイムに河合の左サイドからのクロスがゴールに向かいGK河田が弾いたシーン、あれがシュートならば1本)、2-0のまま試合終了。
大宮・新潟とともに前年からJ2での戦いを再開させた甲府、2年連続プレーオフ進出という大宮の後を追うようにプレーオフ圏を確定させ、J1復帰を目指します。

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