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DAZN観戦 2019年J2リーグ第41節 京都サンガFCvsジェフユナイテッド千葉

2019-11-19 17:03:31 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の京都の記事はこちら(35節・愛媛戦)
※前回の千葉の記事はこちら(38節・山口戦)

千葉の方は、既に江尻篤彦監督の今季限りでの退任が決定。
それ以前に発表された佐藤勇人の引退もあり、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しつつ、昇格も降格も無くなった残り試合を消化している印象です。

しかしこの日はそれ以上に、京都のホームであるたけびしスタジアム京都(西京極総合運動公園競技場)のラストマッチであり、ノスタルジーたっぷりの雰囲気となりました。
まあ翌年行われる改修工事後は、セカンドホームとして使用予定らしいのですが。
そんな試合とは裏腹に、未だ今季J1昇格の可能性を残している京都。
どんなに泥臭くても勝たなければならないという状況で迎えた西京極(実質)最後の時、それはどんな内容で彩られるか。

千葉は山口戦以降ボランチをテコ入れし、これまで前線のプレス役だった工藤がボランチに。
以前も試合途中の選手交代によりシフトする形で務めていたものの、前半からの激しいプレスで電池切れという状況で務める事もあり、劇的に機能した記憶は無く。
それでもスタメンで務めた過去2試合は無敗(1勝1分)と、一応の成果は上がっているようです。
しかしこの日はもう一人のボランチ・熊谷アンドリューが累積警告で出場停止、しかも2試合という事で、彼の今シーズンは終了。
代役には小島が抜擢され、どうやらボランチ鳥海は柏戦(37節・0-3)・山口戦(2-3)の大量失点で諦められた模様です。
そして工藤が居ない前線は、クレーベ・船山の2トップに。

前半は千葉がやや押し気味の展開。
ボール保持に長けている京都(最近は薄れ気味ですが)相手に守勢に回るかと思われましたが、意外にも決定機を多く作ります。
前半7分、左サイドからの攻撃で下平がエリア内にスルーパスを送り、受けたクレーベがグラウンダーでクロス。
ブロックされこぼれたボールを船山が繋ぎ、クレーベがダイレクトでループシュートを狙います。(GK清水セーブ)
12分には敵陣で小島がボール奪取し、こぼれ球を拾ったクレーベが船山とワンツーでエリア内に入り、左側からシュート。(GK清水キャッチ)
15分には再び左サイドから攻撃、工藤のダイレクトパスで為田が抜け出してエリア内に進入、そして彼のパスを受けた小島がシュート。
ブロックに阻まれクリアされた後、右サイドで工藤が拾い船山→下平→堀米と渡り、既にエリア内の堀米は浮き球パスをさらに前へ送ります。
すると小島が抜け出して再びシュートに行きますが、前に出て来たGK清水にブロックされて決められず。

京都は8分に小屋松のミドルシュートがGK佐藤優也にセーブされた場面ぐらいで、序盤はペースを上げられず。
しかし20分にGK清水のロングキックからの攻撃、左サイドで黒木が落としたボールを拾った小屋松がドリブル。
奥まで進入しクロスが上がり、千葉・小島のクリアが小さくなった所を仙頭が拾い、エリア内で切り返してからシュート。
このコースに小屋松が居たものの、オフサイドだったため触らず枠外に。
GKからのロングボールでのチャンスにより硬さが取れて来たか、以降は徐々に攻勢に出ます。

29分、田中マルクス闘莉王の跳ね返しから組み立て、庄司が左サイドに展開した後小屋松が仕掛けて中へパス。
金久保がヒールで繋ぎ、受けた一美が反転シュートを狙いますがブロック。
その直後は中央~右サイドでじっくりボールを回す長い攻撃の後、宮吉のバックパスを上夷がダイレクトで縦パス、宮吉はさらにダイレクトで一美に送ります。
この緩急の付いた攻撃を、一美がエリア手前からシュートで締めくくるもボールは枠外。
39~40分も同様に、右サイドバック・福岡がサイドチェンジするも、ボールは黒木→小屋松→黒木→庄司→福岡→仙頭と渡り再び右サイドへ戻るという長い攻撃。
その後ボランチの位置で受けた庄司は右からの攻撃を選択し、彼から受けた仙頭のエリア内へのパスを一美がポストプレイで再び右へ送り、宮吉のグラウンダーのクロスが上がります。
ファーサイドで小屋松がこれを折り返し、走り込んだ仙頭がシュートするも、千葉・工藤のブロックに阻まれます。
京都らしさが出て来たものの、得点を奪えず前半はスコアレスで終えます。

選手層の薄さが、終盤に来て弱点として表れている印象の京都。
前半戦は、攻撃・守備両方で起用できる闘莉王の存在がベンチに控えていたものの、その闘莉王がスタメンに回る事が多くなってやり繰りは苦しくなり。
チーム得点王の一美をサブに回し、ジョーカーとして起用する事もやらざるを得ない時期もありました。
そしてファーメーションも流動的になり、この日は4-4-2と変哲の無いもの。
それでも庄司が1ボランチ気味で、金久保がトップ下に近い位置とアレンジ感は見受けられましたが。

シーズン序盤は殆ど起用されなかったレナン・モッタが、最近4試合で3度スタメンで出場しているのはいかにも苦しさが滲み出ているようであります。
ガンバから獲得した大ベテラン・藤本も、積極的に登用するには至っておらず。
そしてこの日交代の一番手に選ばれたのは、既に忘れ去られても可笑しくない男でした。

後半立ち上がりは京都が主導権を握るも、後半4分の黒木のトラップミスから流れは一変。
コーナーキックでショートコーナーを選択したものの、これによりボールを繋ぐ過程で千葉に奪われてしまいカウンターを受ける事に。(船山のドリブルを黒木の反則で止める・黒木に警告)
そして6分には船山がエリア内右からシュート。
GK清水がセーブしてコーナーキック、クリアボールを拾った為田がエリア内に入ってシュート(GK清水キャッチ)と、立て続けにシュートを浴びてしまいます。

暗雲立ち込めた中、京都の選手交代が行われたのは後半15分。
宮吉に代わって出て来たのはエクスデロ競飛王。
最初は浦和でキャリアをスタートさせたものの、高い攻撃力を有する反面、守備や連携に難ありという選手。
故障もありレギュラー定着出来ず、2012年以降は韓国・中国のクラブを渡り歩き、京都に移籍してきたのは2016年。
当初はレギュラーで出場を重ねていたものの、年を重ねる毎に出場数も減り、今季はお目にかかる事は稀というレベルに。(前年は夏に韓国クラブへレンタル移籍)
スタメンは僅か1試合、全出場数も10試合のみと蚊帳の外な状態でしたが、チームが苦しくなってきた事で前々節(甲府戦・0-1)から再び途中出場で使われるようになってきました。
どんな内容であれ、昇格のためには勝たなければならない状況である京都の現状を良く表しているかのような交代。

これを機に再び京都がペースを握り、押し込む時間帯が長くなってきたもののゴールは割れないという状態に。
ジョーカーとしての働きが期待されたエクスデロですが、目立った活躍はあまり出来ず。
23分、右サイドでのスローインから仙頭がクロス、これをニアサイドでエクスデロが受けてシュート。
千葉・エベルトにブロックされたこぼれ球を、金久保が走り込んでシュートにいくも、これも工藤にブロックされます。
その後はシュートまで持っていけない京都。
34分に再び動き、一美→レナンへと交代し、エクスデロの1トップという布陣にシフト。

何が何でも1点を奪いにいく姿勢を見せる京都、37分に大チャンス。
上夷が右に展開した後、福岡が仙頭とのパス交換で中央に動いてから縦パスを入れます。
これをエクスデロが受けるも収まらず、しかしエリア内で千葉・下平が拾ったボールを、追い越して走り込んできた仙頭がシュート。
ボールはグラウンダーでGK佐藤優の逆を突くも、右ゴールポストを直撃してノーゴール。

攻めても攻めても得点出来ず、悲痛な声が聞こえてきそうな展開で迎えた試合終盤。
その39分、クリアボールを福岡が拾うとそのままドリブルで縦へ進み、エリア内右へ進入してグラウンダーでクロス。
金久保がスルーすると、中央へ走り込んだ仙頭がフリーとなりシュート。
再びヤマを張ったGK佐藤優の逆を突き、その声の結晶の如きゴールが生まれました。

その後反撃に出る千葉。
センターバック・エベルトを前線に上げるパワープレイで攻勢をかけるも、同点弾は生まれず。
90分には見木(工藤と交代で出場)の縦パスを受けた米倉がエリア内に進入、闘莉王をかわしてゴールに迫る決定機を作ったものの、GK清水が飛び出して防ぎます。
最後は京都が敵陣で時間稼ぎ……では無く、エクスデロがボールキープからエリア内に進入してクロスを上げる(クリアされる)など、最後まで得点を奪う姿勢だった模様。
ともかく1-0のまま、京都が望みを繋ぐ勝利を挙げました。

次が最終節で、京都の相手は首位・柏。
しかも今節で優勝を決めた事で、来季を見据えたメンバー選考も考えられ、分析班にとっては予想がつかずかえって厄介な状況ともいえます。
それでも自身のサッカーを押し通し、逆転でのプレーオフ進出は果たされるのか。
そんな彼らの背中を見届けた西京極、無事役目を終えた一日となったでしょう。

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