あすかパパの色んな話

日々の暮らしの中で思ったことを書き込んでいきます。
今までのように写真、競馬の予想、スポーツネタも続けていきます。

鷹・杉内と虎・岩田両左腕はWBC出場を意識

2009年01月13日 21時54分01秒 | 野球

合同自主トレで、ブルペン入りし投球練習するソフトバンクの杉内

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補のソフトバンクの杉内俊哉投手、阪神の岩田稔投手の両左腕が13日、鹿児島県薩摩川内市での合同自主トレーニングを公開した。

 杉内はことし初めてブルペン入りし、捕手を座らせ、変化球を交えて34球を投げた。練習でもWBC使用球を使い、調整は順調の様子だ。

 前回のWBCでは、2次リーグの韓国戦で負け投手となった。2度目の出場に向け「自分が中心になるくらいの気持ちで投げたい。先発でも中継ぎでも困ったら杉内、と言われるようにやりたい」と力強かった。

 昨季10勝を挙げた岩田は、あこがれの杉内への“弟子入り”が実現。「杉内さんは基礎体力がしっかりしている。話してもらうことがすべてプラス。吸収したい」と貪欲(どんよく)だ。オフは積極的に新たなトレーニングを取り入れている25歳は「一度でいいので日の丸を背負って投げてみたい」と意欲的に語った。

★収穫多い岩田

岩田は「軽く投げているようで球が伸びる」と杉内の投球フォームを理想とし、習得に必死で取り組んだ。

 杉内をまねて、約1キロの重い球を地面に何度もたたきつけた。リリースポイントを意識した練習で「球をはじくような感じ」と岩田。早速、ヒントをつかんだ様子で「イメージを大事にしたい」と明るい表情で話した。

 筋力トレーニングにしても「お尻重視でやると、バランスが取りやすい」と新たな発見があった。合同トレーニングは19日まで続く予定。「細かいところも教えてくれる先輩で助かっている」と杉内に感謝していた。(サンスポ)


健介、戦闘モード KENTAまさかの反則負け=ノア

2009年01月13日 21時28分30秒 | 格闘技情報
「The First Navig. '09」開幕戦トピックス


GHC王者・健介(左)が秋山との前哨戦で戦闘モード全開

プロレスリング・ノア「The First Navig.’09」開幕戦となる12日の東京・ディファ有明大会では、1600人(満員)を動員した。メーンイベントではGHCヘビー級王者・佐々木健介がまな弟子の中嶋勝彦と組んで、次期挑戦者の秋山準&青木篤志組と対戦。3.1日本武道館で行われることが濃厚なタイトルマッチを前に、試合開始直後から激しくやり合った。

 両者は前日に同所で行われた丸藤正道プロデュース興行でも6人タッグで対戦。しかし、この時は前哨戦とは思えないほど接触がなく、わずかに2回リング上で対峙したのみで、最後は秋山が中嶋にエクスプロイダーで勝利していた。

■GHC王者・健介が秋山にリベンジ


最後は中嶋(左上)が青木から勝利

しかし、この日は健介と秋山が同時に先発を買って出るなど戦闘モードが充満。力比べで互いの意地をぶつけ合った。さらに前日、秋山に敗れた中嶋がキックで加勢し、中嶋にシングルマッチで敗れている青木もリングイン。5分経過のアナウンスと同時に秋山と中嶋、健介と青木が同時に場外戦へ突入する大荒れの展開となった。
 15分過ぎには健介の雪崩式ブレーンバスターを食らった秋山がエクスプロイダーで反撃。ならばと健介がストラングルホールドγを仕掛けると、そこから秋山のヒザ蹴り、健介のラリアットで両者ダウンとなるなど、まさにタイトルマッチさながらの激闘となった。
 25分以上に及ぶ戦いに終止符を打ったのは中嶋のデスロール。秋山のまな弟子である青木に勝利して、前日の借りを返すと共に健介に白星をもたらした。

 3.1武道館まではまだ2シリーズ。前日の戦いを終えた秋山は「徐々に迫っていく」と長い時間をかけてじわじわと健介を追い詰めていくプランを明かしていたが、受けて立つ立場の健介は「ペース配分はしていない。タッグマッチでも6人タッグマッチでも、全試合ベルトがかかってる気持ちでいきたい」と気合十分。「ベルトを持っていても、持っていなくても気持ちは同じ」と秋山との前哨戦だけではなく、誰が相手でも全力疾走し続け、王者の強さを見せ付けることを誓った。

■KENTAのGHCジュニア防衛に黄信号


KENTA(右)ぼう然。鼓太郎の“偽装工作”にハマり反則負け

最終戦の25日、後楽園ホール大会でGHCジュニアヘビー級王座を懸けて戦う王者・KENTAと挑戦者・鈴木鼓太郎がタッグマッチで前哨対決。正パートナー・石森太ニとのコンビという磐石の態勢で臨んだはずのKENTAだったが、鼓太郎のパートナーの平柳玄藩、そして思わぬ作戦に足元をすくわれ、前哨戦でまさかの黒星を喫した。

 12.7武道館で行われたGHCタッグ王座戦(金丸&鼓太郎組vs.KENTA&石森組)では、流血戦の末に鼓太郎がKENTAから直接フォールを奪い、リング上からシングル王座への挑戦を表明。タイトル戦が正式決定した。
 この日の試合前に両者の立会いの元で行われた調印式でも、鼓太郎が「ムカつく小林君をもう一度血ダルマにしたい」とKENTAを本名で呼んで挑発すれば、KENTAも「しょせん平柳がいないと何もできない。キッチリ片付けてハッキリさせたい」とチャンピオンとしてのプライドをムキ出しにして応戦。激しい舌戦を繰り広げていた。

 その2時間後、今度はコスチューム姿でリング上で向き合った2人だが、敵対心はますますヒートアップするばかり。鼓太郎は「使えるものはすべて使うのがオレのプロレス」とのポリシー通りにパートナーの平柳を利用し、場外でのイス攻撃や急所蹴り、場外から足を引っ張ってのダウンなど、ラフファイトや反則攻撃を仕掛けていく。一方のKENTAは相手のペースに乗ることなく、一貫したクリーンファイトで応戦。ブサイクへのヒザ蹴りからgo2sleepを狙うなど、いつも通りのスタイルで迎え撃つ。
 しかし鼓太郎は、平柳にレフェリーの視線を向けさせている間に石森へイス攻撃を放つと、その一撃で底が抜けたイスを自分の首にかけ、さもKENTAにやられたように見せかける“偽装工作”でレフェリーにアピール。難なくKENTAから反則勝ちをGETすると、殴られてもいない頭をさすり、大げさに痛がりながら悠然と引き揚げていった。

 鼓太郎の背中を見送ったKENTAは、リング上から「チャンピオンとして、責任持っていい試合します」と観客に約束。しかし、怒りの炎は収まるどころか燃え盛るばかりで、「こういう言葉は使わない方がいいんだけど、殺す」とタイトルマッチでは鼓太郎の思惑をすべて封じた上で、完膚なきまでに叩きのめして勝つことを宣言した。

■潮崎が佐野からシングル初勝利


潮崎が大先輩の佐野からシングル初勝利を奪う

セミファイナルでは海外修行から帰国した潮崎豪が、佐野巧真からシングル初勝利。約1年間に渡る海外修行で心身ともに大きく成長したことを結果でアピールした。
 潮崎は昨年2月にアメリカへ出発し、4月のタッグリーグ参戦のために一時帰国したものの、再び渡米。昨年末に帰国を果たすと、クリスマストーナメントではGHCヘビー級王者の健介とわずか10分という限られた時間ながら互角に渡り合う活躍を見せる。前日の有明大会でも、次期挑戦者の秋山を差し置いて健介と激しいチョップ合戦を繰り広げていた。

 三沢光晴社長ら多数の選手が会場の奥から見守る前で、潮崎は全力ファイトを展開。かつてGHC王座にも挑戦したことがある佐野のローリングソバット、ダイビングフットスタンプ、バックドロップ、北斗ボムといった猛攻撃を受けながらも決して3カウントを許さず。ムーンサルトプレスはかわされて不発に終わったものの、20分近くに及ぶ戦いの末に、ゴーフラッシャー、ラリアットからの変形パワーボムとたたみかけて勝利を収めた。

 キャリア25年の大先輩からの初勝利にも、潮崎は「佐野さんのペースだった」と厳しい表情は崩さず。今シリーズ中は20、21日の横浜・赤レンガ大会2連戦で本田多聞、力皇猛とのシングルマッチが組まれていることから、潮崎の快進撃は止まるどころかまだまだ加速していきそうだ。

■ノア「The First Navig.’09」開幕戦

1月12日(月・祝) 東京・ディファ有明 1600人(満員)

<第9試合 タッグマッチ 60分1本勝負>
佐々木健介、○中嶋勝彦
(25分27秒 デスロール→片エビ固め)
秋山 準、●青木篤志

<第8試合 シングルマッチ 45分1本勝負>
●佐野巧真
(19分35秒 変形パワーボム→体固め)
○潮崎 豪

<第7試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
●KENTA、石森太二
(16分49秒 イス攻撃→反則)
○鈴木鼓太郎、平柳 玄藩

<第6試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
三沢光晴、小川良成、●谷口周平
(17分54秒 後頭部へのキック→体固め)
力皇 猛、丸藤正道、○モハメド ヨネ

<第5試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
森嶋 猛、●橋 誠
(14分02秒 合体前方回転落とし→エビ固め)
○クリス・ヒーロー、クラウディオ・カスタニョーリ 

<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
田上 明、杉浦 貴、●伊藤旭彦
(15分56秒 ウォーカードライバー→エビ固め)
ブキャナン、○キース・ウォーカー、ボビー・フィッシュ 

<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
齋藤彰俊、○金丸義信
(11分11秒 タッチアウト→片エビ固め)
本田多聞、●リッキー・マルビン 

<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
井上雅央、●百田光雄
(10分13秒 横入り式回転エビ固め)
泉田純至、○菊地 毅

<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
志賀賢太郎、○川畑輝鎮
(13分46秒 ダイビングリバースセントーン→片エビ固め)
起田高志、●宮原健斗
(スポーツナビ)

気力と作戦面で勝ったJOMOが5年ぶりの日本一=天皇杯・皇后杯バスケ

2009年01月13日 20時48分38秒 | その他スポーツ情報
オールジャパン第7日


5年ぶりに皇后杯を制したJOMOは喜びを爆発。昨大会、決勝で敗れた悔しさをすべてぶつけていた

2年連続の同一カードとなった天皇杯・皇后杯全日本総合バスケットボール選手権(オールジャパン)の女子決勝。11日に行われた富士通とJOMOの対戦は、予想外にも大差がついた。試合開始からJOMOが2-3ゾーンとマンツーマンのチェンジングディフェンスを仕掛けて先手を取り、攻めても内外角のシュートを効果的に決め、主導権を一度も渡さないまま86-62と24点差をつけて圧勝した。オールジャパンでは5年ぶり14度目の栄冠だ。

 決勝でのJOMOは、することなすこと大当たりだった。24秒オーバータイムを幾度も誘う激しいディフェンスでリズムをつかむと、流れは第2ピリオドにやってきた。大神雄子と内海亮子の2人だけで22得点を奪取。諏訪裕美がインサイドで体を張り、効果的なインサイドアウトからの攻めで一気に畳み掛けた。第2ピリオドだけで30-13。前半終わって46-27と勝負は早くも決してしまった。

「富士通のシュートパーセンテージをいかに落とすかが勝負所だった。富士通は5人が外角シュート力があるので、うちの戦力を分析すると、ゾーンを仕掛けることで先手を取れると考えていた」(JOMO・内海友秀ヘッドコーチ)
「JOMOのチェンジングに脚が止められてリズムがまったく作れなかった。うちもゾーンで対抗したり、後半は若いガードからベテランの船引かおりに交代したけれど、すべてが後手に回った」(富士通・中川文一ヘッドコーチ)

■作戦面だけでない。モチベーションにも差があった


女子大会ベスト5。右から大神雄子、田中利佳(JOMO)、三谷藍、矢野良子(以上富士通)石川幸子(シャンソン化粧品)

JOMOの作戦面での成功があったとはいえ、ここまで大差がつくほどの実力差は両者にはない。また、出足に秘策を出されたとしても、富士通には時間をかけて対応できる経験ある選手がそろっている。
 では、一体何が両チームの勝敗を分けたのか?
 その一番の問題は、大会に向けてのコンディショニング作りに差があったのではないだろうか。

 JOMOはWNBAと掛け持ちだった大神が疲労蓄積していたこともあり、リーグ中断期間の2週間で、チームの立て直しとコンディション作りを徹底してきた。
 数日間の休養を取ったあと「(1試合を)走り切る練習と、ディフェンスを一からやり直した。個人的にやってきた体力トレーニングもあり、ドンピシャのコンディショニングで臨めた」(大神)
 また、「去年負けた悔しさは絶対に忘れない」(田中利佳)と、試合開始からファイティングスピリットをぶつけられたのだ。

 一方、富士通は試合前日にエースの矢野良子が言っていたように、若手の戦力を底上げ中で「チーム力は8割の出来」だった。
 調子は上がってきているのだが、最高潮で心身のピークを迎えた上に、脚力があるJOMOの前には、お手上げ状態となってしまったのだ。

■チームに流れを呼び寄せられる吉田亜沙美の存在


165センチと小柄ながら、コートでは一際目を引く吉田亜沙美(JOMO)

最後にこの大会で一番印象に残った選手を取り上げたいと思う。若き期待のガード、JOMOの吉田亜沙美(165センチ、21歳)だ。

 優勝するチームはこういうものかもしれないが、決勝でのJOMOは、波に乗り切れていない選手は誰一人としていなかった。大神のリーダーシップ、林五十美と長南真由美のディフェンスとリバウンド、山田久美子と諏訪のインサイドプレー、田中と内海の確率の高い外角シュート。
 準決勝までは決して楽な展開ではなかったが、勝負所を見逃さない戦い方でトーナメントを制したことは、若手が多いJOMOにとっては大きな成長といえた。

 そんな中で、チームの流れを献身的に作り出していたのが吉田だ。JOMOではシューティングガードだが、もともと、パスセンスが抜群で、人を使うことがうまいため、スムーズにポイントガードの役割と両立する。球際の嗅覚が優れており、どこからともなくリバウンドやルーズボールに跳び込む。ディフェンスでは豊富な運動量でかき回し、オフェンスでは高い身体能力を生かして豪快なドライブインを見せる。スコアブックに表れない献身的なプレーがあったかと思えば、アグレッシブさでも魅了する。

 決勝の第3ピリオドは、吉田の魅力がギュッと凝縮された見せ場となった。センター山田の胸元にズバッと入るアシストや、確率が上がってきた外角シュートなどで富士通を突き放していく。気がつくと、「12得点、9リバウンド、7アシスト」を記録。あわや“トリプルダブル”の数字を、決勝の大舞台でたたき出せる彼女のパワーの源は何だろうか。
「リバウンドとルーズボールとディフェンスは自分の仕事だから意識しています。あとは、誰にもどこのチームにも、絶対に負けたくないんです。ほんと、それだけです」(吉田)
 大会ベスト5こそ受賞ならなかったが、状況に応じて、主役にも、脇役にもなれる吉田のプレーは、コートで強烈な存在感を示していた。(スポーツナビ)

広島皆実、優勝の要因は「クリアの質」

2009年01月13日 20時40分08秒 | コラム
第87回全国高校サッカー選手権 総括

■広島皆実とほかのチームの“違い”とは?


広島皆実が優勝できた要因、それはクリアの質にある

広島皆実(広島)の優勝で幕を閉じた第87回全国高校サッカー選手権大会。周囲は広島皆実の優勝に驚いているかもしれない。だが、この1年間、選手権出場校のほぼすべてを取材してきた経験からすると、この結果は特別に驚くことではなかった。今大会の出場校を見渡しても、「11人でのサッカー」という観点からすると、広島皆実が一番質が高い印象だった。それで必ず優勝するとは言い切れないが、実際に大会が始まると、広島皆実とほかのチームの“違い”が明確に見えてきた。そしてその違いが優勝の要因となった。

 広島皆実が持っていた違いは、同時に今大会の大きな問題点でもあった。その違いとは「クリアの質」である。そしてこれは、筆者がユース年代の取材を通じて感じている問題点でもある。
 まず今大会だけで見ると、どの試合も多くの点が入り、7-0、7-1などの大差がつく試合もあった。見ている者にとっては面白い大会だったかもしれないが、内情を見ると、今後を危惧(きぐ)する状況にある。

 失点が多いという事実を、単純に「守備力低下」とくくるのは非常に危険である。なぜここまで失点が多いのかをよく見てみると、行き着くのが「クリアの質」なのである。
「クリアの質」とは、的確な状況判断とキックの質にある。的確な状況判断とは、つなぐべきなのか、大きく蹴り出して一旦流れを切るべきなのかを瞬時に判断する能力。キックの質はしっかりと蹴ること、どんな態勢、ボールの状態でもしっかりと芯をとらえられる技術の高さ。この2つの技能を持ち合わせてこそ、クリアの質は高くなる。

 しかし、近年はその質がどんどん落ちている気がする。それは、クリアの質に対する意識が希薄になっていることに直結している。現在は、ユース年代やそれ以下の世代でも「つなぐサッカー」が浸透してきている。それ自体は非常に大切なことであるし、リアクションサッカーではなく、しっかりとボールポゼッションして試合を組み立てることは、世界基準から見ても大切であることは間違いない。しかし、その「つなぐ」という部分に意識がいき過ぎているような気がしてならない。

■クリアの質が低下した要因

昔は守備において、DFは大きく蹴り出すことが主流で、ディフェンスラインでつなぐという意識が希薄だった。それが徐々に後ろからしっかりとつないで組み立てるようになり、日本サッカーは格段に進歩した。しかし、近年は明らかに劣勢なときでも無理につなごうとする傾向が出てきた。奪ったときにパスコースがなくて、自分たちの状態が悪いときでも、そこでキープをしてしまったり、むやみにパスを選択してカットされ、2重3重の攻撃を受けるシーンが多く見られるようになった。
 つまりそこには「判断」という要素が決定的に足りていない。状況を理解した上で、はっきりとしたプレーをする。頭の中に「つながなきゃ」という意識が先行してしまい、それがプレーの幅を狭めている。

 さらにキックの質の低下も目についた。クリアのキックが当たりそこなって味方に当たったり、目の前の敵に渡ったり、上空に高々と打ち上げてしまったりして、結果的にそれが失点につながるシーンも多く見られるようになった。

 例えばボールを奪った瞬間に前線にいい状態で攻撃を仕掛けられる選手がいるにもかかわらず、すぐに横にはたいてショートパスでつなごうとしてしまう。結局チャンスを自らつぶし、時として相手のフォアチェックに遭い、逆にピンチを招いてしまう。
 ここには3つのエラーが考えられる。1つ目は周りが見えていないこと、2つ目は自分のキックに対する自信がないこと、3つ目は見えているけど、つながないといけないという固定観念があること。この3つのエラーは将来的に選手の成長の妨げになってしまう。

■クリアもサッカーの重要な技術の一つ


広島皆実にはつなぐのか、蹴るのかの判断力、それを実行する技術があった

今大会はそうした質の低下が招いた失点シーンが多く見られた。象徴的な試合は星稜(石川)対作陽(岡山)戦だった。
 この試合は果敢なサイドアタックで星稜がペースを握っていたが、31分、ゴール前でクリアしきれず混戦となると、最後は作陽のMF花瀬翔平に押し込まれ失点。さらに56分には右からのクロスのクリアでキックミスしたところを、MF亀井拓実に拾われ、追加点を奪われた。この2点が大きく圧し掛かり、星稜はペースをつかみながらも2-4で敗れた。
 勝敗を分けたクリアの質。この試合は状況判断よりも、キックの質の低さが招いた敗戦だった。ほんのささいなことではあるが、それが結果に出てしまった。
 星稜対作陽戦以外でも、例えば準決勝の前橋育英(群馬)対鹿児島城西(鹿児島)も、3-5というスコアになったが、そのうちの5点のきっかけはクリアミス。ほかにも挙げたらきりがないほど、クリアミスからの失点が多かった。

 星稜の河崎護監督がこんな印象的な言葉を残した。
「さすがにクリアの練習はしていない。以前、ウチにブラジル人コーチが来たときに、クリアの練習を徹底してやっていた。そういうことだったんだね」

 筆者もクリアの重要性をフランスに取材に行ったときに説かれたことがある。あるクラブのスカウトは「どんなに難しい局面でもプレーをはっきりできる選手こそ質の高い選手。クリアもその一つ」と語っていた。

 サッカー先進国はボールをつなぐことはもちろん、劣勢を跳ね返す、悪い流れを断ち切るための手段としてクリアの質を重要視している。パスがつながればすべてがOKというわけではない。大きく蹴り出すという、今の日本サッカーでは時代錯誤ととらえられがちになっていることを、先進国ではしっかりと技術として取り組んでいる。

■つなぐ美学を求めすぎても危険な一面がある

これらをかんがみて、今大会をあらためて振り返ると、冒頭で書いたとおり、広島皆実が一番クリアの質が高かった。広島皆実はやみくもにつなぐことはなく、シンプルに蹴るところは蹴っていた。つなぐべきところ、はっきりと流れを切るべきところのメリハリをよく分かっていた。

 広島皆実が掲げる「堅守強攻」は、リスクマネジメントを意識した堅い守備から、勝負どころではリスク覚悟で強気の攻めに出ることを表している。つまりは勝負どころ、仕掛けどころを試合の中で見極める目が求められる。その目は、今つなぐべきか、シンプルに流れを切るべきかの判断にも大きく影響してくる。広島皆実はチームとしてその目を持っていた。そして日々の練習の中でその目をプレーで表現するすべを培っていた。だからこそ、プレーに強弱をつけることができ、1試合を通して戦い方をコントロールできたのだ。

 つなぐことに美学を求めすぎても危険な一面があることを忘れてはならない。要所でロングキックを入れたり、流れを切るクリアの技術があってこそ、つなぐという技術がより生きてくるのだ。
 それだけにクリアの質が一番高く、プレーにメリハリがあるという“違い”を持った広島皆実が優勝したことは、今後に向けて大きなヒントになるのではないだろうか。(スポーツナビ)

広島皆実が見せた「堅守強攻」の証し

2009年01月13日 06時51分20秒 | コラム
<決勝 鹿児島城西(鹿児島) 2-3 広島皆実(広島)>


聖地・国立競技場を舞台に全国制覇を懸けて熱戦が繰り広げられた

オールラウンダーの真骨頂を見せ付ける勝利だった。広島皆実(広島)は、今季から掲げた「堅守強攻」の真価をファイナルゲームで見事に発揮した。相手は2トップがともに全試合で得点し、決勝まで5試合で27得点と爆発的な攻撃力を誇る鹿児島城西(鹿児島)。対する広島皆実はわずか1失点で勝ち上がって来た。

 当然、試合前の展望では「鹿児島城西の攻撃力vs.広島皆実の守備力」という構図が浮かび上がった。しかし、広島皆実には「守って勝つ」という意識はなかった。高卒でプロに進むような突出した選手はおらず派手さはないが、守備だけでなく中盤の構成力やボールポゼッションにも自信があった。そして、何よりも2大会連続のベスト8で、その先に進むための課題として攻撃力も磨いてきた。
「堅守速攻」と評されるチームが「堅守強攻」とわざわざ別の言葉を選んでスローガンとしたのは、その壁を乗り越えるためだ。だからこそ、鹿児島城西を相手に自信を持って選んだ方法は「打ち合って勝つ」だった。

■大迫勇に新記録許すも狙い通りのサイドチェンジで逆転

雪交じりの雨が降り、照明の灯った国立競技場で、キックオフからすかさずペースを握ったのは広島皆実だった。前半10分には完全に主導権を握り、ポゼッションしながら得点機会をうかがう王道の展開に持ち込んだ。
 中盤では圧倒的な寄せの早さを見せ、鹿児島城西が狙うエースFW大迫勇也へのパスコースを断ち切り、チャンスを作らせない。しかし、前半20分に大迫勇にボールが渡ると、3人がかりで囲んだにもかかわらず、ボールはスーパーストライカーの左足にこぼれ、大会新記録の個人10点目となるゴールをたたき込まれた。
 崩されてもいないし、大きなミスもしていない。ただ、エースにボールが渡ったというだけの止めようのない失点だ。おそらく、広島皆実がこれまでの試合のように守備をベースに考えて「1点取ることができれば勝てる」という気持ちで臨んだならば、精神面で立ち直ることができなかっただろう。しかし、打ち合いを覚悟していた彼らの気持ちは落ちなかった。

 広島皆実は失点前の前半10分、右から左へ斜めの大きな一蹴りで相手の4バックを突破した。パスを受けたMF谷本泰基は「前日に相手の試合のビデオを見て、バックラインがボールウォッチャーになるという印象があったから、サイドチェンジが効くと思っていた」と話す。失点から3分後、左サイドを突破した浜田晃がクロスボールを放つと、右MF佐々木進がヘディングで中央へ戻し、FW金島悠太がやや体軸の後方でバウンドしたボールを見事なハーフボレーを突き刺して同点とした。
 さらに、右から左への大きなサイドチェンジから、今度は左MF谷本がミドルシュート。一度は焦ってDFのブロックに遭ったが、もう一度足元に来たボールを今度はコントロールしたシュートで逆転に成功した。

■大迫勇という名の恐怖に立ち向かった冷静さ


広島皆実を全国優勝へ導く決勝ゴールを決めた金島悠太(中央)

先制点を奪われるも、中盤を制して逆転。それは、どこかで見た光景だった。わずか2日前、埼玉スタジアムでも同じことが起きていた。準決勝の鹿児島城西対前橋育英(群馬)戦だ。前橋育英は0-1から3-1としたが、そこから1点差に迫られると冷静さを欠き、急にリズムを崩してしまった。原因となったのは、大迫勇という名の恐怖だった。
 1点勝負では、いつやられるか分かったものではない。大迫勇の存在感は、絶大だ。谷本は「(大迫勇は)本当に怖かった。もう、単純に怖い。後ろ向きでボールを持たせても、反転のスピードが速くて置き去りにされる。Jユースとも試合をしたけど、今までで一番怖かった」と、プレッシャーに襲われていたことを素直に明かした。

 後半、広島皆実は序盤に強烈なプレスをかけ、中盤で得点を狙って駆け回った疲労から運動量が落ちた。そこで前半は落ち着きのなかった鹿児島城西が丁寧につなぎ始めると、後半17分、大迫勇のポストプレーから右MFの位置に途中出場したスーパーサブ平原慎也がドリブルで突破してラストパス。FW野村章悟が大迫勇とともに全試合得点となるゴールを挙げて、スコアは2-2となった。

 鹿児島城西は、明らかに手応えをつかんでいた。中盤での反撃に成功すれば、2トップの得点力を存分に生かせる。広島皆実は正念場に立たされたが、強じんな精神力が物を言った。FWがセンターサークルで試合を再開しようとする中、残りのフィールドプレーヤーが全員で集まって声をかけ合った。「絶対に(点を)取れる。落ち着いて、パスを回して崩そう」。わずか4分後、右からのクロスを金島が決めて勝ち越し。取られた直後の得点で相手を黙らせた。
 その後は冷静にポゼッションを続けることで相手の攻撃時間を減らしながら、「何回も時計を見たんですけど、進まないんですよ」(浜田)、「2日間ぐらいの長さに感じた」(主将・松岡祐介)と我慢を重ねて歓喜の時を迎えた。

■我慢し続けて育んだ攻撃力

「打ち合い」や「強攻」といった言葉だけをとらえると、攻撃的なシステムを用いて前がかりに仕掛けるというサッカーをイメージするかもしれない。しかし、広島皆実は、決勝までの5試合で6得点。相手の4分の1以下である。
 単にノーガードの打ち合いを展開すれば、KO負けは免れない。では、どのようにして「打ち合い」で勝つのか。そこには、オールラウンダーだからこそできる、絶妙のバランス調整がある。

 初めからうまくいったわけではなかった。夏の高校総体では、2回戦の大分鶴崎(大分)戦で前がかりになり過ぎて逆転負け。秋の高円宮杯全日本ユースでも攻守の切り替えに失敗して、総体王者の流通経済大柏(千葉)を相手に押しながら、終盤にひっくり返されて弱さを露呈した。
 それでも、藤井潔監督は「守備から、とはなかなか言えなかった」とベスト8の壁を破るために攻撃力を課題としたことをほごにはしなかった。この日、3得点を取ることができたのは、掲げた「堅守強攻」への我慢強い挑戦があったからにほかならない。

 2大会前は、3試合連続PK戦の勝利で準々決勝へ勝ち上がった。しかし、いずれも0-0だったため、守備力しか評価してもらうことができなかった。浜田は「ずっと、『守りだけじゃない』って言いたかった。攻めても守ってもできるチームだと言われるようになりたかった。最後に、打ち合いでも勝つことができると証明できて、うれしかったし、自信にもなった」と、溜め込んでいた思いを明かした。
 地味な勝ち上がりで注目度ではいまひとつ恵まれない広島皆実だったが、最後は4万を超える観衆の前で攻撃力を兼ね備えたオールラウンドの強さを存分に証明してみせた。(スポーツナビ)

試合後、広島皆実・藤井潔監督会見

2009年01月13日 06時36分28秒 | コラム
<決勝 鹿児島城西(鹿児島) 2-3 広島皆実(広島)>

■ボールを持ち続けることが最大の守備


選手権で初優勝を成し遂げた広島皆実を率いる藤井潔監督

非常に光栄な1試合だったんですけれども、選手が本当に良く頑張ってくれて、素晴らしい結果を残してくれたと思います。

――中盤でボールを保持して攻めるという、イメージ通りの攻めができたのではと思うがどうとらえているか?

中盤でボールを回して攻めるというよりも、ボールを持ち続けてチャンスをうかがうことが最大の守備になるのではないかということで、昨日から(選手たちに)話をしていました。

――鹿児島城西の攻めに対しては、どのような指示をしていたか?

鹿児島城西には素晴らしいアタッカーの選手が数名いますので、それについては今まで通り、ディフェンスラインと中盤、センターFWがスリーラインをしっかりコンパクトに保ちながら、相手に対して構え続けていこうと。

――1回戦から見ていて、決勝では引いて守るのではなく、高い位置からボールを奪ってそのまま攻め切ってしまうという意志が最も強く感じられたが、これはゲームプラン通りか?

高い位置ということはないですが、大迫勇也と野村章悟の2トップにできるだけボールを入れさせないようにして、入ったときには(前後から)サンドできるように確認しました。いつも通り、相手の状況に合わせながら自分たちの良さを出していこうと。

■2-1を続けることが大事だった

――前半、大迫勇に決められた後に選手たちにアドバイスしたことは?

前半を何とか2-1(のリード)で折り返すことができて、鹿児島城西の大迫勇の速さや強さ、恐さという部分が前半のうちに皮膚感覚で理解できたので、2-1のスコアをできるだけ長い時間続けるためにボールを保持することが、最大の守備だということは確認しました。

――後半になって、前半に比べると攻めのスピードが落ちたように見えたが、それは意図があってそうしたのか?

スピードを上げるとリスクを伴うと思っていたので、2-1でいいとは思っていなかったですけど、2-1を続けることが大事だと思ったのでそうしました。

――準決勝あたりから両サイドからの攻めが多かったが、その狙いは?

今年のチームはディフェンスライン4枚が3年生で、村田(俊介)が全日本ユース(高円宮杯)直後に骨折した関係で、県大会は2年生の岡崎(航平)が踏ん張ってやってくれました。(決勝では)4枚のディフェンスラインが非常に安定していた部分があります。
 崎原(拓也)と村田の両サイドバックはもともと前掛かりな強さを持っている選手で、村田は県大会が終わって全国の1回戦に照準を合わせてけがを治してきましたが、大会の中で徐々にコンディションを上げてくれて、今日が一番いい出来だったんじゃないかと思います。両サイドがいい形でバランス良くボールを運べたし、自分たちのいい部分をしっかり出してくれたのではと思います。

――試合中、相手への対応にうまさを感じたが、どのように指示していたのか?

僕だけでやったことではないと思います。いろいろな指導者の方々とかかわる中で、3年生が3年間全国大会に出場して、ベスト8を2回経験しているということで、場に慣れていたり経験値が高い。(選手たちは)こちらが気付いたことを提示するだけで理解してくれて、やり取りがスムーズだったなと思います。

■選手は伸びしろがある


初優勝を飾り喜びを爆発させる広島皆実イレブン

――インターハイ、高円宮杯などで逆転負けを喫しているが、最後まで勝ち切れるようになった要因は?

昨年まで(選手権で)ベスト8が続く中で、選手が現状を打破するために攻撃力を上げたいということを掲げてきたんですが、それに応じて「行け」と。勢い任せでカウンターを受ける場面がすごく多くて、チームとしてのスピードコントロールやバランス、攻守のコントロールについては練習でも取り組んできました。選手たちが攻撃を掲げてきた以上、僕の方も守備からとはなかなか言えなかったので、その辺のバランスを取れたのが(昨年9月の)高円宮杯以降になったのかなと。

――戦前のゲームプランを教えてほしい

選手には申し訳ないけど、鹿児島城西の前線の力を見たときに、失点は覚悟しないといけないなというのは自分の中にありました。それ(攻撃)を受けながらメンタル的なバランスを崩さないように、自分たちの形を示し続けながら守備網を突破して、1点でも相手を上回る得点が取れたらと思っていました。正直、失点は覚悟していました。

――優勝につながった要因の1つとして、広島県の中でもまれてきたというのがあると思うが、どのように考えているか?

広島にはサンフレッチェ広島があります。サンフレッチェの功績はすごく大きくて、ジュニア、ジュニアユースの指導網が確立されていると思います。ユースに上がれるのはごくわずかですが、それ以外にも中体連の先生方も含めて、サッカーが好きでプレーしている子が高校に入ってもプレーできるという、広島のたくさんの高校、チームが切磋琢磨(せっさたくま)しながらやっていると思います。プリンスリーグは厳しい戦いですし、(選手権の)県大会でも準決勝、決勝と激しい試合でした。サンフレッチェ広島がすごく強かった時代がありましたので、今回に大きくつながっていると思います。

――サンフレッチェ広島ユースに対抗するために、どのような取り組みをしてきたか。結果につながった部分は?

(広島ユースは)本当に強い時期がありました。(広島皆実が)2年間、選手権の出場を逃した時がありましたけれど(2004年度、05年度)、その時(広島)観音高校が(インターハイで)全国優勝しました(06年度)。強いチームで、指導者の方々が強化を創意工夫されているチームに対して、(広島皆実が)どのように構えるかというところで今の守備力の基礎ができあがったのではと思います。

――決勝のメンバー表を見ると約半数がJリーグの下部組織出身の選手で、3年生の6人がサンフレッチェ広島ユース出身。彼らが高校でどのように成長してきたかを教えてほしい

入学したときはユースに上がれなかったということで、多少は悔しい思いはあるでしょうが、高校3年間での伸びしろを考えています。サンフレッチェ広島から預かっているという意識もありますし、預かった以上は負けないように育てなければいけないというプレッシャーもあります。選手のメンタリティーは個人個人で違いますし、いろいろなアプローチをしています。

――具体的なアプローチの方法は?

そのときどきですが、僕に限らず先代の鯉迫(勝也)先生や加藤(俊夫)先生が、おごっている選手、挫折感を味わっている選手に接して、プリンスリーグで(広島ユースと)直接対戦することができますし、3年間で変わることができると。卒業生の森重(真人/大分トリニータ)や吉弘(充志/コンサドーレ札幌)、(柏)レイソルの山根(巌)も含めて、大学で頑張っている選手の話などをしながらやっています。

――劇的に変化したか?

もちろん、中体連の子もいます。点を取った金島(悠太)などは吉田中、田舎の出身ですけど。3年間をあらためて(振り返って)、選手は伸びしろがあるなと。
(スポーツナビ)