五回に2ランを放ったラミレス。森野(左)にスクリューパンチを浴びせているわけではありません。でも「4発」返しに「クリーンアップそろい踏み」返し。森野も中日も結局はイテテ…
(セ・リーグ、巨人11-1中日、14回戦、巨人9勝5敗、29日、東京ドーム)あ~っ、スッキリした。ガツン×4。借りはすぐに返す。巨人は29日、中日14回戦でアレックス・ラミレス外野手(34)の14号2ランなど4本の本塁打が飛び出し、11-1で完勝。計480メートルの「4発」に「クリーンアップそろい踏み」ときっちり前夜のお返しをして、ゲーム差を再び「2.5」に広げた。
走る必要はなかった。スタンドインを確信していた。1歩、2歩…歩き始めたラミレスにG党の大歓声が届く。五回一死一塁。打球はオレンジ色に染まる右中間席へ弾丸ライナーで突き刺さった。
「最高の気分だね。今シーズンで一番の感触かもしれない。きょうは、クリーンアップみんなが打てたし、チーム一丸の勝利だよ」
これで8-0。後半戦初となる14号2ランが、9連勝中の落合竜の勢いを止めた。ゆっくりとダイヤモンドを一周したラミちゃんは、原監督とお約束のグータッチで喜びを分かち合った。
「(中日の)連勝はいつまでも続かない。下を向かずに集中してやれば大丈夫だと思っていた」
前日28日は、強竜のクリーンアップ(森野、ブランコ、和田)そろい踏みで4発KO負け。ゲーム差は「1.5」に縮まった。このカード3連敗しても巨人は引き分け数が多いため、順位が入れ替わることはなかったが、チームにはピリピリムードが漂っていた。
G党スッキリの“爆勝”だった。一回、ラミレスの先制適時二塁打から古城の2号3ランまで5連打で一気に6点。五回は、ラミレスの一発に続いて5番の亀井が12号ソロ。七回には3番小笠原も24号2ラン。4発には4発。クリーンアップそろい踏みにはそろい踏み。完ぺきなお返しだ。
2月の宮崎キャンプ。「やっぱり34歳になったからかな。体重が落ちにくいんだ」とラミレスがもらした。夜は、ほとんど外出しなかった。朝は全体練習開始の1時間以上も前から一人でトレーニング場にこもり、黙々と下半身のウエートトレに励んだ。大好きなコーラを飲むのもやめた。来日時に105キロあった体重は、シーズンに入って90キロ台をキープしている。努力が来日9年目を迎えた最強助っ人を支えている。
「きのうの悔しさがみんな出た感じだったね。チャンスでことごとくいい本塁打が出たし、クリーンアップがそろい踏みしたのも大きい。あすは、がっぷり四つになって戦いたいね」
原監督は次戦に向けて手綱を締めた。残り57試合。落合竜との攻防は、まだまだ続く。(サンスポ)