「The First Navig.'09」最終戦トピックス
KENTA(下)が雪崩式ジャーマンなどを繰り出し、鼓太郎を振り切る
プロレスリング・ノア「The First Navig.’09」シリーズ最終戦となる25日の後楽園ホール大会では、メーンイベントでGHCジュニアヘビー級選手権試合が組まれたこともあり、バルコニーや立見席までギッシリと埋まるほどの超満員となる2100人を動員した。
KENTAvs.鈴木鼓太郎のGHCジュニアヘビー級王座戦は、王者KENTAが流血戦の末に鼓太郎をgo2sleepで下し、3度目の防衛に成功。試合後、リング上から次期挑戦者に中嶋勝彦を指名し、2.11健介オフィス・後楽園大会のメーンイベントで行われる両者の一騎打ちがタイトル戦となることが決定的となった。
KENTAと鼓太郎は昨年、GHCジュニアタッグ王座をめぐって数々の因縁を繰り広げており、6.1札幌(KENTA&石森太ニ組vs.鼓太郎&リッキー・マルビン組)では王者のKENTA組が勝利したが、鼓太郎がヒール転向後、7.13博多で行われた防衛戦(KENTA&石森組vs.金丸義信&鼓太郎組)では、平柳を使った反則攻撃の末に鼓太郎がKENTAから初フォールを奪取した。
9.6日本武道館での「日テレ杯争奪ジュニアタッグリーグ戦」では、公式戦&優勝決定戦ともにKENTA組が2連勝したものの、12.7武道館で行われたリマッチは流血戦の末に鼓太郎がレクイエムでまたもKENTAに勝利した。
今シリーズ開幕戦の1.12ディファ有明でも、鼓太郎はイス攻撃の罪をKENTAになすりつける偽装工作で反則勝ちを収めており、今回のタイトル戦を前に「使えるものは使う」とセコンドの乱入や凶器攻撃を予告。一方のKENTAは「チャンピオンらしい戦いを見せる」と真っ向から受けて立つ覚悟を見せていた。
■KENTAが中嶋を次期挑戦者に指名
流血を強いられるも完全フォール勝ちを奪ったKENTA(右)
タイトル戦という神聖な舞台でも、鼓太郎はいつも通りの小ずるいファイトを展開。レフェリーの死角を突いての急所蹴りや、場外での凶器攻撃を見せ、昨年12月に続いてKENTAを鉄柱攻撃で流血させる。さらにはセコンドの平柳玄藩を利用し、開幕戦と同様にイス攻撃の罪をKENTAになすりつけたニセの凶器攻撃をアピールするが、ご丁寧に血のりまで使ったにもかかわらず、リングサイドから一部始終を見ていたジョー樋口GHCタイトル管理委員長の“物言い”により、鼓太郎の工作は見破られた。
「ブン殴ってやりたいと思った」という気持ちをグッとこらえ、あくまで「チャンピオンらしい戦い」を貫いたKENTAは、凶器に頼ることなく、自らの力だけで鼓太郎を打ちのめすと、この日2発目のgo2sleepで勝利。圧倒的な力の差を見せ付けた。
30分を超える死闘の直後にリング上で勝利者インタビューに応えたKENTAは、「中嶋とやります」と自ら次期挑戦者に中嶋を指名。会場後方から現れた中嶋も「2月11日、この場所で今度は僕が勝ちたい」とその場で快諾した。
KENTAと中嶋は昨年6.13大阪で初めてシングルマッチで対戦し、KENTAが勝利していることから、「彼には1回勝ってるし、向こう(健介オフィス)の大会の最後にオレが勝つのもいい」と敵地でのV4防衛に自信。「やるかやられるかの気持ちを試合で見せたい」と真っ向勝負を予告した。
■GHC王者・健介が秋山に心理戦
合体の鬼嫁殺しを秋山(右)に浴びせる健介
セミファイナルではGHCヘビー級王者・佐々木健介が中嶋と組んで、秋山準&谷口周平組と対戦。3.1武道館で行われることが濃厚なGHC王座戦を前に、健介が次期挑戦者の秋山を「最高の屈辱」で挑発した。
秋山は昨年12.7武道館で行われた「次期挑戦者決定戦」で勝利し、健介への挑戦権を手に入れたものの、現時点では正式なタイトル戦は決定しておらず。しかし、シリーズ開幕戦から両者ともに「3.1武道館でのタイトル戦」を激しく意識しており、この日の直接対決でもお互いの感情が形となって火花を散らし合った。
先発こそ若い2人に譲ったものの、いざ向かい合うとチョップ、エルボー合戦や力比べなどで激しくぶつかっていった両者だが、明暗を分けたのは16分過ぎ。まずは健介が中嶋との合体技・鬼嫁殺し3で秋山を場外へ追いやると、谷口にも鬼嫁殺しを炸裂。さらに、谷口を助けるべくリングに戻ろうとする秋山の目の前で、パートナーの谷口をつかまえ、掟破りの逆エクスプロイダーを炸裂。そのまま3カウントを奪い取った。
この健介からの無言のメッセージに秋山も怒りを爆発。互いのセコンド陣が吹っ飛ばされそうになるほど、まさに一触即発状態となった。
「自分の技をやられるのが一番ムカつく」という心理を利用して、秋山に揺さぶりをかけた健介は、自分の腰にベルトを巻き、「絶対におまえにこのベルトは渡さない」と宣言。来るべき決戦の時を前に「もう来るところまできている」と抑えきれない気持ちを爆発させた。
■ヨネと力皇が新ユニット結成を表明
ヨネ(左)と力皇が結託
開幕戦から森嶋猛とのタッグ解消を匂わせていたモハメド ヨネがついにアクション開始。第5試合で森嶋と組んでクリス・ヒーロー&クラウディオ・カスタニョーリ組と対戦したヨネは、森嶋と元GHCタッグ王者らしい息の合ったファイトを見せたものの、森嶋がバックドロップでカスタニョーリに勝利した直後に一変。乱入したきた力皇猛と共に森嶋に襲いかかると、ヨネがギロチンドロップ、力皇がラリアットを放って森嶋をKOした。
「これがオレたちのやり方だ。チームをどんどん増やしていくからな」とリング上からアピールしたヨネは、「2人でノアを変えていく」と宣言。力皇も「みんながおとなしくしているなら、オレは決別宣言する」とノアの他の選手にも奮起するよう呼びかけた。
■プロレスリング・ノア「The First Navig.’09」最終戦
1月25日(日)東京・後楽園ホール 観衆2100人(超満員)
<第7試合 GHCジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
[王者]○KENTA
(32分05秒 go2sleep→エビ固め)
[挑戦者]●鈴木鼓太郎
※第16代王者が3度目の防衛に成功
<第6試合 タッグマッチ 45分1本勝負>
○佐々木健介、中嶋勝彦
(18分31秒 エクスプロイダー→体固め)
秋山 準、●谷口周平
<第5試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○森嶋 猛、モハメド ヨネ
(11分29秒 バックドロップ→体固め)
クリス・ヒーロー、●クラウディオ・カスタニョーリ
<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
三沢光晴、小川良成、○潮崎 豪
(18分00秒 ゴーフラッシャー→片エビ固め)
ブキャナン、キース・ウォーカー、●ボビー・フィッシュ
<第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
田上 明、力皇 猛、○菊地 毅
(12分00秒 青木の腕ひしぎ逆十字固めを切り返して→エビ固め)
齋藤彰俊、杉浦 貴、●青木篤志
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
丸藤正道、●伊藤旭彦
(14分08秒 タッチアウト→片エビ固め)
○金丸義信、平柳玄藩
<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○石森太二、太田一平
(10分15秒 450°スプラッシュ→エビ固め)
リッキー・マルビン、●宮原健斗
(スポーツナビ)