キリンチャレンジカップ フィンランド戦、W杯・アジア最終予選 オーストラリア戦
親善試合のフィンランド戦とW杯予選のオーストラリア戦のメンバーを発表した岡田監督
登壇者:岡田武史(日本代表監督)
<フィンランド戦、オーストラリア戦招集メンバー>
GK:都築龍太(浦和)、川島永嗣(川崎)、菅野孝憲(柏)
DF:寺田周平(川崎)、中澤佑二(横浜FM)、高木和道(G大阪)、田中マルクス闘莉王(浦和)、駒野友一(磐田)、長友佑都(FC東京)、安田理大(G大阪)、内田篤人(鹿島)
MF:中村俊輔(セルティック/スコットランド)、橋本英郎(G大阪)、稲本潤一(フランクフルト/ドイツ)、遠藤保仁(G大阪)、中村憲剛(川崎)、松井大輔(サンテティエンヌ/フランス)、今野泰幸(FC東京)、長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)、香川真司(C大阪)
FW:玉田圭司(名古屋)、巻誠一郎(千葉)、大久保嘉人(ボルフスブルク/ドイツ)、田中達也(浦和)、岡崎慎司(清水)
■オーストラリア戦では今までやってきた成果が見られる
今回はオーストラリア戦を第一に想定してメンバーを組みました。海外組は(2月4日の)キリンチャレンジカップには間に合わないので、(フィンランド戦は)少なめの人数になりますが、このメンバーで最後までいきたいと思います。途中で再選考はしません。
ホームでやるにしては25名と、1、2名くらい多いかもしれません。これは海外組が5人いて、(彼らが)直前の試合でけがをするなどのアクシデントが起こるかもしれないということで、この人数になりました。もっとも国内組もまだ始動したばかりの時期で、最初から集めておかないと途中で呼んでもすぐ戦力になるとは限らない、このことも考慮しました。
全体のバランスとして海外組がどうしても中盤に固まっているので、フィンランド戦では中盤が少し薄くなるかもしれませんが、何とか乗り切れるだろうと考えています。
ともかくこの時期の試合は、ゲーム感覚を取り戻すためにある程度激しい試合をしたいと思っています。フィンランドは国内組中心で来て、今日から(日本に)入ってキャンプをして、そして練習試合もあると。若手中心なのでモチベーションも高く来てくれるので非常にありがたい。直前にベテラン組が来ていい加減にやられるよりは、ずっとありがたいです。われわれはゲーム感覚をつかんで、オーストラリア戦にいい形で臨みたいと思っています。
――川口がリタイアしたが、GKの追加招集は考えなかったのか?
本来であれば(28日の)バーレーン戦も3名で行くはずだったんですが、菅野が(天皇杯の決勝で)元日まで試合をやっていたので、(その前のイエメン戦の合宿に)呼べませんでした。3名という人数自体は妥当だと思います。この後も追加招集は考えていません。いろんな選手がけがをすることが今後もあると思いますが、われわれは十分やっていけるということで選んでいるので、心配はしていません。
――海外組の合流のタイミングと、闘莉王のコンディションはどうか?
まだ最終決定ではありませんが、(中村)俊輔だけが早めに招集できる可能性があります。(所属先のセルティックは)カップ戦があるのですが、対戦相手が3部リーグのチームなので、クラブも同意してくれるだろうという情報を得ています。それ以外の選手たちは(オーストラリア戦の)前々日の9日に合流という形になります。
闘莉王に関しては、バーレーンに行く前に(浦和の)フィンケ監督と話した時点で、筋力もある程度まで戻ってきていると。「もしオーストラリア戦を考えているなら、それに合わせた調整をすれば、十分に間に合うと思う」というコメントもいただいています。今回メンバーを発表する前にスタッフが確認したところ、確かに万全ではないかもしれないが、できるのではないかと。そういう意味で、まずは合流してもらって、こちらの目で確認したいと思っています。
■バーレーンに負けたから戦い方を変えることはない
――バーレーン戦の敗戦が今回のメンバー選考に影響したか?
敗戦が影響したことはありません。ある意味、(バーレーン戦は)テストも兼ねていたので、その試合のプレーが選考に影響したことはもちろんあります。
――バーレーンに敗れて出た課題はあるか?
わたしが監督になってから、バーレーンに2回、アウエーで負けています。少し異常な数字だと思います。彼らに2回負けるのは自分の中でも許しがたいことなんですが、どうも彼らとはタイミングが合わない面もあります。
ともかく、われわれはそのバーレーンに負けたから戦い方を変えることは全くしません。選手にも言いましたが、確かに負けたことは悔しいし、反省もしないといけない。だが、反省ばかりしていても仕方がないですが、われわれができることは、あとの日数でオーストラリア戦に向けて今まで通りベストを尽くすこと。それはわたし自身、何も変わっていません。
当然、この時期に本気の相手とやるとプレッシャーがきつく感じると思います。どうしてもボールを引き出すのが怖くなります。そういう意味で、まずボールをシンプルに動かしていくところを、元に戻さないといけない。コンセプトから見ていくと、ここ2試合は少し落ちています。それを戻さないといけません。そのためにもプレッシャーの中でのゲーム感覚が一番大事かなと思います。
――ゲーム感覚が空き、チームとしてのパフォーマンスが戻らないということを繰り返しているように思えるが?
今回、試合内容を見られた方、見られなかった方いると思いますが、チームがやろうとしていること、例えば意識がバラバラだったとか、そういうことはなかったと思っています。ゲーム感覚やコンディションの問題がある中で意識がバラバラだった試合とはまた違います。オーストラリア戦に向けて、久しぶりに合流するメンバーもいますが、彼らはある程度(コンセプトが)分かっているメンバーなので、心配はしていません。
――オーストラリア戦では、今までやってきたサッカーがどのように反映されるか?
正直、オーストラリアはアジアトップレベルのチームです。あれだけ個人技術がしっかりしているチームはアジアではあまり見られません。(イングランド・プレミアリーグの)ウェストハムで主将を務めるセンターバックのニールという選手がいますが、DFでありながら、あれだけパスを出せる選手はアジアではいません。
でも、われわれはこのような相手に勝つために最低限やってきたつもりです。そういう意味で非常に楽しみにしています。マンツーマンで(マークに)付かれて下がって守られるよりも、こういう相手に勝つためにやってきたつもりなので、この試合ではやってきたことの成果が見られると思っています。
――オーストラリアはここまで最終予選で1点も取られていない。彼らのディフェンスやGKの強さについては?
GKは素晴らしいです。何試合も見ましたが、そう簡単にゴールは入らない。ただ、世界中には素晴らしいGKが多くいますが、みんな点は入れられています。絶対にゴールが入らないわけではないので。ただ、それなりに工夫をしないといけないと思っています。
それとオーストラリアの個々のディフェンス能力、1対1の競り合いは抜群に強いので、それを破るにはわれわれは人数をかけて攻めないといけません。それが具体的に何かは勘弁してもらいたんですけど(笑)。
(スポーツナビ)