男子90キロ級3回戦でチョリエフに敗れ、うつむく小野(手前)。セコンドについた篠原監督も呆然
柔道世界選手権第4日(29日、オランダ・ロッテルダム)日本男子は90キロ級の小野卓志(29)=了徳寺学園職=が3回戦で敗退し、開幕から5階級で金メダルなし。大会史上初めて日本男子優勝者がゼロに終わる可能性が出てきた。女子70キロ級では渡辺美奈(23)=コマツ=が銅メダルを獲得。同78キロ級の中沢さえ(26)=綜合警備保障=は1回戦で世界ランキング1位のセリーヌ・ルブラン(フランス)に競り負けた。
もう瀕死(ひんし)の状態だ。栄光を彩った日本男子柔道界が、落日の危機にさらされた。
「すいません。全然ダメです。向こうは死にものぐるいだった。相手の方が気持ちが強かった」
敗れた小野が声を絞り出した。初戦の2回戦は残り2分20秒、払い腰で一本勝ちしたが、膨らんだ期待はあっさりしぼむ。3回戦のチョリエフ(ウズベキスタン)にはパワーと気迫で圧倒された。手数が出ないまま指導2つで有効を奪われ、そのまま畳を下りた。
男子は5階級を終えて73キロ級の平岡拓晃(了徳寺学園職)の銀が最高。無差別級のみ行われた昨年の世界選手権(ラバロワ)を除けば、五輪&世界選手権で「金ゼロ」はない。残すは最終日の2階級のみだが、100キロ級の穴井隆将(天理大職)は初出場で経験不足、100キロ超級の棟田康幸(警視庁)も最近の大会は不調続きと、厳しい状況に変わりはない。
全日本柔道連盟(全柔連)の吉村和郎強化委員長は「もっと厳しくやっていく。男子は代表になっただけで満足している」と怒り心頭。今年の体重別日本一決定戦、講道館杯には、今大会の金メダリスト以外を強制出場させる意向も示した。
「私の考えが甘すぎた。しっかりやってきたつもりだが、まだ足りなかった」と篠原信一監督も1日を残して“白旗”をあげた。前日は小野を部屋に呼んで激励し、この日は初めてセコンド入り。最終日も穴井につき、昨年引退したシドニー五輪金メダリストの井上康生コーチを棟田につける。負のスパイラルを止める手だては打った。
「男子はダメだと思われているだろうけど、いい訳はしたくない」と小野。前回大会は8階級で金1銅1、北京五輪も7階級で金2個。過去の栄光に陰りが見え始めた男子柔道が、屈辱の波を瀬戸際で食い止めるか。(サンスポ)
厳しいですね
昨年の北京五輪から見ていましたが、男子柔道は
世界のレベルから完全に引き離された感じですからね。
日本柔道スタイルにこだわり過ぎじゃないですかねぇ~
日本柔道のスタイルが通用しないとは言いませんが、世界と戦っていくには
世界の柔道をもっと取り入れていく柔軟さも必要じゃないですかね?
伝統を重んじるも分かりますが、この成績が現実ですからね。