アジア批評。

アジアのエンタテイメント全般(映画・音楽等)の紹介とツッコミ。

イニDリスペクト。

2006-07-29 05:57:49 | くれい(その他)
『ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT』を観たら、
製作者が『イニD』をやりたかったのがミエミエ。

で、去年の取材中に、アンソニー・ウォンが発した言葉を思いだした。
「ドリフトは、アジア人ならでは考え方だ。
まっすぐな考えしかない欧米人にはわからねぇよ!」

でも、MCハマーのデジカメに、柴田理恵の上履き、
釣り人と化したドリキンなど、素晴らしい描写も多い。
この台湾人の監督、次回作は『オールドボーイ』のハリウッド・リメイクだったが、流れたようだ。
個人的には北川景子には『間宮兄弟』ぐらい暴れてほしかったし、
アンブロウズ・シューの悪役が観たかった。。。

ちなみに8月19日から新宿武蔵野館で、『イニD(字幕版)』の再上映決定!
夏休み、藤原親子に会いに行こう。

『做頭』やります。

2006-07-28 04:02:14 | くれい(その他)
現在ひっそり公開中の『姐御~ANEGO~』、
次回公開の『チャンドラムキ』に続いて、
イメージフォーラムで、今秋公開決定!

気になる邦題は『ウォレス・フォ 愛さずにいられない』。

スタンリー・クワン&ウィリアム・チョンという、2大ブランド。
ロザムンド・クワンとフランシス・ンが夫婦という、魅惑のキャスティング。
映画初出演となるウォレスも、TVドラマよりエロい!


七月七日、晴れ。

2006-07-06 23:14:27 | くれい(その他)
明日は七夕(チルソク)なので、
『チルソクの夏』でなく『猟奇的な彼女』(できればDC版)を観よう!

以下、日本公開数ヶ月後に「CREA」に寄稿した原稿を「アジア批評Ver.1」用に直しを入れた改訂版。
その後、コメンタリーの入った日本版DCのリリースや“エピソード0”だった『僕カノ』の公開など、
いろんな「事件」(キム・イルの訃報も含む)があったが、
改めて読んでも、これは暴走しすぎ。

チョン・ジヒョン演じる彼女の名前は明かされないが、チャ・テヒョン演じるキョヌは漢字で書くと牽牛。
牽牛とは七夕伝説の“ひこぼし”として知られる牛飼いの名前だ。
つまり、本作を現代の七夕伝説としてみると、感動倍増。
ちなみに、織姫(チンニョ)と牽牛を引き離す天の川。
これについては、元カレとの別れを匂わすシーンがありありなので、要チェック! 

さらに、インパクトが強すぎるタイトルばかりに気を取られ、
じつは“彼女のひとめ惚れから始まった物語”ということに意外と気づかない。
あまりに元カレに似ていた、キョヌと初めて会った地下鉄。
ここで彼女は席を譲らない男を「ピンクの服は似合わない」と罵倒する。
ピンクのセーターを着たキョヌが近くにいるからだ。
それだけに翌日、キョヌを呼び出す彼女はピンクを着るが、キョヌは黄色シャツ。
互いに空色で揃ったときは、同じ空色を着たタバコのポイ捨て男と遭遇。
そのとき、彼女は「電話ボックスと同じ色を着るな!」と罵倒する。
このペアルック騒動(!?)、“付き合って100日記念”の学生服でピークを迎える。
つまり、彼女のひとめ惚れとみれば、ゲロったた直後の“ダーリン”や愛情の裏返しである暴力が理解できるのだ。
また、キョヌが居酒屋で彼女に差し出すハンカチは、過去に電車内で鼻血を出したときに、
彼女に差し出されたものと同じものであることも付け加えておこう。

次に、彼女が丘の木の下で会う老人は、未来のキョヌである。
「運命は努力した人にだけ、偶然という橋を架けてくれる」と言う老人に対し、
キョヌは「~偶然という橋を与えてくれる」と言うし、彼女の書く脚本の主人公がどれも未来人という伏線もキッチリ。
ちなみに、前出の地下鉄で席を譲らない男が去っていくときには、老人がキョヌを凝視しているので要チェック。
さらに、彼女がキョヌからの手紙を読んだ空には、未来のキョヌが乗ったUFOが飛行する(右から左へ飛んだ後、上昇)。

また、UFO同様に話題になったのが、五つ子の行方。
ホテル部屋にある“五つ子誕生”の新聞記事が示すように、ひとりの俳優(キム・イル)が五役を演じている。
ホテルの主人、台帳の記帳にくるホテル従業員、留置所のヤクザA(キョヌが泊まった日)、
留置所のヤクザB(彼女が迎えにきた日)、そして、調整室の地下鉄駅員。
じつはヤクザA・Bという考えはムリがあるもので、女子大の警備員という配役が予定されていたが、キムのスケジュールで変更されたのが正解。
ちなみに、ホテルの受付と地下鉄調整室にはしっかりと新聞記事があるので、こちらも要チェック!