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陶芸工房 朝

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100,000年後の安全

2011年07月10日 | 日記・エッセイ・コラム

 これはドキュメンタリー映画の題名です。

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 北欧フィンランドのオルキオオトに、世界初の

高レベル放射性廃棄物の永久地層処分場の建

設が始められています。 実は、10数年前、こ

のオルキトオトの現場を視察をしたことがありま

す。荒涼とした山地に掘られたトンネルの地層は

1万年に数ミリしか動かない岩盤層だと聞きまし

たが、安全の保障がないということで、当時まだ

決定のゴーサイは出されずにいました

     (日本ではまだ候補地さえありません。)

           *        *

   誰にも保障できない10万年後の安全。

 映画は、これをめぐって科学者たちが、現場か

ら語るこもごもの思いをドキュメンタリータッチで

捕らえながら、最先端の科学技術世界の持つ不

条理をうまく表現しています。

     *            *

 今ここにきて、ようやく原子力の是非を人々が

日常的な言葉で話り始めました。原子力には、今

回のような直接的な被害もありますが、忘れては

いけないのが、発電を続けるかぎり発生する高レ

ベル放射性廃棄物の存在です。半減期が何万年

にもなるこれらの物質の危険のメッセージを、10

万年後の未来の人類にどうやって届けるか、記号

か? 文字か? 絵画か?

 誰にも保障できない「10万年後の安全」につい

て、確信をもって語れない科学者たちの素顔をア

ップでとらえながら、人類という視野にたって、こ

の問題に真正面から取り組んだ貴重な映像です。

 私たちの想像を遥かに超えた10万年後の人類、

そこに思いをめぐらす学者たち、思わず笑える会

話があったりしながらも、これから長い長い地底の

眠りにつく放射性物質たちこと考え、暗い気持ちで

帰途に着いたのでした。

    映画はサールナートホールで29日まで。

  この地味な映画に、10人ほどの観客がいたことは

             うれしいことです。


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