らいちょうのあし日記

山登りが大好きで今日も日本のどこかで歩いています

剱岳遠征後半・八ッ峰6峰Cフェース

2012年10月18日 | バリエーション

10/6 夜。明日はいよいよチンネ登攀だと思うと緊張してなかなか眠れない。
それよりお天気が心配だ。外気温は夕方頃からグングン下がり、ついには雪が舞い始めた。
21時、K氏がトイレに行こうとしてテントのジッパーを開けようとしたが凍りついて動かない。
秋から、一気に冬に様変わりしたようだ。


10/7 午前3時15分起床。雪が降って岩肌が濡れている。
チンネ登攀はこの天候では少し厳しい。 しばらく様子をみることにする。
午前6時、今回のチンネ左稜線は延期に決定。
代りに、昨日予定していた八ッ峰6峰Cフェース・剣稜会ルート登攀をすることになる。
このルートは人気が高いらしく、私たち以外に2パーティが登攀していた。


登攀準備を整えて9時に出発。
遠くから見ていたCフェースは切り立っているように見えて少し不安なワタシ。
しかし実際に目の前に現れたのは、登攀意欲をそそられる楽しそうな岩壁だった。
雨がポツポツと降ってくるが、負けないぞ!と気合いを入れる。


トップをらいちょうリーダー、セカンドをワタシでラストがK氏。
久々のダブルロープで登攀開始。リーダーは初めてのカムを問題なく使いこなしているようだ。
途中、所々で脆い場所があるので落石しないように気をつける。
始めの辺りは、まだ楽勝だな~と笑顔で登るワタシ。
しかし途中から雨が再び降り出し、快適とは言いがたい条件下での登攀となる。


4ピッチ目は、いよいよこのルートのハイライトである。
両側がスッパリ切れ落ちた高度感あるナイフリッジを20m登る。
ホールドはしっかりあるが、高いとこ好きのワタシもさすがにここは緊張した。
5ピッチ目のやさしいリッジを登りきるとCフェースの頭に到着。


Cフェースの頭からは、5・6のコルまで慎重に戻る。
このころになってようやく天気が回復してくる。ガスの切れ間に八ッ峰下半部が姿を現す。 


コルまでの下りは、一年前八ッ峰主稜を縦走した時の記憶を辿りながら行く。
登りはいいが、ここを下るのは結構大変だ・・・


懸垂箇所は2回あり、問題なくコルまで戻る。
Cフェース取付き近くに置いていたピッケルとバイルを回収してからビバーク地へ向かった。
 


10/8 午前3時起床。外はまだ真っ暗だが、空は星空が見えている。
今日は良いお天気になりそうだ。朝食を済ませ、荷造りを済ませて5時に出発。
最終日は、再び本峰山頂まで登り返して早月尾根を下るおよそ9時間コースの長丁場だ。


太陽で赤く染まる北方稜線。
2日前は、左俣を下ったが非常に足場が悪かった為、右俣を登る。
こちらの方が岩が安定していて歩きやすいことこの上ない。
ここを登りきると池ノ谷乗越に出て、北方稜線から山頂へ向かう。


どんなときでも言えるが、とくに長次郎のコルまでは気が抜けない。
落石だけは避けたいと、慎重に足を置く箇所を見極めながら進む。


午前8時、剱岳山頂に再び帰ってきた。
朝早いこの時間でも、山頂は連休と快晴が重なってか多くの登山者で賑わっていた。
私たちも山頂からの景色を存分に楽しんでから、早月尾根へと下る。


紅葉真っ盛りの登山道を4日間の山行を思い返しながら馬場島まで歩く。
途中、早月小屋はもうすでに小屋閉めをしてひっそりしていた。
そうか、山はもうすぐ冬がやってくるんだな。
馬場島には14時30分に無事に下山する。

チンネ左稜線は、必ず来年再び挑戦しよう。
一年後に、もっと成長した自分になって・・・

 

 

 

 




 






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