らいちょうのあし日記

山登りが大好きで今日も日本のどこかで歩いています

ドバイ旅行~子連れで初めての海外旅行(前半)~

2016年12月31日 | 海外編

11月下旬、我が家は3歳のお誕生日をまもなくむかえようとする娘を連れて、
家族3人で初めて海外旅行に行った。
行き先はアラブ首長国連邦・ドバイ。何故、ドバイを選択したかというと…
以前からかねがね中東の国に興味があり一度行ってみたい。
とくにイスラム教の人々の暮らしや環境がどんなものか知りたい。
そんなときに、ドバイに仕事で10年住んでいたという友人に色々と話しを聞く機会があった。
それがきっかけで、では一度行ってみようということになったのだ。
心配していた治安は、ほぼ問題ないとのことが娘を連れて海外旅行へ行く決心を強めた。
それでも出発前日まで、この旅行に娘が困る様なことはないかとドキドキはしていたのだが…


羽田空港を夜中12時過ぎに出発、エミレーツ航空直行便でドバイへ向かう。
快適な空の旅を12時間近く過ごして、現地に朝7時半到着。
入国審査は長蛇の列であったが、子供連れファミリーは優先レーンを使わせてもらい
あっという間に終わる。


空港の外は出て、まずはタクシーでホテルへ向かうことにする。
11月後半とあってか、思っていたよりも涼しい。
夏だと50度近くまで気温が上がるらしいから、この時期はベストシーズンだろう。
普通にタクシーを呼ぶとリムジンみたいな高級タクシーが来たが、違うよ乗らないよと断る。
私たちは、下調べしておいたピンクタクシーに乗り込む。
女性ドライバーで安全運転で好評とのことであるが日本人には若干スピードの速さに
驚かされる。


空港から20分程でホテル到着。
デイラ地区にあるハイアットリージェンシードバイが旅行前半のホテル。
オールドドバイを観光するなら、立地の良さとホテル内の充実度、居心地の良さで満足度100%。
娘もその快適さに大喜びである。


日本との時差5時間、また移動疲れも少しあり娘はすぐに寝てしまう。
ホテルの部屋にチェックインできるのは15時なので、それまで近辺の観光に出かける。
オールドドバイは、アラビア文化の旧市街とあってなんとなくのんびりした雰囲気。
前半のドバイ旅行は、このオールドドバイを中心に観光する。


歩き始めて、すぐに食堂らしきものを見つける。メニューからして、インド料理のようだ。
かなりローカルな感じのお店で店内は、地元の男の人たちしか入っていない。
私たちもお店に入ってみる。ランチタイムだから、初めに注文したケバブは無いと言われる。
仕方なしに2種類のカレーとナンを注文する。もちろんインド式だから、手で食べる。
そしてこれが、あまりにも美味しすぎてもう堪らないぐらい。あぁ、もう一度食べたい…
ちなみに全部で600円程度。


その後、野菜・魚・肉・果物のスークへ足を延ばす。
魚は、見たことのないものがいっぱいで見るだけでも本当に楽しい。
果物の種類も豊富で、大きなマンゴーを購入。
ココナッツは、オジサンがエイッと上部を切ってストローをさしてくれて3人でフレッシュな果汁を飲んだ。
これは、娘が一番美味しそうに飲んでいた。
食肉のコーナーでは、豚肉のみ見えないような端っこにひっそりと販売されている。
そうだ、ここはイスラム教の国なのだ。豚とアルコールはタブーである。

もっと歩き回りたかったが、さすがに疲れてきた…
気温が暑いせいもありホテルに戻り、結局この日はそのまま寝てしまう。



翌朝、ホテルで朝食を摂ったあと早速観光に出かける。
まずは渡し舟アブラに乗船して対岸のバール・ドバイ地区へ向かう。
運賃は1DH(約30円)だ。


船に乗るお客がいっぱいになると出発する。
水は結構きれいだ。行き来するたくさんの船を見ながらわずか5分で到着。
日本でいう手漕ぎボートの少し大きい感じのアブラ、とっても乗り心地が良くて楽しい‼


まずはドバイ博物館へ向かう。ここが結構込み合っている。
また娘の年齢では博物館はまったく興味を示さず、あまりゆっくり見れない。
まぁ、仕方ない…
それでも、ドバイが今のように発展する以前の歴史を知ることが出来る博物館である。


続いて、バスタキヤ歴史地区へ。ここは歴史的建造物を保護している遺産地区。
ここでは、娘も自分のペースで走ったり歩いたり自由に出来るのでご機嫌。
散歩するにもちょうど良い広さの区域である。
意外と空いている。


歴史地区内にあるカフェでお茶休憩。
ここ、アラビアンティーハウスカフェはゆったりとくつろげるのでおすすめだ。
まぁ観光客向けでもあるので現地の人は利用していない感じでもある。


アラブティーを注文するとお茶請け?にデーツが添えられている。
そのまま食べてもいいが、ゴマペーストに付けるほうが美味しく頂けた。
オープンカフェで大型扇風機が回っていたが、真夏はどのように対処しているのだろう…?


夕方近くになり、ドバイ・オールドスークをぶらぶら歩く。
見るのは楽しいが、購入となるとそれほどお買い得感もなく、結局何も買わず。
まぁ、今の日本があまりにも何でも安く品質も良いものが手に入るので、わざわざここで買わなくても…
と、いう気になってしまうのだ。


ドバイ・クリーク沿いに散歩を続けてみる。
歩行者天国だから、思いっきり走り回れる娘が一番楽しんでいる。
アル・グバイバの駅を過ぎると少し閑散とした感じもあったが、夕陽に赤く染まる街並みを静かに眺められる。
この後、クリーク沿いのレストランで夕食をとってから再びアブラに乗船してホテルに戻る。


お風呂に入り、娘を寝かしつけてからようやく今夜の一杯。
そう、ドバイでは一般のレストランではお酒が飲めないし街でも販売は一切ない。
やはりここは、イスラムの国なのである。
しかし、ワタシは毎日飲みたい… 
そこで入国したあと免税店で購入したウイスキーをホテルでチビチビ飲むことにする。

オールド・ドバイは他にもゴールド・スークやスパイス・スークなどの見どころがあり観光するには楽しい。
とにかく、いっぱい歩き回るので今回のように比較的涼しい11月に来て良かったと思う。
真夏の観光客の方たち、どうしているのだろう…?
そして、ドバイの旅はいよいよ後半にすすむ。





素晴しきスイスアルプス~ブライトホルン登頂~

2012年08月18日 | 海外編

高度順応トレーニング2日目は、ブライトホルン(4,164m)を登頂することだ。
トレーニングとは言え、人生初の4千m峰登山であるからとても楽しみだ。
昨日のハイキングとは違い、しっかりと雪山用の装備をザックに詰めて出発。


ブライトホルンへは、ツェルマットからロープウェイとゴンドラを乗り継いで登山口まで行ける。
最終の駅、マッターホルングレーシャーパラダイス(3,884m)まではあっという間である。
山頂までの往復チケットはスイスカード提示で一人49.5CHF(約4000円)で購入。


ツェルマットの穏かな気候から一変、一気に辺り一面銀世界へ来たものだから寒さが身体に堪える。
ここは、登山客以外にスキーを楽しむ人たちも結構いる。
しかし、よくまぁこんな高い場所に立派な施設を造れたものだ。
富士山よりも標高が高いのだから・・・


ブライトホルンは、クレバスに気を付けなければいけないのでコンテでスタート。
最初はスキー場と並行して進み、途中から左に進路を変えてルートへ入る。
特に難しい箇所はないが、急に標高の高い所へ来て歩きだしたせいか息が切れるワタシ。
でも、こんなことではイケナイぞ!とザクザク進む。
しかし、ペースが乱れ途中でトップを交替してもらう。


二人とも息切れがあまりにも辛く、また重いザックがかなりの負担に感じる。
2時間のコースタイムだから、もっと簡単で物足りないくらいかと思っていた。
どうも4千m峰を甘く見過ぎていたようだ。
途中で何度か立ち止まりつつも、何とか山頂まで頑張って登る。


ブライトホルン4,164mに登頂。約2時間強で登ることが出来た。
山頂からは、スイスアルプスが一望。素晴しい絶景である。
頂上は片側が切れ落ちており、雪に覆われた細長いスペースがあるだけで、
山頂を示すものは何も無い。
あぁ、ここまで頑張って登って来れて良かった・・・
しばらく景色を堪能してから再びコンテで下山する。

ツェルマットに戻り、ほっとすると初めての4千m峰登山を無事に登頂出来たことを実感。
また、高度順応がいかに大切なものかを身を持って知らされる登山でもあった。

 

 

 



 

 




 


素晴しきスイスアルプス~ゴルナーグラートからツェルマットへ~

2012年08月12日 | 海外編

7月27日の夜に関西空港を出発、イスタンブール経由で翌28日チューリッヒに到着。
そこからは、列車に乗換えツェルマットへ移動。目的地までびっくりするほどスムーズに移動する。
観光立国スイスならではだろう。初めての個人旅行でも、すべてが分かりやすく便利なのである。

さて、今回の旅の目的はマッターホルン登頂である。
旅行ではなく遠征であることをわすれてはいけない・・・
ツェルマットでの行動予定がビッシリ書かれたスケジュール表を見る。
さぁ、まずは高所順応第1日目は、ゴルナーグラートからツェルマットまで標高差約1500mを歩く。
登りは、登山鉄道を使って一気に3090mまで上がる。あとはゆっくり下るのみ。
下るだけだなんて何だか物足りない・・・と思い、歩荷トレ気分でザックにいっぱい荷を詰め込む。
たまには、軽い荷で山を楽しんでもいいのでは・・・と思う。
しかしいざとなると、いやトレーニングだからと重いザックになってしまうのである。


ツェルマット駅8時48分発のゴルナーグラート鉄道に乗車、約30分で山頂駅だ。
ここでは、スイスカードを使って山頂までの片道切符を半額のCHF20(¥1700円程)で購入。
このスイスカードを事前に購入しておけば非常に便利である。
列車の往復切符及び現地滞在中、登山列車やゴンドラ等購入時割引に活用出来るのだ。


始めはガスって何も見えなかった景色が、標高2800m辺りから急に視界が明るくなる。
ローテンボーデン駅通過中、マッターホルンが少し見える。


山頂駅に到着すると、目の前に立派なクルムホテル・ゴルナーグラートが見える。
一度は泊まってみたい高級山岳ホテルだ。


準備体操をして、早速高度順応トレ開始。
標識には自転車マークがある。マウンテンバイクで走り抜けても気持ちよさそうだ。
真っ白なアルプスの山々を仰ぎながらゆっくり歩いて行く。
要所に標識があり道に迷うことはない。また登山道は広く、混みあうようなこともない。
まさにハイキング天国なのである!


リッフェルベルグ2582mまで来たところで、アルプスの羊の群れと遭遇。
カランコロンと首輪の鈴を楽しそうに鳴らして歩いている。
日本の羊と違って顔が黒くて、チリチリの極チリ毛だ。


まだ先は長いので、ここで昼休憩をとる。
日本から持参したフリーズドライのご飯と果物と質素だが、大パノラマの中だから何でも美味しい!


リッフェルベルグからフーリまでは約3時間の行程で、こんな景色がずっと続く。
お花畑も満開、そしてほとんど人とすれ違うことのない静かな山歩きを満喫できる。


15時前、フーリまで下りて来た。
このフーリというところが、またスイスらしいのどかな雰囲気の集落でワタシはとてもお気に入りになる。
みんな、テラスでお茶をしながらこの素晴しい景色を楽しんでいる。
なんて贅沢な時間の過ごし方なんだろう。


ツェルマットには16時前に無事に到着。
楽しい高度順応トレだったが、重いザックでずっと下りだったせいか少し筋肉痛・・・
考えてみると、今日の行程は奥穂高から上高地まで下りるくらいのものだ。
結構疲れるなぁ、と感じるのも当然かもしれない。
しかし、明日はいよいよ人生初の4千m峰ブライトホルンへ登らねばいけない。
しっかり休養して、明日に備えよう。


 

 

 

 


 

 


マッターホルンに挑戦

2012年08月07日 | 海外編

7/27~8/5までの10日間、マッターホルン登頂を目指してらいちょうチームは
スイス遠征に行ってきた。
この計画は一年前から具体的に考え始め、今夏実行へと至ったものだ。
今回のスイス遠征は、すべて個人手配で行い現地ガイドレスである。
遠征に関するすべてを自分たちで考えて決めていくというのは楽しい。
だが同時にいままでの山行の中で一番不安でもある。
でも、せっかく行くならとにかく楽しんで来よう!と、元気よく笑顔で出発する。


7/31 朝10時前、登山口となるシュバルツゼーに到着。
ここからヘルンリヒュッテまでは標高差約700m、2時間の行程である。
雲ひとつない青空の下にマッターホルンが輝いて見える。
これだけ晴れていても、空気が乾燥しているのでとても涼しく夏でも汗をかくことはない。


ヘルンリヒュッテまでは多数のハイキングコースがあり、
分かりやすい立派な標識がたっている。


最後の急登を行くとヘルンリヒュッテに着く。
ここまで来ると、今まで遠くに見えたマッターホルンが急に大きく目の前に聳え立つ。
ヒュッテ前のテラスは、超満員。日本の夏の山小屋と変わらない光景だ。
ここまでは、一般ハイカーも多く世界中からこのアルプスの景色を見るためにやって来る。


少し休憩した後、明日に備えて偵察に行く。登攀具を装着して空身で出発。
ヒュッテ裏から歩き始め、取付きまでは10分もかからない。


どこからでも登れてしまいそうなところがこの山の難しさだ。
ルートファインディング力必須である。
取付きから2時間程、時々迷いながらもルート確認をして下見を終える。


ヒュッテの夕食は19時からだった。スープにメイン、そしてデザートまであった。
隣席の、単独でここまで来られた日本人男性と話しが弾む。
明日は、現地ガイドと一緒にマッターホルン登頂を目指すとのことだ。
朝は起床3時半、3時50分までは出発禁止と受付け横に書いてある。
下見も一応してあるので、明朝は4時半出発と決めて21時に就寝。
この日のヘルンリヒュッテはどの部屋も満員だった。
普段テント生活に慣れているワタシは、こんなギュウギュウ状態では寝られないと心配。
ところが、グッスリ眠れた。もう、世界中どこでも眠れるかも・・・


8/1 朝3時に目が覚める。
もうすでにみんな起き出して準備に取り掛かっている。
予定通りに4時半に出発するつもりでいたら3時50分と同時にほぼ全員がスタートし始めた。
少し焦りつつも簡単な朝食を済ませ予定通り出発する。
日の出前の真っ暗の中、ヘッドランプの明かりを頼りに進んで行く。



出発から2時間、朝焼けに染まる山々が美しい。
現地ガイドの人たちは、かなりのスピードで登っているらしくまったく追いつけない。
もちろん、その先に姿も見えない。このことに、ワタシはまたもや焦りを感じる。


この辺りの岩稜地帯は硬くとても安定している。
しかし、ルートを見つけ出すことに苦労させられる。
高度をあげていくと頭上にソルベイ小屋が見えてきた。
小屋直下のクーロワールで初めてロープを出し、スタカットで登攀する。


ソルベイ小屋(4003m)到着は出発から3時間45分も経過。
ここまで3時間で登る予定だったため45分もオーバーしている。
だが、まだ体力・気力ともにまだ充分あり何とか山頂まで行けそうだ。
ここからはアイゼンを着けて、小屋横にある3級程度の壁から登り始める。


ソルベイ小屋から上部は、傾斜のある岩稜登りがひたすら続く。
登っても登っても、岩・岩・岩。いくら岩登りが大好きでも、こうなると楽しいばかりではない。
しかも、4千m超の登攀はいつもよりも身体が重く感じる。
また、この頃から下降してくるパーティとリッジ上で行き交い、
思うように先に進めず、またしても時間がどんどん過ぎてゆく・・・


山頂まであと300m地点まで来た時、もう体力的にこれ以上登り続けることが危険だと感じる。
登っても、今度は降りなければいけない。
しかし、せっかくここまで頑張って来たんだからと何度も頭上に見える山頂を見つめる。
迷っては少し登り、また迷っては・・・を3回ほど繰り返す。
もう、時間的にも余裕がなくなり下山することを決めた。このとき12時45分である。


時間がかかっても確実に安全に行かねば、と下降は登りよりも慎重になる。
結局ソルベイ小屋まで降りた時は、すでに15時15分にもなっていた。
この日初めての休憩を15分だけとって再び下り始める。

この後は、ひたすらヘルンリヒュッテを目指して降りる。
しかし、岩稜地帯の下りはルートファインディングが非常に困難で何度もルートを見失う。
降りては行きずまり、登り返してまた降りる。そんなことを何度も繰り返す。
もう今日中に無事に帰ることだけを考えよう、時間は気にするな・・・と。
幸い、スイスは緯度が高いので日没は21時過ぎだ。
何とか明るいうちにと思っていたが、陽が暮れてきた。そして、雷がアルプス中に響き始める。
もう少し、もう少し、とひたすら歩き続けやっと分かりやすい道まで来たところで大粒の雹!
雷は頭の上で鳴り響き、最後は小走りでヒュッテに駆け込んだ。
21時40分、ヘルンリヒュッテ到着。行動開始から17時間も経っていた。


8/2 翌朝、昨夜の激しい雷と雹がウソのように青空が広がる。
でも、気温はグッと低くなってヒュッテの前は雹で白くなっていた。
マッターホルンを見上げ、あそこまで登ってきたんだなぁと昨日のことを思い出す。
同時に、ここまで無事に戻ってこられて良かったと実感する。


登頂には至らなかったが、意外に残念だという気持ちはあまりない。
初めての山で、よく頑張ってあそこまで登ったなぁという充実感の方が強い。
そして、絶対にこの次は山頂まで登ってみせるぞ!と決意して下山する。

いままで登った山とは、まったく違う経験が出来た。
もちろん、4千m級の山なのだから気象・環境条件が異なるのは分かっている。
だが、今回私たち二人だけでこの山に挑戦したことで、登頂出来なかった要因が
よく分かった。
そして、そのことが今後の山登りを続けていく中で次なるステップにつなげられる。
マッターホルン、ありがとう!また、挑戦するぞ。