らいちょうのあし日記

山登りが大好きで今日も日本のどこかで歩いています

入笠山~晩夏の山へ~

2017年10月17日 | 縦走

夏山に行く機会がないまま時が過ぎ、気が付けば9月になろうとしていた。
アルプスの山々を満喫すべく歩きたいというワタシの願い。
しかし、娘は背負子にはもう乗りたくない、自分で歩くと強い意志表示。
この両者の願いをうまく両立させてくれた山が今回の入笠山だ。
標高2千メートル近くあるが、下界の登山口から1時間半ほどで山頂。
また、牧場近くのキャンプ場がありテント泊も出来るからゆっくり山を満喫できる。
もちろん、娘には本人の希望通り山頂まで歩けそうなコースである。
夏休み最後の週末、我が家は入笠山に向けて出発する。


入笠山へのアクセスは、JR富士見駅からバスもしくはタクシーで登山口へ。
私たちは、都内自宅から鈍行列車でここまでやってきたのでバスの時刻には間に合わず、
タクシーにて沢入登山口に向かう。所要時間はタクシーで20分だ。
準備体操をして、さぁ出発!


緩やかな登りの登山道を楽しそうに歩く娘。
時間が午後の遅めとあって、他の登山者とこの道ですれ違うことはなく静かだ。
道中、様々なキノコが生えているのを発見しては立ち止まり歌をうたい…
と、娘のペースでかなりゆっくり歩き続ける。
キノコは、見たこともないような色や形のモノがたくさんあり確かに面白い。
ワタシにキノコの知識があり、食べられるモノを選別、収穫して食べることが出来たら…!
もっと楽しい山登りになるかもしれない。
食べれる野草、なんてのも勉強すればきっと役立ちそうである。今後の課題か?


入笠湿原に15時到着。とてもよく晴れていて、しかも涼しい。
あぁ、夏のアルプスって本当に最高に気持ちよい!
この日は、午前中に雨がぱらつく天気だったせいでつも混んでいる湿原も人はまばら。
入笠山は、山頂までゴンドラが通っていることもあり週末は日帰り登山を楽しむ人で混むらしい。
それゆえに、今回のように空いている日に歩けたのはラッキーである。


マナスル山荘前を通り過ぎ、ひたすら道路を歩くもテント場らしい標識もなく不安がよぎる…
本当にこの道であっているのか分からないまま歩くので、疲れも倍に感じるワタシ。
そのうちにウシたちが数匹放牧されている牧場が現れ、気分が幾分か癒される。
あともう少し、もう少しと思いつつ歩いていくと…


40分道路を歩き続けて、ようやく入笠JAハウスに到着。
分からないまま歩き続ける40分という時間の長く感じたこと!
看板が一つでもあればよかったのに、と思うワタシ。
娘はというと、思いのほか元気そうで安心する。よく歩いたものである。
テント場は草原上にあり木々も多くて、開放感たっぷりで居心地もよさそうだ。
しかも、空いているからここの自然な空間を独り占めしたような贅沢な気分。
予想以上の素敵なテント場に満足度100%だ。


久しぶりのテント生活に気分最高、宴会も盛り上がる。
やはり、山の楽しみは歩いた後のテント場で過ごすこの時間だろう。
夕食の豚味噌鍋を美味しく食べて、19時就寝。
夜中、起きてテントの外に出ると素晴らしい星空を眺めることができた。


翌朝5時起床。
前日に、キャンプ場の管理人さんから教えて頂いたテイ沢沿いに行くルートに行くことにする。
沢沿いの登山道は途中何回かの橋を渡り、大阿原湿原に出る。
そこから首切登山口に向かい、入笠山まで約20分というコースである。
昨日歩いた舗装された道路を再び40分歩いて入笠山山頂に向かうより、こちらの方が断然面白そうである。
よし、頑張って歩くぞ!と娘と共に気合いを入れて7時半出発。


出発してから40分経過するもテイ沢に入渓する標識がなかなか出てこない。
誰ともすれ違うことなく、だんだん不安になってきたころようやく入口が見つかる。
登山道に入るや否や、丸太橋の連続で娘が歩けるかどうか心配になる。
自分の足で歩かせることが自信につながると、リーダーが補助しながらゆっくり進む。
頑張って歩く娘は、意外にも楽しそうであるから安心する。


沢沿いの登山道を1時間近くかけていき大阿原湿原に出る。
登山者の姿はなく静かだ。
ここから20分ほど歩けば首切登山口があり、そこから山頂まで20分だ。


入笠山山頂1,995メートルに到着。今朝までの静けさがウソのような大賑わいの山頂だ。
御所平峠登山口から登ってきた登山客がほとんどのようだ。
山頂からは八ヶ岳全貌、甲斐駒ケ岳や北岳、諏訪湖、と大展望である。
これだけの眺望が望め、尚且つ安全な登山道で歩ける山だから人気があるのも肯ける。
景色を楽しみながら、ゆっくり1時間昼食休憩を取ってから御所平登山口へ下山する。
途中、岩場コースと岩場迂回コースとの分岐があったようだが見落として前者の方を行く。
3歳の娘に岩場コースを下るのは難しく、ここはよく見て迂回コースを取るべきだったと反省。


晴れて気持ち良い青空を見上げながら入笠湿原を歩く。
ここは、6月に咲くスズランが有名らしい。


緩やかな登りの木道を上がりきれば、ゴンドラ山頂駅だ。
標高約1,700mにいるが日差しはまだ夏を感じさせるくらい暑く、娘はシャツ一枚で歩く。
今回、冬山用の防寒着も持参していたがほぼ使うことはなかった。
それでも、この時期は朝晩の冷え込みがあるから油断大敵である。


山頂駅からゴンドラに乗り、一気に下界へ戻る。
いつもなら最後まで歩いて下山するのだが、時間の都合上で利用してゴンドラ。
仕方ないな…という思いで乗ったが、展望抜群で乗り心地もいいものだから楽しめた。
それでも、ゴンドラで下山するなんて贅沢だったなとも思いつつ…

家族全員で歩いて登った入笠山。
山、ちゃんと歩るようになったねと笑顔で話す娘を見て、いい思い出になったなと感じた。