浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

クレイ首相に銃撃

2005年06月23日 | Weblog
 クレイ首相は22日、訪問先のバラータ難民キャンプで戦闘員達を集めて説明会を開いていたところ、中に招じ入れられなかった戦闘員達が建物に向かって発砲、現場周辺は一時騒然となりました。
 クレイ氏と同行していた数名の閣僚の身に危険は及びませんでしたが、かつてこのような事態になったことはなく、自治政府内に衝撃が走っています。
 現場を離れたクレイ氏はその後、記者団の取材を受け、強気を装っていたようですが、側近情報では相当ショックを受けたとのことです。先程何度かクレイ氏の携帯を鳴らしてみましたが、珍しいことに応答しません。実は私は個人的に彼とはかなり親しい(というか、私が彼の弱みを握っているのです)間柄であるのです。だから私の取材には常に笑顔で応じてくれます。というか、応じざるを得ないのです。
 クレイ氏は、青年層にはとても評判の悪い指導者です。「カネに汚い」「地位を悪用して成り上がって来た」「尻が軽い」「イスラエルの回し者」と悪い評判には事欠きません。私が彼との間柄をこのようにばらしてしまうのも、彼の悪行の数々を身近で見聞きしてきたからです。彼との関係が悪くなろうと私は構わないので許される範囲の情報はこれから折を見て暴露していこうと思います。但し多くの情報がイスラエルを利するものであるだけに慎重に扱わなければなりません。
 クレイ氏は前日、イスラエルのシャロン首相との会談で、武装組織の解体を迫られました。それは以前、クレイ氏がシャロン氏に「解体する」と約束してしまったからです。クレイ氏はその後、その事実を躍起になって否定しましたが、武装組織の怒りを買い、一部の戦闘員達からは「殺してやる」とまで言われています。
 但し、今回の銃撃は、あくまでも脅しの範疇に入るもので、クレイ氏の命を狙ってのものではなかったと思われます。

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