浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

治安業務と家族殺害

2005年11月28日 | Weblog
 イスラエルのハイファ大学の研究者が最近、興味深いアンケートの結果を発表しています。
 銃所有と犯罪増加との関連性についての調査です。その調査対象も過去4年半の間に伴侶又は家族に殺された女性に限定されているのが特徴です。
 過去4年半と特定したのは、皆さんご存知の「自爆攻撃」に代表されるインティファーダ(イスラエルの軍事占領に反対する民族蜂起)が行なわれていた期間だからです。
 2000年10月から2005年4月までに夫を含む家族に殺された女性は38人で、その前の4年間の14人から大幅に増加しました。中でも特徴的なのは、47%に相当する18人が軍隊や警察などの治安業務に当たる者に殺されていたのです。
 これは、イスラエルの治安に当たる兵士達が矛盾と不安に満ちた環境の中でいかに精神的に追い詰められているかを示す数字ではないかと調査に当たった研究者達は分析しています。


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