浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

人間の盾

2005年08月03日 | Weblog
 今年もまた「ISM(国際連帯運動)」が、夏のキャンペーンをやっています。
 ISMというのは、パレスチナと欧米の平和活動家が4年前に始めた非暴力抵抗運動です。パレスチナ居住区を占領するイスラエル軍から住民の身を守るために欧米各国から来た「Internationals」は、銃の前に立ちはだかります。どんなことをされても手出しをしないというのが、彼らの「戦術」で、これまで命を落としたヴォランティアもいます。
 ISMの活動は、隔離壁の建設のために行なわれる土地の強制収用を阻むこと、壁の建設そのものに抗議と監視を粘り強く続けること、子ども達の通学がスムーズに行なえるように手助けすること(イスラエル軍兵士の中には、平気で戦車や自動小銃の銃口を通学する子ども達に向ける者もいる)、検問所の監視など多岐に亘ります。
 私が戦場で見た救援・支援活動の中では、最も心を打たれた活動と言っても過言ではありません。
 現在、パレスチナは猛暑が続いています。時折り、イスラエル軍は何の前触れもなく「外出禁止令」を布き、住民の自由を数日間奪ってしまいます。持病もちの人たちや幼子を抱える家庭では、戦々恐々の毎日が続いているとのことです。
 ISMはもちろん、日本人の参加も受け入れています。読者の皆さんで興味がある方は、積極的に関わってみたら如何でしょうか。ただし、英語の伝達能力は最低限必要です。

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