浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

入植地撤退を待つガザ

2005年08月15日 | Weblog
 イスラエル入植者とイスラエル軍のガザからの撤退に備えてユダヤ人極右グループが入植地に潜入しているとお伝えしましたが、イスラエル軍の参謀総長は14日、その数が5,000人に上る可能性があると示唆しました。彼らはただの活動家ではなく、ほとんどが武装していますからハマースとの衝突もありえます。
 一方、エルサレムにあるイスラーム教の聖地ハラーム・アル・シャリフに極右グループが押しかけて抗議行動を行なうとの情報もあります。2000年9月に始まった「インティファーダ(民族蜂起)」が、アリエル・シャロン氏がここに強行に足を踏み入れたことに端を発していることを考えますと、何らかの予防措置が必要に思われます。
 ガザ地区では入植者とイスラエル兵の撤退後、警察を含む約7,500人のパレスチナ自治政府の治安部隊が警備のために展開される予定です。まあ、これまでの例を引かないでも、自治政府の治安部隊が頼りないことは誰もが知っていることですから、彼らがガザ地区に治安をもたらしてくれると信じるものはまだまだ少数です。

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