浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

アッバース、カドウミ両氏仲違い

2005年08月07日 | Weblog
 アッバース大統領とファルーク・カドウミ元PLO国際局長(現ファタハ執行委員会議長)との間で自治政府の外交方針の違いが生じており、かなり激しいやり取りがここのところ続いています。
 カドウミ氏はPLOの創設者の1人で、故アラファト氏と共に解放運動の核を担ってきた人物です。妥協を許さぬ政治姿勢からアラファト氏とも何度も仲違いをしてきたことで有名です。1993年の「オスロ協定」に反対する姿勢を最後まで貫き、今もパレスチナに戻らず、チュニジアを拠点とし続けています。そのクリーンなイメージから昨年のアラファト後継者争いに彼を強く推す声が各界から上がりました。
 与党ファタハのトップに位置しており、党内ではアッバース以上の影響力を有する人物だけに今後の成り行きが注目されるところです。

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