浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

イラクのパレスチナ難民

2007年01月17日 | Weblog
 パレスチナ自治区の失業率は正確なデイタはないものの軽く5割を超えていると言われている。イスラエルの長年の軍事占領でパレスチナ経済は疲弊しており、まともな職はない。そこで、パレスチナ人は世界各地に仕事を求めて散らばっている。

 欧米はもちろんのこと、アラブ諸国にも多くのパレスチナ人が「出稼ぎ」している。だが、出稼ぎには何の保証もない。だから、いったん出稼ぎ先の政情が不安になれば、もろに影響を受ける。

 90年の「湾岸危機」までクウエートで働いていたパレスチナ人は、イラクに逃げ込んだ。だが、そのイラクも内戦状態だ。パレスチナ人労働者は一転して難民となった。だが、パレスチナ人とて「拉致」「暗殺」とは無縁ではなく、これまでに多くが犠牲になってきた。

 だが、彼らの存在が国際ニュースになることはない。マスコミにその存在を取り上げられることもなく、今日も非業の死を遂げる。

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