浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

14歳のパレスチナ少年ふたりの運命

2005年11月12日 | Weblog
 パレスチナ自治区を分断する「隔離壁」の建設は、住民と国際ヴォランティアの必死の抵抗などものともせず、今も着々と進んでいます。
 国際的にほとんど報道されないこの隔離壁の建設ですが、自治区の住民の生活をずたずたにしてしまっています。同じ村や町に住む家族や親戚、友人にも壁が突然出来たことで会えなくなってしまった悲劇はあちこちで起きています。また、建設反対運動で、何人もの人がイスラエル兵の銃弾に斃れています。
 11日にも、ビリン村の壁建設現場で、反対運動をしていた住民や国際平和活動家に銃撃が加えられ、少なくとも15人が負傷しました。その中には、14歳の少年も含まれており、彼は頭部にゴム弾(アイスホッケーに使われる硬い弾を想像してください)を受けて重傷を負ったとの情報が入ってきています。
 後、未確認情報ですが、ナブロスの丘陵地帯で行方不明になっていた14歳の少年、モハメッド・アブサラー君が平和活動家と家族の懸命の捜索で発見されましたが、頭部に銃痕があるとのことです。同じ頃、この地域で負傷した住民によると、イスラエル兵が「ゲリラ狩り」をしており、それに巻き込まれた可能性もあります。

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