浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

アラファト議長の死因

2004年11月18日 | Weblog
 ルモンド(仏)紙が17日、アラファト前議長の死因は毒物でなかったと報じました。同紙によると、病因は、多発性血管内凝固を伴う臓器機能障害であったそうです。この報道のニュースソースは、アラファト氏が入院していた病院の「有力筋」となっています。
 また、同じくフランスの週刊誌「カナール・アンシェネ」は、肝硬変であったとしています。これも病院関係者の話としていますが、こちらのニュースは、「肝硬変は飲酒が原因との誤解を与えかねない」との理由から発表が控えられたとしています。
 それにしても不可解ですね。毒物が原因でないというのなら、なぜ病院なり政府は公式に発表しないのでしょうか。ル・モンドの記事の中では、公表しない理由を「原因は親族にしか明かさないフランスの法律があるから」としていますが、世界の安全を揺るがしかねない、いや現実に大きな影響を与えている人物の死因です。例外が認められていいのではないでしょうか。
 それができないから新聞へのリークですか。この程度の「情報開示」でアラブ世界に広がっている疑惑が晴れるとでも思っているのですかね。

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