家にたくさん梅酒があるから飲みに来て欲しいというお誘いを受けて友人のお宅に伺いました。
駅の近くの瀟洒なマンションのリビングルームでで出迎えてくれた20本を超える瓶の整列にびっくり仰天。(この写真が全部ではありません)
どの瓶にも醤油かコーヒーのような真っ黒い液体がなみなみと入っています。
覗いてみれば確かに梅酒。でもほとんどの瓶では真っ黒過ぎて上から見てもこんな風には梅が見えません。
ひとつひとつの瓶には仕込んだ年月日と材料、重量が書き込まれています。
これは2008年ですから12年前の物。見当たらない年もあれば同じ年の瓶が複数あったりもします。見た中で一番古いのは1994年。
この時点では「うわ~、俺これからこれを飲むのか~」と不安な気持ちが渦巻いていました。ぶっちゃけこれ、飲んでも大丈夫なのかと。
適当に3本ほどテーブルに乗せて軽いおつまみをお供に試飲を始めました。
お玉ですくってカップに少しだけ。
固い蓋を開くとテーブルの周りに爽やかで甘い梅の香りが広がります。ここで不安は払拭されました。
一口含んで見ると、とろっとした口あたりと共に、深い甘みの層が口蓋中に広がります。
いや、こんな書き方はまどろっこしいだけだ。めちゃくちゃ美味しいじゃないですか。
瓶をとっかえひっかえしながら飲み進めていくとそれぞれに違いがあるのが分かります。ブランデーで漬けたものもありましたがやっぱりブランデーの味を感じました。
密封して年月が経つと、内容物の体積が減るようで、ペットボトルに入れたものなどはご覧のように容器が変形して、開封しても元には戻りませんでした。
招いてくれた友人はお料理上手でも知られています。この日も数々の手料理を出してくれました。
こんにゃくのアヒージョ。鶏モモとゴボウと実山椒を甘辛く煮て、春巻き皮のキッシュに焼いたもの。どちらも素晴らしかったです。
美味しいお料理と梅酒とベランダ焼肉でもてなしてくれた本日のホスト、ミナちゃん。このブログでは2018年のクルーズ以来の登場です。顔出し部屋出しOK。
ここでの衝撃の事実を公表するんですが、なんとこの人、これだけの梅酒を四半世紀にわたって作り続けながら、本人は梅酒を一滴も飲みません。
いや~、ほんと。わけわかんないにも程がある。どうして飲みもしないものをこんなに大量に作っているのか???
仕事の関係で、何度か転居をしている彼女ですが、その度にこの飲まない梅酒の瓶を苦労して新たな住まいに運び続けたらしいです。
そして当人も旦那様も飲まず、人に振舞うこともせず。ただただクローゼットの中で時を重ねていつしか平成も過ぎ去って令和2年。ご本人もいい感じに熟されました(笑)
なんで作るんだよ。という話が何度か繰り返されましたが結局最後までその理由はよくわかんなかったです。ただ地球上にはそういう人もいるんだなと思いました。
なぜ飲まないのかという質問には「あまり美味しいと思わない」「梅酒を飲んでる時間に他のアルコールを飲みたい」という返答でした。じゃあ、なんで・・・・・・。
・・・と、ここまで書いてきて、私の友人にもう一人同じようなことをする人がいるのを思い出しました。
自分では食べないカヌレを試行錯誤を繰り返しながら何十回も焼き続ける人。
作ること、それも自分で満足できるレベルになるまで上手に何かを作ることそれ自体に目的を見出す人なんだろう。
知らんけど。
いくつか飲んできた中で、豊かな酸味がとても美味しいひと瓶がありました。2006年仕込み。
南高梅を本庄のカインズホームで買ったらしいこの1本にはその場で「カインズ」と名前が付けられました。
好きなだけ持って行ってくれ、できれば瓶丸ごと持ち帰ってくれと何度も言われたのですが、さすがにそこまで図々しくはなれないし手で持つには重いし。
それで気に入った2種類を空き瓶やペットボトルに詰めて1.5リットルほどいただいて帰りました。
今もお猪口に氷を入れて飲みながらこのブログを書いているのですが、やっぱり家で飲んでもたまらなく美味しい。
すごく甘いはずなのに飲み続けても甘さがまったく嫌にならないというのが不思議です。
1994年物。私の人生において(やな方の)節目の年に仕込まれた美しい琥珀。ありがとうございました。
いくつか飲んできた中で、豊かな酸味がとても美味しいひと瓶がありました。2006年仕込み。
南高梅を本庄のカインズホームで買ったらしいこの1本にはその場で「カインズ」と名前が付けられました。
好きなだけ持って行ってくれ、できれば瓶丸ごと持ち帰ってくれと何度も言われたのですが、さすがにそこまで図々しくはなれないし手で持つには重いし。
それで気に入った2種類を空き瓶やペットボトルに詰めて1.5リットルほどいただいて帰りました。
今もお猪口に氷を入れて飲みながらこのブログを書いているのですが、やっぱり家で飲んでもたまらなく美味しい。
すごく甘いはずなのに飲み続けても甘さがまったく嫌にならないというのが不思議です。
1994年物。私の人生において(やな方の)節目の年に仕込まれた美しい琥珀。ありがとうございました。
常識では理解できない行動をする友達のおかげで、その恩恵にあずかれて幸せです。
また作る?
とりあえずこれ以上瓶の数を増やすのはどうかと思います。人として。
なので瓶がひとつ空っぽになったらその瓶を再利用して新しい仕込みをする。
そういうサイクルにして下さい。
持ち帰った分はなるべく早く消費して、またもらいに行きますので。
よろしく。