アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

ムーンライト・パドリング

2011-10-13 | 四万十川 秋

 最高気温26度。

 秋のフルムーン。

月明かりの四万十川は、なんとも幻想的な風景を見せている。

僕は「ムーンリバー」をカヌーで下ってゆく。月光の水面を滑るように。

青白い月の光を浴びながら、大きく息を吸い込み、そしてゆっくりと長く吐きだす。

聞こえてくるのは、風、瀬の音。鹿、虫、鳥の声。

 秋のムーンライトマジック。ここはまるで別世界。

月の王国に一人、フラリと迷い込んでしまったかのよう。

 

 月影の小さな瀬で、ちょいとフネのバランスを崩す、おっとっと・・・。

川原に上陸し、火を起こした。

アルミフォイルに包んだ肉とイモを熾火にくべ、月を肴にワインを飲んだ。

 某日。

散歩に行こうと庭に降りると、アサギマダラが一頭、ヒラヒラと舞っていました。

「南へ渡る途中だろうか・・・」

羽の浅黄色も美しいアサギマダラは、渡りをする蝶です。

(1日で200キロ。最長1000キロ以上も移動した記録がある)

 

 でも、その美しかった羽は長い旅に痛み、幼子がいる家のフスマのように破れかけてボロボロです。

「この先の旅路も長いのかな。大風、雨、天敵にさらされ、いったい何頭が生き残ったのか。

ヒラヒラ飛んでいる姿は頼りないのに。野生に生きる命は儚い、でもたくましいものだ。

せめて四万十では、その羽根をゆっくりと休められるといいけど」

 



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