のち 最高気温28度。
「リバウンドしすぎだっちゅーの・・・」
茶色い濁流が次々に橋脚にぶつかり、ザァザァと派手な音を立てて、沈下橋のすぐ下を流れてゆきます。
昨日までの(貧弱な草食系男子のような)やさしい川の流れが一転、
今日の川は —マッチョな肉食系野郎のような— 太い流れになっています。
こんにちは。草食も肉食もオーケー、雑食系なアークさのです。
29日正午、四万十川は約4メーターの増水。
太陽は鉛色の雲をわって、その顔をチラチラと見せはじめました。
昨日の午後から降りだした雨は、昨夜半からそのイキオイを増しました。
ときおり滝のように激しく降る雨は、我が家を水のベールで包む。
未明。激しい雨音で目を覚ました僕は、ハダカで毛布に包まったままうつらうつらと朝を迎えたのでした。
29日早朝。ダム放流量は、津賀ダム&家地川ダム併せて約1000トン。
いぜん雨足はおとろえず・・・。昼には近所の沈下橋が増水に沈みそうです。
5分毎に僕は、ネットの雨予報と空をながめ部屋の中を歩きまわりました。
落ちつきをなくした小熊が、檻の中をウロウロするように。
意をけっした僕は、携帯を手にとり明日のツアーゲストに連絡です。
「明日のツアーは、増水でツアー中止になる可能性が非常に高い」と。
さいわいだったのは、ゲストがまだ自宅を出発する前だったってコト。
正午。明日のツアー中止を最終決定。うーん・・・マンダム→古っ!
ゆっくりと晴れゆく空をながめながら僕は、大きなため息をつきました。ほはぁー。
はてさて、いつまでもため息をついている場合ではありません。
「ため息を深呼吸に変えなくては・・・」
ため息がつけないように僕は、いつもより少し速いペースで近所をジョギングです。
四万十の小さな空の下、狭い道を走りながら、いつか旅した熱風大陸のどでかい空のことを思う。
記憶のなかのどでかい空と大陸の風景に励まされて、ダウンした気持ちは、いつの間にか回復です。
これが、いわゆるひとつの「旅の効用」ってヤツでしょう。
たっぷりと汗をかいて部屋に戻り、
頭から水をかぶり、その後、お気に入りの短編小説を読みました。
その本は「ティファニーで朝食を」。トールマンカポーティ著:村上春樹訳
これでさらに、復活です。