アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

ブルースな夏の雨

2010-07-29 | 四万十川 夏

のち 最高気温28度。

 「リバウンドしすぎだっちゅーの・・・」

茶色い濁流が次々に橋脚にぶつかり、ザァザァと派手な音を立てて、沈下橋のすぐ下を流れてゆきます。

昨日までの(貧弱な草食系男子のような)やさしい川の流れが一転、

今日の川は —マッチョな肉食系野郎のような— 太い流れになっています。

こんにちは。草食も肉食もオーケー、雑食系なアークさのです。

 

 29日正午、四万十川は約4メーターの増水。

太陽は鉛色の雲をわって、その顔をチラチラと見せはじめました。

 昨日の午後から降りだした雨は、昨夜半からそのイキオイを増しました。

ときおり滝のように激しく降る雨は、我が家を水のベールで包む。

未明。激しい雨音で目を覚ました僕は、ハダカで毛布に包まったままうつらうつらと朝を迎えたのでした。

 

 29日早朝。ダム放流量は、津賀ダム&家地川ダム併せて約1000トン。

いぜん雨足はおとろえず・・・。昼には近所の沈下橋が増水に沈みそうです。

5分毎に僕は、ネットの雨予報と空をながめ部屋の中を歩きまわりました。

落ちつきをなくした小熊が、檻の中をウロウロするように。

 

 意をけっした僕は、携帯を手にとり明日のツアーゲストに連絡です。

「明日のツアーは、増水でツアー中止になる可能性が非常に高い」と。

さいわいだったのは、ゲストがまだ自宅を出発する前だったってコト。

 

 正午。明日のツアー中止を最終決定。うーん・・・マンダム→古っ!

ゆっくりと晴れゆく空をながめながら僕は、大きなため息をつきました。ほはぁー。

 はてさて、いつまでもため息をついている場合ではありません。

「ため息を深呼吸に変えなくては・・・」

ため息がつけないように僕は、いつもより少し速いペースで近所をジョギングです。

 

 四万十の小さな空の下、狭い道を走りながら、いつか旅した熱風大陸のどでかい空のことを思う。

記憶のなかのどでかい空と大陸の風景に励まされて、ダウンした気持ちは、いつの間にか回復です。

これが、いわゆるひとつの「旅の効用」ってヤツでしょう。

 

 たっぷりと汗をかいて部屋に戻り、

頭から水をかぶり、その後、お気に入りの短編小説を読みました。

その本は「ティファニーで朝食を」。トールマンカポーティ著:村上春樹訳

これでさらに、復活です。