2021年6月、2022年4月、2022年12月と、同じテーマで当Blogでもご紹介しましたが、サンデーサイレンスとディープインパクト、両スーパー種牡馬の産駒成績を、2023年3月12日現在で比較してみたいと思います。
サンデーサイレンス ディープインパクト
①JRA勝利 2749勝 2701勝
②JRA重賞勝利 311勝 283勝
③海外重賞勝利 15勝 43勝
④JRAGⅠ勝利 71勝 71勝
⑤海外GⅠ勝利 3勝 29勝
⑥JRA3歳クラシック 23勝 24勝
⑦英仏愛3歳クラシック 0勝 6勝
⑧リーディングサイヤー 13回 11回
⑨JRA+海外 重賞勝利 326勝 326勝
⑩JRA+海外 GⅠ勝利 74勝 100勝
【比較する上での留意事項】
◎サンデーサイレンスの産駒が活躍していた時代と、ディープインパクト産駒が活躍していた時代では、前提条件が異なるため、単純比較が出来ないことは、まず毎回申し上げておきたいと思います。ただし、この比較には相応の意味もありますので、敢えて不定期にお伝えして参りたいと思います。
◎前提条件の違いとは、例えば、サンデー産駒の時代の海外遠征と、今では隔世の感があります。また、国内GⅠの数も違います。一方で、産駒世代数は実質12世代と同じ。それからデータですが、海外はGⅢ以上の重賞競走のデータは残っていますが、一般レースのデータは入手できていないので、通算勝利数はJRAのみで比較いたします。
ディープインパクトの産駒が走るのは、あと数年だけではありますが、さて、上記項目のうち、ディープがサンデーを超える項目はどれになりそうか?
まず、最大のテーマと言える、①JRA通算勝利数は、2023年3月12日時点で2701勝となり、遂に2700勝に到達しました。サンデーの不滅の記録『2749勝』到達まであと48勝。恐らく2023年の秋競馬くらいになりそうな状況であります。
一方、②JRA重賞勝利数は、2023年3月12日にプログノーシスが金鯱賞を勝ったので283勝となっています。サンデーの『311勝』とは、まだ差が28勝もありますので、既に相当厳しい状況だと思います。ただ、ゼノヴァースなど障害重賞を勝てる馬が出てきたので、障害重賞勝利数を幾つ積み上げられるかもポイントになりそうです。
むしろ実質的に両馬を比較する上では、⑨海外重賞(GⅢ以上)も合わせた重賞勝利数の方が重要です。こちらは、2023年3月12日時点で326勝と、サンデーの『326勝』の大記録に並びました。これを超えるのはもう時間の問題だと思います。
なお、③JRAのGⅠ勝利数(J‐GⅠを含む)は、アスクビクターモアの菊花賞勝利で、勝ち数が71勝で並びました。そして、⑥3歳クラシックは、実質的ラストチャンスの2022年の菊花賞で24勝となり、ディープがサンデーの『23勝』を超えることになりました。
最後に、⑧のリーディングサイヤー回数は、2022年末時点で11年連続11回となりましたが、サンデーの『13年連続13回』での記録を超えるのはもう無理と言って良いと思います。しかも、あの頃はライバルが不在のため、20億円から30億円程度の賞金額でも1位が取れました。今は、最低でも50億円を超えないとリーディングサイヤーは無理。2022年は、ディープがロードカナロアを6億円だけ上回りましたが、2023年はもう出走頭数が激減しますので、無理な状況であります。
上記①~⑩のうち、②と⑧を除いて、ディープインパクトがサンデーサイレンスを超える気が致します。その時はもう、JRA史上最高の種牡馬という称号を得ることになるでしょう。
ただし、10年後の評価は判りません。ちゃんと、サイヤーラインを伸ばせたかどうか。すなわち、ディープインパクトの子供たちの種牡馬成績がきちんと残せるかで、その評価が決まって参ります。種牡馬の世界は、長く厳しい評価に晒される世界であります。