日曜日のコスタリカ戦は残念な結果でありました。あれだけ押しまくっているのに、たった1回のミスで失点してしまうとは・・。しかし、追い込まれたチームがエネルギーを溜めて溜めて、マグマのように噴き出す瞬間というのが正にアレでした。コスタリカチーム、大変お見事でありました。
今回のW杯で、優勝候補のアルゼンチンを撃破したサウジアラビアが第2戦ではポーランドに負け、初戦でイングランドに6-2で大敗したイランが第2戦ではウェールズに2-0で快勝、そして初戦で世界1位のフランスに大敗したオーストラリアは第2戦では強豪チュニジアに勝利、というように、アジア代表のチームが優勝候補を破ったりすることは珍しくなくなっただけでなく、特定のアジアチームが快進撃を続けるというよりは、むしろ勝ったり負けたりで、毎日毎日、異なったチームが欧州や南米相手に好試合を見せる状況が続いています。
ここは冷静に考えてみると、欧州・南米各国とその他地域の力の差が確実に縮まっていることの現れなのではないかと感じます。
日本代表チームも、過去にはブラジルやドイツ相手に、8-0とか、5-0とかの大敗を繰り返して、何もやらせて貰えなかった時代のトラウマが残っていますが、先日のドイツ戦のように、前半は手も足も出ませんでしたが、それでも失点は1点に抑えて、後半に自らのリズムで大逆転を実現できるような存在になりました。まだまだ、ドイツとは力の差はありますが、それでも、何回かに1回は勝てるチャンスが巡ってくるくらいの力の差になったということ。
これは日本代表だけでなく、イラン、韓国、サウジアラビアなどのアジア主要国も同じですし、北中米のアメリカ、カナダ、コスタリカ、メキシコも、アフリカ各国も同様であります。むしろ、アジアがようやくアフリカ・北中米に追いついたということかもしれません。
さて、Eグループの状況はと言うと、日本がコスタリカに負けただけでなく、ドイツがスペインと引き分けたことで、日本代表はまさかの最悪の状態に追い込まれています。最終戦でドイツがコスタリカに勝つことはまず間違いありませんので、そうなると日本が決勝トーナメントに進出するためには、原則としてスペインに勝つしかありません。
細かいケースまで言うと、もしドイツがコスタリカに2-0で勝った場合、ドイツの勝ち点は4、得失点差1。日本がスペインと引き分けると、勝ち点は4、得失点差は0なので、ドイツが決勝トーナメント進出。しかし、ドイツがコスタリカに1-0で勝った場合、日本がスペインと0-0で引き分けると、勝ち点は4、得失点差0、総得点2で、ドイツと日本は全く並びますが、この時は直接対決の結果で日本が上位となります。
このように、ドイツが勝つことを前提にしますと、一つしかない例外を除けば、日本はあの無敵艦隊スペインに勝つしかない、というところまで追い込まれました。冷静に考えると、非常に厳しい状況ということ。
でもね。冒頭から申し上げたとおり、今回のW杯は、ギリギリのところへ追い込まれたチームが、そこで我慢して我慢して、マグマを溜めて、一気に噴火させることを現実に幾つも実現している大会です。
追い込まれた日本代表も、そんな試合を是非、あの無敵艦隊に向けて実現してほしいと思います。
頑張れ、ニッポン‼