金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【競馬】 皐月賞(GⅠ)展望!

2021-04-16 17:13:00 | 競馬

 先週の桜花賞は、どうにも迷いに迷って、結果的に穴狙いに行って墓穴を掘ってしまいましたが、終わってみれば、レベルの高かった阪神JF(1分33秒1は歴代でも優秀)の1着2着が、そのまま1着2着。しかも、1分31秒1という歴史上最高レベルの決着でした。データを冷静に見る重要さを思い知った次第

 

 とはいえ、今週の皐月賞は難解なレースに見えます。人気は、参加メンバーが豪華だった共同通信杯を勝った⑦エフフォーリアと、年末のホープフルSを勝ったダノンザキッドに集まると思います。⑦エフフォーリアは共同通信杯の勝ち方が強く見えますが、スローペースで前にいたことが第一の勝因。デビューから3戦、タイムの裏付けがなく、ハイペースになりがちな皐月賞で果たして通用するのか。また、タイムの裏付けがないのは⑧ダノンザキッドも同じ。ハイレベルなレースになった時に、どれだけの力が出せるのか

 この点は⑪ディープモンスターも同じです。ここ2戦はダービー仕様に武豊騎手に仕込まれてきた馬です。急遽、戸崎圭太騎手で参戦が決まりましたが、2000mでの時計的な裏付けはないですし、コーナー4つの中山での器用なレースも得意ではありません。ルメール騎手の①アドマイヤハダルにしても過去4戦がすべてスローの上り勝負。皐月賞がスローの上り勝負になる可能性は100に5つもありません。

 さらに、1番人気になるはずの⑦エフフォーリアの最大の問題は、主戦の横山武騎手です。関東リーディングを走る勢いはありますが、GⅠ実績はゼロ。また、穴人気になるはずのディープ産駒⑥ヨーホーレイク岩田望騎手。こちらは重賞実績すらありません。経験の乏しい若手騎手が、GⅠの1番人気に応える事例を、私は見たことがありません(人気薄を着に持ってくることはありますけどね‥)。

 以上のように、人気筋には不安材料だらけで、かつ、時計の裏付けのある馬がいません。こんなことは、ここ数年の牡馬クラシックでは珍しい。

 

 敢えて、前哨戦で、「時計の裏付けのあるハイレベルなレース」があったとすれば、それは12月の朝日杯FS。この時の勝ち時計は1分32秒3ですから、ソダシの阪神JFよりも上でした。その時の2着ステラヴェローチェと、3着レッドベルオーブは、ここに出走して参ります。しかも人気が殆どありません。もちろん、朝日杯FSが近年、皐月賞やダービーに直結しないレースであることは重々承知の上ですが、かつてはナリタブライアン、ロゴタイプといった実績があったことをお忘れなく。

 

 さて、皐月賞には、どの馬から入りましょうか? 今度こそ、大荒れの予感がいたします。あ、それから、土曜日から日曜日の天候にも注意。今回は、雨になる可能性が大です。重馬場、あるいは不良馬場まで有り得ます。やはり、コンセンサスから少し外れたところに妙味が出てきそう


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【将棋】 西山朋佳三段が奨励会退会 ジェンダー問題の奥深さ②

2021-04-16 07:11:57 | 将棋

 昨日の続きです。

 

 将棋の奨励会には、ルール上、一切の男女差別はありませんしかし、マイノリティには、マジョリティ側からは気づいてもらえない数多くのハンデが存在するもの。そのハンデを押しのけて闘い抜いた西山朋佳三段には拍手を贈りたいと思います。

 一方で、女流棋士は、三段リーグを勝ち抜かなくても、将棋で生きる道が用意されており、これは逆差別ではないか、という意見もあります。丁度、上場企業の取締役の3割を女性にせよ、と枠を作ろうとすることが「逆差別」でないか? とネガティブ意見が出るのと同じ。しかし、こうした意見を述べる方々には、マイノリティ側が日常、どれだけのハンデを負って闘っているのか?という洞察は皆無で、もっぱら自分が逆差別で被害を受けていることを主張したいケースが殆どであると申し上げておきましょう。

 

 少し毛色は違いますが、以下のような主張もあります。

テニスやゴルフでは、男女別々に大会を開催しているが、これは医学的に、筋肉量や瞬発力、あるいは持久力といったものに差があることが明白なため、大会を分け、それぞれのチャンピオンを決めている」

「同じように、男女には、脳の特長にも差があるはず。たとえば、地図が読みにくいのが女性、同時に複数の作業ができないのが男性など。したがって、どんな分野でも、同姓間での競争とすべき。そして、企業役員などは、人数比で按分して、男枠、女枠、設けるべきでは?」

 

 一方で、「もう、男女の区別をやめて、最初から全て同じ土俵で競争すべき。筋肉量や瞬発力ですら、鍛える機材やトレーニング方法の進化により男女差がなくなりつつある

競馬の世界では、もう何年も牝馬がチャンピオンホースになっている時代が続いている。2㎏のセックス・アローワンスが原因と言われており、ハンデ差をつけるならば、馬の体重別に差を設ける方が公平と言える」などの意見も出始めています。

 

 上記のとおり、ジェンダー問題は、マイノリティ側、およびマジョリティ側の双方から、さまざまな問題提起が為されている状況であり、更なる議論を期待するところであります。

 ただ、私個人の見方としては、やはり、ジェンダーの問題は、マイノリティにとって、マジョリティ側からは見えないハンデが本質の問題と理解すべきだと考えています。もし、マイノリティ側から見て、マジョリティ側が立ち塞がる状態や条件が解消した時、初めて、同じ舞台での競争が成立するのだと思います。


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