トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

CCIで1日100 pips、ようやく目鼻を付けるところまで来たか?

2022-03-30 02:42:43 | 投資

 思えば大変な課題を引き受けてしまったものだ。CCIをトレードに生かすという記事は山のようにある。それを一つ一つ潰していっても、まるで底なし沼に足を踏み込んだよう。これといった成果は何一つ得られなかった。多くの記事では、相場にCCIを利用することを説明するが、それは戦略の一部分で、他のかなりの部分をトレーダーの裁量に頼るところにあった。トレーダーの各種裁量を自動売買プログラムの論理式として表現することは大変難しいプロセスなのである。

 一週間前のブログで、CCIが移動平均乖離の波形に酷似していることが明らかとなった。移動平均の分析手段としてのCCIをそのまま利用しても成果は得られない。FXを経験した人であれば、移動平均のゴールデンクロスやデッドクロスで市場参入しても、簡単にやられてしまうことは誰だって知っている。CCIもしょせん移動平均線と価格との交差とその振動幅を測るツールにすぎない。そこから一歩前進できないのがなんとしても歯がゆい限りである。

 万策尽きて11本(又は12本)の移動平均の束であるGMMAとCCIの組み合わせを考えてみた。その中から期間15、40、60のMAを選んで、CCIと組み合わせた簡易なEAによりテストしてみたが、どうもしっくりしない。代替として2本のMAは上位時間枠の移動平均線、他の1本はEAを稼働させる現チャートの時間軸(現チャート)のMA、それに同じく現表示チャートのCCIを組み合わせることを考えてみた。移動平均線の時間軸は、4時間足、日足、現チャートに時間軸は30分、期間はいずれも21としてみた。

 戦略は上位時間軸の両方でトレンドが発生している場合に、30分足での押し目買い、戻り売り作戦である。本年、1月以来のデータでバックテストを行ってみると、なんだか調子がいい。テストを行ったパラメータの詳細は次の通り。

時間軸 ①:4時間足

時間軸 ②:日足

稼働軸 ③:30分足

CCC:10

4時間足期間:21

日足期間:21

30分足:55(21よりも成績勝る)

 まだまだ検証は足らないが、USDJPY、GBPUSD、Nikkei 225のテスト結果を下記参考までに添付。手分けして、バックテストを重ねたい。何とか目鼻はついてきたようだ。MT4では上位時間選択のオプションが少ない。時間足や日足が豊富に揃っているMT5にても運用できるよう考えたい。

USDJPY

GBPUSD

Nikkei 225


CCIとMAと移動平均乖離(MAKairi)と

2022-03-23 22:21:43 | 投資

 提携先の顧客のお一人からCCIを中心素材とする自動売買プログラム(EA)作成の依頼を受けている。提供いただいた記事をはじめYouTube等に提唱の手法10種ほどを簡易EAにして検証してみたが、どれも満足のいくものはなかった。

 思うに、CCIは1980年代に商品取引用に開発された分析手法であったこと、また当時は裁量取引を指向されていたに違いないから、そもそもEAには不向きかもしれない。と半分あきらめながらも計算式を眺めていると、あることに気がついた。これって、移動平均線乖離の計算式にそっくりなのである。

 冒頭に掲げたチャートは過去のGBPJPYの15分足に、メインチャートには単純移動平均線を、サブチャートには上段にはCCIを下段にはMAKairiを表示している。いずれも計算期間は7、適用価格はCCIに合わせてTypical Priceに統一されている。

 3個のインジケータを比較して分かったことは、次の通りである。

① 価格の移動平均線クロス

メインチャートに数本の黄色い縦線を入れてみたが、これはローソク足が移動平均線(MA7)をクロスする時点である。この垂直線は、サブチャートのCCI及びMAKairiのゼロ(0)ラインを同時にクロスする時点であることが判明する。つまり価格が過去の基準点(移動平均のライン)に戻ったことであり、まさしくCCIは移動平均乖離そのこととほぼ同意義であることが証明された。順張りにCCIを利用する場合には、ゼロクロスが一応理にかなっていることが理解できる。

② CCIの100超え、-100切り

CCIの100と-100にレベル表示のラインが入っている。CCIの解説の中にはローソク足が100ラインを上から下に切り下げれば売り転換、-100ラインを下から上に切り上げれば買い転換とするものがある。また、逆に100を上に抜ければ順張りの買い、-100を下抜ければ順張りの売りとするものもあるが、いずれも信用できない。MAKairiの10ライン、-10ラインと比較してみてほしい。乖離率10%を超えることはそれほどない。10%を超えた場合は、ほぼほぼそこが最高点であり、ほどなく相場の転換が示現されている。CCIの100%超えは随分誇張されているというか拡大されているのが分かる。これこそ、CCIが商品相場の分析のために開発された証左ではなかろうか。

 以上の分析を踏まえてのこれからのEA開発方針は次のようになろう。

① CCIは商品取引用として変動式の計算上、誇張的に拡大されているから、汎用的利用には移動平均乖離(MAKair)が適しているように思う。Nikkei 225やNSDQ等の指標CFDにも応用できるよう、組み合わせるインジケータやパラメータにて調整できるようにしたい。

② ゼロラインクロスと移動平均線をエントリー条件、クロスの直前に10%及び-10%超のピークやボトムがあればフィルターとして使いたいものである。


ブログ投稿欄へのご質問に答える

2022-03-22 01:48:57 | 投資

昨日(2022.03.22)のブログにてCenturion Smart Gridに関するご質問をいただきました。マーチンゲール最大Step(16倍)のポジションが発生した状態で損切りをしないオプションを採用した場合の注文状況に関するご照会でした。説明が長くなりますので、ブログ本文にてご説明します。

マーチンゲール取引は逆張りのエントリーとなりますから、相場が下げる局面では最初の取引は成り行きの買い取引となります。その際のポジションと待機注文は下記の通りになっています。簡略化のため最初の取引(1st step)価格を1.3100、ロットを0.01とします。

買い注文

① Buy 1.3100、Lots 0.01

② Buy Limit 1.3000、Lots 0.02

③ Buy Limit 1.2900、Lots 0.04

④ Buy Limit 1.2800、Lots 0.08

⑤ Buy Limit 1.2700、Lots 0.16

売り注文

⑥ Sell Stop 1.3050、Lots 0.01  S/L & T/P

⑦ Sell Stop 1.2950、Lots 0.03  S/L & T/P

⑧ Sell Stop 1.2850、Lots 0.07  S/L & T/P

⑨ Sell Stop 1.2750、Lots 0.15  S/L & T/P

⑩ Sell Stop 1.2650、Lots 0.31  S/L Only

さて、相場が一直線に下落して、価格が一挙に1.2650まで達したとすると、その際のポジションは、買い0.31ロット、売りも同じく0.31ロットとなっており、ポジションはスクエアとなり、相場が1.2650を超えて下落を続けても含み損が増大することはありません。なぜなら、⑥~⑨のポジションはすでに利確を済ませており、残る⑩はT/Pを設定していないので利確することはなく、そのポジションは残っているからです。

GBPUSDはメジャー通貨ペアですから、通常の場合は必要な証拠金(含み損を含めた額)を準備しておけば、強制決済を受けることはありません。実際、時間はかかりましたが、その後元の価格帯に戻っていますので、EAは再び正常の稼働を続けることができます。

ご指摘の2020年3月19日は、コロナ禍最初の大パニックが全世界のマーケットを襲った時期でした。FXに限らず多くのトレーダーが市場から退場させられたのはこの時で、YouTubeを含むネットには今でもそのころの悲惨なリポートが多く残されています。

ひとつ注意していただきたいのは、⑥~⑩の注文が逆指値(Stop Order)であることです。マーケットがパニックに陥ると、相場が建たない場合があります。1.2650の買い注文がマーケットになく(売り一色の状態)、レートが大きくその域を飛び越えてしまった場合には、逆指値が通用しなくなるからです。過年のスイス中央銀行による突然の介入中止とそれによるスイスフランの暴騰の際も同様の現象がありました。コロナ禍は非常時とはいえ、パニックが最高潮を迎えるまでには数日あったわけですから、そのような場面では相場に手を出さない、または、早々に退出するのがゴールデンルールというべきでしょう。ストップ注文が通用しないマーケットはもはやマーケットとして機能しないからです。     


超安全マーチンゲール両建てEA(Centurion Smart Grid )の正しい利用法

2022-03-21 03:26:46 | 投資

 本年2月7日に、マーチンゲール組込みの両建てEA「Centurion Smart Grid」を公開いたしました。その後の超弩級の世界大動乱や地震災害が続く中、大荒れの相場環境にあっても、同EAは何事もなかったように確かな稼働の跡を記録しております。

 過去1ケ月の間にご利用の多くの方々から、ご鞭撻やご質問をいただいております。皆様のご要望に沿うべく更新を続けて参りますので、引き続き、コメント欄やMT Studio21社「お問い合わせ」欄からご意見お寄せいただくようお願いします。

 さて、頂戴したご希望やご質問の内容を伺っていると、改めて再確認を要する事項がありましたので、以下申し上げます。

1)運用銘柄

 運用銘柄は主要通貨ペアに限ること。日本のMT4/MT5の草分け、豊嶋久道先生の分析によると主要通貨の値動きは「ランダムウオーク」にきわめて近い動きだということでした。すなわち、プライスの動きは酔いどれの歩みに似てどちらに動くかわからない変動だと言うのです。それ故に、プロのトレーダーもあまりやりたくはないというGBDUSDをこの戦略の推奨銘柄として一番に挙げています。一方向に動き出したかと思えば、次の瞬間に突然反対方向に動き出す始末、厄介ではありますがこの戦略にはもってこいの通貨ペアなのです。エキゾチック通貨を含むペアや商品相場・株式指数CFDへの応用は絶対に避けていただくようお願いしておきます。

2)買い下がり、売り上がり幅

 GBDUSDの場合、買い下がり、売り上がりの幅は100pipsとしております。他通貨では、EURUSDが考えられますが、こちらも100pips程度を基準に、過去検証を行った上で本番に臨んでください。過去数年分の1分足4本値データは以前のブログにてダウンロード先を案内していますので、参照してください。

3)利益確定額

 このEAでは一定の含み利益に達したときに利確し、その取引を終えることになっています。MT4のシステムでは含み益の額を求めると、その答え(アウトプット)は必ず運用しているMT4口座の通貨によって算出されます。例えば、日本国内では円口座ですから、GBPUSDの利益額は円で算出されます。$10.00で利益確定したい場合には、Profit欄は10ではなく、1,190としなければなりません。(USDJPYが119.00の場合)

4)バックテストでの注意事項

 運用口座が円口座の場合、バックテストは必ずJPYにて行います。バックテストの設定欄にはJPYが表示されていませんが、ここにJPYと打ち込むと円でのバックテストが可能となります。

 

5)海外のハイレバ口座での運用

 ハイレバレッジの海外の口座にて運用の場合、業者の都合で突然レバレッジを下げてくるという話を耳にします。ネット上、このような現象は成績がよい口座を狙い撃ちにしたものとのうわさが飛び交っていますが、よく調べるとそうとは限らないようです。日本円口座の場合、残高が100万円を超過するとこのような措置が取られているようです。口座残高が100万円に近付いた段階で、こまめに残高を引き出しておくことをお勧めします。

6)EA更新のお知らせ

 現在、Centurion Smart GridはRev1までお届けしておりますが、本日Rev2に更新しMT Studio21社にて公開されました。同時にご利用中の皆様には各別に改訂版をお届けする予定になっております。

改訂前:

「MaxSteps plus 1で損切りする」か「しない」の選択ができる。「しない」場合には、ヘッジ取引の利益確定を終えた後は、主取引(マーチンゲール取引)のポジションをオープンとしたま、相場の戻りを待つことになる。

改訂後:

「MaxSteps plus 1で損切りする」か「しない」の選択ができる。「しない」場合には、ヘッジ取引の利益確定はせずに、全ポジションをスクエアにしたまま相場の戻りを待つ。デフォルトは「false」(損切りしない)に設定しているので、損切りをする場合には、これを「true」に変更する。

改訂の趣旨:改訂前では相場が想定外の暴騰暴落を続けた場合には、含み損がさらに増大することがあり得る。改訂後は、主取引(マーチンゲール)とヘッジ取引の同額の両建てとなるため、含み損がそれ以上増大することにはならない。残しておいたヘッジのポジションは放置しておいても、相場が戻ってくればそのまま自動取引を続ける。

EA 公開URLはこちら


毎日100pips抜くCCIゼロクロス+5MA(972手法)のEA化

2022-03-18 15:45:24 | 投資

 提携先のMT Studio21社の顧客のお一人から同社にEA作成を検討してほしい旨の依頼があった。

 5年ほど前に、2ch(現5ch)の投資欄に掲題の手法が紹介され、大いに議論に花が咲いたそうである。そのスレッドの972番目の投稿であったということで、その後も一部投資家の間では「972手法」の愛称で今日まで利用され続けているということだ。本稿の末尾にこの手法が解説されているページを紹介しておくので、参照していただきたい。

一、972手法の概要

1)推奨通貨ペア:GBPJPY、GBPUSD、USDJPY

2)推奨時間足

 ・執行時間足:5分足

 ・環境時間足:日足、4時間足、1時間足

3)トレードチャンスと狙える値幅

 ・1日に6~7回

 ・1日トータルで100pips前後

4)使用するテクニカル指標

 ・CCI(パラメータ機関 14)

 ・移動平均線(期間5、21、50、98,150、200)

 ・トレンドライン(日足、4時間足、1時間足)

5)買いルール

 ① 方向性の確認(移動平均線7+トレンドライン)

 ② ローソク足(1本目)5MAを上抜ける

 ③ 次足(2本目)終値が5MAを上抜けたまま維持

 ④ CCIが0(ゼロ)レベルより上

 ⑤ 次足(3本目)寄り付きで成り行きエントリー

6)売りルール

 ① 方向性の確認(移動平均線7+トレンドライン)

 ② ローソク足(1本目)5MAを下抜ける

 ③ 次足(2本目)終値が5MAを下抜けたまま維持

 ④ CCIが0(ゼロ)レベルより下

 ⑤ 次足(3本目)寄り付きで成り行きエントリー

6)手仕舞いルール(利確&損切り)

 ・ ローソク足終値が5MAまで戻されたときに手仕舞い

二、EA化の可能性

 上記を概観すると、本手法は元々裁量取引であることが分かる。複数の移動平均線やトレンドラインを引いて相場の方向性を判断するからである。その他のエントリーやエグジットに係るテクニカル指標は5MAとCCIであるから、こちらはそのままEAの論理式として採用することができる。

 方向性の判断をするテクニカル指標については、当ブログにおいて取り扱ったものの中でも信頼性の高いものが多数存在するので、それらを組み込むことにとって、精度の高いEA化は可能であると考える。ただし、提唱されている手仕舞いのルールにはあまり賛成できない。過去の経験では、5MAではダマシが多いからである。こちらの改善も必要となってくる。

 CCIを使った手法では、CCI Line Cross EAというのがネットで別途紹介されていた。こちらは、EAそのものは公開されていなかったが、バックテストではグラフは右上がりとなっていた。しかし、そのプロフィットファクターでは、使う気にはならない。こちらの改善にもトライしてみたいと思う。

 2本のEA作成とテスト完了までには数日かかりそうだが、公開できる代物になってほしいものである。

972手法公開ページ: https://fxinspect.com/archives/24796