トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

MT4 裁量と自動取引との融合

2019-03-23 11:15:11 | 投資

 裁量取引で成功した手法でなければ自動取引でも成功しない。それでは、裁量取引で成功した手法は裁量取引だけで利益を最大化できるかというと、それは物理的に無理である。テクニカルで絶好のチャート局面が示現したとしても、タイミングよくエントリーできるとは限らない。プロであっても睡眠時間は必要であるし、パソコン画面に向き合い続ける時間にも限度がある。自動取引の必要性を意識することになる。 

 裁量取引であっても無造作に自動化してはならない場合もある。このブログでボリンジャー・ファイブ(BB5)という手法を紹介した。この手法は厳密にいえばスイング取引であるが、数時間を待たずに決着するデイトレ的な側面もある。成功率は、元祖水上氏が述べられている通り極めて優れている。しかし、この取引、一旦利確を収めれば自動取引を停止させなければならない。人間の目で確認した後でなければ、自動的に再エントリーされては困る。なぜなら、この手法、エントリーは目で判断しなければならないからである。通常東京時間午後3時あたりまでに仕掛ければよい。30分もあれば、水上氏のように25通貨ペアの監視も可能である。ロンドンからニューヨーク時間にかけての小爆発や中爆発(ブレークアウト)を狙う手法だから条件に適った3~4通貨ペアが対象となる。 

 筆者が関係するMetaGenic社で公開しているBB5のMT4自動売買プログラムでは、この点を考慮したものになっている。狙った通貨ペアは欧米市場でトレンド相場となることが多い。最初の工夫としては、小爆発にも耐える仕掛けである。小さめのトレンドであると、一旦ブレークした相場がほどなく反転・逆戻りすることがある。その場合には、含み益が10ピップスになった時点で、ストップロス値を元値(買いまたは売りエントリー価格)に自動変更することができる。たとえミニブレークでその後相場が逆行しても、その取引では損益ゼロで逃げることを可能にしている。(One Time Trailing Stop)一般のトレイリングストップ(TS)を組み込んでもよいが、TSでは小さな利益で終わることが多い。含み益が安全な領域に入ってくれば、手動に切り替えて徐々にSL値を変更していくのもお勧めだ。(手動のトレイリングストップ、夜中に起きている場合) 

 一旦、利益確定が終わればEAを停止させなければならない。この仕組みも組み込まれていて、望まぬ新たな取引を自動取引が勝手に再開することはない。EAは無効化されているので、新たな取引を開始するには、人間の手でリセットもしくはEAを一旦削除して、再挿入しなければならない。本手法は、売り買いいずれのブレークアウトにも順張りで対応するいわばDouble OCO注文なので、ポジションとならなかった一方の注文は自動的に取り消されていることは勿論である。 

昨日のEURJPYの設定例

 

  下段のナビゲータは昨日のリアルでのトレード結果を転載している。

2019.03.22 03-17-51 OCO待機注文

2019.03.22 11-30-31  約定、大爆発に遭遇したためストップ注文が大分スリップしている。設定どおり、40ピップスの利益獲得となった。ストップ値が売り参入価格に修正されていることに注意。また、売り約定と同時に買い注文もキャンセルされている。 

 上段のチャートはバックテストで再現したものである。ただし、バックテストでは時間の指定ができないので、朝一番に注文が出されたようになっている。リアルでは午前11時台に発注されているので、バックテストのチャートはあくまでイメージ画面と理解されたい。それにしても、大ブレークだったので、パソコンを前にしていれば、100ピップスは確保できたかも・・・

 裁量と自動取引とを融合させることが大事であることを実感している今日このごろである。


ボリンジャー・ファイブ(BB5)の威力

2019-03-20 21:57:53 | 投資

 日ごろトレードしたことのない通貨ペアEURAUDであったが、昨日の日足ボリンジャー(σ2)が思いっきり収束していたので、BB5の逆指値を仕掛けておいた。本日(3/20)朝チャートを開くと、なんとバンドが拡張を始めており買いの逆指値注文が約定して含み益の状態になっている。一日の高値や安値はマザーマーケットで付けるというから、豪市場で豪ドルが売られた結果であろう。早速、ストップを買値丁度にセットし直し、後は高みの見物を決め込んだ。そして1時間もたたない間に相場が駆け上がり、50 pipsというビギナーズラックのような棚ぼたにありついた。BB5の威力や絶大である。 

 前ブログで水上式ボリンジャー・ファイブ(BB5)に触れ、今日でもなお視聴できる同氏のオンデマンド・セミナーを紹介した。セミナーの中では、唯一明らかにされなかったのが、利用する時間軸であった。25通貨ペアそれぞれにつき、二つの時間軸のチャートを監視し続けておられるとのことであるが、セミナーのなかではその中身は「内緒」とされていた。 

 日足が最も大事な時間軸であることは、明白である。なぜなら、セミナーの手元資料であるキャプチャーされたチャート画面は明らかに豪ドル円の日足で、収束したBBのバンドの上下に20pipsの逆指値の注文の痕跡が見て取れるからである。他の時間軸はおそらく1時間足ではなかろうか。日足とともに時間足も収束をしているとすれば、仕掛けのタイミングとしてはベストだからである。(下記資料参照)

  MT4チャートでは時間足チャート上に日足のボリンジャーバンドを表示することができる。通常のBBとともにMTF(マルチプルタイムフレーム)BBを画面に挿入しておけば、時間足のチャートには日足のBBも表示されるから、チャート画面を切り替える手間が省ける。1時間足のチャート(CADJPY)に日足ボリンジャバンドを表示(黄色の線)

 ボリンジャーバンドの収束状態から拡張に向かうトレンドに乗りたいとはトレーダーの誰しもが願うところであるが、なかなかいい方法が見つからなかった。まさに灯台下暗しである。

(注)MetaGenicFXでは、BB5の自動売買プログラムを公開しました。文中の含み益が出れば、ストップを元値(買値または売値)に変更して、その取引では「損なし」とする機能も搭載されています。(One Time Trailing Stop)

https://metagenicfx.thebase.in/

 


MT4 ボリンジャーバンド・ファイブを知っていますか?

2019-03-15 14:57:40 | 投資

 銀行のディーリングが人工知能(AI)に置き換えられているという。ディーラー不要の時代に入った。つぶしのきかない職種ゆえに、彼らの退職後の第二の人生もなかなか大変なようである。そのせいか、従来表舞台に登場しなかった職人気質の元銀行ディーラーが、時々FXセミナーの講師として我々の眼前に登場することがある。

 プレゼンテーション自体は不慣れのせいか、とてもスマートとは言えないが、長年蓄積した職人としての秘技をポロっと漏らしてくれることがある。セミナー講師を専業にしている多くの先生方にはありえないことである。ロンドンやニューヨーク市場での戦歴を含め内外の銀行で30年もの長きにわたってディーラー1本で通してきたM氏もその一人だ。 先日、約2年前に実施されたM氏のセミナーをオンデマンドで視聴する機会があった。同氏がその後、セミナー講師として再登場されていないことから、セミナー受講者からのフィードバックはそれほど好評ではなかったようである。 

 セミナーで紹介されていたのはボリンジャーバンド・ファイブという手法である。ニューヨークでディーラー仲間から教わったというもので、現役から引退した現在でもなお使っているという。ローソク足にボリンジャーバンドを表示させただけの超シンプル手法。筆者にとっては、目からうろこの感があった。セミナー終了後、早速リアルで試してみたところ、すこぶる調子が良い。参考までに以下にオンデマンドセミナーのURLを掲げておく。M氏は職人気質なので、自動売買などは必要としない。ぜひデモまたはリアルでテスト運用されることをお勧めする。手元資料も画面からダウンロードできる。

http://ondemand.seminar.vcube.com/ondemand/v/681d0567c0f22e2d39a083af1d8fc0e3d86570f5

 セミナー視聴された方には続けてお読みいただきたい。 

 M講師は常時25通貨ペアをウオッチされているという。筆者は12通貨ペアの動きを監視いているので、1時間チャート上にBollingerBnads(5)σ2を表示させてみた。

 

 現在、ボリンジャーのバンド幅が狭まっているものが狙い目である。上段左から2番目のペアGBPUSDのバンド幅が狭まっている。セミナーの教えに従ってバンドの上下20pips外側に逆指値の買いと売りの注文を同時に出す。

  チャートから上下バンドの数値を読み取り、上下に2個の逆指値OCO注文を出すのは誠に面倒である。業者によっては数値そのものが正確に読めないところもあるのに加えて、狙い目となる通貨ペアは3~4個あるので手動では間違いが起きやすい。 

 そこで、注文をMT4で自動化したものが、次に示すEAの設定画面である。

  ボリンジャーの期間は5であるのがユニーク、トレンド発生の流れに乗るには最強のツールに早変わりすることを初めて知った次第である。

Shift:0となっている。最新バーのボリンジャーの値を選択している。デフォルトでは1として1本前の足のボリンジャーの値を採用している。MT4のチャートを開いたところ、3本前の足でバンド幅が最狭となっていてすでにトレンドが始まっている場合には、Shiftを3とすれば最狭のバンド幅の数値基準で逆指値注文を出すことができる。 

BreakPips:セミナー講師の推奨通り20ピップスとしている。この数値は通貨ペアによって変動させるべきである。講師の推奨される20pipsはGBPUSDでは最適であったが、ボラティリティが異なる他の通貨ペアでは妥当しない。例えば、GBPUSDのATR(14)は127pipsであるが、EURUSDのATRは54である。EURUSDのBreakPipsは9になるべきである。 

SLpipsとTPpipsはそれぞれ20と30にしている。こちらも通貨ペアによってパラメータを変動させる必要がある。 

 EAとはいえ中身はOCO注文を自動化したもの。売り買いいずれかにトレンドが発生し、一方の注文が成立した場合には他方の注文は取り消される。後は業者側のサーバーが自動処理してくれるので、この段階でEAは画面から消えるようにプログラムされている。(EAが残っていると、望まぬ取引を再度開始してしまう恐れがあるため) 

 このところの英ポンドの激しい動きのせいか、この手法でたいそうな恵みを授かった。次回、MetaGenicFXとの打ち合わせの際には、本EAの限定販売を提案してみたい。

MetaGenicFX: https://metagenicfx.thebase.in/

3月月17日、EA公開いたしました。