トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

MT4 Fibonacci Retracement(FR)とFibonacci Expansion(FE)【2】

2019-05-23 16:29:15 | 投資

 前ブログ「Fibonacci Retracementを活用しよう」の中で、FRにマイナス域を設けてFEの代替とすることを述べた。確かにこれでFEの一部を代替することはできるが、トレンド相場の行きつく先を予測するツールとしては不十分であるため、正しいFEの使い方について模索していた。 

 パンローリング社から刊行されている書物に「フィボナッチブレイクアウト売買法」というのがある。原題は、High Probability Strategies、副題はEntry to Exit Tactics for the Forex and Stock Marketsという米Robert C. Miner氏原作の邦訳である。 

 長らく読まれずに本棚に飾ってあったが、フィボナッチという言葉でこの書籍のことを思い出して読み始めた次第である。日本語版のタイトルは堂々と「フィボナッチ売買法」とされているが、原書のタイトルにはフィボナッチという言葉は使われていない。読み進んでみると、フィボナッチは著者の「Dynamic Price Strategies」の一部であり、複数の戦略の中の重要な価格分析手法の一つであることが分かる。 

 その中に、FEの使い方について詳しい説明があった。著者はFRのことを「内部リトレースメント」、FEのことを「外部リトレースメント」と呼称されており、両者を使ってトレンド相場の予測をされている。(代替価格予想という) 

 実際の相場でその手法を試してみよう。USDJPY4時間足、2019.05.14までのチャートである。

 

 5月2日の高値(X)と5月14日安値(A)のリトレースメントが青い横線で描かれている。下降相場X-Aが終了し、ABCの修正波で上昇相場に転換したとすると、ABC3点によるフィボナッチ・エクスパンション(FE)は赤線のように描画される。FRとFEが近似にあればそのゾーンが代替価格予想値(ターゲット)となるというのがマイナー氏の理論である。 

 改めてFRとFEを観てみると、実はFRの61.8とFEの161.8が重なっており、赤い線と青い文字が見えなくなっている。ばっちりの近似値ということだ。近似の個所が2ヶ所あれば、それらはいずれもターゲットになりえるので、ロットを2分割して臨むのがよいとされている。 

 5月14日から本日(5月23日)までの相場展開はどうであったか。まさか、またもやフィボナッチさんに驚かされる結果となった。

 

 


MT4 知っていると便利なチャートテクニック【4】

2019-05-19 10:08:49 | 投資

 引き続き知っていると便利なMT4のチャートテクニックです。

① 過去チャートで練習するにはStep By StepとStep Back by Step

 MT4チャート上辺のメニューバーのスクロール機能とシフト機能が押された状態にあるが、これを押されていない状態に戻すと、自由に過去のチャートに戻ることができる。過去のチャートへの戻り方はカーソルで右へドラッグしてもよいが、過去の指定日時のチャートに瞬間的に移ることもできる(裏テクニック(3)参照)。そしてファンクションキーF12を押せば、ローソク足を1本ずつ先に進めることができる。裁量取引で過去のチャートを使って取引手法の練習をするには、この上なく便利な機能である。 

 ここまでのところは、前ブログで触れたのであるが、それでは先に進めたローソク足から反対に元に戻るにはどうすればよいか? これも一本ずつチャートをバックさせることが可能である。SHIFTを押しながらF12を押すと、一歩ずつバックしてくれる。名前はないが、Step Back By Stepと名付けておこう。 

② グリッド(チャートの格子)の表示/非表示

 MT4のデフォルトのチャートには全面に薄い格子が表示されている。便利な反面、チャート分析には指標が見づらくなるので、消してしまいたいと思う時がある。プロパティを開いて「グリッドの表示(Show grid)」のチェックを外すのが本来の方法であるが、これでは回りくどい。「CTRL + G」で表示/非表示の切り替えが可能である。 

③ 期間区切り表示(Show period separators)

 1時間足なら1日ごとに、4時間足なら1週間ごとに等チャートに区切り表示する機能であるが、こちらにも近道が用意されている。「CTRL + Y」で表示/非表示の切り替えができる。


フィボナッチ・リトレースメントを活用しよう

2019-05-18 10:02:53 | 投資

  筆者が日経平均のフィボナッチを計算していて、それこそ腰を抜かさんばかりに驚いたのはリーマンショック時の暴落を目の当たりにした時であった。 

(A)2007/06/20 最高値 18297.00

(B)2008/10/28 最安値  6994.90

(C)高低差      11302.10

 C ÷ A  =  0.6177  (0.618)

   B ÷ A  =  0.3822  (0.382)

 誤差は10円以下、まさしく黄金分割比率で説明できてしまったのである。 

 FXの世界でもおよそプロと称される方には、フィボナッチ・リトレースメント(FR)やフィボナッチ・エクスパンション(FE)を多用される方が多い。FRは押し目や戻りの地点を発見するのに大いに役立つし、FEはトレンドの行きつく先を予測するためには欠かせない。 

 FRについては一般のトレーダーも多用されていると思われるが、FEを利用さる方は少ない。FEもMT4には標準装備されているが、デフォルトではチャート画面にアイコンが表示されていないので、カストマイズしてアイコンを出しておくと便利である。 

 FRの引き方は単純であるが、FEに関しては人それぞれの引き方があるのに加えて、3地点を選択する基準もFRほど簡単ではない。そこで筆者は、FEに替えてFRを加工して利用している。次のチャートを見てほしい。

  画像はGBPUSDの1時間足に加工を加えたFRを展開したものである。本来のFR 0.0%の下方にマイナス域のFRを付け加えている。FRを一旦加工してカストマイズしておくと、FEの役目も果たしてくれるし、FEよりも精密・正確であるため重宝している。金曜日の朝、セントラル短資のビデオ解説で和田仁志氏が述べておられたブレーク注目点(2月14日安値)がちょうど-32.8%となっていたので、備忘のためそのことをコメントとしてチャートに書き加えておいた。 

 講師の予測通り、-38.2%は早々に突破したため、思い切り売り参入、久々に楽しいトレードとなった。


「最強のFX1分足スキャルピング」の設定に誤り

2019-05-13 09:47:03 | 投資

 仕事柄、FXその他取引手法に関する著書が出版されるとなるべく取り寄せることにしている。最近刊行されたものの中に「最強の1分足スキャルピング」があるが、手法の根幹をなすエンベロープの設定に大変な誤りがあることは前ブログで触れた。 

 その後、精査した結果、著者はエンベロープのパラメータの設定の数値を1桁間違っておられることに気づいた。念のため、Amazonの読者書評をみると、そこにはおびただしい数の投稿がなされていて、その多くはエントリーできないというものであった。1桁間違っており、しかも掲載されているチャートでは、ローソク足が移動平均線の上下をミミズのように這っており、+σ1や−σ1には到底届かない状態ではエントリー機会がほとんどないのは自明のことである。正しい数値は、0.01, 0.015, 0.02, 0.025, 0.03, 0.04となるべきところを1桁多い0.1, 0.15・・・となっていたためである。 

 おせっかいながら、早急に正誤表等で対応されるべきことを書評に加えておいた。コメントがあまりにも多いので、新着順にソートし直していただくと、星印2個のコメントが出てくるはずである。 

 それにしても41%の読者が星5個の評価を与えているのは、どうしたことだろう。

 


週明けのドル円ポジション状況

2019-05-06 07:45:57 | 投資

 東京の株式・為替市場は未だ休日で開いていないが、セカンダリーマーケットであるFX 市場は日本の休日でも動いている。OANDA ジャパンのOrderBookにょると、同社全世界顧客の週明けドル円ポジション状況は下記の通り。日本時間本日午前7時のポジションで上図が売り買いネット、下図は売り買い両表示となっている。

 

  現在時刻は午前7時10分、ドル円の現値は110.70である。チャートは20分毎に更新されるから若干のタイムラグはある。同社のFXのMT4世界市場シェアは3割程度とされているので、上記のチャートはFXトレーダーのほぼ正確なポジション状況を示しているといえる。

  ポジション状況に加えて注文状況も表示できるので、我々トレーダーにとっては貴重な板情報となっている。以前のブログで一般的な同種インディケータを紹介したが、オアンダが提供する情報には敵わない。口座を開設すると利用可能となる。 

 それにしても、高値買い、安値売りのポジションが多いことに驚かされる。