トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

GP-ChARTのデコンパイルに挑戦【2】

2018-12-23 01:02:06 | 投資

 前回の推測に基づき試行錯誤を続けているが、結構これがむつかしい。元の平均足の計算式は判明しているので、この式をいじくればなんとかなるだろうとの考えが少し甘かったかなと思う。 

 GP-CHARTと元祖平均足を並べて表示させてみた。

 

 左がGP-CHART、右がMT4搭載の通常の平均足(Heiken Ashi)、一見してよく似ている。GPの黄緑色をダイアログボックスにて元の赤ないしは青に変換し直したものが下図である。

 こうして再度眺めてみると両者の違いがはっきりしてくる。GPのローソクの並びが滑らかであることから、平均足の平滑化がかなり進められていることが判明する。 

 Heiken Ashi.mq4のエディターを開くと、118から121行目にかけて次のような計算式が書かれている。この部分を適当な数式に書き換えることができたなら、上記左側のチャートが描けるはずなのである。

      haOpen=(ExtOpenBuffer[i-1]+ExtCloseBuffer[i-1])/2;

      haClose=(open[i]+high[i]+low[i]+close[i])/4;

      haHigh=MathMax(high[i],MathMax(haOpen,haClose));

      haLow=MathMin(low[i],MathMin(haOpen,haClose));

 

たとえば上記の上2行を次のように書き換えると;

      haOpen=(ExtOpenBuffer[i-1]+ExtCloseBuffer[i-1]

      +ExtOpenBuffer[i-2]+ExtCloseBuffer[i-2]

      +ExtOpenBuffer[i-3]+ExtCloseBuffer[i-3])/6;

      haClose=(open[i]+high[i]+low[i]+close[i]

      +open[i-1]+high[i-1]+low[i-1]+close[i-1]

      +open[i-2]+high[i-2]+low[i-2]+close[i-2])/16;

 となる。両者は似通っているように見えるが、60点位の出来栄え。数式の組み合わせは無数に存在する。空いた時間帯を使って2日ばかり頑張ってみたが成果なし。ブロックチェーンのように、計算を請け負ってくれる人はいないものだろうかと思う。 

 無謀な挑戦だった。少し頭を冷やす必要がある。

追記:論理式最下段の除数が初稿では12となっていました。16に訂正しました。

注)GP-Chartは平均足とT3を組み合わせたインジケータであることを失念していました。再挑戦します。

 


GP-CHARTのデコンパイルに挑戦【1】

2018-12-17 15:30:16 | 投資

 ひところFXセミナー講師として大活躍されていた鈴木隆一氏であるが、最近では表舞台に登場されるのを見なくなった。FX草創期に、それまで日本ではあまりなじみのなかった様々なテクニカル分析指標を、書籍や講演・セミナーを通じて一般に紹介された功績は大きい。理工系出身講師としてその説明には説得力もあり、今もFXトレーダーの中には、講師を通じて基礎知識を習得した人も多かろう。 

 講師が代表を務めるガンパウダーという会社のウエッブページでは、会員登録をするとGP-CHARTと称するMT4用のインディケータが無料でダウンロードできた。大変色鮮やかなチャートでローソク足に似た足の色が上昇局面、下降局面ではっきり判別でき、レンジ相場と思しき局面ではそれらとは別の色で表示されるため大変重宝していた。残念ながら、機械語のみのインジであったため、それがどのようなプログラムであるかは、筆者の能力不足もあり、皆目見当がつかなかった。 

 機械語のプログラムを人間が読めるソースコードに戻す作業をデコンパイルというが、これを特殊なアプリで行うことは不可能ではないが、現実的にはかなり困難を伴うらしい。鈴木講師もデコンパイルはしないで下さいと注意書きをされていたから、道義的にもこれはできない。 

 少しはFXとか相場分析に対する知識も蓄えた昨今、改めてこのインジを眺めてみると、これが明らかに平均足の修正版であることが分かる。二つのチャートを並べてみるとその相似性がはっきりする。左がGP-CHART、右がMT4標準搭載の平均足(Heiken Ashi)である。

 

 二つのチャートが祖を同じくすることは明らかだ。平均足と異なるところを補正すればGP-CHARTに変換することが可能となるはず。この過程をたどるのであれば、鈴木講師が禁止されているDecompileには当たらない。

1)まず、GPのローソク足の緑の部分の論理式

 平均足では陽線と陰線の2区分であるが、GPでは緑の部分が加わる。この部分の論理式は簡単に想像できる。平均足が陽線の場合でも、下ヒゲが上ヒゲより長い場合は緑、平均足が陰線の場合でも、上ヒゲが下ヒゲより長い場合は緑色と論理付けされていることが推察できる。

2)ローソク足の計算式

 次に、ローソク足の胴体部分の長さが微妙に異なる。これは平均足の期間の取り方が異なる、即ち各足の計算式が異なるものと推論される。 

 平均足(Heiken Ashi.mq4)のソースコードは公開されているのであるから、後はこれを一部改変するだけである。1)の部分はすぐにも修正可能だが、2)の部分は試行錯誤が伴うことになる。

 

----- 事項に続く-----


トラリピ必携、全決済・全取消し・全変更スクリプト

2018-12-08 14:00:54 | 投資

 TrapRepeatIFD(通称トラリピ)の注文では、その名の通り、待機注文の一種であるIFD注文を複数本発注しておき、首尾よく利確の決済が出来れば連続してその注文を繰り返します。 

 2~3本の注文であれば手動でも対応できますが、10本超になる注文となると入力ミスを犯しかねません。まして複数通貨ペアにて運用するとなると、とても手動では間に合いません。MT4でEAによる自動売買が好まれる理由の一つには、この利便性が挙げられます。その他隠れた理由としては、必要証拠金の問題も見逃せません。MT4非採用のFX会社では、指値や逆指値注文を出した時点で証拠金が必要となりますが、MT4採用会社では、通常、発注時点では証拠金は必要ありません。指値や逆指値注文が通ってポジションが発生した段階で初めて証拠金が必要となります。

 注文時点で証拠金が不必要なこともあり、MT4では注文数が20本程度に達することは頻繁にみられます。3通貨ペアにて各20本、計60本のトラリピを運用しているとします。このうち、ある通貨ペアの運用を中止したい場合、面倒なことが起こります。ポジションの決済や残存待機注文の取り消しを手動でしなければなりません。これがとても厄介なことは誰しもが経験することです。 

 先ずオープンポジションが複数本ある場合に、それらを同時に決済したい、加えて残存する待機注文を一挙に決済したいという必要性に迫られます。実は、従来からこのような機能を持つスクリプト(Script)はあるのですが、それを使うと、対象通貨ペアを含めたすべての通貨ペアのポジションが決済されたり、全通貨ペアの待機注文がキャンセルされたりするということが起こります。また、お勧めはできませんが、トラリピの上級者には複数の待機注文を1本に纏めたいという要請もあります。 

 上記のような諸問題解決のため、トラリピ運用の必需品として下記3種のスクリプトを開発し、このほどMetaGenicFX社に納品しました。いずれも、通貨ペアごとに全決済、全取り消し、全変更を可能にするスクリプトです。トラリピ以外の裁量取引、自動取引いずれの取引にも利用できること、申し上げるまでもありません。

CloseAll_By Symbol、DeleteAll_BySymbol、ModifyAll_BySymbol

 

ご興味のある方は、こちらまで


長短金利逆転?

2018-12-06 10:01:33 | 投資

 今朝の日経新聞に「米長短金利11年ぶり逆転」とのセンセーショナルな記事が載せられていた。短期金利が長期金利を上回るという異常現象で、かねてから株価暴落の兆しとして恐れられてきた。 

 昨日、米国は休日となったため、12月4日(火)のニューヨーク市場の数字に基づく報道であるが、当日のイールドカーブの逆転現象はいかなる状況であったのか。次のチャートはその実際である。

  詳しく見ると、確かに2~5年の曲線はわずかに下がっているように見えるが、全体としては未だ右肩上がりになっており、逆転現象とセンセーショナルに報道するほどではないのではないか。 

 Yield Curveの逆転は、景気後退・相場暴落の兆しとして市場関係者から注目されていることには変わりはないので、注意は怠らないようにはしたい。FRBの次の動きが気になる。