多くの通貨ペアでは年初から続くトレンド傾向にようやく変化の兆しが見え始めています。筆者の開発のトラリピEAに関しても多くのご照会が寄せられております。照会の多いトラリピEAに関して、その概略と特徴を改めて述べさせていただきます。
① TrapTradeSystem
MTStudio21社での展示は 「Expert Advisor トラピピEA」となっております。主役はその名の通り「TrapTradeIFD(トラリピ)ですが、トラリピを含むTrapTrade取引一般として活用することができます。
② 順張り型トラリピに対応
一般的なトラリピ手法は買いトラリピであれば、相場が逆行した場合には「ナンピン買い下がり」となり、ともすると含み損を抱えた多数のポジションを持つ羽目に陥ることがあります。MT Studio21社のEAは相場が逆行した場合には、ポジションを持つ確率が相当低い順張り手法(Stop Orders Only)を選択することができます。例えば現在のドル円相場が110.00として50pips間隔で買いトラップを張る場合、通常のトラリピであれば100円のポジションと110.50の逆指値買い注文及び109.50の指値買い注文が出されます(他のトラップは省略)。ところが、「Stop Orders Only」を選択し同時にStop Order 幅を例えば10pipsとしておくと、100.00のポジションは未だ発生することがなく、109.50の指値注文もこの段階で発出されることがありません。100.00の注文は相場が109.90になった段階で初めて100.00の逆指値買い注文として発注されます。同様に109.50の注文は、相場が109.40まで下がった段階で逆指値注文として出されることになります。上記のように相場が逆行すれば途中の多くのトラップは逆指値注文として残るのみで、含み損を持つポジションとはならない仕組みになっています。そして、相場が順行に戻れば逆指値注文が次々と約定し順張り取引として利益を取り込んでいくことになります。最初から相場が思惑通りの上げ相場であれば、110.50以上のトラップは通常のトラリピと何ら変わるところはありません。このことはバックテストで検証されると、十分納得していただけること疑いありません。
③ トレイリングストップを装備
トレイリングストップ装備型と非装備型の製品があります。ここぞという場面や単なるトラップ取引には威力を発揮します。
④ 半自動取引
EAを本格的に運用するためには、外部のコンピュータ(VPS)を賃借りしてフルの自動取引とする、あるいはパソコンを常時ONにしてMT4を常時立ち上げておく必要がありますが、トラリピに限り自前のパソコンのみで、ほぼ確実に自動取引をすることができます(半自動)。トレーダーの中には、手動でトラリピをする方がいます。でも、取引ペア数が多いと、途中で入力ミス等が多発します。また、上に述べた「Stop Orders Only」の選択はパソコンを常時開いていない限り発注することはほぼ不可能です。
本EAをお使いになれば、パソコンは日に3~4回開くだけで十分です。但し、トラップ幅が狭小の場合には取りこぼしが発生します。ATR(1日の変動幅が100pipsであれば、トラップ幅を40pips程度以上としておけば、ほぼ取りこぼしは発生しません。トラリピはIFDの連続ですから、利確を終えたIFDは再注文しなければなりません。一旦閉じたパソコンのスイッチをオンにした途端、眠っていたEAは覚醒し欠けたIFD注文を直ちに修復することになります。複数通貨ペアを運用していても注文ミス等で失敗することはありません。
⑤ 必要証拠金の負担軽減
トラリピ注文では通常10個以上の指値又は逆指値注文を一挙に発注することになります。MT4/5非採用のFX会社の多くでは、それらすべての注文に対して証拠金を要求されます。MT4/5スステム採用会社では、通常未だポジションが成立していない予約注文(指値・逆指値)の段階で証拠金は発生しません。MT4/5取引のメリットの一つともなっています。
⑥ MT4/MT5用2個のEAを用意
MetaQuotes社では将来取引プラットフォームをMT5一本に絞る予定と聞いていますが、EAはMT4用、MT5用と別個二つのEAを用意しています。
⑦ ハーフ&ハーフを付録としてパッケージ
トラリピ戦略の一つにHalf & Halfがあります。一定価格超の価格帯では売りトラリピを一定価格未満の価格帯では買いトラリピを指向する手法となります。一部のご利用者からの要望に沿い、主製品からは独立した付属品としてHal & Half EAを同梱しております。
⑧ 海外口座利用の効用
海外口座利用の効能はハイレバレッジ運用が可能になるだけではありません。業者の中には、売り買いスワップがゼロという業者があります。また、一定の口座残高を有していれば、EAによる自動売買に不可欠なVPS(レンタルサーバー)が無料で利用できるところもあります。本ブログの読者から情報を頂戴したのですが、Exness社では上記ゼロスワップ、無料VPSを提供しています。筆者も目下テスト運用中ですが、この半年程度運用は順調です。特にゼロスワップ制度はトラリピ運用には最適です。ただし、海外口座ということもありますので、お試しになるのであれば、少額からの運用をお勧めします。
⑨ 仕掛けの注意事項
「買いのトラリピはどこで仕掛けるか」ですが、いろいろな考え方がありますが、基本的には各注文は少額で且つレバレッジは小さくというところでしょうか。順張りトラリピを選択すれば、更に安全という訳ですが、それでもできるだけ相場が底の段階にあることが理想です。それと運用期間が長くなる場合には、スワップにも気を配りたい。スプレッドは狭小でもその分スワップでは結構なコストになる場合もあります。海外口座でのゼロスワップについては、⑧を参照。
⑨ 仕掛け例の報告
また、本EAにてコンスタントに利益を確保しているとの報告は多く届いています。「例えば、週足のオシレータ指標で底値圏に達した場合、そこから買いトラリピを仕掛ける。その場合、順張り(Stop Orders Only)を選択すれば、含み損を極小に抑えることができる。一方、西山孝四郎講師のメガトレンド(日足、週足)の方向に沿ってトラリピを仕掛けているという報告例。最近では、Nikkei225やDow、Nasdaqといった株価指数ETFや金、石油等商品系ETFでの取引にも本EA利用者がおられます。また、「トラリピを覚えることにより、通常取引の技術も向上した」等々うれしい声もありました。
以上、MT Studio21.comに届いた、Trap Trade SystemEAのご照会の多い点を中心に概略説明させていただきました。
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