MT4がMT5に統合される日も近いと噂されてから久しいが、相変わらずMT5の普及はMetaQuotes社の期待通りには伸びていない。最近の予想としては、今後MT5は株式や商品先物等に特化していくのではないかという見方が多くなっている。
MT4の最新のbuildは10月14日更新のbuild 1350で、ますますその利便性が増している。中でもMT4の売りであるバックテスト機能はひところに比べるととても便利になった感がある。バックテスト改良点と利用にあたっての注意点を述べてみたい。
- インディケータの検証
いつの時点からかは定かではないが、インディケータのバックテストも行えるようになっている。作動確認が簡単に実行できることに加えて、Visual Modeでゆっくりとチャートを動かしていけば、裁量トレードの練習ができることにもなる。以前は、ファンクションキーのF12を使ってチャートを一コマずつ先送りして同じことをしていたから随分と楽になった。
- 口座通貨でのバックテスト
これは以前からあったかどうか記憶がはっきりしないが、少なくとも現在では日本円にて検証が可能である。
設定画面を開くと4通貨の表示はあるが、この中にはJPYはない。しかし、一番上のボックスにJPYと打ち込むと、日本円でのバックテストができて便利である。もちろん証拠金額も1,000,000円程度にしておくのがよいだろう。
- スプレッドをどうする
スプレッドは通貨ペアに関してはポイント(Point)で入力する。1 Pointは通貨ペア価格表示の小数点以下最小桁の1が1 pointである。USDJPYが例えば113.234と表示される口座での1 pointは0.001であるから、スプレッドを0.05円(5 ピップス)としたい場合には、スプレッド蘭には50と入力する。小数点以下5桁表示のEURUSDでも同様5 pipsの例では50と入力することになる。
それでは、最近MT4でよくトレードされることになった株式インデックスや金、仮想通貨でのスプレッドの扱いはいかがとなっているのだろうか。これも原則通りである。JP225でスプレッドを5円に設定したい場合、表示価格が円単位の口座では5,少数点以下1桁表示の業者では50に設定することになる。
選択肢としては、「現在値」とすることもできるが、早朝やイベント時間帯ではスプレッドが異常に拡大していることもあるので、要注意ということだ。
その他、改善されたところは多くあると思われるが、現在は上記のような基本的なことしか思い浮かばない。お気づきの点があれば、コメント欄で教えていただくとありがたい。
MT4の持つ最大のメリットの一つには、トレードに利用する相場分析指標が目的通りの結果を出せるかどうかを、EA化を通じて事前に過去検証をすることができる点にある。このことは、裁量で取引する場合も作成したEAで自動取引をする場合でも変わることはない。MT4がトレーディングシステムとして世界標準となっていることには頷かざるを得ない。