トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

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石原順(西山孝四郎)「Mega Trendによる新ボラティリティ手法」整いました

2021-11-25 16:20:02 | 投資

 石原講師の2020年以前の取引手法の基本は、ボリンジャーバンド(BB)、ADX。標準偏差(StdDev)を主軸とするもので、それらの指標がトレンド発生の風見鶏の役割を担っていました。

 ボラティリティの高い市場環境にあっては、上記の3指標による相場転換点のとらえ方は充分であったのは事実で、講師は20数年來プロのファンドマネージャーとして成功をおさめ続けてこられたこと、セミナーの中で繰り返し述べておられました。ところが、為替相場が熟成期に入ってくると、これまでの相場分析手法がそのままでは成り立たなくなってきたということも、我々一般投資家にも体感するようになってきておりました。

 例えば、USDJPY(日足)の相場を講師の旧来の分析手法により、売り買い発生のシグナルを見てみると次のようになります。

 BB(21) σ±1をローソク足の終値が飛び出すと、売り買いのシグナルが発せします。シグナルは最下段のバーにても全く同じに表示されています。

 サブチャート上段には、ADX(14)とStdDev(26)が本来の曲線で描画されています。中段のバーはADXとStdDevがともに上昇する際に、買いのトレンドでは赤く、売りのトレンドでは黄色く塗り分けられています。両バーとも概ね売り買いのタイミングは合致しているように見えますが、ボラティリティの観点からは両者には目立った違いは見られません。どうも同じような指標が重なったため、確固とした順張り戦略が採りづらかった感があります。

 新ボラティリティ戦略として、2021年2月以降、講師はMega Trendなる指標を採用され始めました。その画像を同じチャートに描画させると次のようなものになります。

 ローソク足と最下段のバーは同期しており、赤は買いのトレンド、黄色は売りのトレンドを表しています。サブチャート上段は、ADXとStdDevの2本の曲線、その下のバーはADXとStdDevがともに上昇している場合の、買いあるいは売りのトレンド方向を示しています。

 こうして見ると、このチャートによる順張り手法、即ち新転換点ボラティリティ取引の内容は容易に推察がつきます。

1)大きな方向性はMegaTrendによって判断することができるから、dailyの取引ではその方向性にのみ従っておけばよい。反対方向の取引はしない。

2)具体的には、小さなポジションをMegaTrendに従った途転売買を行う。必ずしも取引を行う必要はなく、トレンド判断のみに利用する指標として使ってもよい。

3)ADX、StdDEv、BBにMegaTrendと反対のシグナルが出た場合には、そのようなシグナルは無視して取引には入らない。MegaTrendと同方向のシグナルが出た場合のみのエントリーに徹することができる。

4)結論的には、無理な取引に入ることによる損切りの回数が減少する。

更なる改良希望

 先週来、新ボラティリティ手法のためのMT4 インディケータを再開発し、講師の新戦略に従ったインジ群がようやく出来上がりました。しかし、筆者としてはそれだけでは満足のいくものではありません。講師の分析を更に向上させたいとの思いです。その理由は、ADX(14)にあります。StdDev(26)と比較して計算期間が14と短いこともあり、その動きが激しくて波形にギザギザが目立ちます。そのために、ダマシのシグナルを発することが多い点に懸念を持っておりました。そこで、同じADX(14)のままこれを平滑化(Smoothing)することにいたしました。前からの同じチャートに元のADXを使ったものとSmoothed ADXを使ったものを並列してみました。

 サブチャート上段には3本の線があります。青はStdDevでこれまでと変化がありません。ゴールドの線は平滑化前のADX(14)です。赤のラインが今回ADX(14)を平滑化したもので、曲線が滑らかになっていると思います。

 バーチャートが3個並んでいますが、一番上のバーは平滑化前のADXを使ったもの、その下が平滑後のADX、一番下がMegaTrendとなっています。

 MegTrendと同方向の取引を行うとすると、平滑化前ADXに従えば11回のエントリーとなりますが、平滑後のADXに従うと5回に厳選される結果、ダマシに遭遇する機会が少なくなっています。

 懸案であった道具は揃いました。MT Studio21とさらに検討を重ねて、近々公開の予定でおります。