問わず語りの...

流れに任せて

つまりは「特撮」とは何なのか

2022-05-28 06:01:14 | 怪獣、特撮

これ、以前のブログに書いたので、今回は簡単に書きます。

 

特撮とはつまり、日本の古典芸能の継承なのです。

 

例えば人形浄瑠璃。私はこの芸能にアニメーションのルーツを見ましたが、特撮のルーツでもあるといえます。

 

明らかな人形だし、人形を動かしている人の姿は丸見え。でも観客はその人形に感情移入し、涙さえ流す。

 

なぜなら人形には「霊」が宿っているから。だからその人形はただの人形ではない。

「命」が宿っているのです。

 

例えば能。能の基本は怨霊鎮魂にあるといえます。

 

だから能役者が付ける面には、霊が宿る。その時演者は、怨霊と同化している。

 

明らかな作り物。明らかな人形。明らかなお面。

明らかなミニチュア。

 

だけど日本人はそこに、「本物」を見る感性を持っている。

 

DNAの中に、その感性は刻み込まれているはずなのです。

 

ですから、シン・ウルトラマンに登場する禍威獣や外星人、あるいはウルトラマン自身にある絶妙な着ぐるみ感。その作り物感にこそ、日本人は「本物」を感じるのです。

「命」を、「霊」を感じるのですよ。

 

禍威獣には、映画『ジュラシック・パーク』の恐竜のような「生物感」などいらない。むしろ邪魔ですらある。

西洋の映画の「リアル」とやらにまどわされて、怪獣に筋肉の動きなどつけてはいけない。怪獣に必要なのは、着ぐるみのような

シワや弛みであり、四つ足怪獣の後ろ足は、人間の足のようでなければならない。

 

庵野さんや樋口さんはおそらく、その点を理解しているか、あるいは

肌感覚でわかっているかなのでしょうね。

 

 

芸能とは本来、神に捧げるものです。神楽などは人が「神」を演じ、大蛇などの怪物を倒す。その時神を演じている者には、本当に神が宿っていると、日本人は感じてきたのです。

 

ここまで言えばわかったでしょ?日本人にとってウルトラマンが何なのかということが。

何故こんなに大ヒットを飛ばしているのか、ということが。

 

なんでもかんでも「リアル、リアル」と言う奴は……やめときますか(笑)

 

映画『シン・ウルトラマン』、この、日本の古典芸能の継承を

 

あなたも体験してはいかが?

コメント (4)
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