問わず語りの...

流れに任せて

映画『クワイエット・プレイス:DAY1』

2024-07-10 07:29:15 | 映画

 

 

※ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年に公開された1作目は、アメリカの田舎町を舞台に、ほぼ4人の家族(最初は5人)しか出てこない、非常にコンパクトな映画でした。

 

 

これが大当たりして2作目も作られ、そして第3弾も公開。今作ではニューヨークが舞台ということで、莫大な製作費がかけられてます。

 

 

1作目からは隔世の感がありますが、悪い事じゃない。

 

 

 

主人公は、全身が激痛に見舞われる不治の病に罹っており、ホスピスに入院している黒人女性。

 

そのホスピス側の主催で、患者たちがニューヨークに出かけてきていた時。

 

 

”それ”がやってきます。

 

 

音を出すものを襲う”奴ら”にとって、ニューヨークのように四六時中喧騒に満ちた大都会は格好の餌場。この襲撃によりニューヨークは壊滅してしまう。

 

 

このような「大災害」に見舞われた時、人間はどのような行動を取るのか、という点がリアルに描かれていて、これが見応えあるんだな。

 

 

主人公はこんな大変な状況下にあって、ピザを食べに行くことに執着します。

 

ハーレムにあるそのピザ屋は、幸せだった子供の頃の思い出の場所。余命宣告を受けるほどの病に侵され、なおかつこのような大変な状況のなかにあるからこそ、彼女はピザに執着するんです。

 

死ぬ前に、なんとしてでもあのピザを食べたい。

 

 

ピザ屋を目指して、危険に満ちた街中を移動していく途中で、法律を学んでいるという青年と出会い、二人はなんとなく行動を共にします。この二人の関係性が面白い。

 

 

縁もゆかりもないはずなのに、なんとなく助け合いながら行動を共にしていくんですね。薬が切れて苦しむ主人公のために、青年は危険を冒して街中の薬局まで薬を取りにでかけて行く。

 

見ず知らず同士なのだから、ほっといても良さそうなものですが、なぜかそれが出来ない。助けてしまうんだな。なんか

 

 

「人間」だよな、って思っちゃう。なんかいいね、こういうの。

 

 

その人間が、パニック状態の中で明らかに間違った行動をとるシーンもあるんです。

 

上空からの米軍のアナウンス。「〇〇時に〇〇から救助の船がでるので、そこまで来てください!」これを聞いた群衆が行動を起こすのですが、これがヤバい。

 

 

大群衆が一塊になってぞろぞろと移動し始める。その足音だけでも凄く響くというのに、中にはキャリーバックをごろごろ鳴らしながら歩いている人もいる。

 

音をだしてはいけないことは、周知のはずなのに、”皆”がいるから、”皆”が同じ行動をしているから、という理由で集まっちゃう、同様の行動をとってしまう。

 

 

そうして案の定

 

案の定です。

 

 

”奴ら”がやってくる。

 

 

人間ってこういうところ

 

 

 

あるよなあ…。

 

 

なんとか目的のピザ屋にたどり着いた二人でしたが、そのピザ屋は…。

 

 

あとはこの危険な場所からどうやって逃げ出すかだけ。この時の、主人公の女性の行動が

 

 

泣かせるんです。

 

 

この映画、ホラーとしても1級ですが、人間ドラマとしても良く出来ています。なかなか見応えのある映画に仕上がっていると

 

 

思います。

 

 

映画の要といっていいのが、猫ちゃんの存在です。

 

 

介護猫というのかな?どんな状況かでも鳴かないように訓練を受けている猫で、この猫ちゃんが主人公と青年の傍に寄り添っていて、”癒し”になってるんです。

 

全編緊迫感に満ちた展開の中で、この猫ちゃんの存在は、観客にとっても”癒し”になってるんですね。

 

この猫ちゃんがいるといないとでは、映画の印象はかなり違ったものになると思う。猫ちゃんは実に重要な役割を果たしています。

 

 

猫ちゃん大活躍。この猫ちゃんを観るだけでも、価値あり。

 

 

面白いです。おススメ!

 

 

 

 

 

 

 

猫ちゃんの活躍編

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音を立てたらジュラシックな侍が来るぞ!

2024-06-15 03:56:54 | 映画

 

映画『クワイエット・プレイスDAY1』特別映像

 

回を重ねるごとに製作費が爆上がりしていった感じがするシリーズですね。1作目は一家族以外ほとんど登場人物がいなかったのに、とうとうニューヨークが舞台になっちゃってこんなにいっぱい人がいちゃって

 

大丈夫?大味な映画になってない?

 

1作目はめちゃめちゃ衝撃的で面白かったからねえ。さあて、今作はどうなっていることやら。

 

 

音を立てると「奴ら」がやってくる。だから

 

 

決して、音を立てては、

 

 

いけない。

 

 

6月28日(金)より全国公開!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうか、もう撮影が始まっているのね。

 

 

以前にも書いたけど、監督がギャレス・エドワーズということで、否が応でも期待が高まるというもの。

 

 

密かに期待しているんだけど、渡辺謙さんが出演しないかな?2014年の『GODZILLA』以来仲が良いみたいで、去年の『ザ・クリエイター/創造者』にも謙さん出てたし、今回も出たら面白いかな、なんて思ってるんだけど

 

 

ないかな?(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画『侍タイムスリッパー』予告編

 

 

幕末の動乱の最中、とある会津藩士が、長州藩士と斬り合っている最中に雷に打たれ、気が付いたら

 

 

現代の京都太秦撮影所にタイムスリップしていた!

 

 

 

正直タイムスリップものには食傷ぎみで、いい加減他のネタないのかよ!という感じなのですが、今回の奴はアイデアが秀逸!

 

 

場所を京都の時代劇撮影所にすることで、撮影所の全面協力が得られれば製作費が相当節約できる。

 

 

撮影所側としても、時代劇が激減している現状の中で、こうした企画はとてもありがたいはず。

 

 

あとは脚本だよね。どんなストーリーにして、オチというかラストをどう纏めるのか。

 

 

それ次第だよねえ。

 

 

撮影は去年のうちに終わっているようで、去年の京都国際映画祭でプレミア上映がすでにされているとのこと。

 

 

評判はよかったのかな、今年8月には、東京池袋での上映が決定したとのことです。まずはおめでとうございます。

 

 

それから、7月にはカナダ・モントリオールで開催されるファンタジア国際映画祭での上映も決定しているそうな。

 

 

時代劇にタイムスリップが加われば、確かにファンタジックではあるね。

 

 

全国公開はどうかな?難しいかな?せめて配信でやってほしいところですねえ。

 

 

主演は山口馬木也さん。私コチラの俳優さん、結構好きなんですよ。

 

 

藤田まこと主演の時代劇『剣客商売』に、2代目秋山大治郎役で出演していて(初代は渡部篤郎)、これが良かった!真っ正直で朴訥な剣客、秋山大治郎をよく演じてくれていて、ファンになってしまった。

 

 

最近では松本幸四郎版の『鬼平犯科帳』に、鬼平さんの”竹馬の友”岸井左馬之助役で出演しており、これがまた良い!

 

 

良い俳優さんです。大好き!

 

 

山口馬木也さん主演ということなら、一も二もなく観てみたい。なんとか東北、仙台あたりでいいから、上映なりできないものか。

 

 

やって欲しいなあ。誰か私の切なる願い

 

 

聞き届けてくれえ!!!

 

 

 

 

左が秋山大治郎(山口馬木也)。右が秋山小兵衛(藤田まこと)。

 

 

『剣客商売』は近年時代劇ドラマの中では傑作です!機会があれば是非観ていただきたい。

 

 

ではいつもの恒例、いってみよう。

 

 

 

【時代劇の灯を消すな!!!】

 

 

 

 

 

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これぞ愛ある実写化!「VOLTES V LEGACY」メガ・トレーラー/日本語字幕版

2024-06-06 03:58:10 | 映画

 

 

 

フィリピンで国民的な人気を誇る日本のアニメ『超電磁マシーン ボルテスⅤ(ファイブ)』。

 

 

昭和天皇がフィリピンをご訪問された際には、フィリピンの子供たちが主題歌を合掌して歓迎の意を表したというほどで、その人気は現在に至るまで衰えてはいないそうな。

 

 

そのフィリピンにて、ボルテスⅤの実写版が制作。公開されたということは、1年ほど前から聞き及んでいました。その作品が愈々我が日本でも

 

今年10月に全国公開の運びとなったそうな。

 

 

目出度い!

 

 

5機のメカが合体するシーンとか、YouTubeに上がっていたので観たのですが、カメラアングルからカット割りから、完全にコピーされてます。凄いよ。

 

 

もうねえ、フィリピンの人たちのボルテスⅤに対する「愛」の深さ、真剣さが伝わってきます。

 

 

これをパクリとか言う奴は○○ですね。こういうのを真のリスペクトというのです。真剣に愛しているからこそ、ここまでの完全コピーが出来るのです。

 

 

ここまでの愛を貫かれたら、原作者の方も本望でしょう。

 

 

そういうものでは、ないですか。

 

 

アニメや漫画を実写化する際に、ここまでの愛を持てとは言わないけれど、やはり「愛」を持って実写化してほしい。そうするべきだと

 

 

思うなあ。特に最近、悲しいことがありましたのでね。

 

 

ホント、そう思うよ。

 

 

 

 

堀江美都子、コロンビアゆりかご会『ボルテスⅤのうた』

 

この主題歌大好き。

 

 

 

 

 

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好みという奴

2024-05-20 04:43:29 | 映画

昨日、映画『碁盤斬り』を観にいこうかと思ったんだけど、我が肉体が「休ませろー」と駄々を捏ねたもので(笑)結局観に行くのを止めにしました。

 

気にはなるけど、白石和彌監督だしだあ、配信でもいいかな~とか思ってしまった。

 

 

なんったって『仮面ライダーBLACK SUN』あれ大っっっっっっ嫌いなのよ!

 

 

高い評価を上げている人もいますよ。それはそれで全然構わない。結局「好み」の問題ですからね。

 

でも私は嫌いだ!

 

 

 

まあ、監督の好みなんてものは、ちょっとしたことで変わりますけどね。例えば北村龍平監督。『ゴジラFINAL WARS』なんてえ糞(失礼)映画撮りやがって、ぜってーゆるさねー!!と決めていたのですが

 

 

のんちゃん主演の映画『天間荘の三姉妹』でのんちゃんをとても魅力的に撮ってくれた。ストーリー的にはツッコミどころ満載だけど、のんちゃんが良かったからまあいいいか。

 

許すとまではいかないが、「嫌いだ」という表明は取り下げてもいい、と思えた。

 

 

好き嫌いなんてそんなもんすよ。

 

 

だから、白石監督にしても、『碁盤切り』の出来如何では、「嫌い」の看板は取り下げるかもしれない。でも

 

 

仮面ライダーをあんな風にしやがって!やっぱりあれは許せん!それとこれとは

 

 

話が別。

 

 

では私の好きな監督は誰?と問われたら、うーんと考えてしまう。

 

 

そこまで大好きな監督ってそんなにいないかもしれないなあ。

 

 

金子修介監督?好きですよ。なんたって『平成ガメラ三部作』の全てでメガホンを取った監督だし、大概の作品は好意的に捉えていますけどね。でも好きかと問われたら

 

 

どうなんだろう?

 

 

最新作『ゴールド・ボーイ』観てないし……。

 

 

黒澤明やスピルバーグって、もちろん大好きだけど、ベタすぎて挙げるのがちょっと恥ずかしいかな。あっ、本多猪四郎監督!大好き!嫌いな作品はないなあ。うん、本多監督は素直に好きと言えるね。

 

 

 

 

そういえば、かの岡田斗司夫氏が「山崎貴はクサい。庵野秀明はダサい。そこが良さだ」という意味のことをおっしゃってましたけど、これには私も、基本的には同意します。

 

 

 

そうね、クサさやダサさって、必ずしも悪い事じゃない。要はクサさの中身、ダサさの中身です。

 

 

それが己の心の琴線に触れるものなら、ダサかろうがクサかろうが

 

 

良いものは良いんです。

 

 

ヘタにカッコばっかつけてる奴より、クサい方が、ダサい方が

 

 

よっぽど人間臭いや。

 

 

浪花節?結構じゃないですか。私は浪花節大好き、お涙頂戴人情話大好きな

 

 

ただの日本人です。

 

 

 

 

 

山崎貴監督のクサさ

 

 

 

私は好きだな。

 

 

 

さっ、次のゴジラも

 

 

 

頼んだよ。

 

 

 

 

 

 

 

映画『ALWAYS 三丁目の夕日』予告編

 

アマプラにて無料配信中。山崎監督の描く「昭和」

 

 

好きだな。

 

 

 

 

 

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映画『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』

2024-04-09 08:52:08 | 映画

 

 

 

 

 

 

 

イギリスの作家ブラム・ストーカーによる小説『吸血鬼ドラキュラ』。

 

 

史上最も有名なホラー小説の一つであり、今まで数えきれないくらい何度も映画化されてきた作品ですが、本作はその小説の中でもほんの短い一節、『デメテル号の航海日誌』からインスパイアされた映画です。

 

 

ルーマニアの港から積み荷を積んでイギリスへと向かう貨物船デメテル号に載せられた、多数の木箱。

 

 

その木箱の中に……。

 

 

 

船上で夜な夜な起こる奇怪な事件。何者かに襲われる船員たち。そうして襲われた船員もまた、残された船員たちを襲う。

 

 

皆が良く知っている吸血鬼モノのパターンを、閉ざされた船の中で展開させた、その発想は、特別真新しいわけではないけれど、まあまあ良い発想ではないかな。

 

 

船の中という、外界から隔絶された「密閉」された空間で起こる恐怖と惨劇。上手く作れさえすれば、映画『エイリアン』のような傑作ともなり得ましょう、が

 

 

いかんせん傑作とは

 

 

言い難いなあ。

 

 

 

やっぱりね、ドラキュラさんは「伯爵」つまり貴族なんですよ。だからもっと、貴族らしい高貴な姿をしていないとダメです。

 

しかるに本作のドラキュラさんは、以前にも書いたけど仮面ライダーの蝙蝠男であって

 

 

私が思うドラキュラではない。

 

 

私、ドラキュラには結構うるさいのです(笑)。なにせ子供の頃に、クリストファー・リー演じるドラキュラ伯爵にドハマりして以来、ドラキュラには強い思い入れがありますもんで、まあ、最初からわかっていたこととはいえ、これはドラキュラではありません。

 

 

蝙蝠男です。

 

 

まあ、密閉された空間内で起こる惨劇ということで、その空気感、ピリピリ感やヒリヒリ感(語彙力)はあるものの、吸血鬼モノの「お約束」の範囲内に収まっているので、あまり新味が感じられず

 

 

ホラーとしては、極めて平凡な作りになってしまっている、そんな感じ。

 

 

十字架が効かないってのは、新味だったかもね。でも、宗教的縛りがないというのは、それはそれで、やはりドラキュラではないと思ってしまう。そこら辺りをもっと

 

 

上手く使えなかったものか。

 

 

 

 

 

目の付け所は良かったんですけどね。もうちょっとなんとかならなかったものか。

 

 

うーむ、残念。

 

 

主人公が黒人の医師というのも、ちょっとした違和感を感じてしまった。この時代(1800年代)に、黒人の医者などあり得たのだろうか?これなどは最近の風潮であるガンプラ、じゃないコンプラに配慮したが故ではないのか!?

 

 

なにごとも行き過ぎは良くない。こうしたこともまた、近年のハリウッド映画衰退の原因の一つ、かも知れないなあ。

 

 

もちろん差別は良くない。無くすべきものです。でもね、それはそれ

 

これはこれ、ではないですか?

 

 

まあ、単に私の認識不足で、この時代にも黒人医師はいたというのなら、私の無知をお詫び申し上げる他ありませんが。

 

 

てなわけで、面白くないわけではないけれど、ホラー映画としては平凡な作品でしたね。

 

 

ラスト・シーンは、一応続編が作れそうな終わり方になってるけど、どうかな、続編あるかな。

 

 

あっても、私は観ないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリストファー・リー。

 

 

 

 

これがドラキュラだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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